Ⅲ 化学変化とイオン 単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 課題 どのような水溶液が電流を通すのだろうか 実験 1 電解質や非電解質の水溶液について電流を通すか調べる実験 様々な水溶液を用意するが この後に 塩化銅水溶液や塩酸の電気分解に触れるため この 2 つの水溶液は用意しておくとよい

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指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

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(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

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とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

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がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

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高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

2 原子やイオンのつ 3 原子が電気的に中性 3 原子の構造について くりに関心をもっ になる理由を 原子 説明している て説明を聞こうと の構造から指摘して 4 陽イオンや陰イオン する いる の違いを説明でき 4 イオンは原子が電子 イオンをイオン式で を失ったり 受け取っ 表している たりして

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

(2) 単元構想図 単元デザイン 時数と手立て軸 数ねらい 引き出したい学習活動の姿 ICT の活用 カリキュラムマネジメント 疑問や知りたいことを共有する 1 電池のしくみについて 疑問や知りたいことを共有することができる ( 自然事象への関 1 果物電池を作り 電子オルゴールを鳴心 意欲 態度

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

決するための学習の見通しをもたせ, 単元を貫く課題を意識させ, 目的意識をもたせた授業を展開していきたい 本単元では, 理科での学習内容が日常生活で見られる事象に関連することに気付かせたい 日常生活の事象から酸とアルカリの性質を粒子で考え中和反応をイオンのモデルと関連付けて理解させたい それを通して

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

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31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

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<連載講座>アルマイト従事者のためのやさしい化学(XVII)--まとめと問題 (1)

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6年 ゆで卵を取り出そう

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第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

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1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

ウスターソース類の食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるウスターソース類及びその周辺製品に適用する 2. 測定方法の概要試料に水を加え ろ過した後 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費

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化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

現行の学習指導要領(1998年公示,2002年実施)は,教育の総合化をキーワードに,「生きる力の育成」と「ゆとりある教育」をねらいとしている

本時の評価規準 ( 観点 / 方法 ) 1. 今まで学習したことをもとに, 実験を適切な操作で行い, 各極で発生した物質を同定 することができる ( 観察 実験の技能 / ワークシートへの記述 ) 2. 食塩水に電流を通したときの陽極および陰極での変化の様子を粒子モデルを使って図 示し, そのモデル

2011年度 化学1(物理学科)

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補足 中学校では塩基性ではなくアルカリ性という表現を使って学習する アルカリはアラビア語 (al qily) で, アル (al) は定冠詞, カリ (qily) はオカヒジキ属の植物を焼いた灰の意味 植物の灰には Na,K,Ca などの金属元素が含まれており, それに水を加えて溶かすと, NaOH

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単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

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3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

質問 2 1イオンには大きさがあると思いますか あると思う人は どれくらいの大きさだと思いますか ある 35 人 ない 5 人 すごく小さい 12 人 原子サイズ 6 人 目に見えない大きさ 5 人 原子より小さい 2 人 種類によってちがう 2 人 分子サイズ 1 人 分子の 10 分の1 1 人

【FdData中間期末過去問題】中学理科3年(酸とアルカリ/イオンの移動/中和/塩)

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i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

イオン化傾向 イオン化傾向 1 金属の単体はいずれも酸化されて陽イオンになりうる 金属のイオンのなりやすさを表したものをイオン化傾向という イオン化傾向 K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au e- を出してイオンになりやすい酸化されやすい イ

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

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木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

平成27年度 前期日程 化学 解答例

FdData高校入試過去問題】中学理科3年(酸の性質/アルカリの性質/中和とイオン)

5 指導について (1) 単元について 3 年磁石の性質 4 年電気の働き 5 年電流の働き ( 本単元 ) 磁石に引きつけら 乾電池の数とつな 鉄心の磁化 極の変化 れる物 ぎ方 電磁石の強さ 異極と同極 光電池の働き 電気の通り道 電気を通すつなぎ方 電気を通す物 6 年電気の利用 中学 2 年

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

留意点 指導面 化学に対する興味 関心を高めることが主なねらいなので, 原理については簡単に触れる程度にとどめる 身の回りにある合成高分子に気付かせ, それらが化学の先人の研究成果によって作られたものであることから, 化学が人間生活に果たしている役割について触れる 分子量が約 1 万以上の分子からな

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でんかいしつすいよう電解質の水溶 教科書 p 第 2 章化学変化と電池 電流をとり出す 実験 えき液の中の金属板と電流 2 枚の金属板を水溶液に入れ, 電子オルゴールや光電池用モーターをつないでみる 電圧計で電圧をはかり, どちらが プラス極, マイナス極かを見る こと


第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

ア 単元の指導内容と身に付けさせたい力 この単元では, いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液に は 1 酸性 アルカリ性及び中性のものがあること 2 気体が溶けているものがあること 3 金 属を変化させるものがあることなど 水溶液の性質や働きについての考えを児童がも

留意点 指導面 物質量について物質を扱うとき, 体積や質量で表すことが多い しかし, 化学変化は, 物質の構成粒子が切り離されたり, 結合したりすることによっておこるため, 粒子の個数で表した方が都合がよい 一方, 物質の構成粒子は非常に小さく,1 個ずつ数えることはできない また, 私たちが日常取

