向上及び民間セクターの経済活動への関与を促進すべく 構造改革を実行する 我々は 政策を調整していく上で 市場や国民への意思疎通を図る努力するとともに 地域の競争力や連結性を強化するものとして インフラ開発を加速させることの重要性を認識する 7. 我々は 地域経済と金融安定性を堅持するために 金融協力

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エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

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2008年6月XX日

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

企業活動のグローバル化に伴う外貨調達手段の多様化に係る課題

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

の自由 妨げられない通商活動 自制と 1982 年の国連海洋法条約 (UNCLOS) を含む国際法の普遍的な原則に従った紛争の平和的手段による解決を推進することの重要性を強調した 我々は ARF や ASEAN 海洋フォーラム拡大会合等を通じた情報共有や能力構築を含む 海洋安全保障及び海上の安全に関

る 3. 銀行やその他の主要な金融仲介機関が 信認を再構築し 家計や企業への貸出しを継続することを可能にするに十分な量で 必要に応じ 公的資金 そして民間資金の双方により資本を増強することができるよう確保する 4. 預金者がその預金の安全に対する信認を引き続き保つことができるよう 各国それぞ れの預

金融円滑化に関する方針 千葉銀行は 地域金融機関として 金融サービスの提供をつうじて 地域のお客さまニーズにお応えし 地域の発展に貢献する という役割 使命を果たす 姿勢を堅持してまいりました 特に 地域への円滑な資金供給をはじめとする金融仲介機能の発揮やお客さまへの経営健全化支援等による地域密着型

42

これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

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各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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CONNEX Basic Principles

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

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ANNUAL REPORT

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現代資本主義論

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界


平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

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2.MUFG フィデューシャリー デューティー基本方針 MUFG フィデューシャリー デューティー基本方針の策定 公表 MUFG は お客さま本位の取組みの徹底を図るため グループ共通の指針となる MUFG フィデューシャリー デューティー基本方針 を策定 公表します 本方針の下 グループ各社がお客

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

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< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

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1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

平成22 年 11月 15日

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これまでの 経 緯 アジア 通 貨 危 機 (1997~1998 年 ) 以 前 アジア 諸 国 は ドル 等 の 外 貨 を 海 外 から 短 期 で 借 り 入 れ 自 国 通 貨 建 てで 国 内 の 長 期 の 融 資 を 実 施 このため 通 貨 ( 外 貨 と 自 国 通 貨 )と 期

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(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

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ここに議題名を入力

ASEAN 包括的投資協定 (ACIA) 修正議定書 ブルネイ ダルサラーム国 カンボジア王国 インドネシア共和国 ラオス人民民主共和国 マレーシア ミャンマー連邦共和国 フィリピン共和国 シンガポール共和国 タイ王国 およびベトナム社会主義共和国の政府 東南アジア諸国連合 ( ASEAN ) の加

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企業年金におけるスチュワードシップ・コード の受入れ促進に向けて

1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

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制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

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ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

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平成22年2月●日

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取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

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Transcription:

第 21 回 ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁会議 共同ステートメント ( ポイント 仮訳 ) 2018 年 5 月 4 日フィリピン マニラ I. 序 1. 我々は 第 21 回 ASEAN 中国 日本 韓国(ASEAN+3) 財務大臣 中央銀行総裁会議を シンガポールのヘン スウィー キート財務大臣及び韓国のキム ドンヨン経済副総理兼企画財政部長官の共同議長の下 フィリピン マニラにて開催した 本会議には アジア開発銀行 (ADB) 総裁 ASEAN+3 マクロ経済リサーチ オフィス (AMRO) 所長 ASEAN 事務総長 国際通貨基金 (IMF) 副専務理事も参加した 2. 我々は 最近の世界 地域経済の情勢及び政策運営につき意見を交換し 強靭かつ持続可能でバランスの取れた包摂的な世界経済の成長に貢献すべく 地域経済の強靭性や頑健性強化に向けて一丸となって取り組むことに合意した 我々は チェンマイ イニシアティブ (CMIM) ASEAN+3 マクロ経済リサーチ オフィス (AMRO) アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI) を含め 地域金融協力について 前回の日本 横浜での我々の会議以降の進捗をレビューした II. 最近の地域経済 金融情勢 3. ASEAN+3 地域は 先進国経済の回復とグローバルな力強い需要を取り込みながら 貿易や投資の より同調した拡大をもたらす世界経済の成長に貢献している ASEAN+3 地域の経済成長は 好調な世界経済に後押しを受けつつも 域内の強靭な需要 好調な輸出 安定したインフレ率によって下支えされている 我々は こういった良好な経済情勢の機をとらえ マクロ経済政策を含むあらゆる政策を動員しつつ 構造改革を継続的に実行する 4. 一方で 我々は 世界経済の回復を脅かす下方リスクも注視する 我々は 保護主義の拡大 早期の金融引き締め 地政学的不安定性といった世界経済に対するリスクについて議論した これらのリスクは 個別にまたは総合的に 世界経済の回復を脅かし ASEAN+3 地域からの資本の流出や地域の金融ボラティリティを高める可能性がある 我々は 2018 年 4 月 27 日南北朝鮮の両首脳間で合意された板門店宣言を歓迎し 域内の地政学的リスクの緩和に向けた更なる進展を期待する 5. こうした状況を踏まえ 我々は ルールに基づく開かれた多元的な貿易 投資システムに対するコミットメントを再確認する また 我々は インフラ開発の促進を含む 域内の貿易 投資の連結性を深化させるとともに 世界規模で強く結合した貿易 投資の連結性を維持するべく あらゆる保護主義に対抗することの重要性を認識する 我々は 持続可能かつバランスの取れた包摂的な成長のために 各国の個別事情を勘案しつつ 財政 金融及び構造政策を適切に組み合わせて実行することにコミットする 6. 財政政策は 債務残高対 GDP 比を持続可能な道筋に乗せることを確保する一方で 構造改革と包摂性を促進させることを企図しつつ 経済成長の支援を促し 格差を是正する 金融政策は 中央銀行のマンデートと整合的に 物価の安定を確保する 金融システムリスクの緩和に資する マクロ プルーデンス政策を積極的に採用する 我々は 更なる経済成長にとって中核となる柱として 健全な金融セクターの重要性を認識する 我々は 潜在的経済成長率の

