はじめに

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F案(8.9.3)

設置者の皆様へ 自家用電気工作物に係る手続きのご案内 - 電気事業法に基づく保安規程 主任技術者の届出等について - 平成 24 年 経済産業省中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署

小水力発電に係る電気事業法の規制について

主任技術者制度の解釈及び運用(内規)における年次点検の要件の考え方について

平成19年電気保安講習会

1. 自家用電気工作物とは 自家用電気工作物とは 電気事業法第 38 条において 電気事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物 と定義されており 具体的には 次のようなものが該当します 電力会社等から600Vを超える電圧で受電して電気を使用する設備 ( ビル 工場等の電気設備

電気工作物保安管理業務

スライド 1

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( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

平成 28 年度自家用電気工作物の立入検査結果について中部近畿産業保安監督部電力安全課 1. はじめに電気事業法は 電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによって 1 電気の使用者の利益を保護し 2 電気事業の健全な発達を図るとともに 電気工作物の工事 維持及び運用を規制することによって 3

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

個人情報の保護に関する規程(案)

特定個人情報の取扱いの対応について

目次 1. 選任 ( 電気事業法第 43 条第 1 項 ) 従業員 の考え方について 外部選任について みなし設置者について 3 2. 統括行為 ( 風力 太陽電池及び水力発電所に限る )( 電気事業法施行規則第 52 条第 1 項表第六号 ) 異なる

安全管理規程

自家用電気工作物の安全の確保に関する行政評価・監視 事業場調査結果事例集

制定 改訂日施行日 改訂項目 2015 年 4 月 2 日 - 新規制定 履歴 2015 年 10 月 19 日一部改正 ( 項目の追加等 ) 2017 年 8 月 24 日一部改正 ( 項目の追加 ) 改訂内容 1

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

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つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

みなし登録電気工事業者 ( 建設業者 ) 開始届出必要書類 ( 法第 34 条関係 ) 建設業法に基づく許可を受けた者が電気工事業を開始した ( 営業を行う ) ときは 電気工事業開始届出書 に下表の添付書類を添えて 遅滞なく提出すること 番 届出内容の種類 個人申請法人申請 号 必要書類の名称 主

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

登録審査機関の審査ポイント

2. 法第 43 条第 2 項の許可は 次の基準により行うものとする (1) 電気主任技術者に係る法第 43 条第 2 項の許可は その申請が次の1 及び2の要件に適合し かつ 自家用電気工作物の工事 維持及び運用の保安上支障がないと認められる場合に限り 行うものとする 1 電気主任技術者を選任しよ

第 4 条公共の場所に向けて防犯カメラを設置しようとするもので次に掲げるものは, 規則で定めるところにより, 防犯カメラの設置及び運用に関する基準 ( 以下 設置運用基準 という ) を定めなければならない (1) 市 (2) 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 260 条の2

所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

Q5. 工事担任者資格が必要な工事とは どのようなものですか A5. 利用者が電気通信サービスを利用するための端末設備等の接続に係る工事であり 具体的には 事業用ネットワークへの接続及びこれに伴う調整並びに屋内配線工事など端末設備等の接続により通信が可能となる一切の工事です この工事には 事業用ネッ

別紙 1 電気設備の技術基準の解釈 ( 商局第 4 号 ) の一部を改正する規程新旧対照表 ( 傍線部分は改正部分 ) 改正現行 制定 商局第 4 号平成 25 年 3 月 14 日付け改正 商局第 5 号平成 25 年 5 月 20 日付け改正

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温 30 日 30 日容器以外 )(500リットルを超えるもの) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温容器以外 )(500 リットル以下のもの ) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく指定容器検査機関の

2. 登録講習を実施している機関一般社団法人マンション管理業協会登録年月日平成 13 年 8 月 10 日所在地東京都港区虎ノ門 連絡先 株式会社プライシングジャパン 登録年月日 平成 26 年 10 月 3 日 所在地 埼玉県三郷市上口 連絡先

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都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 ( 平成十二年東京都条例第二百十五号 ) 新旧対照表 ( 抄 ) 改正案現行目次 ( 現行のとおり ) 目次 ( 略 ) 第一条から第百十二条まで ( 現行のとおり ) 第一条から第百十二条まで ( 略 ) ( 土壌汚染対策指針の作成等 ) 第百十三条知事

力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

法律第三十三号(平二一・五・一)