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しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

第 11 回化学概論 酸化と還元 P63 酸化還元反応 酸化数 酸化剤 還元剤 金属のイオン化傾向 酸化される = 酸素と化合する = 水素を奪われる = 電子を失う = 酸化数が増加する 還元される = 水素と化合する = 酸素を奪われる = 電子を得る = 酸化数が減少する 銅の酸化酸化銅の還元

Problem P5

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

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単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 少量の食塩を水に入れ 溶ける様子を観察する活動 小さじとすり切り棒 ガラス棒 メスシリンダーの使い方の学習食塩を水に入れて溶かそう 実験 1 食塩が水に溶ける量を調べる溶ける量には限度があり どんなにかき混ぜても溶け残る 水の量を増やしたら食塩の溶け残

▲ 電離平衡

2年D組 理科学習指導案

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化学変化とイオン 単元のねらい 水溶液の電気的な性質や酸とアルカリの性質についての観察 実験を行い 結果を分析して解釈し 水溶液の電 気伝導性や中和反応について理解させ イオンのモデルと関連付けてみる微視的な見方や考え方を養う 単元の内容 化学変化についての観察 実験を通して 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解させるとともに これらの事物 現象をイオンのモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う ア水溶液とイオンア水溶液の電気伝導性イ原子の成り立ちとイオンウ化学変化と電池イ酸 アルカリとイオンア酸 アルカリイ中和と塩この単元では 化学変化の観察 実験を行い 水溶液における電気伝導性や中和反応について理解するとともに これらの事物 現象をイオンのモデルと関連付けてみる微視的な見方や考え方を身に付けることが重要である その際 イオンの生成が原子の成り立ちに関係することや 電池においては化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解するとともに 日常生活や社会との関連を図り 化学変化が私たちの生活において極めて重要な役割を果たしていることに気付くことが大切である 小学校では 第 6 学年で 水溶液の性質 について学習している また 中学校では 第 1 学年で 身の回りの物質 第 2 学年で 電流とその利用 と 化学変化と原子 分子 について学習している ここでは 水溶液の電気的な性質や酸とアルカリの性質についての観察 実験を行い 結果を分析して解釈していく ここで扱う事物 事象は 実験室の中だけで起こっているものではないことに気付き 物質や化学変化に対する興味 関心を高めるようにするとともに 身の回りの物質や事象を新たな見方や考え方で捉えていく 例えば ph の学習において札幌市の酸性雨や酸性雪などデータを取り入れたり 温室効果ガス削減策として燃料電池自動車 (FCV) の普及に向けた取組を紹介したりと 環境分野の学習と関連付けることで 自分たちが生活する未来の都市づくりにも関わっている内容であることを認識していく 評価規準の設定例 自然事象への関心 意欲 態度水溶液の電気伝導性 原子の成り立ちとイオン 化学変化と電池に関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究しようとするとともに 事象を日常生活との関わりでみようとする 酸 アルカリ 中和と塩に関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究しようとするとともに 事象を日常生活との関わりでみようとする 科学的な思考 表現 水溶液の電気伝導性 原子の成り立ちとイオン 化学変化と電池に関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察 実験などを行い 水溶液の種類と電気伝導性 イオンの存在 イオンのモデルと関連付けた化学変化による電流の取出しなどについて自らの考えを導いたりまとめたりして 表現している 酸 アルカリ 中和と塩に関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察 実験などを行い 酸 アルカリの特性と水素イオン 水酸化物イオンとの関係 イオンのモデルと関連付けた中和反応による水と塩の生成などについて自らの考えをまとめ 表現している 観察 実験の技能 水溶液の電気伝導性 電気分解 電池に関する観察 実験の基本 操作を習得するとともに 観察 実験の計画的な実施 結果の記録や整理などの仕方を身に付けている 酸 アルカリの性質 中和反応に関する観察 実験の基本操作を習得するとともに 観察 実験の計画的な実施 結果の記録や整理などの仕方を身に付けている 自然事象についての知識 理解水溶液には電流が流れるものと流れないものがあること イオンが存在すること イオンの生成が原子の成り立ちに関係すること 電池は化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることなどについて基本的な概念を理解し 知識を身に付けている 酸 アルカリの特性が水素イオンと水酸化物イオンによること 中和反応によって水と塩が生成することなどについて基本的な概念を理解し 知識を身に付けている 22

