行動につながる口コミとそうではない口コミの違いは一体何なのか?

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通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

 

22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

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1 1 A % % 税負 300 担額

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統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況 -「山の日」にちなんで-

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

2 受入施設別献血量 ( 推計値 ) ブロ都ック道府県 合計 全国血液センター献血者数速報 (Ⅰ) 血液センター 平成 30 年 12 月分 L % L % 日 L L % 日 L L % 台 L L % 台 L 8, ,768

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厚生労働科学研究費補助金 (地域健康危機管理研究事業)

年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

平成17年3月24日

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平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深



地域医療ビッグデータに触ってみよう ほぼハンズオンマニュアル

調査実施概況 小学校 ( 都道府県 ( 指定都市除く )) 教育委員会数 ( 1) 学校数児童数 ( 2) 全体 実施数 調査対象者在籍学校数 実施数国語 A 国語 B 主体的 対話的で深い学びに関する状況 ( 3) 算数 A 算数 B 質問紙 平均正答率 13~15 問 国語

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

平成 24 年度職場体験 インターンシップ実施状況等調査 ( 平成 25 年 3 月現在 ) 国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター Ⅰ 公立中学校における職場体験の実施状況等調査 ( 集計結果 ) ( ) は 23 年度の数値 1 職場体験の実施状況について ( 平成 24 年度調査時点

平成 22 年第 2 四半期エイズ発生動向 ( 平成 22(2010) 年 3 月 29 日 ~ 平成 22(2010) 年 6 月 27 日 ) 平成 22 年 8 月 13 日 厚生労働省エイズ動向委員会

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

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平成19年度環境ラベルに関するアンケート調査集計結果報告

関東 優良産廃処理業者認定制度で優良認定を受けている許可証 組合員都道府県 許可地域組合員名所在地 茨城県 黒沢産業 ( 株 ) 茨城県 関 茨城県 茨城県 ( 株 ) マツミ ジャパン 茨城県 茨城県 ( 株 ) 国分商会 埼玉県

A-1_中央年報 「野菜」品目別産地別月別取扱高表H28(A4横)

1 移動系通信の契約数における事業者別シェアの推移 ( グループ別 ) グループ内取引調整後 1 単純合算 % 29.5% 29.7% 29.7% 29.7% ソフトハ ンクク ルーフ, 29.4% 9 3.4% 3.9% 31.4% 31.7% 32. ソフトハ ンクク ルーフ, 32

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平成29年3月高等学校卒業者の就職状況(平成29年3月末現在)に関する調査について

景況レポート-表

第 40 回 看護総合 2009 年 平成 21 年 2009/7/18-19 京都府京都市 2009 年 2010 年 精神看護 2009/7/23-24 島根県松江市 2009 年 2010 年 母性看護 2009/8/6-7 佐賀県佐賀市 2009 年 2010 年 看護教育 2009/8/2

共通基準による観光入込客統計 ~ 共通基準に基づき 平成 22 年 月期調査を実施した 39 都府県分がまとまりました~ 平成 23 年 10 月 31 日観光庁 各都道府県では 平成 22 年 4 月より順次 観光入込客統計に関する共通基準 を導入し 信頼 性の高い観光入込客統計調査を

平成 26 年 3 月 28 日 消防庁 平成 25 年の救急出動件数等 ( 速報 ) の公表 平成 25 年における救急出動件数等の速報を取りまとめましたので公表します 救急出動件数 搬送人員とも過去最多を記録 平成 25 年中の救急自動車による救急出動件数は 591 万 5,956 件 ( 対前

2. 長期係数の改定 保険期間を2~5 年とする契約の保険料を一括で支払う場合の保険料の計算に使用する長期係数について 近年の金利状況を踏まえ 下表のとおり変更します 保険期間 2 年 3 年 4 年 5 年 長期係数 現行 改定後

「交通マナー」に関するアンケート調査結果

平成 26 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

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平成 27 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

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H ( 火 ) H ( 水 ) H ( 金 ) H ( 火 ) H ( 月 ) H ( 火 ) H ( 土 ) H ( 日 ) H ( 木 ) H ( 火 ) H

中央年報 「野菜」品目別産地別月別取扱高表H26(A4横)

