な公益的機能は 国民に広く恩恵を与えるものであり 適切な森林の整備等を進めていくことは 我が国の国土や国民の命を守ることにつながります しかしながら 森林整備を進めるに当たっては 所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林の増加 境界未確定の森林の存在や担い手の不足等が大きな課題となっています 今回の新

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地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

与党の平成 29 年度税制改正大綱 ( 平成 28 年 12 月 8 日 ) に記載された事項 森林吸収源対策の財源確保に係る森林環境税 ( 仮称 ) の創設について 第一 平成 29 年度税制改正の基本的考え方 6 森林吸収源対策 2020 年度及び2020 年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向

森林環境教育について 森林環境教育とは 森林内での様々な体験活動等を通じて 森林と人々の生活や環境との関係についての理解と関心を深める取組 ( 平成 28 年度森林 林業白書より ) 森林環境教育の始まり 平成 11 年 (1999 年 )2 月 18 日中央森林審議会答申の中で 初めて 森林環境教

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H28秋_24地方税財源

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

税調第21回総会 資料2

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障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

目 次 1 林地台帳の公表 情報提供 1-1 公表 情報提供の範囲 1-2 公表の方法 1-3 情報提供の方法 2 林地台帳の修正 更新 2-1 修正申出の方法 2-2 情報の修正 更新手順 3 林地台帳管理システム 3-1 管理システムの機能 3-2 林地台帳情報と森林資源情報の連携 4. 運用マ

(2) 消費税率 10% への引上げ時に導入が予定されている軽減税率制度については 消費税 地方消費税の引上げ分のうち地方交付税原資分も含めると 約 3 割が地方の社会保障財源であり 仮に減収分のすべてが確保されない場合 地方の社会保障財源に影響を与えることになることから 確実に代替財源を確保するこ

58

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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森林吸収源対策に関する税制の創設に向けた経緯 森林所在市町村全国森林環境税創設促進連盟全国森林環境税創設促進議員連盟 与党税制調査会 平成 18 年度 全国森林環境税創設促進連盟 創設 山村地域の市町村の恒久的 安定的な財源確保を要望 平成 17 年 2 月京都議定書発効 平成 24 年 10 月国

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

sarete 目 次 1 はじめに 3 2 これまでの経緯 (1) 第一期の森林環境税課税期間 ( 平成 15 年度 ~ 平成 19 年度 ) 4 ア事業の目的 4 イ事業の成果 4 ウ第一期での課題 4 (2) 第二期の森林環境税課税期間 ( 平成 20 年度 ~ 平成 24 年度 ) 5 ア事業

平成18年度地方税制改正(案)について

様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

1-1 林地台帳の記載事項 1 林地台帳には 法改正案に規定されているものに加え 市町村の行政事務の円滑化や の施業集約化の効率化に資する情報を記載 ( 省令 通知で規定 ) 追加的な情報としては 経営計画の認定状況 保安林等法指定状況等を想定 ( これらはすでに市町村や 都道府県が有している情報

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

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2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

Ⅳ 地方交付税

第14回税制調査会 総務省説明資料(・地方税務手続の電子化等2・個人住民税2)

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介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

平成31年度予算概算決定額 森林整備事業 治山事業 林野公共事業 (平成30年度1次補正予算額5,199百万円 182, ,049 百万円 平成30年度第2次補正予算額 32,528百万円) 臨時 特別の措置 として31年度概算決定額44,128百万円を別途措置 対策のポイント 林業の成

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政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

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01 【北海道】

市場と経済A

税源配分及び財政調整 < 税源配分 > 特別区と大阪府の事務分担に応じて財源を配分するとともに 特別区間の税源偏在の解消を図るために必要な税財源を大阪府の税源として配分 特別区税 大阪府が賦課徴収する税を除く市町村税( 個人市町村民税 市町村たばこ税 軽自動車税等 ) 大阪府税 市町村税のうち法人市

3. 同意要件との関係宿泊税について 不同意要件に該当する事由があるかどうか検討する (1) 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし かつ 住民の負担が著しく過重となること 1 課税標準宿泊行為に関連して課税される既存の税目としては 消費税及び地方消費税がある 宿泊税は宿泊者の担税力に着目して宿泊数

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 4-5 福島 震災復興 租税特別措置等により達成しようとする目標 政策の達成目標と同じ 租税特別措置等による達成目標に係る測定指標 仮設施設の整備数 8 有効性等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 東日本大震災で