向上及び民間セクターの経済活動への関与を促進すべく 構造改革を実行する 我々は 政策を調整していく上で 市場や国民への意思疎通を図る努力するとともに 地域の競争力や連結性を強化するものとして インフラ開発を加速させることの重要性を認識する 7. 我々は 地域経済と金融安定性を堅持するために 金融協力を強化することを約束する 資本フローの重要性や利益を認識しつつも 過度な資本フローの変動に起因する波及リスクを引き続き警戒する 我々は 地域金融セーフティネットを継続的に強化することによって 外的ショックに対する十分な強靭性を構築する III. 地域金融協力の強化 チェンマイ イニシアティブ(CMIM) 8. 我々は CMIM の強化へのコミットメントを再確認する この文脈において 我々は 第 1 回目の CMIM の定期的な見直しにおける主要な事項について 基本合意に達した 今回の CMIM の定期的な見直しは ASEAN+3 の地域金融セーフティネットの中心である CMIM を更に強化するための重要な画期をなすものである この関連で 我々は CMIM を時機に合ったものとする観点から メンバー国の個別事情やグローバルな経済 金融情勢に応じて IMF リンクポーションにおける支援期間の延長にかかる柔軟性を含む金融支援の拡充に合意した さらに 我々は CMIM の金融支援や政策提言を通じて メンバー国によるリスクや脆弱性への対応を支援するために CMIM 契約書の中でコンディショナリティ付与に関する包括的な法的根拠を追加することに合意した 我々は 代理に対し CMIM 改訂契約書が早急に発効できるように 署名に向け CMIM の定期的な見直しの最終文言案を年内に準備するように促す 9. 我々は 世界金融システムの統合が進む中で 将来の危機を未然に防ぎ グローバルな金融安定を守るために グローバル金融セーフティネットにおける各階層間の協力を強化することが 必要不可欠であると認識する 我々は 8 回目の IMF との合同テストランが 成功裡に完了したことを歓迎する このテストランでは CMIM の発動と IMF プログラムに関する情報共有プロセスを検証し その中で CMIM IMF 双方の独立性やガバナンスは尊重しつつ IMF とより緊密に連携することの重要性を強調した この成果を踏まえ 地域金融セーフティネットの有効性をさらに高めるため 我々は CMIM と IMF が危機のより早期の段階から緊密に連携することを慫慂する 我々は近年のテストランにおける IMF の支援に感謝する 我々は メディアを含めた関係機関等とのコミュニケーションを強化することが CMIM 発動時において社会一般の信任を高めることに資すると確信する 加えて 我々は代理に対し 中長期的な視点から CMIM の進むべき方向性を継続的に議論し その進捗を次回の会合で報告することを求める 10. 我々は CMIM 運用ガイドラインの更新や IMF との合同テストランの継続実施も含め CMIM の即応性を強化するための代理の継続的な作業を歓迎する 我々は AMRO のサーベイランス業務に組み込まれる 経済レビュー及び政策対話 (ERPD) マトリクスのフレームワークの強化により CMIM 危機予防ラインの適格性指標の改善に進捗が見られたことを認識した 我々は AMRO の協力の下 新たなパイロットプロジェクトを実施することを代理に慫慂し 第 9 回の CMIM のテストランが IMF と合同で実施されることを期待する 我々は CMIM コンディショナリティフレームワークの開発に関して進展があったことを歓迎する 我々は CMIM コンディショナリティフレームワークのための基本原則ならびに運用ガイドラインの策定について更なる進展

を期待する 我々は デリンクポーションの潜在的な引き上げに関する評価手法に関する進展を期待する ASEAN+3 マクロ経済リサーチ オフィス (AMRO) 11. 我々は 域内のマクロ経済サーベイランス 地域金融アレンジメントの実施支援 メンバー国への技術支援において AMRO が果たす役割の重要性を認識する 我々は AMRO が メンバー国から信頼されるアドバイザーとしての役割を果たすとともに 独立し 信頼できかつ専門的な機関としての使命を果たすために サーベイランス及び組織能力を強化することを 引き続き支援することを再確認した 12. 我々は 2017 年 5 月以降 AMRO の主要機能強化に関して 進捗を成し遂げたことを歓迎する AMRO は サーべイランス機能や分析ツールを強化するため いくつかの主要なイニシアティブに着手した 我々はこれらの取組みの成果を期待する 13. 我々は AMRO が 広報活動の改善や認知度の向上につながる 情報公開ポリシーと対外広報ポリシーを策定したことを歓迎する 我々は AMRO が 自身のサーベイランスの質やアウトリーチ活動強化に向けて 継続的に サーベイランス評価及び報告書を公表することを慫慂する 14. 我々は 国際金融機関との連携を深めるための AMRO の取組みを支援する この関連で 我々は AMRO と IMF 及び AMRO と欧州安定メカニズム (ESM) の間の覚書締結を歓迎する 我々は さらに AMRO の国連のオブザーバー地位獲得について称賛する 我々は 次回会合時までの AMRO パートナーシップ戦略の策定を期待する 15. 我々は CMIM の実施支援のための AMRO 自身の能力強化に向けた取組みを歓迎するとともに CMIM の発動に向けた体制の強化 及び CMIM 契約書の定期的な見直し作業への支援を称賛する 我々は CMIM の諸課題に関する AMRO のより分析面での支援を期待する 16. 我々は AMRO が 中国 日本 韓国の信託基金による メンバー国向けの各種技術支援プログラムを提供していることを称賛する 我々は AMRO が メンバー国の能力強化のニーズに応えられるような 革新的な方法を模索しつづけることを慫慂する 我々は メンバー国が AMRO の技術支援 (TA) プログラムを支援することを慫慂する 17. 我々は ASEAN+3 首脳会議 ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁会議 及びランカン メコン協力会議における 地域の将来の経済情勢見通しに関する議論への AMRO の貢献を認識するとともに より広範な地域のアジェンダ及びイニシアティブへの AMRO の継続的な支援を慫慂する 18. 我々は AMRO の発展のための継続的な努力と強いリーダーシップに関して チャン ジョンホン所長率いる AMRO のシニアマネジメントチームを称賛するとともに AMRO による戦略的方向性と中期の執行計画 (SD&MTIP) の実施に伴う より具体的な成果を期待する アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI) 19. 我々は 域内の現地通貨建て債券市場を発展させ 域内金融統合を可能とする ABMI の重要な貢献を歓迎する ABMI の取組みが 域内の貯蓄を長期の投資の資金に向かわせ 資金調達の代替手段として現地通貨建て債券市場の発展に貢献している 我々は グローバルな金融市場の変動の高まりを制御する方法として 現地通貨金融の利用促進も含め 域内の金融