公文書管理条例等の制定状況調査結果 平成 3 0 年 3 月総務省自治行政局行政経営支援室

1 移動系通信の契約数における事業者別シェアの推移 ( グループ別 ) グループ内取引調整後 1 単純合算 % 29.5% 29.7% 29.7% 29.7% 29.4% ソフトハ ンクク ルーフ, % 3.9% 31.4% 31.7% % ソフトハ ン

表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

○ 第1~8表、図1~4(平成25年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について)

スライド 1

平成28年版高齢社会白書(概要版)

サラリーマンのお昼ごはん事情 に関するアンケート

図表 1 個人保険の新規契約 保有契約 ( 万件 % 億円) 新規契約 保有契約 件数 金額 ( 契約高 ) 件数 金額 ( 契約高 ) 前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 平成 25 年度 1, , , ,575,

統計トピックスNo.120 我が国のこどもの数―「こどもの日」にちなんで―

調査概要 1. 調査の方法 : 株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト アイリサーチ のシステムを利用した WEB アンケート方式で実施 2. 調査の対象 : アイリサーチ登録モニターのうち 全国の男女 20 歳 ~59 歳を対象に実施 3. 有効回答数 :4230 人 (47 各都道

秋田市会場最終結果一覧2.pdf

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- 1 - Ⅰ. 調査設計 1. 調査の目的 本調査は 全国 47 都道府県で スギ花粉症の現状と生活に及ぼす影響や 現状の対策と満足度 また 治療に対する理解度と情報の到達度など 現在のスギ花粉症の実態について調査しています 2. 調査の内容 - 調査対象 : ご自身がスギ花粉症である方 -サンプ

第 18 表都道府県 産業大分類別 1 人平均月間現金給与額 ( 平成 27 年平均 ) 都道府県 鉱業, 採石業, 砂利採取業建設業製造業 円円円円円円円円円 全国 420, , , , , , , ,716 28

「公立小・中・高等学校における土曜日の教育活動実施予定状況調査」調査結果

海08:30~17:30 月火水木金土日祝北道08 健診機関リスト 北海道 リ P ト ス リ P 健診 リ P 健 健診 P 健診 リ P リ スリ 診 P リ P 健診 P 健 P ス P P P 健 P 健診 P P P P 健 健診 診 P P P リ P 機 機 P 健 ス 健 リ P P

平成17年3月24日

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輸送計画書 マラソン交流大会 ( 珠洲市 ) 10 月 6 日現在 第 23 回全国健康福祉祭いしかわ大会実行委員会

都道府県ごとの健康保険料率 ( 平成 30 年 ) 基本保険料率 / 特定保険料率の合算料率 都道府県 料率 都道府県 料率 都道府県 料率 都道府県 料率 北海道 東京 滋賀 香川 青森 神奈川 京都

別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

( 図表 1) 特別養護老人ホームの平米単価の推移 ( 平均 ) n=1,836 全国東北 3 県 注 1) 平米単価は建築工事請負金額および設計監

B 新潟県神戸市千葉市徳島県 新潟県神戸シニア選抜千葉市シニア徳島カバロスシニア (1 日目 ) 第 2 9:55-10:40 新潟県 0 ( ) 4 神戸市 (1 日目 ) 第 2 9:55-10:40 千葉市 1 ( (1 日目 ) 第 6 13:35-14:20 ) 1 徳島県 新潟県 0 (

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住宅着工統計による再建築状況の概要 ( 平成 1 9 年度分 ) 国土交通省総合政策局情報安全 調査課建設統計室 平成 20 年 11 月 5 日公表 [ 問い合わせ先 ] 担当下岡 ( 課長補佐 ) 遠藤( 建築統計係長 ) 中村 TEL ( 代表 ) 内線

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2-5 住宅の設備

N_①公表資料2017

< ( 平成 29 年 9 月分 )> 2010 年平均 =100 ブロック別 北海道地方 東北地方

【H30】水難年報(H29)本文

レビューの雛型(ワード)


平成13-15年度厚生労働科学研究費補助金

(3) 最大較差 平成 17 年国調口平成 22 年国調口 H24.9 選挙名簿 在外選挙名簿 H25.9 選挙名簿 在外選挙名簿 最大 : 千葉 4 569,835 東京 ,677 最大 : 千葉 4 497,350 北海道 1 487,678 最小 : 高知 3 258,681 鳥取

