( 様式 4) 二国間交流事業共同研究報告書 平成 29 年 4 月 10 日 独立行政法人日本学術振興会理事長殿 共同研究代表者所属 部局名古屋大学 大学院工学研究科 ( ふりがな ) せきねまこと職 氏名特任教授 関根誠 1. 事 業 名相手国 ( スロベニア ) との共同研究 振興会対応機関 (MIZS) 研究課題名カーボンナノウォールを用いた発がん物質ガス分子センシングに関する研究 2. 全採用期間 平成 27 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 ( 2 年 0ヶ月 ) 3. 経 費 総 額 本事業により執行した研究経費総額 研究交流経費 ( 直接経費 ): 3,800,220 円 間接経費 : 0 円 初年度経費 研究交流経費 ( 直接経費 ):2,205,000 円 間接経費 : 0 円 2 年度経費 研究交流経費 ( 直接経費 ):1,595,220 円 間接経費 : 0 円 3 年度経費 研究交流経費 ( 直接経費 ): 円 間接経費 : 円 5. 研究組織 (1) 日本側参加者 ( 実施期間中の参加者全員 ( 途中から参加 / 不参加となった方も含む )) 途中から参加 / 不参加となった場合は 参加期間も記入してください 氏名所属 職名堀勝名古屋大学 教授近藤博基名古屋大学 准教授石川健治名古屋大学 特任教授竹田圭吾名古屋大学 助教豊田浩孝名古屋大学 教授田嶋聡美 ( 参加期間 : 平成 27 年 4 名古屋大学 特任准教授月 1 日 ~ 平成 27 年 12 月 31 日 ) 小田修名古屋大学 特任教授田中宏昌名古屋大学 特任講師宮脇雄大 ( 参加期間 : 平成 27 年 4 名古屋大学 ポスドク研究員月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 ) 伊藤昌文名城大学 教授平松美根男名城大学 教授 - 1 -
太田貴之趙亨峻天野智貴今井駿 名城大学 准教授名古屋大学 ポスドク研究員名古屋大学 博士後期課程 2 年名古屋大学 博士後期課程 1 年 (2) 相手国側研究代表者 所属 職名 氏名 Jožef Stefan Institute Professor Uros Cvelbar (3) 相手国参加者 ( 実施期間中の参加者全員 ( 途中から参加 / 不参加となった方も含む )) 途中から参加 / 不参加となった場合は 参加期間も記入してください 氏 名 所属 職名 Miran Mozetic Rok Zaplotnik Gregor Filipic Martina Modic Jozef Stefan Institute 教授, 部局長 Jozef Stefan Institute 博士研究員 Jozef Stefan Institute 博士研究員 Jozef Stefan Institute 博士研究員 Harinarayanan Puliyalil Natasa Hojnik Andrea Jurov(2016 年 10 月 1 日 ~2017 Jozef Stefan Institute 博士課程院生 Jozef Stefan Institute 博士課程院生 Jozef Stefan Institute 博士課程院生 年 3 月 31 日 ) *(1) (3) 共に代表者は除きます - 2 -
6. 研究実績概要 ( 全期間を通じた研究の目的 研究計画の実施状況 成果等の概要を簡潔に記載してください ) プラズマプロセスは 活性なイオン ラジカルや光などが引き起こす非平衡状態の化学反応によって ナノ寸法の微細加工や室温程度の低温で新機能材料を形成することが実現できる 名古屋大学 ( 以下名大 ) では プラズマ内に存在するラジカルを詳細に計測し その組成や密度を制御することによって 超高精度の加工や機能材料を合成することに成功している 特に カーボン系ラジカルと水素ラジカルを独立に制御する手法を開発し 数 ~ 十数層のグラフェンシートが基板に対して垂直に成長したカーボンナノウォ-ル (CNW) の形成手法を確立し 半導体の性質を示す CNW の合成に世界で初めて成功している 