システムの強靱性を高めるために ABMI が果たす重要な役割を認識した それに関連し 我々は インフラ開発のための現地通貨建てグリーンボンドの促進に関する ADB によるスタディの完了と報告書の刊行を歓迎する 我々は 域内のインフラニーズに対応する現地通貨建てグリーンボンドを促進する取組みを慫慂する また 我々は ABMI 中期ロードマップに則り 域内の債券市場の最も重要な情報源としてグローバルに認識されている AsianBondsOnline(ABO) が改良されたことを歓迎する 20. 我々は 信用保証 投資ファシリティ (CGIF) の中期ビジネス戦略の承認 及び7 億米ドルから 12 億米ドルへの CGIF の授権資本の増加を可能とする 増資決議の承認を歓迎する さらに 我々は 日本 フィリピン及びシンガポールによる早期の資金拠出を歓迎し 他の出資者も拠出を完了するよう奨励する 21. 我々は 現地通貨建て債券市場育成のための ASEAN+3 の知見と良い市場慣行を他地域に共有することが 経済及び金融システムの強靱性を改善させるためのグローバルな議論に貢献することを認識する このような点は G20 においても強調されている この関連で 我々は 代理に承認された 非 ASEAN+3 国による ASEAN+3 債券市場フォーラム (ABMF) への参加のための一般的な原則 を歓迎する また 我々は この一般的な原則の適切な手続きに基づく モンゴルの ABMF への参加を喜ばしく思う また 我々は 国債市場に加えて社債市場を定めた 債券市場育成のグッド プラクティス の改訂に向けた努力を歓迎する 22. 我々は 証券集中振替機関と即時資金決済システム (CSD-RTGS) を安全に接続するために不可欠となる クロスボーダーの事業継続計画及びサイバーセキュリティの共通理解が クロスボーダー決済 インフラフォーラムにより公表されたことに満足している 我々は 日本銀行と香港金融管理局により CSD-RTGS リンケージを 2021 年春頃の実施に向けて開発することが決定されたことを歓迎する これは クロスボーダーかつクロスカレンシーによるレポ取引における決済リスクの削減に貢献する 我々は ASEAN+3 債券共通発行フレームワーク (AMBIF) に基づく さらなるクロスボーダーの債券発行及び 自国の国債市場開発に向けた準備をより良く進めるため 技術調整チーム (TACT) の下での継続的な能力強化を期待する ASEAN+3 災害リスク保険における金融協力 23. 我々は ASEAN+3 諸国の自然災害に対する金融強靭性を向上させることへのコミットメントを再認識する 我々は 東南アジア災害リスク保険ファシリティ (SEADRIF:Southeast Asia Disaster Risk Insurance Facility) の最初の成果物として 日本 シンガポール 世界銀行の協力の下 ラオス ミャンマーにおける地域災害リスク保険プールの設立に合意したことを歓迎する また 我々は カンボジアがフィージビリティスタディの結果次第で 災害リスク保険プールへの参加する可能性があることを認識する 我々は SEADRIF が シンガポールにおいて設立され 気候変動や自然災害についてのリスクマネジメントや保険ソリューションを ASEAN メンバー国に提供し 地域における自然災害プロテクションギャップを埋める一助となることを認識する 我々は自然災害保険プログラム (ADRFI:ASEAN Disaster Risk Financing and Insurance Program) が SEADRIF との間で データ分析やモデリング 能力構築 ( キャパシティビルディング ) といった点で協働することを歓迎する 我々は 他の ASEAN+3 メンバー国の SEADRIF への参加を促し ASEAN+3 域外の国もドナーパートナーとしてこのイニシアティブを支援すること