労働力調査(基本集計)平成25年(2013年)平均(速報)結果の要約,概要,統計表等

表 1) また 従属人口指数 は 生産年齢 (15~64 歳 ) 人口 100 人で 年少者 (0~14 歳 ) と高齢者 (65 歳以上 ) を何名支えているのかを示す指数である 一般的に 従属人口指数 が低下する局面は 全人口に占める生産年齢人口の割合が高まり 人口構造が経済にプラスに作用すると

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平成 29 年度 消費者の意識に関する調査 結果報告書 食品ロス削減の周知及び実践状況に関する調査 平成 30 年 3 月 消費者庁消費者政策課

人口推計 平成26年10月1日現在 結果の概要 都道府県別人口の動向

81 平均寿命 女 単位 : 年 全 国 長野県 島根県 沖縄県 熊本県 新潟県 三重県 岩手県 茨城県 和歌山県 栃木県

これだけは知っておきたい地震保険

参考 平成28年度 公立学校教員採用選考試験の実施状況調査

1. 社会福祉法人経営動向調査 ( 平成 30 年 ) の概要 目的 社会福祉法人と特別養護老人ホームの現場の実感を調査し 運営実態を明らかにすることで 社会福祉法人の経営や社会福祉政策の適切な運営に寄与する 対象 回答状況 対 象 特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人 489 法人 (WAM


Ver.8 Ver 年 8 月 3 日にリオデジャネイロで開催された国際オリンピック委員会 (IOC) 総会において オリンピックにおける追加種目 (5 競技 18 種目 ) が正式に採択されたことに伴い 練習施設 ( 会場 ) に係る要件および国内競技団体連絡先

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県別 大学進学 37県で流出超過!|旺文社教育情報センター

本土 ( 沖縄県を除く ) 保険期間 60か月 48か月 37か月 36か月 35か月 34か月 33か月 32か月 31か月 30か月 29か月 28か月 27か月 26か月 25か月 24か月 23か月 22か月 21か月 20か月 合 自家用 A B 営 業 用 用 C D 自 家 用 用 4

人口増加に転じた宮城県, 人口減少幅が縮小した福島県及び岩手県 人口増減率を別にみると, 増加は8 都県となっており, 東京都が0.53% と最も高く, 次いで沖縄県が4%, 愛知県が1%, 埼玉県が0.14%, 神奈川県が0.13% などとなっている 一方, 減少は39 道府県となっており, 秋田

Transcription:

2005 年度上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール卒業論文 情報入手経路が意志決定に及ぼす影響 平成 18 年 1 月 15 日 学籍番号 :A0242402 氏名 : 青木真奈 -1 -

はじめに 新しい商品を購入することは 多かれ少なかれ必ずリスクを伴う不確実性のある行為である そこで大抵の場合消費者は リスクを低減させるために情報を収集してからその商品を購入するかどうか またどの商品を購入するかなどの意思決定を行う 情報の入手方法には 商品の売り手が提供する広告や テレビや雑誌 書籍 インターネットサイトなどのマスメディアの他に 消費者同士で行われるコミュニケーションによる情報の伝達手段がある このようなパーソナルメディアは マスコミ (mass communication) に対して クチコミ (word-of-mouth communication) と呼ばれるようになった インターネットの発達した今日では 属人的なコミュニケーションだけではなく インターネットの掲示板などを利用した直接的な接触をもたないコミュニケーションもまた情報源の1つとして使われるようになった 広告やマス メディアは主に新しい商品情報を入手する際に用いるが クチコミはその他に お店の商品やサービス 企業の評判についてのより主観的な要素を含んだ評価情報も得ることができる 消費者は これら複数の情報入手方法から得た情報を総合的に判断し 意思決定を行っている これまでは人々はマスメディアからの情報と オピニオン リーダーを始めとするパーソナルメディアからの情報との両方を使い分けることによって意思決定を行ってきた しかし現在 こうしたメディアの使い分けは分岐点にあるといえる その理由として私は三点を挙げたい そしてそれに関する以下の疑問が 私の研究の出発点である 第一に 近年情報を得る手段が急速に多様化していることが挙げられる それにより 意思決定段階ごとに影響を与えるメディアも多様化してきているのではないだろうか 第二に メディアの分類の変化が挙げられる 新しいメディアの登場により パーソナルメディアとマスメディアという分類自体が難しくなった 特にインターネットからの情報は 人々の意思決定にどのように影響しているのか 第三に オピニオン リーダーの変化が挙げられる 情報環境の変化により オピニオン リーダーとされる人も変化していることが予測される 今まで以上に 変化に適応して情報を適切に処理する能力が オピニオン リーダーの資質として重視されるようになっているのではないだろうか 先行研究 意思決定にコミュニケ-ションが及ぼす効果は これまでの研究により インパーソナルなコミュニケーションは情報源としては大きな役割を果たすが 商品購入の意思決定の段階では影響が少なく 人々の意思決定に影響を及ぼす影響源としてはパーソナル コミュニケーションの方が優位である ( 川本,1981) という見解がなされてきた オピニオン リーダーの特徴としては マスメディアに多く接触し 社交性にも富んでいること 単一の領域においてその機能を果たしていること ( 川上,1999) などが挙げられてきた それに対し川上は 高度情報化社会の新しいオピニオン リーダー像として 社会の多様化や情報化 社会のスピードに適応し 必要な情報を効率よく集めて 人間関係のネットワークを通してそれを適切に発信し 影響力をもつネットワーク型のオピニオン リーダー ( 川上,1999) を提案している インターネットについては 総務省の調査により 普及が確実に進んでいること ブロードバンド利用者の増加などが分かった また 情報収集の道具としても重要な役割を果たしている実態が示された -2 -

