危険ドラッグ対策について 平成 28 年 2 月 17 日東京都福祉保健局健康安全部薬務課危険ドラッグ対策担当 1
本日の内容 1 危険ドラッグによる事件 事故 2 危険ドラッグ とは? 乱用薬物 危険ドラッグの種類と成分 危険ドラッグ流通の現状 売り文句あの手この手 3 危険ドラッグの乱用状況 4 東京都の危険ドラッグ対策 対策の現状( 規制 監視 啓発 ) 2
1 危険ドラッグによる事件 事故 3
危険ドラッグ関係報道 平成 26 年 6 月東京都豊島区西池袋の歩道で 乗用車が暴走し 多数の死傷者が出た事故で 警視庁は容疑者を自動車運転死傷行為処罰法違反容疑で現行犯逮捕 容疑者は 池袋周辺で買った脱法ハーブを運転前に車中で吸い 途中から全く記憶がない と供述 都内発生の死亡 傷害事例 危険ドラッグの危険性を強く示唆 4
危険ドラッグ関係報道 平成 26 年 10 月 9 月中旬から 2 週間余りで ハートショットと呼 ばれる危険ドラッグの使用により 9 名が死亡したとみ られる 平成 26 年 12 月 隣の部屋に住む女性の部屋に侵入し 顔などをナイ フで切りつけ軽傷を負わせたとして 東京地検は 31 日 住居侵入と傷害の罪で男を起訴した しぇしぇ しぇのしぇ などと奇声を発生したり 報道陣に向 かってピースをする等異様な行動 この他にも 危険ドラッグの販売 所持 使用で多数逮捕等されている 5
2 危険ドラッグ とは? 6
危険ドラッグとは 多幸感や快感を高めるなどと称して販売される製品の呼称 法の規制を潜り抜けるために 麻薬や覚醒剤等の化学構造の一部を変化させた薬物を含有しており その危険性は麻薬や覚醒剤と同等以上のものもあると推測されている H3C-O NH2 H3C-O NH2 H3C O-CH3 O2N O-CH3 類似物質を合成 DOM 麻薬 (2,5- ジメトキシ - 4- メチルアンフェタミン ) DON 除外? (2,5- ジメトキシ - 4- ニトロアンフェタミン ) 平成 22 年 9 月 24 日から薬事法指定薬物 (H26.11 より薬事法から医薬品医療機器等法へ名称変更 ) 7
危険ドラッグとは 類似物質を合成 覚醒剤 ( アンフェタミン ) 危険ドラッグ (3- フルオロアンフェタミン ) *3-フルオロアンフェタミンは 平成 26 年 12 月 27 日に知事指定薬物 平成 27 年 2 月 9 日に指定薬物となりました 8
販売者 使用者 合法ドラッグ 違法成分は入っていない 販売しても捕まらない 使っても捕まらない 行政 マスコミ 脱法ドラッグ違法ドラッグ 規制を逃れているだけ 害悪は規制薬物と同様 麻薬を検出した例もある 乱用による事件 事故が後を絶たない 平成 26 年 7 月 22 日政府が 新呼称 発表 危険ドラッグ 危険性の認識を促し乱用拡大に歯止め! 9
危険ドラッグの種類 10
新たな形態の危険ドラッグ 中身は 薬物を含浸させた紙 ( シート状ドラッグ ) 防虫シート と称し販売まるで LSD!? 11
新たな形態の危険ドラッグ シバガス等の名称小型ボンベに亜酸化窒素を封入したもの 亜酸化窒素は医薬品等の成分であるが 必要な手続きをしていない 自転車のタイヤ充填用などと称し販売 店によっては 風船 や パンチャー と呼ばれる開封用の器具と一緒に販売 12
主な危険ドラッグの成分 作用について 系統指定薬物の例作用 合成カンナビノイド系 ( カンナビノイドとは 大麻 ( カンナビス ) に含まれる活性物質の総称 ) AB-CHMINACA 5F-AMB 幻覚 陶酔 ( 大麻に含まれる麻薬成分の作用と同じ ) フェネチルアミン系 幻覚 ( 興奮 ) 25C-NBOMe 4F- アンフェタミン カチノン系 興奮 幻覚 3,4-Methylenedioxy-α-PHP 4MeO-α-POP 13
主な危険ドラッグの成分 作用について 系統指定薬物の例作用 トリプタミン系 幻覚 5MeO-MiPT ピペラジン系 興奮 幻覚 MBZP PCP 系 興奮 幻覚 3MeO-PCP 14