0. 自家用電気工作物について ご存じですか? 電力会社から 600 ボルトを超える電圧で受電する電気設備 や 一定出力以上の発電設備 等は 自家用電気工作物 として電気事業法の規制を受け 国への手続き等が必要となります 詳細は 2ページ 1. 自家用電気工作物とは及び 2. 自家用電気工作物に係る

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13.D種接地工事

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

町田市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例

14個人情報の取扱いに関する規程

個人情報保護規程

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

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注 1: 要件の判断に係る算定に当たっては 複数の発電用の電気工作物が同一の接続地点に接続している場合は 一つの発電用の電気工作物とみなす 注 2: 特定発電用電気工作物に該当しない電気工作物は 発電事業の要件 ( 小売電気事業用等接続最大電力の合計が 1 万 kw 又は 10 万 kw を超えるも

目 次 1. トップランナー制度について 1トップランナー制度の概要について 3 2トップランナー基準に関する基本的な考え方について 5 3トップランナー基準に関する主な規定について 8 4トップランナー基準策定及び運用の流れについて 9 2. ラベリング制度について 1ラベリング制度の概要について

平成27年度事業計画書

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

特定個人情報の取扱いの対応について

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

文書管理番号

個人情報保護規定

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

建設工事入札参加業者等指名停止要領について

岩手医科大学医学部及び附属病院における人を対象とする医学系研究に係るモニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学医学部及び附属病院における 人を対象とする医学系研究に係る モニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学 第 1.0 版平成 29 年 10 月 1 日

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

資料 1 協会員に対する処分及び勧告について 平成 30 年 4 月 18 日 日本証券業協会 本協会は 本日 下記のとおり 法令等違反の事実が認められた協会員に対し 定款第 28 条第 1 項の規定に基づく処分及び同第 29 条の規定に基づく勧告を行いました 記 岩井コスモ証券株式会社 公表前のア

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

届 出 届出時に必要な書類の一覧 [ 建設業法の許可を受けている者に限る ] 記載上の注意を読んで記載してください 項目必要書類様式 No 備考 1 電気工事業者開始届出書 18 2 建設業法許可証の写し 3 主任電気工事士誓約書 c 4 主任電気工事士雇用証明書 d みなし登録 5 主任電気工事士

高圧ガス(第580号),P50-56

劇場演出空間技術協会 個人情報保護規程

1 茨城県認可外保育施設指導監督実施要項(H29.3)

の業務について派遣先が九の 1 に抵触することとなる最初の日 六派遣先への通知 1 派遣元事業主は 労働者派遣をするときは 当該労働者派遣に係る派遣労働者が九の 1の ( 二 ) の厚生労働省令で定める者であるか否かの別についても派遣先に通知しなければならないものとすること ( 第三十五条第一項関係

PowerPoint プレゼンテーション

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

HPIS

一般財団法人短期大学基準協会認証評価実施規程 [ 平成 17 年 4 月 14 日制定 ] [ 平成 20 年 3 月 19 日改正 ] [ 平成 23 年 5 月 26 日改正 ] [ 平成 24 年 3 月 15 日改正 ] [ 平成 27 年 5 月 21 日改正 ] [ 平成 29 年 2

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

柔軟で弾力的な給付設計について

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

接続検討回答書【別添(高圧)】

かなければならず 防犯カメラ設置運用基準に防犯カメラ取扱責任者の設置及び指定に関することについて定めること ( 防犯カメラ設置運用基準の届出等 ) 第 5 条防犯カメラ設置運用基準の届出をしようとする者は 防犯カメラを設置しようとする日の14 日前までに 防犯カメラ設置運用基準届 ( 別第 1 号様

個人情報の取り扱いに関する規程

暴力団対策措置要綱

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

Microsoft Word - 細則本文(H25.6.1~)

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

第 2 条ガイアは 関係法令等及びこれに基づく告示 命令によるほか業務要領に従い 公正 中立の立場で厳正かつ適正に 適合審査業務を行わなければならない 2 ガイアは 引受承諾書に定められた期日までに住宅性能証明書又は増改築等工事証明書 ( 以下 証明書等 という ) を交付し 又は証明書等を交付でき

個人情報管理規程

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

現場代理人及び主任技術者等の資格要件について 平成 30 年 9 月 18 日 本市では この度銚子市建設工事請負契約約款 ( 工事約款 ) を一部改正し 現場代理人の常駐義務を緩和する旨の規定 ( 工事約款第 12 条第 4 項 ) を追加しました これを受け 下記のとおり取り扱うこととしますので