図 1 に CNW の電子顕微鏡写真を示す CNW は 2 ~ 5 nm の幅を保持しながら 基板に垂直に成長し そのアスペクト比 ( 高さ / 幅 ) は 2000 にも達するため 超比表面積効果や量子効果の出現が期待され 多様な応用を開拓する魅力がある また 触媒を使わずに自己組織化プロセスによって形成されるため 基板の種類を選ばない さらに プラズマのパラメータ ( 電子密度 イオンエネルギー等 ) を制御することで CNW を整列させて特異な構造を形成することができる これらの特徴を活用し 名大では CNW の電子デバイス分野への応用を追求してきた 図 1 CNW の SEM 像本研究では まず名大において プラズマパラメータの制御によりウォール間隔の異なる CNW 試料の作製に成功し その試料を Uros Cvelbar 教授に提供した Jožef Stefan Institute において この CNW 上に 車の排ガスに含まれる分子量の異なる炭化水素 (HC) 分子を吸着させて CNW 表面に設置した電極間の抵抗値を測定した その結果 抵抗値の時間変化をモニターすることで分子認識が可能であることが分かった またウォールの間隔によりその感度が異なることが見いだされた 次に 環境中の発がん性物質や有害物質をそれらの臭気から検出するセンサーをカーボンナノウォ-ル (CNW) を利用することで高機能化し 全く新しいセンサーアレイデバイスを研究開発するために まず ウォール間隔の異なる CNW とウォールの方向が比較的一方向に揃った CNW を合成した また CNW の側面およびグラフェンエッジにフッ素原子あるいは酸素原子でターミネイトした CNW を合成し 吸着ガス種の選択性に対する応答を研究すべくスロベニアのチームへ送付した スロベニア Jožef Stefan Institute およびそこと連携するチェコの Tomas Bata University において実験を遂行し MF( ジメチルホルムアミド ) HMPA( ヘキサメチル ) の吸着とその時の CNW の抵抗値の変化を調査した CNW は個々のウォールが複数の結束点 ( 線 ) を通して他のウォールと接続されており 個々のウォールの抵抗値変化が 薄膜状に構成されている CNW( 基板寸法 10mm 程度 ) のマクロな抵抗値変化に統合されて検出されると考えられる その結果 炭化水素 (HC) 分子を吸着させた場合と同様に抵抗値変化が認められた さらにその変化値は MF と HMPA では異なり HC 種とも選択比が得られることが明らかとなった これに加え CNW の上部エッジ部分付近を金属ナノ微粒子 (Pt TiO 2 SiO 2 ) で修飾し 同様の実験を試みた 微粒子の種類により 感度 ( ガス種の吸着の有無による抵抗値変化の割合 ) が変化することが分かった これは 検出分子の吸着により抵抗値が変化する部分が主にウォールのエッジ部分であることを示唆している このことは CNW 膜における伝導機構のモデルとして グラフェンエッジ端部の電子構造 すなわちバンド構造 状態密度が強く影響し 種々の分子の吸着に伴う電子構造の変化が発現していると考えられる 上記の実験に一部参加あるいは実験の状況を見学し またデータについて議論するために 堀教授 近藤准教授 関根特任教授 および趙亨峻博士研究員 博士課程学生が Jožef Stefan Institute を訪問し ワークショップにも参加して 議論を深めた また Jožef Stefan Institute から Uros Cvelbar 教授 Martina Modic 博士研究員 博士課程学生の Andrea Jurov が名大に 1 週間程滞在し 名大の教員 学生とともにプラズマ計測実験 CNW の合成実 - 3 -