合成カンナビノイド OH O O N Δ9-THC 大麻に含まれる活性成分 JWH-018( 合成カンナビノイド ) 指定薬物 (21.11) 麻薬 (24.8) カンナビノイドとは 大麻 ( カンナビス ) に含まれる活性物質の総称カンナビノイドと類似の作用を示すもの 合成カンナビノイド 15
カチノン系薬物 ブフェドロン ( カチノン系薬物 ) O H N メタンフェタミン ( 覚醒剤 ) H N 覚醒剤と似た構造 = 作用 リキッド系 パウダー系から多く検出されたが 最近は 16
危険ハーブ パッケージ内には乾燥植物片が入っている 小分け 巻きタバコ状で販売する店舗もある 17
ウスベニタチアオイ ( 薄紅立葵 ) 別名マシュマロウ (Marsh mallow) ビロードアオイ 学名 :Althaea officinalis L. ヨーロッパ原産 お菓子のマシュマロはウスベニタチアオイの根から取れる澱粉を利用して作られていた 西洋ハーブとして使用されており若葉 花はハーブティーに利用でき のどの痛みを緩和するといわれている 18
危険ハーブ 幻覚作用などを有する植物 ではなく 化学物質 ごく普通の植物に 大麻様作用などを持つ 化学物質 を吹き付けて乾燥! 19
危険ハーブの拡大写真 結晶状の粒 光学顕微鏡 (8 倍 ) さらに拡大すると 20
危険ハーブの拡大写真 化学物質の 結晶が 電子顕微鏡 (150 倍 ) 21
120 危険ドラッグ流通状況 ( 海外 ) ヨーロッパにおける新規 NPS( 危険ドラッグ成分 ) の出現数の推移 100 80 60 40 20 0 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 ピペリジン ピロリジン系ピペラジン系アリルサイクロヘキシルアミン系アミノインダン系トリプタミン系ベンゾジアゼンピン系オピオイド系カチノン系アリルアルキルアミン系その他の物質フェネチルアミン系合成カンナビノイド系 EMCDDA-Europol 2013 Annual Report on the implementation of Council Decision 2005/387/JHAなどより 22
危険ドラッグの販売形態 店舗 ( ヘッドショップ等と呼ばれる ) インターネット販売 デリバリー販売 平成 27 年 8 月都内の販売店舗は 0 件へ インターネット販売 デリバリー販売型に 移行しているとみられている 23
都内のヘッドショップ数 (H27.8.1 時点 ) 軒数 減少 東京都福祉保健局健康安全部薬務課集計 年度 24
販売側の宣伝文句 店舗紹介 お香 アロマ パウダーのネットショップ すべて欧州直輸入で厳重管理のもと販売しています 発送元 個人名 品名 アクセサリー でお届けします 24 時間デリバリーで販売しています! 商品紹介 規制対応商品が新入荷しました! 商品すべて3g3 千円! 買いだめ必須! お早目に! 赤ワインのマイルドな香りに酔いしれてください 夏にぴったりなミントの爽やかな香り 明るい香りと強さで人気の がバージョンアップ! 幸せタップリの香りが新登場! 香りは強めですので少量からお楽しみください 25
危険ハーブの裏面表示例 当商品はお香です 引火した香炭をのせた香呂に適量づつ使用してください 一般のお香以外の使い方をしないでください 直接吸引するなどの危険な行為は 絶対にしないでください 未成年のご購入はお断りしています 小さな子どもやペットの手の届かない範囲で保管してください 26
危険ハーブの裏面表示例 ストップ吸引! 27
危険ドラッグの裏面表示例 ( リキッドタイプ ) ご注意 決して飲まないでください 万一 目に入った場合は水でよく洗い流してください 28
危険ドラッグが若者の 薬物への抵抗感 を薄めてしまった!? 合法 ( 罪悪感低下 安全?) ネット ( 情報氾濫 容易 デリバリー ) 吸引 ( 手軽 オシャレ 痕跡なし ) 29
3 危険ドラッグの乱用状況 30