宮城県道路公社建設工事総合評価落札方式(簡易型及び標準型)実施要領

(3) 業務委託に係る調査研究事業の監督 (4) 業務委託に係る調査研究事業の成果の検査 2 前項の職務は会議における合議により決議するものとし 軽微な事項については持ち回りにより行うことができるものとする ( 会議の庶務 ) 第 6 条管理会議の庶務は事務局において処理する 第 3 章業務委託の要

二頁第三条第三項中 国家公安委員会 を 前項に定めるもののほか 国家公安委員会 に改め 同項を同条第五項とし 同条第二項の次に次の二項を加える 3国家公安委員会は 毎年 犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で 特定事業者その他の事業者が行う取

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

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( 資料 1) 保安管理業務外部委託のあり方について ( 案 ) 平成 19 年 5 月 16 日 原子力安全 保安部会 電力安全小委員会

目 次 1. はじめに 1 2. 保安管理業務の現状 2 2.1. 自家用電気工作物の設置件数及び保安管理業務外部委託の状況 2 2.2. 保安管理業務への新規参入の状況 2 2.3. 保安管理業務の現状 2 3. 検討課題及び検討方針 4 3.1. 検討課題 4 3.2. 検討方針 5 4. 審査基準の制定の考え方 6 4.1. 民間規格の活用 6 4.2. 今後の課題 6 5. おわりに 9 6. 委員構成 10 参考資料 11

1. はじめに 電気事業法により 事業用電気工作物を設置する者は 電気主任技術者を選任し 保安の監督を行わせることが義務づけられている ただし 小規模の需要設備を設置する者の中には 有資格の電気主任技術者を選任することが困難な場合があり 一定の条件を満たす場合 保安業務を外部委託することができることとしている 必ずしも専門的知識を持たない設置者が 専門知識を有する者に点検を行わせ 必要な助言 指示を受けることにより 電気工作物を技術基準に適合するように維持する義務を果たせるようにしているものである 平成 15 年 7 月に電気事業法施行規則が改正されて 保安管理業務を受託する者 ( 以下 外部委託先 という ) となれるのは 個人の電気管理技術者及び経済産業大臣が指定する者だけに限定されていたが 平成 16 年 1 月よりその限定がなくなり 平成 18 年 12 月末現在で 18 0 以上の法人が当該業務に参入している 参入法人が増え 多くの法人が保安管理業務を実施するようになることは 競争原理により産業活動の活性化を図るという制度改正の趣旨に合致するものである 一方 単なる価格競争に陥り 外部委託先が行う保安業務の質が低下して保安確保に支障を来すようなことはあってはならない 自家用電気工作物の保安を確保するためには それぞれの法人が一定のレベル以上で保安管理業務を実施することが必要である かかる状況の下 日本電気技術規格委員会において 保安管理の適切性を確認できる要件等を定めた民間規格である 自家用電気工作物保安管理規程 の評価が行われ 平成 19 年 1 月に日本電気技術規格委員会規格として承認された 本ワーキンググループにおいては これらの状況を踏まえて 外部委託先の電気管理技術者及び外部委託先の法人の保安業務担当者 ( 以下 電気管理技術者等 という ) が自家用電気工作物の保安の監督を行うに当たって 保安規程に定める内容 電気管理技術者等の職務などに関する基準について検討を行った

2. 保安管理業務の現状 2.1. 自家用電気工作物の設置件数及び保安管理業務外部委託の状況平成 17 年度末の全国の自家用電気工作物の設置件数は 796,6 92 事業場である そのうち 約 9 割を占める 715,654 事業場が保安管理業務を外部委託している 2.2. 保安管理業務への新規参入の状況平成 16 年 1 月以降 保安管理業務を受託している法人数は以下のとおりである 平成 16 年末 118 社平成 17 年末 171 社平成 18 年末 187 社 2.3. 保安管理業務の現状近年 産業保安監督部が自家用電気工作物に対して実施する立入検査において 下表に示すとおり 自家用電気工作物の設置者及び外部委託先が行う保安の状況が適切でない事例が見られた 立入検査での指摘で一番多いのが技術基準に抵触しているといった施設 状況のものである 技術基準に抵触するということは 点検が適切に行われ なかったことが考えられる 多くの指摘事項については 法令等により基準が定められており 設置者 がその基準どおりに行うことで 改善されている しかしながら 点検については 外部委託先が行う点検頻度が定められているものの 点検内容を定めているものはない したがって 保安管理業務を適確に行う上で 点検内容の要求事項を明確にする必要がある

