第 3 章平均寿命 健康寿命の現状 3.1 千葉県の平均寿命 健康寿命の現状 3.1.1 平均寿命昭和 50 年から平成 22 年までの本県の平均寿命の推移を男女別でみると 男性は常に全国より高い値で推移しています 女性は平成 2 年までは 全国より高い値で推移していましたが 平成 7 年に全国より低い値となり その後低い値で推移しています 平均寿命の全国順位では 昭和 50 年は男性 13 位 女性 15 位と上位から 3 分の 1 に入っていましたが 女性の順位は 平成 7 年以降 30 位以下となっています ( 図表 3-1) また 平均寿命の延伸をみると 昭和 50 年から平成 22 年までの 32 年間で 男性は 7.89 年 ( 全国 7.80 年 ) 女性は 9.13 年 ( 全国 9.34 年 ) 延伸し 男性は全国とほぼ同様の延伸でしたが 女性は全国より約 0.21 年下回りました 延伸した年数の全国順位は 男性 26 位 女性 37 位でした ( 図表 3-2,3-3) 図表 3-1 千葉県と全国の平均寿命の推移 男性歳順位全国千葉県千葉県順位 80 0 79.9 79 79.0 78 5 78.1 77 8 76.5 76.9 10 76 10 12 13 13 75 75.3 78.8 79.6 74 77.7 15 15 73.9 73 76.0 76.7 75.0 18 72 20 73.6 72.0 71 71.8 23 70 25 年 S55 S60 H2 H7 H12 H17 女性 歳順位全国千葉県千葉県順位 88 10 86 15 86.2 15 18 85.5 84 84.5 82 20 19 83.2 20 82.2 80 80.9 25 85.8 86.4 79.1 78 84.6 83.2 82.1 32 77.1 80.8 31 76 34 79.0 30 74 72 77.0 35 36 40 年 S55 S60 H2 H7 H12 H17 都道府県別生命表 をもとに作成 図表 3-2 千葉県と全国の昭和 50 年と平成 22 年の平均寿命の比較 男性 女性 全国 71.79 7.80 年 79.59 平成 22 年 全国 77.01 9.34 年 86.35 平成 22 年 千葉県 71.99 7.89 年 79.88 昭和千葉県 50 年 77.07 9.13 年 86.2 昭和 50 年 65 70 75 80 85 歳 70 75 80 85 90 歳 都道府県別生命表 をもとに作成 27
図表 3-3 都道府県別平均寿命の昭和 50 年と平成 22 年の延伸比較 男性 差の順位 都道府県 1 位滋賀 2 位大分 3 位山形 26 位千葉 平均寿命 ( 歳 ) 80.58 71.51 80.06 71.03 79.97 70.96 79.88 71.99 - の差 ( 年 ) 差の順位 都道府県 9.07 1 位滋賀 9.03 2 位徳島 9.01 3 位新潟 女 7.89 性 37 位 千葉 平均寿命 ( 歳 ) 86.69 76.47 86.21 76.00 86.96 76.76 86.20 77.07 - の差 ( 年 ) 10.22 10.21 10.20 9.13 45 位 神奈川 46 位沖縄 47 位東京 全国 80.25 72.95 79.40 72.15 79.82 73.19 79.59 71.79 都道府県別生命表 をもとに作成 7.30 45 位 静岡 7.25 46 位 東京 6.63 47 位 沖縄 7.80 全国 86.22 77.64 86.39 77.89 87.02 78.96 86.35 77.01 8.58 8.50 8.06 9.34 3.1.2 平均余命の推移平成 12 年から 22 年までの主な年齢の平均余命の推移を男女別でみると 男性では いずれの年度においても 年齢が高くなると平均余命の全国順位が下がる傾向がみられました また 平成 12 年から 17 年の延びは全国より下回っていましたが 平成 17 年から 22 年の延びは いずれの年齢も全国を上回っていました 女性では いずれの年齢においても全国順位に大きな変化はありませんでしたが 平均余命の延びでは 男性と同様に平成 12 年から 17 年の延びは全国より下回っており 平成 17 年から 22 年の延びは いずれの年齢も全国を上回っていました 男女ともに 平均余命の延びは年齢が高くなると小さくなる傾向がみられました ( 図表 3-4) 28