緑の雇用 事業を開始するまでは 林業の新規就業者数は年平均約 2 千人程度でしたが 事業 を開始した以後は約 3 千 4 百人に増加し 平成 22 年度には 4,013 人となっています ( 図 ) 2

車体課税の見直しの考え方 ( 地方税 ) < 当面の対応 > 環境への配慮 我が国自動車産業の技術的優位性の確保 向上等の観点から 一律の負担軽減ではなく 環境性能等に優れた戦略的商品の普及を重点的に促進していくという視点が重要 自動車取得税 一律の負担軽減は 環境性能が劣る自動車が相対的に有利とな

参考資料3(第1回検討会資料3)

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

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森林吸収源対策について

2 一般会計予算案の構成の概要 ⑴ 一般会計予算案のうち主な歳入の説明 Ⅰ 県 区 税 分 平成 31 年度予算案 平成 30 年度予算額 比 ( 単位百万円 ) 較 増減額増減率 % 県 民 税 57,320 59,877 2, 法人県民税 3,670 3, 個人

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

目 次 ( ヘ ージ ) 1 はじめに 1 2 山梨県の森林と地下水資源について 1 (1) 森林の現状 1 (2) 地下水資源の利用状況 1 3 ミネラルウォーターに関する税 について 1 (1) ミネラルウォーターに関する税 の概要と考え方 1 (2) 納税義務予定者の意見 2 4 検討会での審

1 次期計画の策定の基本的考え方 県民会議は 県民参加による水源環境保全 再生のための新たな仕組みづくり として 設置され 現在まで 3 年にわたり 県民フォーラム等により県民参加を図りながら 各年度の点検を行い 県に報告してきたところである その中において 現行計画の各施策は 水源環境の保全 再生

( 事業所税の課税標準の特例 ) 第三十三条 ( 略 ) 2~5 ( 略 ) 6 平成二十九年四月一日から平成三十一年三月三十一日までの期間 ( 以下この項において 補助開始対象期間 という ) に政府の補助で総務省令で定めるものを受けた者が児童福祉法第六条の三第十二項に規定する業務を目的とする同法

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ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提


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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

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11

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

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渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

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スライド 1

陳情議決結果一覧 ( 平成 19 年 5 月 ~ 平成 23 年 4 月 ) 番号受理年月日件名付託委員会 議決年月日 結 果 陳情 第 1 号 H 非核日本宣言 を求める意見書の提出要請について 総財委 H 採 択 陳情第 2 号 H 原爆症認定制度の抜本的改

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

(1) 森林の状況 森林蓄積の推移蓄積1 森林の現状と課題 我が国は世界有数の森林国 森林面積は国土面積の 3 分の 2 にあたる約 2,500 万 ha( 人工林は約 1,000 万 ha) 森林資源は人工林を中心に蓄積が毎年約 7 千万 m³ 増加し 現在は約 52 億 m³ 人工林の半数が一般

本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

Transcription:

森林環境税 仮称 と 森林環境譲与税 仮称 の創設 昨年末に決まった平成 30 年度税制改正の大綱において 森林環境税 仮称 及び森林環境譲与税 仮称 の創設が決まりました 森林環境 譲与税 仮称 は平成 31 年度から自治体への譲与が開始されます 国 民の皆様一人一人に森林を支えていただき 次世代に豊かな森林を引き 継いでいくための仕組みであるこの森林環境税について 税創設を巡る 経緯や税の仕組み 使途等について解説します 森林環境税を巡る経緯 地球温暖化防止のための森林吸収源 成 年度以降は 多くの森林が所在す る市町村を中心に結成された 全国森 林環境税創設促進連盟 及び 促進議 員連盟 により 森林環境税の創設に 続けられてきました 林野庁では 平 での検討や 関係者による働きかけが これまで長期間にわたり 政府 与党 害の激甚化等による国民の森林への期 パ リ 協 定 の 採 択 や 昨 今 の 山 地 災 防止に向けた新たな国際枠組みである こうした中 平成 年の地球温暖化 向けた運動が展開されてきました 成9年に採択され 平成 年2月に発 対 策 に 関 す る 財 源 の 確 保 に つ い て は 18 向けて 森林吸収量の確保に必要とな の温室効果ガス排出削減目標の達成に 効した 京都議定書 に基づく我が国 論を得る とされたことを踏まえ 今 ついて平成 年度税制改正において結 税 制 改 正 大 綱 に お い て 税の創設に 待の高まり等も受け 平成 年度与党 27 る間伐等を推進するため 平成 年度 17 の財源となる税を要望してきました 税制改正以降 森林吸収源対策のため となった新たな森林整備の仕組みの検 年度 林野庁において 市町村が主体 29 討を進めるとともに 総務省では地方 30 平成 年には 国において石油石炭 17 林吸収源対策は使途に含まれなかった プロジェクトチーム等における議論が これらの検討と並行して 自民党の 財政審議会に検討会を設置し 具体の こと等を受け 改めて森林吸収源対策 進められ 月下旬以降に 与党税制 税への上乗せとして 地球温暖化対策 に関する財源の確保について早急に検 調 査 会 に お け る 議 論 が 行 わ れ た 結 果 制度設計の検討が進められました 討を行うため 平成 年に自由民主党 のための税 が創設されましたが 森 24 月の税制改正大綱での 平成 年度 からの税創設 との結論へと至りまし ど 政府 与党を通じて検討が深めら れてきました また 森林を守るための財源の確保 については 国の動きに先んじて地方 害防止 国土保全 水源涵養等の様々 森林の有する地球温暖化防止や 災 森林環境税創設の趣旨 保についての新たな仕組みの専門検討 31 た に 森林吸収源対策等に関する財源確 11 プロジェクトチーム が設置されるな 12 26 団体から声が上げられており 特に平 3 2018.2 No.131 林野 手入れの遅れた人工林 手入れされた人工林

な公益的機能は 国民に広く恩恵を与えるものであり 適切な森林の整備等を進めていくことは 我が国の国土や国民の命を守ることにつながります しかしながら 森林整備を進めるに当たっては 所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林の増加 境界未確定の森林の存在や担い手の不足等が大きな課題となっています 今回の新たな税は このような現状認識の下 1パリ協定の枠組みの下におけるわが国の温室効果ガス排出削減目標の達成 災害防止を図るための森林整備等の地方財源を安定的に確保する観点から 2森林現場の課題に対応するため 現場に最も近い市町村が主体となって森林を集積するとともに 自然条件が悪い森林について市町村自らが管理を行う 新たな森林管理システム を創設することを踏まえ 国民一人一人が等しく負担を分かち合って我が国の森林を支える仕組みとして創設されることとなりました 税の仕組み森林環境税は 国民から税をいただく森林環境税(仮称)と これを森林の整備等に使う森林環境譲与税(仮称)という2つの税から構成されます 森林環境税(仮称)は 個人住民税の均等割の納税者の皆様から 国税として1人年額1,000円を上乗せして市町村に徴収していただきます 税収については 市町村から国の交付税及び譲与税特別会計に入ります 個人住民税均等割の納税義務者が全国で約6千万人ですので 税の規模は約600億円となります 時期については 東日本大震災を教訓とした各自治体の防災対策のための住民税均等割の税率引き上げが平成35 年まで行われていること等を踏まえ 平成36 年から課税することとされています 森林環境譲与税(仮称)は 国に一旦集められた税の全額を 間伐などを実施する市町村やそれを支援する都道府県に客観的な基準で譲与(配分)します 森林環境譲与税(仮称)は 森林現場の課題に早期に対応する観点から 後述する 新たな森林管理システム の施行と合わせ 課税に先行して 平成31 年度から開始されます 譲与税を先行するにあたって その原資は交付税及び譲与税特別会計における借入により対応することとし 譲与額を徐々に増加するように設定しつ適切な伐採や広葉樹の導入等により針広混交林へ誘導森林整備の様々な効果適切に森林の整備 保全を行うことにより 森林の多面的な機能が発揮され 温室効果ガス削減の国際約束の達成に貢献するとともに 国民の安全で安心な暮らしを確保 森林整備の主な効果土壌浸食 流出の防備二酸化炭素の吸収量増加自然災害への抵抗力の向上生物多様性の保全水源涵養機能の向上複層林化による多様な森づくり間伐により樹木の成長が促進林床に光が差し込むことにより下層植生が回復 4 林野 2018.2 No.131 適切な森林整備