立入検査実施件数及び指摘件数の推移 ( 保安管理業務を外部委託している事業場に係るもの ) 立入検査実施件数 指摘件数合計 うち技術基準不適合 平成 15 年度 402 334 126(77) 平成 16 年度 324 457 143(92) 平成 17 年度 334 373 155(89) 平成 18 年度 315 433 156(90) ( ) 内の数字は設置者数

3. 検討課題及び検討方針 3.1. 検討課題 3.1.1. 法令上の要求事項電気事業法施行規則 平成 15 年経済産業省告示第 249 号 主任技術者制度の解釈及び運用 ( 内規 ) において 経済産業大臣が保安管理業務外部委託承認するための要件を定めているが 主に以下のようなものがある 電気管理技術者等が電気主任技術者免状の交付を受けていること 別に告示する要件に該当していること 施行規則 申請事業場の電気工作物の点検を 別に告示する頻度で行うこと並びに災害 事故その他非常の場合における当該事業場の電気工作物を設置者と委託契約の相手方との連絡その他電気工作物の工事 維持及び運用の保安に関し 設置者及び委託契約の相手方の相互の義務及び責任その他必要事項が委託契約に定められていること 施行規則 電気管理技術者等が保安管理業務を実施する事業場の種類及び規模に応じて別に告示する算定方法で算定した値が別に告示する値未満であること 施行規則 3.1.2. 課題現時点では 電気事業法施行規則 平成 15 年経済産業省告示第 2 49 号 主任技術者制度の解釈及び運用 ( 内規 ) において 点検の内容に関する具体的な要求事項は規定していなかったため 点検の内容如何にかかわらず 保安管理業務外部委託が承認されている また 電気管理技術者等が行う点検の内容に不備がある場合にも 保安管理業務外部委託承認を取り消すことはできない したがって 外部委託先が行う保安管理業務のレベルを一定に保ち 設備の安全を確保するには 保安管理業務外部委託承認時に点検内容を審査する基準を制定する必要がある 3.2. 検討方針主任技術者制度の解釈及び運用 ( 内規 ) の追加する内容として外部委託先が行う点検内容の要求事項を明確にした保安管理業務外部委

託承認の審査基準を定める際の民間規格の活用の考え方及び活用の方法などについて 本ワーキンググループにおいて検討した 審査基準である保安管理業務外部委託承認の条件に点検の内容を含めることにより 適切な保安業務の実施を確実にすることができ 仮に審査基準に適合しないような状況が見出された場合には 当該外部委託先に係る保安管理業務外部委託承認を取り消し 改めて適切な内容で保安業務を行うことを求めることができるようになる また 保安管理業務外部委託承認の審査基準を定める場合には 保安規程変更命令の発動基準にも用いることを検討する

4. 審査基準の制定の考え方 4.1. 民間規格の活用自家用電気工作物保安管理規程は 高圧又は低圧の自家用電気工作物の工事 維持及び運用に関し 自家用電気工作物の設置者 電気主任技術者 保安管理業務受託者 保安業務従事者等 電気保安に係る関係者の職責に応じた保安管理の適切性を確認できる要件等を規定するとともに 保安管理に関する技術的要求事項として設備の保守 点検の内容等を規定し 平成 19 年 1 月に日本電気技術規格委員会規格 JESC E0021(2007) として承認された民間規格である この民間規格に従って保安管理業務が実施されれば 概ね適切な保安確保が図られると考えられる したがって この民間規格のうち 外部委託先が実施すべき事項を整理することにより 規制上の要件を抽出することは合理的であると考えられる このような考え方に基づいて審査基準案を作成する際には 基本的に自家用電気工作物保安管理規程の中の保安管理に関する部分の 義務的事項 及び 勧告的事項 を活用することが適当であると考えられる 一方 推奨的事項 は保安には直接関係しない事項が記載されており これを規制上の要求とすることは適当ではない また 解説 は 字義通り本文の内容を補足するものであり 必ずしも規制上の要求として位置づけるべきものではないが 一部 義務的事項 及び 勧告的事項 の例外を説明しているものがあるため そのような部分については必要に応じて審査基準に取り入れるべきであると考えられる こうした考え方にしたがって 民間規格の内容を踏まえて策定した審査基準案を参考資料 2 として添付した なお 実際に審査基準を制定するにあたっては パブリックコメント制度による意見公募等を経て 制定する必要がある 4.2. 今後の課題自家用電気工作物に係る安全確保は 設置者による自主保安を基本としている しかしながら 多くの需要設備設置者等においては 電気に関する専門知識を有する者を雇用することが現実的には困難である状況を踏まえ 外部委託により有資格者に保安の監督を行わせることができるようにしている 外部委託制度の下では 委託を受けた外部委託先が その専門知識を活用して的確に電気工作物の安全確保を図ることが