図表 3-4 主な年齢における平均余命の推移と平均余命の延び 男性 女性 平均余命 平均余命の延び 平均余命 平均余命の延び 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年 H17-H12 -H17 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年 H17-H12 -H17 都道府県別生命表 をもとに作成 ( 単位 : 年 ) 0 歳 20 歳 40 歳 65 歳 75 歳 平均余命 平均余命 平均余命 平均余命 平均余命 全国 77.71 58.32 39.13 17.56 10.78 千葉県 78.05 58.64 39.41 17.67 10.85 順位 10 位 11 位 14 位 19 位 19 位 全国 78.79 59.31 40.08 18.33 11.27 千葉県 78.95 59.44 40.21 18.36 11.23 順位 18 位 20 位 21 位 21 位 27 位 全国 79.59 60.03 40.77 18.78 11.50 千葉県 79.88 60.32 41.10 18.97 11.57 順位 13 位 12 位 13 位 14 位 20 位 全国 1.08 0.99 0.95 0.77 0.49 千葉県 0.90 0.80 0.80 0.69 0.38 全国 0.80 0.72 0.69 0.45 0.23 千葉県 0.93 0.88 0.89 0.61 0.34 全国 84.62 65.10 45.54 22.46 14.24 千葉県 84.51 64.99 45.43 22.25 14.06 順位 32 位 33 位 33 位 35 位 34 位 全国 85.75 66.17 46.61 23.42 15.06 千葉県 85.49 65.92 46.37 23.15 14.79 順位 36 位 37 位 37 位 39 位 38 位 全国 86.35 66.71 47.13 23.84 15.33 千葉県 86.20 66.53 46.92 23.63 15.12 順位 34 位 36 位 35 位 36 位 36 位 全国 1.13 1.07 1.07 0.96 0.82 千葉県 0.98 0.93 0.94 0.90 0.73 全国 0.60 0.54 0.52 0.42 0.27 千葉県 0.71 0.61 0.55 0.48 0.33 3.1.3 健康寿命国民健康生活基礎調査データに基づく 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間 から算出した健康寿命について 平成 22 年の都道府県の値を比較したところ 本県は男性 71.62 歳 (3 位 ) 女性 73.53 歳 (27 位 ) でした ( 図表 3-5) また 本報告書では 市町村においても算出可能な健康寿命である 65 歳の日常生活動作が自立している期間の平均 (65 歳平均自立期間 ) について 要介護 2~5 の認定者数を用い算出注 ) し 健康寿命の指標としており その結果では 平成 22 年の 65 歳平均自立期間は 男性は 17.35 年で 12 位 女性は 20.27 年で 33 位でした ( 図表 3-6) 算出した 65 歳平均自立期間で 平成 20 年から 24 年までの推移をみると 男性は全国を常に上回っていましたが 女性は全国とほぼ同様の値でした 平成 20 年から 24 年までの平均自立期間の延びは 男性 0.34 年 ( 全国 0.51 年 ) 女性 0.51 年 ( 全国 0.49 年 ) であり 男性の延びは全国平均より短く 女性は全国平均より長くなっていました ( 図表 3-7) 平成 22 年における 65 歳平均自立期間と 65 歳平均余命の差をみると 男性では 1.62 年 ( 全国 1.67 年 )29 位で全国より短く 女性では 3.36 年 ( 全国 3.49 年 ) で 28 位と全国平均より短くなっていました 男性では 差の最大 2.07 年 ( 沖縄県 ) 最小 1.38 年 ( 栃木県 ) であり 女性では 最大 4.31 年 ( 沖縄県 ) 最小 3.02 年 ( 茨城県 ) でした ( 図表 3-8) 29
30 図表 3-5 都道府県別健康寿命 ( 日常生活に制限のない期間 ) ( 単位 : 年 ) 男性順位都道府県健康寿命女性順位都道府県健康寿命 1 位愛知 71.74 1 位静岡 75.32 2 位静岡 71.68 2 位群馬 75.27 3 位千葉 71.62 3 位愛知 74.93 27 位千葉 73.53 45 位長崎 69.14 45 位大阪 72.55 46 位高知 69.12 46 位広島 72.49 47 位青森 68.95 47 位滋賀 72.37 全国 70.42 全国 73.62 厚生労働科学研究 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 をもとに作成 ( 平成 22 年 ) 図表 3-6 都道府県別 65 歳平均余命 65 歳平均自立期間 ( 男女別 ) 65 歳平均余命は 都道府県別生命表 (A) ( 平成 22 年 ) をもとに作成 65 歳平均自立期間は 厚生労働科学研究 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 による算出法により千葉県で算出したデータをもとに作成 (B)( 平成 22 年 ) 65 歳平均余命と 65 歳平均自立期間の差は 上記 (A)-(B) の値 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 2.20 15.00 15.50 16.00 16.50 17.00 17.50 18.00 18.50 19.00 19.50 20.00 青森県秋田県大阪府和歌山県鳥取県岩手県山口県福島県徳島県栃木県高知県岡山県東京都福岡県愛知県三重県愛媛県富山県兵庫県全国鹿児島県新潟県茨城県島根県山形県石川県京都府佐賀県群馬県長崎県埼玉県北海道宮城県香川県宮崎県山梨県千葉県神奈川県広島県奈良県岐阜県静岡県滋賀県沖縄県福井県大分県熊本県長野県平均余命と平均自立期間の差平均余命 平均自立期間男性 65 歳平均余命 65 歳平均自立期間 65 歳平均余命と 65 歳平均自立期間の差年年 2.50 2.70 2.90 3.10 3.30 3.50 3.70 3.90 4.10 4.30 4.50 19.00 20.00 21.00 22.00 23.00 24.00 25.00 26.00 大阪府青森県京都府和歌山県秋田県三重県東京都岡山県群馬県兵庫県栃木県埼玉県愛知県徳島県千葉県岩手県全国香川県岐阜県滋賀県福島県茨城県神奈川県奈良県宮城県富山県静岡県愛媛県山口県沖縄県福岡県新潟県高知県石川県鳥取県鹿児島県広島県山梨県山形県長崎県福井県北海道大分県島根県宮崎県長野県佐賀県熊本県平均余命と平均自立期間の差平均余命 平均自立期間女性 65 歳平均余命 65 歳平均自立期間 65 歳平均余命と 65 歳平均自立期間の差年年
図表 3-7 千葉県と全国の 65 歳平均自立期間の年次推移 ( 男女別 ) 65 歳平均自立期間 年 21.00 20.50 20.00 19.50 19.00 18.50 18.00 17.50 20.21 20.49 17.49 17.61 20.27 17.35 20.57 17.66 20.72 17.83 17.00 16.50 H20 H21 H23 H24 全国 ( 男性 ) 17.02 17.28 17.11 17.17 17.53 千葉県 ( 男性 ) 17.49 17.61 17.35 17.66 17.83 全国 ( 女性 ) 20.27 20.51 20.35 20.40 20.76 千葉県 ( 女性 ) 20.21 20.49 20.27 20.57 20.72 H24-H20 の延び 0.51 0.34 0.49 0.51 千葉県健康格差分析事業算出値 をもとに作成 図表 3-8 都道府県別 65 歳平均余命と 65 歳平均自立期間の差 ( 単位 : 年 ) 順位 都道府県 差 順位 都道府県 1 位沖縄 2.07 1 位沖縄 4.31 2 位京都 2.03 2 位京都 4.25 3 位岡山 1.95 3 位岡山 4.05 差 男性 女 29 位 千葉 1.62 性 28 位 千葉 3.36 45 位茨城 1.42 45 位宮崎 3.14 46 位佐賀 1.38 46 位栃木 3.06 47 位栃木 1.38 47 位茨城 3.02 全国 1.67 全国 3.49 65 歳平均余命 (A) 都道府県別生命表 ( 平成 22 年 ) をもとに作成 65 歳平均自立期間 (B) 厚生労働科学研究 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 による算出法をもとに作成 ( 平成 22 年 ) 差は (A)-(B) 注 )65 歳平均自立期間の算出については 平成 22 年の 65 歳平均自立期間は厚生労働省の研究班より 日本人人口を用いて算出され提示されている 今回 近年の推移をみるために研究班で公表している算出方法に基づき 総人口を用いて算出した値を提示している 研究班の算出した平成 22 年の千葉県の 65 歳平均自立期間は男 17.53 年 女 20.44 年であり 総人口を用いて算出した 65 歳平均自立期間は男 17.35 年 女 20.27 年であった 2 つの算出方法による 65 歳平均自立期間の相関係数は 男 0.992 女 0.986 であり 散布図から 2 つの値のばらつきは小さいことが明らかであったことから 総人口を用いた算出値に基づいて年次推移をみても大きな違いはないと考えられ使用している 31