( ( 全国 / 都内の危険ドラッグ検挙状況 ( 平成 27 年上半期まで警察庁 警視庁 ) 警察庁 全国 ) 法令 ( 罪名 ) 別 年別等 指定薬物に係る医薬品医療機器等法違反 うち乱用者による単純所持 使用等 事件数 H22 年 H23 年 H24 年 人員 事件数 麻向法違反 1 1 0 0 17 26 57 89 80 98 交通関係法令違反 0 0 0 0 19 19 38 40 157 160 その他法令違反 0 0 0 0 6 10 9 10 68 90 人員 事件数 人員 事件数 H25 年 5 9 5 6 34 57 21 37 人員 事件数 H26 年 人員 401 492 H27 年 (1 月 ~6 月 ) 事件数 人員 500 538 312 326 409 422 82 85 23 23 28 43 合計 6 10 5 6 76 112 125 176 706 840 633 689 警視庁 都内 ) 法令 ( 罪名 ) 別 年別等 事件数 H22 年 H23 年 H24 年 H25 年 指定薬物に係る医薬品医療機器等法違反 人員 事件数 人員 事件数 人員 事件数 人員 事件数 H26 年 H27 年 (1 月 ~6 月 ) 人員 事件数 人員 69 46 80 45 31
全国の危険ドラッグ検挙状況 ( 平成 27 年 1 月 ~ 平成 27 年 6 月 ) 平均年齢 34.0 歳 (20 代 30 代で約 7 割を占める ) 検挙人員 549 人 ( 前年同期比 +378. 5%) 男女構成 : 男性 486 人 女性 63 人 73.4% が薬物事犯の 初犯者 平成 27 年上半期の薬物 銃器情勢 ( 暫定値 ) 警察庁による 32
全国の危険ドラッグ検挙状況 ( 平成 27 年 1 月 ~ 平成 27 年 6 月 ) 危険ドラッグの入手先 街頭店舗 約 3 割 ( 昨年度同期 : 約 6 割 ) インターネット約 3 割 ( 昨年度同期 : 約 2 割 ) 平成 27 年上半期の薬物 銃器情勢 ( 暫定値 ) 警察庁による 33
全国中学生意識調査より 飲酒 喫煙 薬物濫用についての全国中学生意識 実態調査 国立精神 神経医療研究センター平成 27 年 3 月発表 危険ドラッグの入手可能性 17.9% が 入手可能 ( 少々苦労するが入手可能 簡単に手に入る の合計 ) 危険ドラッグの使用経験 0.2%(109 名 ) が 使用経験あり 0.6%(342 名 ) が 誘われたことがある 34
危険ドラッグの使用が疑われる死者数 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 合計 平成 26 年 2 1 5 2 8 8 12 23 29 18 3 1 112 平成 27 年 2 0 3 0 1 1 7 平成 27 年上半期の薬物 銃器情勢 ( 暫定値 ) 警察庁による 平成 27 年度においても発生している 35
4 東京都の危険ドラッグ対策 1 条例に基づく規制 条例による知事指定薬物の指定 ( 薬物情 報評価委員会の開催 ) 使用 所持の規制 2 監視指導の実施 サイバー薬事監視 実態把握 販売者へ の指導 取締 3 普及啓発 危険ドラッグ啓発サイトの開設 動画の放 映等による啓発 36
危険ドラッグ規制の変遷 1 平成 17 年 4 月東京都条例制定 ( 全国初 ) 知事指定薬物 として規制開始 平成 19 年 4 月薬事法改正 ( 全国的規制の開始 ) 大臣指定薬物 として全国的な規制が行われる 平成 24 年 11 月 事前規制制度 導入海外流行情報をもとに国内流通前に規制し乱用拡大を防止 平成 25 年 2 月 包括規制制度 導入 一定の化学構造を有する薬物を一括して規制 規制薬物が一気に拡大 平成 25 年 3 月 危険ドラッグ所持を少年補導対象に 平成 24 年 9 月は 吸引目的所持 であったが目的如何に関わらず補導対象に 平成 25 年 10 月薬事法改正 ( 捜査権等の拡大 ) 麻薬取締官 麻薬取締員に捜査権を付与 あわせて収去権 ( 無償収去 ) が可能に 平成 26 年 4 月薬事法改正 ( 使用 所持の禁止 ) 覚醒剤などと同様に 個人の使用 所持 譲渡し 等を罰則付きで禁止 平成 26 年 7 月東京都条例改正 ( 使用 所持の禁止 ) 覚醒剤などと同様に 個人の使用 所持 譲渡し 等を罰則付きで禁止 37