不可欠である 一方 外部委託をした場合でも 電気工作物を技術基準に適合するように維持する義務は設置者に課せられており 外部委託先から設備の改修等について指示 助言を受けた場合には 適切に改修等を行うことが求められる 国の役割は こうした保安活動が確実に行われるよう適切に監督を行うことにある 今回 自家用電気工作物の保安管理に係る外部委託制度に関して 多数の法人が外部委託を受けて保安管理業務を実施するようになった状況を踏まえて 保安管理業務の内容に係る規制上の要求事項を明確化するための考え方を整理した 今後 保安管理業務外部委託承認の審査基準を原子力安全 保安院の内規として定めて これによる運用の実効性を高めるためには 国 保安管理業務の外部委託先及び設置者の三者にそれぞれ以下の対応が求められる 国においては 第一に審査基準を策定し 新規の外部委託承認案件がある時に適切に運用する必要がある また 策定した審査基準について設置者及び保安管理業務の外部委託先に対して十分な広報活動を行うことが重要である 広報活動は 各地での説明会の開催やホームページでの紹介などが効果的と考えられる また 既存の設備に対しても 保安規程の変更時などに本審査基準を示し 遵守するように普及啓発活動を行うことも有効である 第二に 審査基準の運用面における実効性を高めるため 国は審査基準の策定とともに自家用電気工作物に対する保安管理業務が適切に行われているかどうかを立入検査等でチェックし 適切な指導 監督に努める必要がある また 不適切な保安管理業務を行っている外部委託先については その内容によっては公表するといった措置をとるなど実効性を高める方策についても検討すべきである 外部委託先においては 必ずしも十分な専門知識を有していない設置者に代わって電気工作物の保安を確保する役割を担っていることを十分に認識して業務を的確に遂行することが必要である このため 新たな審査基準策定後に契約を結ぶものだけでなく 既に受託している保安管理業務についても点検内容に係る審査基準に適合した保安管理業務を実施して 委託契約先の電気工作物の保安を確保していくことが求められる 設置者においては 外部委託を行う場合でも電気工作物を設置する者としての義務を確実に果たすことが必要である すなわち 外部委託先からの指示 助言に基づいて必要な措置を講ずるとともに 保安管理業務の外部委託先の選定や保安規程の策定に当たって 点検内容に係る審査基準を活用する等により適切な対応を行うことが求められる

5. おわりに 電気主任技術者の果たすべき業務を外部委託できる相手方について 従前は指定法人 ( 財団法人の電気保安協会 ) 又は個人の電気管理技術者に限っていたが 平成 13 年 3 月に閣議決定された 規制改革推進 3 か年計画 において 財団法人の電気保安協会以外の一定の要件を満たす法人についても受託できるよう検討することとされ また 平成 14 年 3 月に閣議決定された 公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画 においても 自家用電気工作物の保安監督業務を受託できる法人について国が指定する仕組みを廃止することとなった これらを受けて 総合資源エネルギー調査会原子力安全 保安部会における検討を経て 平成 15 年 10 月 1 日に電気事業法施行規則改正及び告示制定を行い 平成 16 年 1 月 1 日から電気保安協会以外の法人についても保安管理業務の委託を受けることができることとした この規制緩和については 設置者の適切な自主保安を前提として制度改正されたものであるが 今般 制度改正後の状況を踏まえた課題への対応について対応策を検討した 保安管理業務における点検内容の審査基準を定めて適切に運用していくことにより保安の質を確保していくことが期待される 今後 さらに運用状況を点検し 技術の進歩等に迅速に対応し 審査基準に取り込む等の見直しを続けていくことが必要である

6. 委員構成 主査横山明彦東京大学大学院工学系研究科教授 委員秋庭悦子 ( 社 ) 日本消費生活アドバイザー コンサルタント協会常任理事東日本支部支部長 飯島和夫 ( 株 )NTT ファシリティーズ中央電気保安管理サービス部長 小黒隆二ジェイアール東日本ビルテック ( 株 ) ビル事業統括部担当部長 (( 社 ) 全国ビルメンテナンス協会 ) 澤孝一郎慶應義塾大学名誉教授 鶴野親紀全国電気管理技術者協会連合会副会長 仁田旦三 ( 財 ) 電力中央研究所研究顧問 平野正樹電気保安協会全国連絡会議専務理事 備後俊雄コスモ石油 ( 株 ) 千葉製油所電気主任技術者 ( 関東東北産業保安監督部管内電気主任技術者会 ) 宮島啓成三菱地所 ( 株 ) ビル事業本部ビル管理部参事 (( 社 ) 日本ビルヂング協会連合会 )