を奨励する IV. 結語 24. 我々は 2018 年の ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの共同議長としての優れたアレンジメントに対し シンガポール及び韓国に謝意を表明した また フィリピン政府の温かい歓待に感謝した 25. 我々は 2019 年にフィジー ナンディにおいて会合を開催することに合意した タイ及び中国が 2019 年の ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁会議の共同議長となる

[Annex] 1. CMIMIMF リンクポーションにおける支援期間の柔軟化 CMIM メンバーは 各国への金融支援を拡充するため CMIM 契約書に規定する支援条件の改善に合意した 特に CMIM の支援期間については IMF リンクポーションにおいて必要に応じて満期の更新の回数を最大 2 回から複数回可能となるような柔軟化の改訂を行う この改訂によって IMF との連携における (CMIM の ) 融資保証を提供することができる 2. IMF との連携強化 IMF との緊密な協力と連携は 域内の危機を予防し 解決する上で重要であると認識された この点について IMF との整合性を保つために CMIM の運用ガイドラインにおいて IMF との協調プロセスが構築される見込みであり CMIM と IMF は経済金融情勢 資金ニーズ等に関する情報共有が可能となる 早期の段階における CMIM と IMF の連携は それぞれの資金支援の決定に際し 政策提言や主要な指標に対する共通認識を形成することに資する 3. コンディショナリティフレームワークの強化 CMIM メンバーは 危機予防のための既存のコンディショナリティに加え 危機対応の場合にも適用可能とすることで コンディショナリティのための包括的な法的な根拠を追加することに合意した CMIM は適切な経済財政政策の適切な計画と運営を支援することによって 経済成長を持続的にするための方策を決め 速やかにメンバーが危機を乗り越えることで CMIM はさらにメンバーを支援することが期待される 今や IMF と協調して資金支援を実行するにあたり 早期の情報共有等を通じ CMIM 取極のコンディショナリティは IMF 支援プログラムのそれと首尾一貫していることが 新たな契約書では明文化される 4. 強化されたレビューと事後のモニタリング CMIM 取極が承認された後において レビュー及びモニタリングの対象となる課題が特定されることによって 融資プログラムのレビュープロセスが強化される 協調融資について CMIM と IMF によるプログラムのレビューとそれに基づくディスバースは IMF 支援プログラムとより連携できるようになる 5. 金融支援条件等の更新金融支援に係る一連の条件は関連する IMF 支援プログラムと整合するように更新される 例えば IMF リンクポーションの場合 ELDMB(CMIM の意思決定機関 ) の決定に基づきディスバースのスケジュールが柔軟化されることに合意 6. 守秘義務条項の義務の調整 CMIM が発動された際に 市場の信頼を回復するために ELDMB(CMIM の意思決定機関 ) 及び支援要請国の同意に基づいて CMIM に係る情報は必要かつ可能な範囲でマスメディアへ開示され また IMF を含む第 3 者へ共有される