Ⅲ 化学変化とイオン 単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 課題 どのような水溶液が電流を通すのだろうか 実験 1 電解質や非電解質の水溶液について電流を通すか調べる実験 様々な水溶液を用意するが この後に 塩化銅水溶液や塩酸の電気分解に触れるため この 2 つの水溶液は用意しておくとよい 水溶液には その溶質によって電流を通すものと通さないものがあることを理解する また 電流を通す水溶液は 電極付近で気体の発生や変色などの変化があることに気付く 塩化銅水溶液の電気分解の復習 第 2 学年の 化学変化と原子 分子 で実験を行い 学習している 課題 塩酸を電気分解するとどのような変化が起こるだろうか 実験 2 塩酸を電気分解し 発生する気体を調べる実験 塩化銅水溶液と水の電気分解の結果を想起し 実験に臨む 塩酸を電気分解すると 陽極から塩素 陰極から水素が発生することを見いだしている 原子構造とイオンのでき方についての学習 第 2 学年の 電流の性質とその利用 で原子構造について学習している イオンの種類とイオン式についての学習 電離の仕組みについての学習 モデルを用いた学習 課題 塩酸の中に金属を入れた時 どのような反応が起きているだろうか 実験 3 塩酸の中に数種類の金属を入れて水素が発生する反応を観察し その仕組みをイオンのモデルを用いて考える実験 第 1 学年の 身の回りの物質 の気体の発生方法で学習している 本実験は酸 アルカリの性質で行ってもよいが 電池の仕組みを考える上で 先に行っている 塩酸の中に金属を入れると 金属が溶けて水素が発生することに気付き その仕組みについてモデルを用いて説明することができる 課題 電池を作るにはどのような条件が必要だろうか 実験 4 水溶液や電極に用いる金属板の組み合わせを変えて電流が流れる条件を調べる実験 電解質の水溶液と電極に異なる種類の金属板を用いることで 電池を作ることができることを見いだしている 23

課題 電池から電流が流れるときにどのような変化が起きているだろうか 実験 5 簡易電池を作って電極付近の反応を観察し 電池から電流が流れる仕組みをイオンのモデルを用いて考える実験 - 極に用いた金属板が溶けてその時に出た電子が + 極へ移動することで電流が発生し + 極に用いた金属板から気体が発生することに気付き この仕組みをモデルで表すことができる 様々な電池についての学習 燃料電池について学習する 課題 より強い電池を作るにはどのような方法があるのだろうか 実験 6 水溶液の濃度や電極に用いる金属板の種類や面積を変えて電池の強さを調べる実験 金属板の組み合わせについては イオン化傾向など発展的な学習内容になるため 紹介だけでもよい 電極に溶けやすい金属と溶けにくい金属 ( イオン化傾向の差が大きい ) を用いると電圧が大きくなる また 水溶液の濃度や水溶液に触れる金属板の面積を大きくすると流れる電流が大きくなることを見いだしている 課題 酸性 アルカリ性の水溶液にはどのような性質があるだろうか 紫キャベツなどによる指示薬づくりを行ってもよい 実験 7 いろいろな水溶液と指示薬を用いて水溶液の性質を調べる実験 酸性の水溶液には 指示薬の色の変化やマグネシウムとの反応など 共通した性質がある アルカリ性の水溶液には 指示薬の色の変化など共通した性質がある また どちらの水溶液にも 電解質が溶けている という共通点があることを見いだしている ph による酸性 アルカリ性の強さの表し方の学習 酸性雨 雪について学習する 課題 酸性やアルカリ性の水溶液の性質の違いは イオンとどのように関係があるのだろうか 実験 8 酸性やアルカリ性の水溶液に電流を流し ph 試験紙の色の変化を調べる実験 酸性の水溶液が共通した性質を示す基は水素イオンであり アルカリ性の水溶液が共通した性質を示す基は水酸化物イオンであることを見いだしている 課題 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると どのような変化があるだろうか 実験 9 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液による中和実験 この後に 中和による発熱反応を調べる実験や硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和実験を行ってもよい 酸とアルカリが互いの性質を打ち消し合い 水と塩化ナトリウムができることを見いだし モデルで表すことができる 24

Ⅲ 化学変化とイオン 本単元における観察 実験例 課題 どのような水溶液が電流を通すのだろうか 実験 1 電解質や非電解質の水溶液について電流を通すか調べる実験 ⑴ 実験前の指導の手だてまずは 電流を通す物質にはどんな種類があるかを想起する 第 1 学年で金属について学習しているため 多くの生徒が答えることができる そこで 金属以外の物質として 塩化ナトリウム ( 岩塩 ) 蒸留水 塩化ナトリウム水溶液についても確認してみる 第 2 学年の化学変化と原子 分子の単元で電気分解を行った際に 純粋な水は電流をほとんど通さないため水酸化ナトリウムを少量加える という操作をしているため 蒸留水については電流を通さないと予想できるが 塩化ナトリウムで迷ったり 塩化ナトリウム水溶液の結果に驚いたりする生徒が現れる そこで なぜ水や塩化ナトリウムは電流を通さないのに 塩化ナトリウム水溶液は電流を通すのだろうか という新たな疑問が生まれる 自発的に生まれた疑問から学習課題の設定に結び付けていくことで 生徒が主体的に学習を進めることができる [ 主な準備物 ]50mL ビーカー 電流計 電源装置 ( または乾電池 ) ステンレス電極 導線 光電池用プロ ペラモーター 洗浄びん 保護眼鏡 2.5% 塩酸 2.5% 硫酸 2.5% 水酸化ナトリウム水溶液 2.5% 塩化銅水溶液 砂糖水 エタノールと水の混合物 2.5% 硝酸カリウム水溶液 スポーツドリンク 果汁など 1 右図のような装置を設置する 2 電源の電圧を約 3V に設置し ステンレス電極の先に調べたい水溶液 を付けて プロペラモーターが回るか 電流計の針が振れるかを観察し 電流を通すかどうかを調べる また この時の電極の様子についても観 察する 3 蒸留水の入った洗浄びんでステンレス電極を洗い 次の水溶液を調べる 電流を通した水溶液 電流を通さなかった水溶液 2.5% 塩酸 2.5% 硫酸 2.5% 水酸化ナトリウム水溶液 2.5% 塩化銅水溶液 2.5% 硝酸カリウム水溶液 スポーツドリンク 果汁 砂糖水 エタノールと水の混合物 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 感電の恐れがあるため 濡れた手でステンレス電極を触らないようにする 廃液は回収し 正しい方法で廃棄する 塩素が発生するため しっかりと換気する この後に行う電気分解の実験に結び付くように 電極付近の変化はしっかりと観察するよう促す 上記の水溶液を全て取り扱う必要はないが この単元の学習で使用する水溶液や身近な水溶液を用意する ことで 今後の学習や身の回りの生活との結び付きを意識することができる 装置の設置方法 ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果から 水に溶けると水溶液が電流を通す物質 ( 電解質 ) があることを理解する そして 電流を通した水溶液は 電極付近で気体の発生や電極の色が変わるなどいろいろな変化が見られたことから 第 2 学年で学習した電気分解と同様の現象が起きていることに気付き 次の学習へと結び付けていく また 電流を通した水溶液にはどのような溶質が溶けていたかを確認し 電解質 非電解質という物質の分類を学習していく 課題解決の姿 水溶液には その溶質によって電流を通すものと通さないものがあることを理解する また 電流を通す水溶液は 電極付近で気体の発生や変色などの変化があることに気付く 25