調査 先行研究を踏まえ 私は 現在の人々の消費行動という意思決定にはどのような情報入手経路が利用され その経路は意思決定にどんな影響を及ぼしているのか について調査を行うことにした 具体的な疑問点としては次のようなものを挙げた 意思決定過程において 影響を及ぼすメディアが変化しているのではないだろうか 関心の高い領域では様々な種類のメディアが利用されていることが予想できる また インターネットの利用や その影響があることが予想できる しかし領域ごとに利用の差があるのではないか オピニオン リーダーの情報入手経路やそれらが意思決定過程に及ぼす影響の特徴についても変化があるのではないか 質問紙はグルメ 化粧品 服飾品 映画の4 領域に関して アンケート形式で調査を行った 調査結果 関心の程度と利用した経路の数グルメ 化粧品 服飾品 映画のどの領域にも関連性がみとめられた そして その領域への関心が高いほど多様なメディアを利用している傾向があった インターネットの利用ウェブサイトの利用は領域ごとにはかなりの差があった 映画領域に 52.8% の利用が グルメでは 48.7% 化粧品では 33.3% の利用が確認された しかし 服飾品の領域での利用は 16.7% しかなかった ウェブサイトからの情報影響は グルメ 化粧品 映画の商品購入決定過程では 評価段階において大きいことが確認された つまり ウェブサイトは領域によっては意思決定の 特に評価段階において影響を与えるといえる しかし 電子メールや情報配信サービスの影響は確認されなかった オピニオン リーダーの情報入手経路やその影響の仕方の特徴まず 服飾品の領域において オピニオン リーダーは店員からの情報とその影響が大きいことが確認された さらにどの領域でもテレビからの情報の影響が比較的小さかった さらにグルメ 化粧品 映画においてはウェブサイトの利用が頻繁で 意思決定にも影響を及ぼしている さらに知人 友人からもよく情報を得て それにより商品に興味を持つことが多い 映画領域ではポスター 街頭広告に注目し 影響を受けている -3 -

まとめ 第一に 意思決定に影響を与えるメディアは多様化し 変化しているのではないか ということについてであるが 今まで意思決定に対して大きな影響を与えるとされてきたメディアにも変化がみえることが挙げられる 例えばテレビは今まで影響が大きいとされてきたが 相対的に利用時間が減る可能性があり 特にオピニオン リーダーはテレビからの影響を受けにくいこと領域が明らかになった 以上のことは 人々の意思決定に影響を与えるメディアが変化していることのあらわれといえるのではないか 第二に インターネットの情報は 人々の意思決定に影響を及ぼしているといえる インターネットの普及は着実に進んでいる そして 情報入手の手段として頻繁に利用されている ただ インターネット情報の利用は 消費行動においては領域によってかなりの差があることも指摘できる 調査では映画情報では多くの人に利用されていたが 服飾品の領域では利用が少なかった インターネット情報の利用は領域によって向き不向きがあるのかもしれない しかし インターネットは未だに成長過程にあるメディアである また 利用者が自分の欲しい情報を選択できるという特徴もある よって 今後さらに幅広い領域で 人々の意思決定に役立つメディアになっていくのではないだろうか 第三に オピニオン リーダーの変化について述べたい 調査において 消費行動のオピニオン リーダーの情報入手にはいくつかの変化がみられた 今までオピニオン リーダーは マスコミからの影響を多く受けると考えられていた しかし 雑誌情報の影響は強く受けるが テレビの情報による影響が少ないことが分かった さらに服飾品に関しては 店員からの情報の影響を強く受ける 以上のことから 現代のオピニオン リーダーの特徴として主体的に知りたい情報を得られるメディアを利用する傾向がある と考えられる パーソナルメディアとマスメディアという両者の中間のメディアといえるインターネットからの情報は 人々の意思決定に大きな影響を与えている これからの消費行動では今まで以上に積極的で適切な情報処理が求められているといえる 以上 -4 -