3.2 県内の平均寿命 健康寿命の現状 3.2.1 平均寿命 平成 22 年に発表された平均寿命では 男性の 1 位は佐倉市 柏市 我孫子市の 80.8 歳 次いで流山市 80.7 歳 浦安市 80.6 歳であり 女性では 1 位長柄町 87.3 歳 2 位柏市 袖ヶ浦市の 87.2 歳 4 位が白井市の 87.0 歳 5 位が鎌ヶ谷市の 86.9 歳でした 男性の平均寿命が短い地域は 銚子市 77.8 歳であり 野田市 78.4 歳 九十九里町 78.6 歳 八街市と横芝光町の 78.7 歳と続き 最も長い地域と短い地域の差は 3.0 年でした 女性の平均寿命が短い地域は銚子市 84.9 歳であり 八街市 85.0 歳 横芝光町 85.1 歳 酒々井町と鋸南町の 85.5 歳と続き 最も長い地域と短い地域の差は 2.4 年でした ( 図表 3-9) 図表 3-9 県内の平均寿命の年次推移 ( 男女別 ) 市町村別生命表 をもとに作成 平成 12 年度以降合併した市町村について H12 H17 年値は旧市町村のなかで一番大きな値を使用したが 山武市 いすみ市 南房総市 横芝光町については判断が難しいため H12 年値を空白とした 3.2.2 健康寿命 健康寿命の指標として平成 22 年の 65 歳平均自立期間をみると 県内で最も長い地域は 男性では 白子町 17.94 年 次いで大多喜町 17.92 年 流山市 17.83 年 我孫子市 17.75 年であり 女性では 御宿町 21.37 年 次いで大多喜町 21.34 年 多古町 21.10 年 栄町 20.93 年でした 一方 65 歳平均自立期間が最も短い地域は 男性では 九十九里町 15.74 年 次いで鋸南町 16.08 年 銚子市 16.16 年 旭市 16.19 年 八街市 16.20 年で 最も長い地域と短い地域の差は 2.20 年でした 女性では 八街市 18.87 年 次いで鎌ヶ谷市 19.37 年 鋸南町 32
19.40 年 富里市 19.50 年 大網白里市 19.52 年と続き 最も長い地域と短い地域の差は 2.50 年でした 65 歳平均寿命と 65 歳平均自立期間の差をみると 差が小さい地域は 男性では東庄町 0.86 年 芝山町 0.93 年 栄町 1.02 年 成田市 1.04 年 女性では東庄町 2.15 年 多古町 2.24 年 一宮市 2.32 年 香取市 2.36 年 匝瑳市 2.37 年でした 差が大きい地域は 男性ではいすみ市 1.91 年 白井市 1.74 年 松戸市 1.72 年 大網白里市 1.70 年 であり 女性では流山市 3.83 年 松戸市 3.75 年 市川市 3.70 年 白井市 3.67 年でした ( 図表 3-10,3-11) 65 歳平均自立期間と 65 歳平均余命の相関をみると 男性は相関係数 0.94(R 2 =0.88) で高い相関がみられましたが 女性は相関係数 0.66 (R 2 =0.44) であり 男性に比べると相関が弱い傾向がみられています ( 図表 3-12) 図表 3-10 市町村別 65 歳平均余命 65 歳平均自立期間 ( 男女別 ) 65 歳平均自立期間 (B) 及び 65 歳平均余命 (A) は 厚生労働科学研究 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 による算出法により千葉県で算出したデータをもとに作成 ( 平成 22 年 ) 65 歳平均余命と 65 歳平均自立期間の差は 上記 (A)-(B) の値 33
図表 3-11 市町村別 65 歳平均自立期間 平均寿命 男性 女性 65 歳平均自立期間は 厚生労働科学研究 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 による算出法により千葉県で算出したデータをもとに作成 ( 平成 22 年 ) 平均寿命は 市町村別生命表 ( 平成 22 年 ) をもとに作成 図表 3-12 65 歳平均余命と 65 歳平均自立期間の相関 ( 単位 : 年 ) 85.0 男 性 90.0 女 性 6 5 歳平均余命 + 6 5 84.5 84.0 83.5 83.0 82.5 82.0 y = 1.1189x - 8.3642 R² = 0.8798 89.5 6 89.0 5 歳 88.5 平均 88.0 余命 + 87.5 6 5 87.0 y = 0.7461x + 24.635 R² = 0.438 81.5 80.5 81.0 81.5 82.0 82.5 83.0 83.5 65 歳平均自立期間 +65 86.5 83.5 84.0 84.5 85.0 85.5 86.0 86.5 65 歳平均自立期間 +65 65 歳平均自立期間及び 65 歳平均余命は 厚生労働科学研究 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究 による算出法により千葉県で算出したデータをもとに作成 ( 平成 22 年 ) 34