課題 塩酸を電気分解するとどのような変化が起こるだろうか 実験 2 塩酸を電気分解し 発生する気体を調べる実験 ⑴ 実験前の指導の手だて電流を通す水溶液の実験の際に 電極から気体が発生したことに着目する また この反応は電気分解と同様の反応が起きていたことを理解し 塩化銅水溶液については第 2 学年でも学習していたので 発生した物質は塩素と銅だったことを想起する そこで 塩酸の時は両極から気体が発生していたが どのような気体が発生していたのかを考えていく課題とする 実験を行う前に 発生する気体の種類を塩酸の化学式 (HCl) などから予想して見通しを立てておくことが大切である その際 水素と塩素という気体を予想しやすいが 塩素の性質については あまり身に付いていない可能性もあるので 実験前にしっかりと振り返っておく必要がある [ 主な準備物 ] 簡易電気分解装置 ゴム栓 マッチ 2.5% 塩酸 ビーカー 赤インク 駒込ピペット 電源装置 導線 漏斗 保護眼鏡 1 装置に 2.5% 塩酸を入れる 2 電源装置につなぎ 電圧を約 6 Vにして電流を通す 3 陰極側の気体が 4.0 目盛り集まったら電源を切り気体の性質を調べる 陰極: マッチの火を近付ける 陽極: 臭いを嗅ぐ 上部の液体を駒込ピペットで少量取り 赤インクを溶かした水の中に入れる 4 装置に再び電流を通し 今度はどちらか一方の気体が 3.0 目盛り集まったら電源を切り両極の気体の量を記録する 3の陰極側では 気体が発生し 陰極にマッチの火を近付けると気体がポンと音を立てて燃える 3の陽極側では 気体が発生しているが ほとんど集まらない 臭いはプールに使われる塩素の臭いがし 赤インクが溶けた水の中に入れると 色が消える 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 廃液は回収し 正しい方法で廃棄する マッチの火を近付けるときは 顔を近付けたり上から覗いたりしない 塩素が発生するため しっかりと換気する 集まらない気体陰極陽極装置に気体が集まった様子 発生した塩素による脱色の様子 水素と塩素の水への溶けやすさの違いに着目すると どちらの極からどの気体が発生したかが分かる ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果と 水の電気分解 塩化銅水溶液の電気分解の結果を照らし合わせて考えた時に 水素は必ず陰極から 塩素は必ず陽極から発生していることが分かる 次に なぜ決まった電極にいつも同じ物質が発生するのかを考えていく その際に 第 2 学年の電流の単元で学習した電気の性質 (+と電気と-の電気は引き合う ) について振り返ることで 電解質の物質を水に溶かしたときに電気を帯びた粒子が生じる という考えを導き出す そして 電気を帯びた粒子をイオンということや なぜイオンができるのか ( 電離の仕組み ) イオンにはどのような種類があるのかという新たな学びへと結び付けていく 課題解決の姿 塩酸を電気分解すると 陽極から塩素 陰極から水素が発生することを見いだしている 26