参考資料 インターネットの普及 o 過去 1 年間に インターネット を利用した人 (10 歳以上 ) は約 5245 万人で, 利用者率は 46.4% となっている 男女別にみると, 男性の利用者率は 51.5%, 女性の利用者率は 41.5% となっており, 男性の方が女性より 10 ポイント高くなっている o インターネット の利用者率は,20 歳代までの若年層では女性の方が男性より高くなっているが, 30 歳代以上の各年齢層では男性の方が高くなっている ( 図 1) o インターネット の利用者率を利用の形態別にみると, 電子メールなどの 情報交換 に利用した人が 39.5%, ホームページの閲覧などの 情報収集 に利用した人が 32.4%, ホームページの開設などの 情報発信 に利用した人が 5.6% などとなっている また, インターネット を 商品やサービスの予約, 購入, 支払い等 に利用した人は 10.1% となっている ( 図 2) o インターネット の年間の利用頻度を利用の形態別にみると, 利用者のうち年に 200 日以上利用している人の割合は, 情報交換 では 47.8% と半数近くになっており, 特に 10 歳代後半は,63.9% と最も高くなっている -5 -

総務省 HP 平成 13 年社会生活基本調査より http://www.stat.go.jp/data/shakai/2001/kodo/yoyakuk.htm#1 インターネット利用人口の推移 平成 9 年末 平成 10 年末平成 11 年末平成 12 年末平成 13 年末平成 14 年末平成 15 年末平成 16 年末 利用者数 ( 万人 ) 1,155 1,694 2,706 4,708 5,593 6,942 7,730 7,948 人口普及率 (%) 9.2 13.4 21.4 37.1 44.0 54.5 60.6 62.3 総務省情報通信統計データベースより http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/field/data/gt010101.xls ( 出典 ) 通信利用動向調査 -6 -