森林環境税 ( 仮称 ) と森林環境譲与税 ( 仮称 ) の創設都道府県市町村交付税及び譲与税配付金特別会計つ 借入金は 後年度の森林環境税(仮称)の税収の一部をもって償還することとされています 譲与額を段階的に増加させるのは 主体となる市町村の体制の整備や 所有者の意向確認等に一定の時間を要すると考えられることによるもので 平成31 年度は200億円から開始することとされています 税の使途 譲与基準等(1)使途森林環境譲与税(仮称)の使途については 1間伐や路網といった森林整備に加え 森林整備を促進するための 2人材育成 担い手の確保3木材利用の促進や普及啓発に充てなければならないこととされています また 都道府県は これらの取組を行う市町村の支援等に充てなければならないこととされています すなわち 森林を抱える山間部の市町村においては 後述する新たな森林管理システムを活用し これまで様々な課題等により手入れができていなかった森林における間伐 路網等の森林整備や このための意向調査 境界画定 さらに森林整備を担う人材育成や担い手の確保等の取組を推進していただくこととなります また 森林が少ない都市部の市町村では 森林整備を支えるとともに森林 林業への理解促進にもつながる木材利用や普及啓発等の取組を進めていただくこととなります (2)譲与基準等市町村と都道府県の譲与割合は9:1となりますが 制度発足初期は 市町村の支援を行う都道府県の役割が大きいと考えられることから 経過措置として市町村:都道府県=8:2でスタートし 市町村への譲与割合を徐々に高める という設計となっています また 譲与基準は 5/10 を私有林人工林面積で 2/10 を林業就業者数で 3/10 を人口で譲与することとされています また 私有林人工林面積については それぞれの市町村の林野率で面積を補正することとしています これは 私有林の中でも条件不利な森林を反映するという考え方によるものです 林野率85 %以上の市町村については1 5 75 %以上の市町村については1 3を私有林人工林面積に乗じることとなります (3)使途の公表森林環境税は 都市 地方を通じて注 : 一部の団体においては超過課税が実施されている 国 間伐 ( 境界画定 路網の整備等を含む ) 人材育成 担い手確保 木材利用促進 普及啓発等公益的機能の発揮等都道府県森林環境譲与税 ( 仮称 ) 市町村国税森林環境税 ( 仮称 )1,000 円 / 年 ( 賦課徴収は市町村が行う ) 個人住民税均等割道府県民税 1,000 円 / 年市町村民税 3,000 円 / 年災害防止 国土保全機能地球温暖化防止機能水源涵養機能 市町村の支援等納税義務者約 6,200 万人平成 36 年度から施行平成 31 年度から施行インターネットの利用等により使途を公表インターネットの利用等により使途を公表賦課決定私有林人工林面積 ( 林野率により補正 ) 林業就業者数 人口により按分森林環境税 ( 仮称 ) 及び森林環境譲与税 ( 仮称 ) の制度設計イメージ森林整備等のために必要な費用を 国民一人一人が広く等しく負担を分任して森林を支える仕組み 5 2018.2 No.131 林野

国民皆で森林を支える仕組みであることから 森林環境譲与税(仮称)を活用するに当たっては広く国民全体に対して説明責任を果たすことが求められます このため 市町村等は森林環境譲与税(仮称)の使途を公表しなければならないこととされています 新たな森林管理システムわが国の森林 特に人工林は 資源が充実し主伐期を迎えつつあります 一方で 森林現場には 森林所有者の経営意欲の低下等の課題があり 森林の手入れや木材生産が十分になされていない状況です このため 林野庁においては 林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため 新たな森林管理システム を創設することとしており 関連法案を今国会に提出し 平成31 年4月からの施行を目指しています 森林環境税は この新たな仕組みの創設を踏まえて創設されるものです 新たな仕組みにおいては 1森林所有者に適切な森林管理を促すため 適時に伐採 造林 保育を実施するという森林所有者の責務を明確化し 税収は粗い見込み値であり 計数全般について借入金利子を勘案していない 課税開始初年度である平成 36 年度は 市町村への納付 納入が行われるのが 6 月以降であり 都道府県を経由して国の譲与税特別会計に払い込まれるまで時間を要すること等から 平年度化後の税収 ( 約 600 億円程度 ) の概ね半分の約 300 億円の譲与額となることが見込まれる 森林環境譲与税 ( 仮称 ) の各年度の譲与額と市町村及び都道府県に対する譲与割合及び基準 市町村の体制整備の進捗に伴い 譲与額が徐々に増加するように借入額及び償還額を設定 森林整備を実施する市町村の支援等を行う役割に鑑み 都道府県に対して総額の 1 割を譲与 ( 制度創設当初は 市町村の支援等を行う都道府県の役割が大きいと想定されることから 譲与割合を 2 割とし 段階的に 1 割に移行 ) 使途の対象となる費用と相関の高い客観的な指標を譲与基準として設定 50%: 私有林人工林面積 ( 林野率による補正 ) 20%: 林業就業者数 30%: 人口市町村と同じ基準市町村分市町村 : 都道府県の割合 80:20 85:15 88:12 90:10 市町村分 160 160 160 240 240 240 340 340 340 340 440 440 440 440 540 都道府県分 40 40 40 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 初年度約 300 円平年度約 600 円 200 200 200 300 300 300 400 400 400 400 200 200 200 200 500 500 500 500 100 100 100 100 600 600 都道府県分 6 林野 2018.2 No.131