Ⅲ 化学変化とイオン 課題 塩酸の中に金属を入れた時 どのような反応が起きているだろうか 実験 3 塩酸の中に数種類の金属を入れて水素が発生する反応を観察し その仕組みをイオンのモデルを用いて考える実験 ⑴ 実験前の指導の手だて第 1 学年の身の回りの物質の単元で 塩酸に金属を入れると水素が発生することを学習している この現象をもう一度しっかりと観察し 塩酸の中でどのような反応が起きているのかを イオンのモデルを用いて考えていくことが目的である この学習を通して モデルを用いた科学的思考力 表現力を身に付けるだけではなく 既習事項やこの後に学習する電池の仕組みとの結び付きを大切にしていく [ 主な準備物 ]4 種類の金属片 ( マグネシウム 亜鉛 鉄 銅など ) 2.5% 塩酸 ペトリ皿 保護眼鏡 1 ペトリ皿の中に塩酸を入れる 2 右図のように塩酸の中に金属片を入れ 反応を観察する 発生した気体を採集し 水素であることを調べてもよい 3 塩酸の中で起きている反応を モデルを用いて考える 塩酸の中で金属が溶け 気体( 水素 ) が発生する Mg > Zn > Fe >の順で塩酸によく溶け ( たくさん水素が発生する ) Cu は溶けない 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 廃液は回収し 正しい方法で廃棄する 実験の様子 イオン化傾向の小さい金属はほとんど気体が発生しないので しっかりと観察するよう促す 塩酸の中で 金属が溶けて陽イオンになる 反応については 目に見えない現象なので 補足してもよい ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果より 塩酸の中で起きている反応を 下記のようにイオンのモデルを用いて説明する 金属が溶けて陽イオンになる反応は 電池の仕組みにおいて 溶けやすい金属の方が- 極になる - 極から電子が移動する ことへと結び付いていく また 高校で学習する イオン化傾向 に関わることであり 発展的な内容ではあるが 電極の組み合わせと電池の電圧の差について授業の中で説明する際などに紹介してもよい <モデルの例 > 1 Mg を塩酸の中に入れた様子 塩酸には 2 種類のイオン (H + と Cl - ) が含まれている 2 Mg が塩酸に溶けて Mg 2+ となり電子を 2 個放出する 放出された電子を H + が受け取って H( 水素原子 ) となる 3 水素原子が 2 つ結び付いて H 2 ( 水素分子 ) となり 水素が発生する 課題解決の姿 塩酸の中に金属を入れると 金属が溶けて水素が発生することに気付き その仕組みについて モデルを用いて説明することができる 27

課題 電池を作るにはどのような条件が必要だろうか 実験 4 水溶液や電極に用いる金属板の組み合わせを変えて電流が流れる条件を調べる実験 ⑴ 実験前の指導の手だて電解質の水溶液に電流を流す装置では 電源装置とステンレス電極をつないで実験を行ったが 電源装置の代わりにプロペラモーター 電極に異なる種類の金属板を電解質の水溶液につける実験を行い 電源を使用していないのにモーターが回る現象を確認する 電源がないのにモーターが回ったことへの疑問をもつと共に この装置自体が電池になったことに気付く この疑問と気付きから 学習課題を設定し 実験を行っていく [ 主な準備物 ] 亜鉛板 銅板 ろ紙 導線 電子オルゴール ( または電流計 ) 保護眼鏡 ゴム手袋 ピンセット 2.5% 塩酸 濃い塩化ナトリウム水溶液 砂糖水 エタノールと水の混合物 1 水溶液を浸したろ紙をピンセットで取り 金属板の上に乗せる 2 金属板に触れないように ろ紙の上にもう一枚の金属板を乗せる 3 導線を使って 電子オルゴールと図 1のように接続し 音が鳴るかどうか調べる 別法として 図 2 のようにビーカーに入れた水溶液の中に金属板を入れる方法もある 廃液は多くなってしまうが 電極付近の様子を観察しやすい という利点がある 下記のような結果になる 水溶液 電極の組み合わせ 電池になるか 銅 (+ 極 ) と亜鉛 (- 極 ) 〇塩酸銅と銅 塩化ナトリウム水溶液亜鉛と亜鉛 砂糖水エタノールと水の混合物 すべての組み合わせ 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 廃液は回収し 正しい方法で廃棄する 図 1: 調べる装置図 2: 別法の装置 電子オルゴールは電流の向きが反対になると音が鳴らないため 実験で音が鳴らない場合は 電極を入れ替える また電子オルゴールを用いることで どちらが+ - 極になるかを見極めることができる 使用していくと金属板の表面に黒色の物質が付着するため スポンジや紙やすりなどでしっかりと磨く ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果より 電池になる条件を導き出すことができる 水溶液の種類や金属板の組み合わせで違うパターンを提示し 規則性を導き出す一助にしてもよい しかし なぜこの装置から電流が流れるのか については この実験からは考えることが難しいため 次時の課題へと結び付けていく その際 電極付近でどのような変化が起きているかをしっかり観察していくことが重要である 課題解決の姿 電解質の水溶液と電極に異なる種類の金属板を用いることで 電池を作ることができることを 見いだしている 28