験 表面分析を行い さらに CNW により分子認識ができる機構についても議論した 本研究期間中にプラズマ誘起自己組織化プロセスによる 3 次元ナノ構造物形成で世界をリードする Josef Stefan Institute の Miran Mozetič 教授と Uros Cvelbar 教授がそれぞれ来日し 講義を行った これにより CNW 以外の構造物のプラズマを用いた作製方法とその機能評価 応用についての詳細な知見を名大側が得ることができた さらにスロベニアにて開催した 2 回のワークショップ さらに Czech 共和国 Zlin 市の Center of Polymer Systems, Tomas Bata University において 1 回ワークショップを開催し 名大から関根誠特任教授 近藤博基准教授 堀勝教授 趙亨峻博士研究員および博士課程学生数名大が参加し 名大プラズマナノ工学研究センターにおける成果を報告し スロベニアのプラズマセンター (Plasma Laboratory of the Jozef Stefan Institute) Tomas Bata University のみでなくヨーロッパ各国のプラズマ研究機関に研究内容を認知させることができた さらに これらによりチェコ スペイン イタリア ポルトガル ユーゴスラビアからの研究者との新たなネットワーク構築ができた また 実際に研究 実験を相手国側のスタッフ 学生とともに遂行することによって 名大のスタッフ 学生およびスロベニアの学生など若手研究者の異文化に対する興味と理解が深まった - 4 -
7. 派遣 受入実績 (1) 各研究期間中に相手国または相手国以外の国を訪問した日本側参加者氏名 派遣期間 主たる訪問先 ( 相手国以外の国における訪問先には下線を引き 国名を明記してください 委託費から支出した出張のみ記載してください ただし 日本国内出張は除きます ) 1 2 氏名 所属 職名 関根誠 名古屋大学 特任教授近藤博基 名古屋大学 准教授今井駿 名古屋大学 博士後期課程 1 年堀勝 名古屋大学 教授 小計 4 名 ( 延べ人数 ) 堀勝 名古屋大学 教授 期間 ( 現地到着日 ~ 現地出発日 ) 2015 年 9 月 27 日 ~9 月 30 日 2015 年 9 月 27 日 ~9 月 30 日 2015 年 9 月 27 日 ~9 月 30 日 2016 年 2 月 28 日 ~3 月 3 日 2017 年 3 月 11 日 ~3 月 16 日 主たる訪問先 ( 機関名 国名 ) Jozef Stefan Institute,Slovenia Jozef Stefan Institute,Slovenia Jozef Stefan Institute,Slovenia Hotel Natura Slovenia (ICAPT-5 会場 ) スロベニア Hotel Natura:Rogla 1,3214 Zrese,Slovenia 81st IUVSTA Workshhop on Response of Biological Materials to Plasma Treated Medium 関根誠 名古屋大学 特任教授 2017 年 3 月 11 日 ~3 月 16 日 同上 小計 2 名 ( 延べ人数 ) 3 小計名 ( 延べ人数 ) 合計 6 名 ( 延べ人数 ) - 5 -
(2) 各研究期間中に受け入れた相手国参加者氏名 来日期間 主たる訪問先 ( 振興会から滞在費等の支給 1 を受けた研究者に * 印をつけてください ) 氏名 所属 職名 Miran Mozetic Jozef Stefan Institute 教授, 部局長 期間 ( 来日日 ~ 離日日 ) 主たる訪問先 ( 機関名 ) 2016 年 3 月 6 日 ~3 月 12 日名古屋大学 小計 1 名 ( 延べ人数 ) 2 Uros Cvelbar Jozef 2017 年 1 月 25 日 ~2 月 1 日 名古屋大学 年 Stefan Institute 教授 度 Martina Modic Jozef 2017 年 1 月 25 日 ~2 月 3 日 名古屋大学 目 Stefan Institute 博士研 究員 Andrea Jurov Jozef 2017 年 1 月 25 日 ~2 月 3 日 名古屋大学 Stefan Institute 博士課 程院生 小計 3 名 ( 延べ人数 ) 3 年 度 目 小計名 ( 延べ人数 ) 合計 4 名 ( 延べ人数 ) - 6 -