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(2) 傷病分類別ア入院患者入院患者を傷病分類別にみると 多い順に Ⅴ 精神及び行動の障害 千人 Ⅸ 循環器系の疾患 千人 Ⅱ 新生物 千人となっている 病院では Ⅴ 精神及び行動の障害 千人 Ⅸ 循環器系の疾患 千人 Ⅱ 新生物 147.

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ゲノム医療実現に向けた対象疾患の考え方 ( 案 ) 資料 3-1 1. これまでの整理について において 比較的エビデンスが蓄積されており 医療への実利用が近い疾患 領域であり 着実に推進する必要がある 第 1 グループと ( 医療への実利用は近くないが ) 多くの国民が罹患する一般的な疾患への対応にゲノム情報等を応用する 第 2 グループに整理された なお 医療分野研究開発推進計画 ( 健康 医療戦略推進本部決定 ) においてゲノム医療については ( 前略 ) 疾患と遺伝的要因や環境要因等の関連性の解明の成果を迅速に還元するため 解析基盤の強化を図るとともに 特定の疾患の解明及びこれに対する臨床応用の推進を図る とされている また 2020 年の達成目標 ( 案 ) は以下とする方向である 糖尿病などに関するリスク予測や ( 層別化 ) や 薬剤の選択 最適化等に係るエビデンスの創出 発がん予測 抗がん剤等の反応性や副作用の予測に係る臨床研究の開始 認知症 感覚器系領域のゲノム医療に係る臨床研究の開始 神経 筋難病等の革新的な 法に係る臨床研究の開始 2. 今後の方向性について AMED で行う研究の方向性については 第 1 第 2 グループの考え方にさらに 基礎となる長期の基盤的研究が必要なグループ 5 年以内に実用化への臨床研究に移行が見込めるグループ 5 年以内に医療実用化が見込めるグループ のステージ別の視点を加えて進捗管理を行い 必要に応じて推進すべき疾患領域の見直しを行うこととする 今後 AMED においては 現時点での研究の進捗状況を踏まえ 医療分野研究開発推進計画 における 2020 年の達成目標に向けて 原則として 単一遺伝子性疾患については 5 年以内の医療実用化 に資する研究を 多因子性疾患については 実用化に向けた臨床研究への 5 年以内の移行 に資する研究課題に注力して推進を行うこととする

研究から医療へ より医療への実利用が近いもの ゲノム医療研究推進ワーキンググループ報告書 (AMED) 臨床ゲノム情報統合データベース公募 対象疾患の考え方の方向性 第 1 グループ ( 主に を目指す ) 医療への実利用が近い疾患 領域の着実な推進 単一遺伝子疾患 希少疾患 難病 ( 生殖細胞系列由来 DNA 等に存在する多型 変異等が疾患の発症に強い影響を与える ) 認知症 がん (ICGC SCRUM-Japan) 難病 ( 難治性疾患実用化研究 IRUD) 感染症 認知症 難病 がん 感染症 認知症 第 2 グループ ( 主にを目指す ) 多くの国民が罹患する一般的な疾患への対応への応用を目指す 第 6 回ゲノム医療実現推進協議会資料 3-1 一部改変 研究の促進 医療への実利用には長い時間を要するもの ゲノム医療研究推進ワーキンググループ報告書 (AMED) ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業公募 がん ( 体細胞変異が疾患の発症と関与している ) 感染症 ( 健康に影響を与える病原体が関与している ) ファーマコケ ノミクス ( 副作用回避や薬効予測 ) 未疾患 糖尿病 循環器疾患等 ( 多くの国民が罹患する一般的な疾患 ) 研究成果を医療に応用するのに長い時間を要するもの 糖尿病 循環器疾患等 ( 多くの国民が罹患する一般的な疾患 ) がん 感染症 自閉症スヘ クトラム うつ病 統合失調症 認知症 アレルギー疾患 ファーマコケ ノミクス ( 多数の遺伝子変異が複合的に関係したり 環境要因の影響を受ける等多因子が関与することから 必要に応じて第 2 グループでも扱うべき ) 糖尿病 循環器疾患等 ( 多因子疾患 ) がん 感染症 自閉症スヘ クトラム うつ病 統合失調症 認知症 アレルギー疾患 ( 複数の遺伝子多型が相互に関係したり環境の影響を受ける多因子が関与する疾患 ) 1