Ⅲ 化学変化とイオン 課題 電池から電流が流れるときにどのような変化が起きているだろうか 実験 5 簡易電池を作って電極付近の反応を観察し 電池から電流が流れる仕組みをイオンのモデルを用いて考 える実験 ⑴ 実験前の指導の手だて前時に電池ができる条件については学習している 本時はその仕組みを学習していくことが目的である 装置については電極付近の変化をしっかりと観察できるものを使用し その変化からイオンのモデルを用いて考えることができるような展開で授業を進めていく [ 主な準備物 ] 木炭電池 : 備長炭 アルミニウム箔 ろ紙 濃い塩化ナトリウム水溶液 光電池用プロペラモーター 導線塩酸電池 : ビーカー 2.5% 塩酸 亜鉛板 銅板 保護眼鏡 導線 [ 実験の手順 ( 木炭電池 )] 1 木炭に濃い塩化ナトリウム水溶液を染み込ませたろ紙を巻き 木炭と触れないように ろ紙の上からアルミニウム箔を巻く 2 木炭とアルミニウム箔に導線をそれぞれつなげ プロペラモーターを回す 木炭と導線をつなげることが難しい場合は 図 1 のように目玉クリップを用いるとよい 3 しばらくモーターを回した後 金属の表面を観察する [ 実験の手順 ( 塩酸電池 )] 図 1 1 塩酸をビーカーに入れ 図 2 のようにその中に亜鉛板と銅板が触れないように入れる 2 2 つの金属板について観察した後 図 3 のように金属板の上部だけ接触させ ( または導線を用いて電子オルゴールなどを接続してもよい ) 電極の変化を観察する 木炭電池は アルミニウム箔がボロボロになり 表面が変化している ( 金属が溶けている ) 図 2 図 3 塩酸電池は 接続しない時は亜鉛板からのみ気体 ( 水素 ) が発生し 接続したときは亜鉛板 銅板両方から気体が発生する 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 廃液は回収し 正しい方法で廃棄する 木炭電池は反応にある程度の時間が必要なので 先に行い その間に塩酸電池の実験を行うとよい 仕組みを考える際に 第 2 学年で学習した 電流の正体は電子の移動である ことを確認しておく ⑶ 実験後の指導の手だて木炭電池の結果から アルミニウム箔が溶けていること 塩酸電池の結果から接続した時のみ銅板でも水素が発生することを確認し 電池から電流が流れる仕組みを 右図のようなモデルで表していく 仕組みを理解していくと 第 2 学年で学習した 電子は - 極から + 極に向かって移動すること と結び付けて考えることができる また この後に ガルバーニのカエルのけいれんの話やボルタ電池やダニエル電池の仕組みを紹介することで 電池の発明や改良についても興味をもつことができる そして 日常生活で使用されている電池の種類や燃料電池の学習などへとつなげていく Zn が塩酸に溶けて Zn 2+ となり電子を 2 個放出し その電子が銅板まで移動し銅板付近の H + が受け取って H ができ H が 2 つ結び付いて H 2 が発生する 課題解決の姿 - 極に用いた金属板が溶けてその時に出た電子が + 極へ移動することで電流が発生し + 極に用いた金属板から気体が発生することに気付き この仕組みをモデルで表すことができる 29

課題 より強い電池を作るにはどのような方法があるのだろうか 実験 6 水溶液の濃度や電極に用いる金属板の種類や面積を変えて電池の強さを調べる実験 ⑴ 実験前の指導の手だて前時までに 電池の仕組みや様々な種類の電池について学習することで 課題に関する疑問が生じる そこで 班毎に課題に対する仮説を設定し それを検証するような仮説実験を行ってもよい ただし 生徒が考える 強い電池 には 流れる電流が強い電池 と 電圧 ( 起電力 ) が大きい電池 の 2 つのイメージがある 起電力については 電池から電流が流れる仕組みについて理解していると よく溶ける金属を片方の電極に用いるとより多くの電流が流れる と予想をする生徒が多い この時に電圧の大きさと電流の強さを同時に測定すると 電池の内部抵抗の関係で混乱するため しっかりと条件統制をし 電流と電圧を分けて考えるように働きかける必要がある [ 主な準備物 ] 導線 保護眼鏡方法 Ⅰ: 数種類の金属板 ( マグネシウム 亜鉛 鉄 銅など ) 3% 塩酸 電圧計方法 Ⅱ: 濃度の異なる水溶液 (0.03% 0.3% 3% 塩酸 ) 亜鉛板 銅板 ろ紙 ピンセット 電流計 [ 実験の手順 ( 方法 Ⅰ)] 1 数種類の金属板から 2 つの組み合わせを電極として選び それらの間に薄い塩酸で湿らせたろ紙を挟む 2 電極から導線を用いて電圧計と接続し 電圧の大きさ ( 起電力 ) を測定する 3 電極に用いる金属板の組み合わせを変えて実験電圧計の接続電流計の接続を行う [ 実験の手順 ( 方法 Ⅱ)] 1 亜鉛板と銅板の間に うすい塩酸で湿らせたろ紙を挟む 2 条件を変えて 電流計に流れる電流の強さを測定する 塩酸の濃度を変える 亜鉛板と銅板が接する面積を変える 電極に用いた金属板の組み合わせで イオン化傾向の差が大きい組み合わせほど電圧の大きさが大きくなる 塩酸の濃度が大きいほど 水溶液と接している金属板の面積が大きいほど流れる電流は強くなる 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 廃液は回収し 正しい方法で廃棄する 塩酸の濃度を変えても電極の組み合わせが同じであれば 電圧の大きさは同じになるため 電流の強さに注目するよう促す ( 同じ電圧でも 濃度が小さくなると電池の内部抵抗が大きくなるため 流れる電流は弱くなる ) 面積については 電極の金属板自体を小さくする方法や接する面積を変えていく方法があるので 実験計画を立てる段階で 生徒が選んでもよい 塩酸の濃度や面積については 10 倍程度の差がなければ はっきりとした違いが見られない 電極を導線のクリップで挟むときに 隙間ができて触れる面積が小さくなる可能性があるので 挟まずに上から抑えるようにしてもよい ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果から 水溶液の濃度や電極の面積と流れる電流の強さの関係を理解していく 電池の起電力について イオン化傾向との関係については 発展的内容であるが モデルなどを用いて再確認するとよい 課題解決の姿 電極に溶けやすい金属と溶けにくい金属 ( イオン化傾向の差が大きい ) を用いると電圧が大きくなる また 水溶液の濃度や水溶液に触れる金属板の面積を大きくすると流れる電流が大きくなることを見いだしている 30