ブロードバンドサービスに係る都道府県別の契約数 平成 17 年 9 月末現在 合計 FTTH 合計 DSL CATV FWA 平成 17 年 3 月末 9 月末 3 月末 9 月末 3 月末 9 月末 3 月末 9 月末 3 月末 9 月末 合計 19,512,415 21,427,707 2,852,205 3,978,529 13,675,840 14,305,521 2,959,712 3,121,680 24,658 21,977 北海道 674,096 751,230 97,298 145,090 516,440 540,783 58,683 63,657 1,675 1,700 青森県 127,393 141,393 6,411 10,159 110,413 120,086 10,509 11,083 60 65 岩手県 120,369 133,852 8,422 13,826 104,304 112,169 7,612 7,828 31 29 宮城県 297,607 330,548 40,145 59,166 234,099 246,424 22,979 24,529 384 429 秋田県 114,686 124,888 8,445 13,160 88,934 93,909 17,307 17,819 - - 山形県 127,867 140,646 8,091 14,251 105,182 111,636 14,594 14,759 - - 福島県 188,244 212,368 22,782 36,401 164,806 175,270 655 696 1 1 茨城県 349,385 387,257 19,890 31,586 303,100 326,276 26,395 29,395 - - 栃木県 237,390 263,996 18,235 27,315 181,896 196,770 37,259 39,911 - - 群馬県 239,251 268,448 14,657 26,012 210,505 227,782 14,087 14,653 2 1 埼玉県 1,180,323 1,291,987 166,209 233,586 845,948 874,032 163,654 180,679 4,512 3,690 千葉県 1,039,543 1,134,301 167,297 231,332 732,942 755,740 136,024 144,408 3,280 2,821 東京都 3,133,626 3,396,643 665,801 893,021 2,064,500 2,080,182 396,751 417,815 6,574 5,625 神奈川県 1,828,045 1,995,269 280,332 385,189 1,258,340 1,305,444 283,682 299,672 5,691 4,964 新潟県 257,073 290,024 18,362 30,387 221,029 241,304 17,676 18,328 6 5 富山県 157,726 170,364 12,700 17,188 80,066 84,803 64,864 68,224 96 149 石川県 154,078 168,914 19,652 26,427 108,175 116,026 26,207 26,424 44 37 福井県 115,498 124,738 10,494 13,678 58,220 61,277 46,784 49,783 - - 山梨県 111,052 122,804 6,050 11,097 86,855 92,273 18,124 19,410 23 24 長野県 283,418 315,453 17,264 26,485 192,557 211,173 73,594 77,793 3 2 岐阜県 251,613 280,148 22,605 33,228 174,986 188,094 53,631 58,285 391 541 静岡県 587,509 641,803 46,954 63,606 472,788 506,916 67,661 71,122 106 159 愛知県 1,171,419 1,281,436 146,926 193,859 761,899 807,882 262,490 279,587 104 108 三重県 286,140 309,683 19,152 25,784 118,414 127,398 148,574 156,501 - - 滋賀県 186,642 211,470 47,974 67,646 125,964 129,762 12,704 14,062 - - 京都府 440,100 486,462 85,318 119,843 340,604 351,945 14,156 14,653 22 21 大阪府 1,623,131 1,751,791 293,780 411,972 1,064,915 1,084,710 264,217 254,900 219 209 兵庫県 868,937 956,457 148,735 210,309 587,634 607,243 132,547 138,888 21 17 奈良県 224,864 245,503 32,796 47,538 162,378 165,839 29,597 32,053 93 73 和歌山県 126,440 139,636 20,268 28,694 86,735 90,277 19,390 20,625 47 40 鳥取県 65,725 74,241 6,850 9,254 43,147 47,298 15,728 17,689 - - 島根県 71,747 80,191 8,221 10,324 48,156 52,885 15,272 16,886 98 96 岡山県 252,155 276,977 29,336 37,966 175,784 189,715 46,314 48,822 721 474 広島県 376,876 417,529 68,560 91,747 281,219 298,457 26,908 27,162 189 163 山口県 177,265 198,990 15,101 21,423 106,297 115,639 55,843 61,906 24 22 徳島県 93,491 106,680 6,519 13,704 62,489 67,721 24,483 25,253-2 香川県 129,347 142,815 10,255 15,291 95,293 103,135 23,785 24,303 14 86 愛媛県 171,340 189,107 13,572 20,702 132,178 141,937 25,578 26,446 12 22 高知県 72,533 81,054 7,207 10,660 56,254 61,009 9,024 9,319 48 66 福岡県 685,562 765,770 113,213 156,385 484,879 510,435 87,415 98,880 55 70 佐賀県 74,265 83,888 6,173 8,742 48,670 54,109 19,422 21,037 - - 長崎県 145,419 162,651 10,413 15,789 102,469 111,644 32,480 35,138 57 80 熊本県 170,830 192,749 26,045 35,290 125,898 136,696 18,877 20,725 10 38 大分県 140,487 155,039 15,050 19,991 76,240 82,961 49,195 52,049 2 38 宮崎県 115,343 126,403 10,533 15,290 67,416 72,975 37,394 38,118-20 鹿児島県 137,438 158,708 18,728 27,604 113,265 125,766 5,422 5,312 23 26 沖縄県 129,127 145,403 13,384 20,532 91,558 99,714 24,165 25,093 20 64 都道府県別契約数に関しては 報告規則に定めがなかったことから平成 17 年 6 月末時点の集計を行っていない 各サービス及び合計値ごとに 契約数が多い順に3 都道府県を選び網掛けを施した 総務省情報通信統計データベースより http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/field/data/gt010103.xls -7 -

参考文献 情報イノベーター 共創社会のリーダーたち 講談社現代新書川上和久 ( 著 ), 電通メディア社会プロジェクト ( 著 ) 流行の社会心理 勁草書房川本勝 ( 著 ) -8 -