森林環境税 ( 仮称 ) と森林環境譲与税 ( 仮称 ) の創設 2森林所有者自らが森林管理できない場合には その森林を市町村に委ねていただき 3経済ベースにのる森林については 意欲と能力のある林業経営者に経営を再委託するとともに 4自然的条件から見て経済ベースでの森林管理を行うことが困難な森林等については 市町村が公的に管理を行うこととしています この仕組みの下で 市町村が行う公的な管理としての森林整備や 所有者の意向調査 境界画定 人材育成 担い手の確保などのシステムを円滑に機能させるための取組に必要な財源として 森林環境譲与税(仮称)の一部を充てることとしているところです また 所有者不明森林が全国的に問題になっている中で 所有者が不明な場合でも市町村に委託ができることとするよう 仕組みを検討しています おわりに森林環境税(仮称)は 地球温暖化防止や災害防止等を図るための地方の安定的な財源であり 全国の市町村等の皆様がこれを有効に活用することにより 各地域において これまで手入れができていなかった森林の整備が進むことを期待しています また 森林があまりない都市部の市町村においても 森林整備を支える木材利用等の取組を進めていただくとともに 例えば山間部の市町村における水源の森づくりを共同で行ったり 都市部の住民が参加しての植林 育林活動を実施したりといった新たな都市 山村連携の取組も各地で生まれることを期待しています 森林環境税により 森林整備に地域の安定的な財源が確保されることは 様々な森林の公益的機能の発揮を通じて地域住民や国民全体の安全 安心の確保につながるとともに 地域の安定的な雇用の創出など 地域活性化にも大きく寄与するものです 一方で 森林環境税は 国民からの新たな負担をいただくものですので 譲与を受ける側には 税を活用して適正な森林整備等を行い その成果を明らかにしていくことが求められます 国としても 引き続き国民の皆様への説明 理解促進に努めるとともに 主体となっていただく市町村や 都道府県 林業事業体 森林所有者等と一体となって 地域の実情に応じた森林整備等が着実に進むよう取り組んでまいります 林業経営の効率化及び森林の管理の適正化の一体的な促進を図るため 以下の新たな森林管理の仕組みを措置 1 森林所有者に適切な森林管理を促すため 森林管理の責務を明確化するとともに 2 森林所有者自らが森林管理を実行できない場合に 市町村が森林管理の委託を受け意欲と能力のある林業経営者に再委託する 3 再委託できない森林及び再委託に至るまでの間の森林においては 市町村が管理を行う 適切な森林管理の責務を明確化適時の伐採 造林 保育の実施都道府県 所有者不明森林等についても 一定の手続きにより委託ができるよう特例を措置 新たな森林管理システム ( 案 ) の概要森林所有者意欲と能力のある林業経営者市町村林業経営の再委託森林管理の委託自然的条件に照らして林業経営に適さない森林等市町村による間伐等の管理 ( 市町村森林管理事業 ) 林業経営に適した森林意欲と能力のある林業経営者に林業経営を再委託公表募集支援措置信用基金による経営の改善発達に係る助言等林業 木材産業改善資金の償還期間の延長国有林野事業における受託機会増大への配慮林業経営の再委託を希望する林業を営む者を募集 公表 7 2018.2 No.131 林野