Ⅲ 化学変化とイオン 課題 酸性 アルカリ性の水溶液にはどのような性質があるだろうか 実験 7 いろいろな水溶液と指示薬を用いて水溶液の性質を調べる実験 ⑴ 実験前の指導の手だて小学校では 第 6 学年の時に リトマス紙を使って水溶液が酸性 アルカリ性 中性に分けられること 塩酸や石灰水 アンモニア水など実験室にあるものや炭酸水や酢など身近な水溶液の性質を調べる学習を行っている また 中学校でも第 1 学年でアンモニアの噴水 第 2 学年で炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験を行う際に フェノールフタレイン溶液を用いて アルカリ性の水溶液で赤色に変化することを学習した 本時の導入では それらの復習を行いながら 本時の学習課題を設定したい 学習課題は 水溶液の性質を調べていくにはどのような方法があるのだろうか という課題を設定し 調べる方法や使用する指示薬について迫っていく方法もある [ 主な準備物 ] 試験管 保護眼鏡 マグネシウムリボン ph 試験紙 BTB 溶液 フェノールフタレイン溶液 < 使用する水溶液 > 酸性 :2.5% 塩酸 2.5% 硫酸 2.5% 酢酸などアルカリ性 :2.5% 水酸化ナトリウム水溶液 石灰水 水酸化バリウム水溶液など中性 : 砂糖水 エタノールと水の混合物 2.5% 硝酸カリウム水溶液 塩化ナトリウム水溶液など 1 駒込ピペットを使って試験管にそれぞれの水溶液を入れ 下記のことを調べる また 試験管の代わりに 図のような製氷皿や卵パックなどを用いてもよい ph 試験紙に少量つけて 色の変化を調べる マグネシウムリボンを入れて 気体( 水素 ) が発生するかどうか調べる 発生した気体を採集し 水素であることを調べてもよい BTB 溶液を入れて 色の変化を調べる フェノールフタレイン溶液を入れて 色の変化を調べる 製氷皿を用いた方法 酸性 中性 アルカリ性 ph 試験紙 赤色 - 橙色 緑色 青色 - 濃い青色 マグネシウムリボン 水素発生 変化なし BTB 溶液 黄色 緑色 青色 フェノールフタレイン溶液 変化なし 変化なし 薄い赤色 - 濃い赤色 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する すべての水溶液を取り扱う必要はないが 電離の様子をイオン式で表すことができる水溶液を用意してお くと 水溶液の性質とイオンの関係に気付くことができる フェノールフタレイン溶液は水洗いでは汚れが落ちにくいため 油汚れ用洗剤かエタノールなどを使用し て洗う ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果を基に 水溶液の性質や指示薬の性質についてまとめていく また ph 試験紙の結果より ph を用いた酸性とアルカリ性の強さの表し方についても学習していく そして 酸性 アルカリ性の水溶液に共通していることとして どちらも電流が流れる ( 電解質がとけている ) 水溶液であることを以前の実験と結び付けることで確認していく そこから 水溶液の性質とイオンの関係について考える流れで学習していく 課題解決の姿 酸性の水溶液には 指示薬の色の変化やマグネシウムとの反応など 共通した性質がある ア ルカリ性の水溶液には 指示薬の色の変化など共通した性質がある また どちらの水溶液に も 電解質が溶けている という共通点があることを見いだしている 31