研究から医療へ より医療への実利用が近いもの 研究の促進 医療への実利用には長い時間を要するもの ゲノム医療研究推進ワーキンググループ報告書 (AMED) 新規 既存 臨床ゲノム情報統合データベース整備事業 ゲノム医療実用化推進研究事業 難治性疾患実用化研究事業 未疾患イニシアティブ ウイルス等疾患 精神疾患研究 ゲノム医療研究推進ワーキンググループ報告書 (AMED) 新規 既存 ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業 BBJ( 医科研 ) オーダーメイド医療の実現プログラム TMMB( 東北 ) 東北メディカル メガバンク計画 NCB(NC) インハウス 第 1 グループ ( 主に を目指す ) 医療への実利用が近い疾患 領域の着実な推進 単一遺伝子疾患 希少疾患 難病 認知症 ( 生殖細胞系列由来 DNA 等に存在する多型 変異等が疾患の発症に強い影響を与える ) がん (ICGC SCRUM-Japan) 難病 ( 難治性疾患実用化研究事業 IRUD) 感染症 認知症等 難病 がん 感染症 認知症 難病 ( 炎症性腸疾患 Fabry 病 ) がん ( 乳がん ) 遺伝性の神経筋疾患 ( 変性 / 脱髄 / てんかん / ミオパチー等 ) 免疫 炎症性疾患 性分化 / 成熟異常 血液疾患 循環器疾患 ( 心筋症等 ) < 新興 再興感染症制御プロジェクト > 肝炎 (B/C 型肝炎 ) HIV < 脳とこころの健康大国実現プロジェクト > 自閉スペクトラム障害 統合失調症 双極性障害 認知症 がん ( 体細胞変異が疾患の発症と関与している ) 感染症 ( 健康に影響を与える病原体が関与している ) ファーマコケ ノミクス ( 副作用回避や薬効予測 ) 未疾患 対象疾患の考え方の方向性 がん 循環器病 精神 神経 筋疾患 発達障害 感染症 代謝疾患 免疫異常 成育疾患 老年病 第 2 グループ ( 主にを目指す ) 多くの国民が罹患する一般的な疾患への対応への応用を目指す 糖尿病 循環器疾患等 ( 多くの国民が罹患する一般的な疾患 ) 糖尿病 循環器疾患等 ( 多くの国民が罹患する一般的な疾患 ) がん 感染症 自閉症スヘ クトラム うつ病 統合失調症 認知症 アレルギー疾患 ファーマコケ ノミクス ( 多数の遺伝子変異が複合的に関係したり 環境要因の影響を受ける等多因子が関与することから 必要に応じて第 2 グループでも扱うべき ) 糖尿病 多因子疾患 ファーマコケ ノミクス 精神疾患 パーキンソン病 情報解析技術開発 多因子性疾患 ( がん 循環器 呼吸器 代謝内分泌 自己免疫 婦人科 眼科疾患 認知症などの 51 疾患 単一遺伝子性疾患は含まない ) 一般住民 成人 : 心血管障害 精神神経疾患 ( うつ PTSD) 認知症 呼吸器疾患 (COPD) 小児 : アレルギー疾患 ( アトピー性皮膚炎 ぜんそく ) 自閉症