参考資料 1. 自家用電気工作物の保安に係る現行制度 12 2. 点検内容に係る審査基準案 16 3. 自家用電気工作物の保安規制に係る法令等 20

1. 自家用電気工作物の保安に係る現行制度 1.1. 自家用電気工作物とは電気工作物は 事業用電気工作物 と 一般用電気工作物 の 2 つに分類される 基本的には 電力会社から 100V や 200V( 低圧 ) で受電する電気設備 ( 一般家庭等 ) は 一般用電気工作物 であり 600V を超える 6,600V ( 高圧 ) 22,000V や 66,000V( 特別高圧 ) で受電する電気設備は 事業用電気工作物 となる 更に 事業用電気工作物 は 電力会社の発電所 変電所 送電線等の 電気事業の用に供する電気工作物 とビル 工場 建設現場等に設置される電気設備の 自家用電気工作物 の 2 つに分類される 事業用電気工作物一般用電気工作物以外の電気工作物 ( 例 ) 電力会社 工場等の発電所 変電所 送電線路 配電線路 需要設備 電気工作物 自家用電気工作物事業用電気工作物のうち 電気事業の用に供する電気工作物以外のもの ( 例 ) 発電所 変電所 送電線路 配電線路 工場 ビル等の 600V を超えて受電する需要設備 一般用電気工作物 600V 以下で受電 又は一定の出力未満の小出力発電設備で受電線路以外の線路で接続されていない等安全性の高い電気工作物 ( 例 ) 一般家庭 商店 コンビニ 小規模事務所等の屋内配線一般家庭用太陽光発電 1.2. 自家用電気工作物に係る保安規制自家用電気工作物を設置する者 ( 以下 設置者 という ) は 公共の安全の確保及び環境の保全を図るために 設置者自らが自己責任のもとに電気の保安を確保する義務があり 電気事業法の規定により 次のことを行う必要がある

条文義務概要設置者は 事業用電気工作物を経済産業省事業用電気工作物の維持 1 39 条令で定める技術基準に適合するように維持す / 技術基準適合維持ること 設置者は 事業用電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安を確保するために保安保安規程の制定 届出 2 42 条規程を定め 経済産業大臣に届け出ること 遵守また 設置者及びその従業者は 保安規程を守ること 設置者は 事業用電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安の監督をさせるために 3 43 条主任技術者の選任 届出主任技術者を選任し 経済産業大臣に届け出ること 主任技術者のうち 電気主任技術者は全ての事業用電気工作物について選任しなければならないが 加えて 一定の水力発電所についてはダム 水路主任技術者を 一定の火力発電所についてはボイラー タービン主任技術者を選任する必要がある このほか 電気事故が発生した場合は事故報告 廃止した場合は廃止報告 受電電圧 1 万 V 以上の需要設備 ばい煙発生施設等を設置する場合は工事計画の事前届出等を行う必要がある 1.3. 保安規程について 保安規程の役割 設置者は 事業用電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安を確保するため 保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに保安規程を定め 当該組織における事業用電気工作物の使用等の開始前に 経済産業大臣に届け出なければならない ( 電気事業法第 42 条第 1 項 ) 設置者及びその従業者は 保安規程を守らなければならない ( 同条第 4 項 ) 保安規程に定めるべき事項 保安規程には次の事項について定める必要がある ( 施行規則第 50 条第 1 項 ) 電気工作物の工事 維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること

電気工作物の工事 維持又は運用に従事する者に対する保安教育に関すること 電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安のための巡視 点検及び検査に関すること 電気工作物の運転又は操作に関すること 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること 災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること 電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安についての記録に関すること 電気工作物の法定事業者検査に係る実施体制及び記録の保存に関すること その他事業用工作物の工事 維持及び運用に関する保安に関し必要な事項 1.4. 電気主任技術者について 電気主任技術者の役割 事業用電気工作物の設置者は 事業用電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安の監督をさせるため 電気主任技術者を選任し その旨を経済産業大臣に届け出なければならない ( 電気事業法第 43 条第 1 項 3 項 ) 電気主任技術者は 事業用電気工作物の工事 維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない ( 同条第 4 項 ) 事業用電気工作物の工事 維持又は運用に従事する者は 電気主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない ( 同条第 5 項 ) 事業用電気工作物の保安を確保するために設置者が定めるルールが保安規程であり そのルールに則って行う保安の監督の業務を行う者が電気主任技術者である