危険ドラッグ規制の変遷 2 平成 26 年 7 月 初の指定薬物 緊急指定 薬事 食品衛生審議会を省略し 池袋事件の原因となった 2 成分を指定薬物に指定 平成 26 年 8 月 公布から施行までの期間が 30 日から 10 日に短縮 平成 26 年 8 月 パブリックコメント省略の薬事法指定 危険ドラッグ所持者の運転免許停止 車を運転している人が危険ドラッグを車内に持っていた場合 最長 6 カ月間 平成 26 年 11 月 医薬品医療機器等法改正 指定薬物についての広告の中止を求めることを可能に 検査命令の対象を拡大し 検査命令をおこなったもののうち 必要なものについては全国的に製造 輸入 販売 広告塔の禁止を可能に プロバイダに対して 指定薬物の違法広告の削除要請を可能に 平成 27 年 1 月 東京都条例改正 都内の薬物濫用拡大の状況を踏まえ 監視指導の強化を図る (1) 警察職員に販売店舗等への立入調査権を付与する (2) 立入調査を行う都職員に知事指定薬物等の収去権を付与する (3) 知事指定薬物の緊急指定に係る規定を設ける 平成 27 年 4 月 関税法改正 指定薬物を関税法上の 輸入してはならない貨物 に追加 38
厚労省へ情報提供試買東京都厚生労働省未規制薬物検出生体影響試験知事指定薬物に指定科学的評価 ( 薬物情報評価委員会 ) 薬事法で指定薬物に指定麻薬に追加指定科学的評価 ( 薬事 食品衛生審議会 ) 未規制薬物発見から規制までの流れ知事指定薬物緊急指定薬物情報評価委員会へ報告緊急時通常時生体影響試験 ( 細胞試験のみ ) 危険ドラッグを使用した重大な事故製品入手 39
知事指定薬物への指定 平成 23 年度以前 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 合計 国内流通品 9 12 6 20 10 57 海外流通品 0 1 7 16 8 32 合計 9 13 13 36 18 89 ( 平成 28 年 1 月 22 日現在 ) 知事指定薬物の情報については 知事指定薬物制度がある条例制定自治体 (23 道府県 ) 及び厚生労働省へ情報提供し 広域的な規制へ 40
危険ドラッグ条例制定都道府県 ( 平成 27 年 2 月 1 日現在 ) 平成 17 年度 ( 東京都 ) 平成 24 年度 (1 府 4 県 ) 平成 26 年度 (1 府 14 県 ) 平成 27 年度 (1 道 4 県 ) 平成 28 年度 (1 県制定予定 ) 41
指導 取締り 実態調査 ( ビッグデータ解析 ) 海外での流通実態把握 インターネット情報調査 流通実態の把握 流行予想 立入調査 ( 試買調査など ) 未規制薬物を知事指定 違反品の排除 42
普及啓発 インターネットを通じた啓発の強化 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/no_drugs/ 危険ドラッグ啓発サイト : みんなで知ろう危険ドラッグ 43
啓発サイトの閲覧数増加への取組みも! キーワード連動広告 サーチターゲティング広告 危険ドラッグへの関心が高い 購入意欲があるターゲットに対し 検索画面以外のページでも 繰り返しバナー表示による警告を行う 広告をクリックすると都の啓発 Web サイトへ キーワード連動広告 設定したキーワードで検索を行うと広告が表示される 44
普及啓発 啓発動画の作成 平成 27 年度人気漫画 進撃の巨人 とのタイアップ 45
普及啓発 薬物乱用防止イベント 6.26 国際麻薬乱用撲滅デー 麻薬 覚醒剤乱用防止運動 薬物乱用防止講習会学校や地域への薬物専門講師派遣 地域イベントにおける講演 中学生 高校生への啓発薬物乱用防止ポスター 標語の募集 薬物乱用防止高校生会議 大学生への啓発 ( 次世代の育成 ) 入学ガイダンス時の講義 ( 薬系学生 ) 大学と連携した意識啓発 有職 無職少年への啓発駅や車内広告 ネットカフェ等における啓発 多様な広告媒体を活用した啓発進撃の巨人とのタイアップ動画 啓発サイト の開設 キーワード連動広告 タダコピなど 46