ん難病感染症5 感染症が一遺伝子性疾患認知症ゲノム医療推進協議会 の分類に基づいた医療実装 ( 出口 ) のパターン 第 1グループ : 比較的エビデンスが蓄積されており 医療への実利用が近い疾患 領域であり 着実に推進する必要がある領域 第 2グループ : 医療への実利用には長い時間を要するが 多くの国民が罹患する一般的な疾患であり 着実に推進する必要がある領域 発症 非 法至適化 (PGx 1 等 ) 1 がん ( 非遺伝性 体細胞系 ) 原因 関連遺伝子変異同定 CDx 2 第 1G の提供 2がん ( 遺伝性 生殖細胞系 ) 3 難病 ( 単一遺伝子性 ) 4 難病 ( 多因子性 ) 単的 (HBOC 3 等 ) 4 疾患の保因者重症化予測 重症化予測 既存薬の選択 遺伝子 新規薬開発 重症化予測 ( 宿主 ) 疾患 ( 病原体 ) 6 認知症 ( 多因子性 ) 5 疾患重症化予測 第 2G 予測 の確立 7 糖尿病 循環器疾患等 重症化予測 1 PGx( ファーマコゲノミクス ): ゲノム情報を用いた薬剤投与法の最適化 ( 応答性 副作用発現予測および投与量等 ) 2 CDx( コンパニオン ): ファーマコゲノミクスの中で抗がん剤投与の最適化 3 HBOC( 遺伝性乳がん 卵巣がん ) に対する的乳房切除 4 症状顕在化を含む ( 例 : 新生児マススクリーニング ) 5 認知症には一部遺伝性が存在するが ここでは多因子性とする 既存薬の選択 3

ゲノム医療実現への出口を見据えた研究開発フェーズ 基礎となる長期の基盤的研究が必要なグループ (Stage0) 5 年以内に実用化への臨床研究に移行が見込めるグループ (Stage1) 5 年以内に医療実用化が見込めるグループ (Stage2) に分類 第 1 グループ : 主に の提供 第 2 グループ : 主に予測 の確立 非 法至適化 非 法至適化 ア. 保険収載 / 先進医療 イ. インフラ整備 ( 遺伝子検査施設 ゲノム医療提供拠点 電子カルテ情報統合 ) ウ. 標準化 ( 遺伝子検査手法 / 質 カウンセリング / 返却方法等 ) エ. 教育 / 人材育成 / 啓発 ELSI 個人情報保護対応等 コンパニオン コンパニオン Stage 2 5 年以内に医療実用化が見込めるグループ 臨床研究 / 同等性試験 臨床研究 臨床研究 / 同等性試験 臨床研究 Stage 1 5 年以内に Stage 2( 実用化への臨床研究 ) に移行が見込めるグループ 当該遺伝子機能解析 責任 関連遺伝子同定 Stage 0 基盤となる長期の基盤的研究が必要なグループ データ蓄積 4

ゲノム医療実現への出口を見据えた研究開発フェーズ (AMED 事業 ) 基礎となる長期の基盤的研究が必要なグループ (Stage0) 5 年以内に実用化への臨床研究に移行が見込めるグループ (Stage1) 5 年以内に医療実用化が見込めるグループ (Stage2) に分類 第 1 グループ : 主に の提供 第 2 グループ : 主に予測 の確立 非 法至適化 非 法至適化 ア. 保険収載 / 先進医療 イ. インフラ整備 ( 遺伝子検査施設 ゲノム医療提供拠点 電子カルテ情報統合 ) ウ. 標準化 ( 遺伝子検査手法 / 質 カウンセリング / 返却方法等 ) エ. 教育 / 人材育成 / 啓発 ELSI 個人情報保護対応等 Stage 2 5 年以内に医療実用化が見込めるグループ 1-2) 臨床ゲノム情報統合データベース事業 234 1 1234 1-4) ゲノム医療実用化推進研究事業 123456 Stage 1 5 年以内に Stage 2( 実用化への臨床研究 ) に移行が見込めるグループ Stage 0 基盤となる長期の基盤的研究が必要なグループ 当該遺伝子機能解析 1-1) ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業 2 56 責任 関連遺伝子同定 5 7 7 1-3) 3 大バイオバンク ナショナルセンター バイオバンクネットワーク (NCBN) データ蓄積 TMM バイオバンク ジャパン (BBJ) 1 がん ( 非遺伝性 体細胞系 ) 2 がん ( 遺伝性 生殖細胞系 ) 3 難病 ( 単一遺伝子性 ) 4 難病 ( 多因子性 ) 5 感染症 6 認知症 ( 単一遺伝子性疾患を除く ) 7 糖尿病など 1-1) ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業 1-2) 臨床ゲノム情報統合データベース整備事業 1-3) 3 大バイオバンク 1-4) ゲノム医療実用化推進研究事業 ( ゲノム創薬基盤推進研究事業 ) 5

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