1.5. 保安管理業務の外部委託制度について 制度の概要 2.1.4. において電気主任技術者を選任することが義務づけられているが 電気事業法施行規則第 52 条第 2 項により 電気主任技術者免状の交付を受けている者を雇用することが困難な設置者に配慮し 一定の自家用電気工作物に係る事業場 ( ) の工事 維持及び運用に関する保安の監督に係る業務 ( 以下 保安管理業務 という ) を委託する契約を同規則第 52 条の 2 に規定する要件を満たす個人 ( 電気管理技術者 ) 又は法人 ( 電気保安法人 ) と締結している場合であって 同規則第 53 条第 2 項に規定する基準に適合しているものとして経済産業大臣の承認 ( 保安管理業務外部委託承認 ) を受けたものについては 電気主任技術者を選任しないことができることとしている ( ) 一定の自家用電気工作物に係る事業場 とは以下のとおりである 1 出力 1 000kW 未満の発電所 ( 原子力発電所を除く ) 2 電圧 7 000V 以下で受電する需要設備 3 電圧 600V 以下の配電線路を管理する事業場 保安管理業務外部委託承認の要件上記承認の要件については (1) 委託先の点検者は所定の実務経験の有する有資格者であること (2) 委託先の点検者は設備に応じた頻度で点検を行うこと (3) 委託先は保安管理業務が適確に行える範囲で業務を受託すること (4) 委託先は保安管理業務の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないことなどがあり 具体的な基準は告示や内規に定められている

2. 点検内容に係る審査基準案 工事 維持及び運用に係わる巡視 点検及び検査に関する審査基準について ( 案 ) 保安管理業務外部委託承認に関する工事 維持及び運用に係わる巡視 点検及び検査に関する審査基準は以下のとおりとする 1. 工事 維持 運用に係わる基本原則 (1) 電気管理技術者又は保安業務従事者 ( 以下 電気管理技術者等 という ) は 保安規程に基づき 次のいずれかの方法により 自家用電気工作物の技術基準への適合状況を確認すること 1 自らが巡視 点検及び検査を実施 2 電気使用場所の巡視 点検及び検査について その監督の下 当該事業場の従業員の中から所要の知識と技能を有すると認められるものに行わせ その記録を確認 (2) 電気管理技術者等は 自家用電気工作物の技術基準への適合状況を確認するため 工事期間中の巡視及び点検並びに月次点検及び年次点検を行うこと (3) 月次点検は 設備が運転中の状態において点検を実施するものをいう また 年次点検は 主として停電により設備を停止状態にして点検を実施するものをいう (4) 電気管理技術者等は 工事期間中の巡視 点検により 技術基準への適合性を確認した結果 不適合又は不適合のおそれがあると判断した場合は 設置者に技術基準に適合するようにするためにとるべき措置及びその措置を取らなかった場合に生じると考えられる結果を報告すること (5) 電気管理技術者等は 月次点検及び年次点検の結果に基づき 技術基準への不適合又は不適合の恐れがあると判断した場合は 設置者に修理 改造を指示又は助言すること 2. 工事期間中の巡視及び点検 (1) 工事期間中の点検は 電気事業法施行規則第 53 条第 2 項第 5 号の頻度で行うこと (2) 工事期間中の巡視及び点検は 次の各号により行うこと 1 自家用電気工作物の工事が完了するまでに 巡視及び外観点検を

行い 電気工作物が計画どおりに施工されていること及び技術基準への適合状況を確認すること 21 の確認は 次の各号に掲げる設備ごとに その施工状況について行うこと (a) 引込設備 ( 区分開閉器 引込線 支持物 ケーブル等 ) (b) 受電設備 ( 断路器 電力用ヒューズ 遮断器 高圧負荷開閉器 変圧器 コンデンサ及びリアクトル 避雷器 計器用変成器 母線等 ) (c) 受 配電盤 (d) 接地工事 ( 接地線 保護管等 ) (e) 構造物 ( 受電室建物 キュービクル式受 変電設備の金属製外箱等 ) 配電設備 (f) 発電設備 ( 原動機 発電機 始動装置等 ) (g) 蓄電池設備 (h) 負荷設備 ( 配線 配線器具等 ) 3. 月次点検 (1) 月次点検は 電気事業法施行規則第 53 条第 2 項第 5 号の頻度で行うこと (2) 月次点検は 次の各号により行うこと 1 外観点検は 次に掲げる要件により行うこと (a) 外観点検は 次に掲げる項目について行うこと a. 電気工作物の異音 異臭 損傷 汚損等の有無の確認 b. 電線と他物との離隔距離の適否の確認 c. 機械器具 配線の取り付け状態及び過熱の有無の確認 d. 接地線等の保安装置の取り付け状態の確認 (b) 外観点検は 次に掲げる設備に対して行うこと a. 引込設備 ( 区分開閉器 引込線 支持物 ケーブル等 ) b. 受電設備 ( 断路器 電力用ヒューズ 遮断器 高圧負荷開閉器 変圧器 コンデンサ及びリアクトル 避雷器 計器用変成器 母線等 ) c. 受 配電盤 d. 接地工事 ( 接地線 保護管等 ) e. 構造物 ( 受電室建物 キュービクル式受 変電設備の金属製外箱等 ) 配電設備 f. 発電設備 ( 原動機 発電機 始動装置等 )

g. 蓄電池設備 h. 負荷設備 ( 配線 配線器具等 ) 2 次に掲げる測定により設備状態を確認する (a) 配電盤等に取り付けられている電圧計 電流計により 電圧 負荷電流を測定し 電圧値の適否及び過負荷等を確認 (b)b 種接地工事の接地線に流れる漏洩電流を測定し 低圧回路の絶縁状態を確認 (c) 高圧機器本体及び接続部等の温度測定等により過熱を確認 31 及び 2 の点検のほか 設置者及び従事者に 日常巡視等において異常等がなかったか否か問診を行い 異常があった場合には 専門家としての観点から点検を行う 4. 年次点検 (1) 年次点検は 1 年に 1 回以上行うこと ただし 機器ごとの信頼性並びに (2) の各号の点検と同等と認められる手法によって確認した場合にあっては その結果により当該点検の一部に替えることができる その場合であっても 3 年に 1 回以上停電により設備を停止状態にして点検を実施すること (2) 年次点検は 前項の月次点検による他 次の各号により行うこと 1 運転状態においては点検が困難な設備について異臭 損傷 汚損等の有無の確認 2 絶縁抵抗計を用いて低圧電路の絶縁抵抗を測定し電気設備に関する技術基準を定める省令第 58 条で規定された値以上であることを確認 また 高圧電路については大地及び他の電路と絶縁されていることを確認 3 接地抵抗計を用いて接地抵抗を測定し 電気設備の技術基準の解釈第 19 条で規定された値以下であることを確認 4 保護継電器試験器等により動作及び動作特性についての試験を行い 継電器の動作及び動作特性について確認 5 非常用予備発電装置が商用電源停電時に自動的に起動し 送電後停止することを確認するほか 発電電圧及び発電電圧周波数 ( 回転数 ) や保護継電器の動作が正常であることを確認 6 蓄電池設備の外観点検のほか セルの電圧 電解液の比重 温度等を測定し 蓄電池が劣化していないことを確認 7 その他必要に応じた測定 試験

5. 警報発生時の処置電気管理技術者等は 設置者が自家用電気工作物の低圧電路の絶縁状況を監視する装置を用いる場合 警報発生時 ( 警報動作電流以上の漏えい電流 ( 上限値は 50mA とする 以下同じ ) が 5 分間を超えて継続 又は継続時間が 5 分に満たない警報動作電流以上の漏えい電流が繰り返し発生している旨の警報を受信した場合 ) は 警報発生原因を調査し適切な措置を行うこと 6. 事故 故障発生時の処置 (1) 電気管理技術者等は 設置者又は従事者から事故 故障が発生した場合や発生するおそれのある場合の連絡又は報告を受けた場合は 現状の確認 送電停止 電気工作物の切り離し等に関する指示を行うこと (2) 電気管理技術者等は 事故 故障等の状況に応じて 臨時点検を行うこと (3) 電気管理技術者等は 事故原因が判明した場合 事故を再発させないよう改善等の対策について設置者に指示又は助言すること (4) 電気関係報告規則による事故報告が必要な場合において 電気管理技術者等は設置者に対し 事故報告するよう指示を行うこと

3. 自家用電気工作物の保安規制に係る法令等電気事業法 ( 関係条文のみ ) 電気事業法施行規則 ( 関係条文のみ ) 平成 15 年経済産業省告示第 249 号 主任技術者制度の解釈及び運用 ( 内規 ) を次に示す