課題 酸性やアルカリ性の水溶液の性質の違いは イオンとどのように関係があるのだろうか 実験 8 酸性やアルカリ性の水溶液に電流を流し ph 試験紙の色の変化を調べる実験 ⑴ 実験前の指導の手だて前時までに 酸性とアルカリ性の水溶液には共通して電解質が溶けており 水溶液の性質にはイオンが関わっていることを学習している そこで 酸性 アルカリ性それぞれの水溶液の違いや共通点は何か という疑問から 学習課題を設定していきたい そして それぞれに酸性とアルカリ性の水溶液内の電離の様子を イオン式を用いて表したときに 酸性では水素イオン (H + ) が アルカリ性では水酸化物イオン (OH - ) が必ず含まれるため この2つのイオンが水溶液の性質を示す基になっているのではないか という仮説を立てることができる 本実験は この仮説の検証実験と位置付けて行う [ 主な準備物 ]2.5% 塩酸 2.5% 水酸化ナトリウム水溶液 2.0% 硝酸カリウム水溶液 ph 試験紙 ろ紙 電源装置 駒込ピペット 導線 スライドガラス 目玉クリップ ピンセット タコ糸 ( または細く切ったろ紙 ) 保護眼鏡 1 図 1 のように スライドガラスの上にろ紙と ph 試験紙を置き 駒込ピペットを使って硝酸カリウム水溶液を染み込ませる 2 電源装置をつないで 15 ~ 20 Vの電圧を加えて電流を流す 3 タコ糸に塩酸 水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ染み込ませ ph 試験紙の中央に垂直に置いて 2 ~ 3 分経過した時に ph 試験紙の色 がどのように変化するかを調べる 図 2 のように 塩酸の時はタコ糸から陰極側のみが赤色 ( 酸性を示す色 ) に変化する 図 3 のように 水酸化ナトリウム水溶液の時はタコ糸から陽極側のみが青色 ( アルカリ性を示す色 ) に変化する 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を着用する 図 1 装置の様子 陽極陰極陽極陰極図 2 図 3 仮説を立てることと電気分解の振り返りをすることで 実験内容や色の変化の意味を理解できるようにする タコ糸を置く時に まっすぐ一回で置くように指示し できるだけ結果がはっきりと出るようにする ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果を モデルで表しながら理解を深めていく また 電解質が溶けていないものや 溶けていてもH + や OH - を生じないものは中性になることや この学びを活かして 電離の様子を表す式から水溶液の性質を判断できる力を身に付けていく そして 本時で学習した酸 アルカリの性質が普段の生活の中で活用されていることや 指示薬なども身近なものから作成できることも紹介する 課題解決の姿 酸性の水溶液が共通した性質を示す基は水素イオンであり アルカリ性の水溶液が共通した性 質を示す基は水酸化物イオンであることを見いだしている [ 指示薬の作成 ] 1 ムラサキキャベツの葉やナスの皮 赤シソなど アントシアニンの色素を含んだ植物の一部を細かくちぎって 水の入ったビーカーに入れる 2 5 ~ 10 分程度加熱する 3 煮汁をろ過して 指示薬として用いる 32

Ⅲ 化学変化とイオン 課題 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると どのような変化があるだろうか 実験 9 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液による中和実験 ⑴ 実験前の指導の手だて本実験の前に 酸性の水溶液にマグネシウムリボンを入れると水素が発生することを学習している そこに アルカリ性の水溶液を加えていくと 水素が発生しなくなる現象が見られる この現象を見て 水溶液の中ではどのような化学変化が起きているのか という疑問をもち 本時の課題を設定していく また 用いる水溶液の電離の様子を表す式などからその変化に対する仮説を設定し 性質の変化や化学変化によって発生する物質などを考えた上で実験に臨む [ 主な準備物 ]2.5% 塩酸 2.5% 水酸化ナトリウム水溶液 フェノールフタレイン溶液 ( またはBTB 溶液 ) 駒込ピペット メスシリンダー ビーカー ガラス棒 スライドガラス 顕微鏡 保護眼鏡 1 メスシリンダーで水酸化ナトリウム水溶液を 10cm3量り取る 2 フェノールフタレイン溶液を 2 3 滴入れる 3 ビーカーの中の液体をかき混ぜながら 塩酸を少しずつ加え 透明になった時点で止める 4 ビーカーの中の液体をガラス棒に付け スライドガラスの上に一滴取り 水分を蒸発させる 5 スライドガラスの上に 溶けている物質が出始めたら顕微鏡で観察する 水酸化ナトリウム水溶液の性質はアルカリ性が弱まり 中性に近づいていく スライドガラスに残った物質が 図のように形の結晶であることが分かる 水溶液が皮膚に付かないように注意し 目に入らないように保護眼鏡を 着用する 塩化ナトリウムの結晶 水溶液の性質を考えると共に 駒込ピペットの操作方法などの実験技能も身に付けるよう促していく できるだけゆっくりと水分を蒸発した方が 結晶が大きくて観察しやすいため 自然乾燥がよいが 時間がない場合は ホットプレートの上にスライドガラスを乗せて水分を蒸発させるとよい ここで 発展的内容として濃度や体積に着目して実験を行ってもよいが 質量パーセント濃度で水溶液を作製しても 同量で中和することができないので モル濃度で濃度を揃えて行う ( 例 :2.5% 塩酸 = 0.69mol/ L 2.5% 水酸化ナトリウム水溶液 = 0.64mol/L) また その場合に使用するメスシリンダーや駒込ピペットが濡れている場合は 共洗い をしてから使用するようにする ⑶ 実験後の指導の手だて本実験の結果より 互いの性質を打ち消し合う反応 ( 中和反応 ) が起きたのは 塩酸の H + と OH - が結び付いて水になったこと 残った Na + と Cl - は水が蒸発した時に結び付き 塩化ナトリウムという塩 ( えん ) ができたことを導き出す 中和反応の際に それぞれのイオンの数がどのように変化していくかを モデルやグラフなどを用いて段階的に考えていくことで 理解が深まる 他にも 硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和なども紹介し 硫酸バリウムのように水に溶けない塩ができるなど 水溶液の組み合わせによって様々な塩ができることを確認する また 温度変化にも着目をし 中和が発熱反応であることを確認する 課題解決の姿 酸とアルカリが互いの性質を打ち消し合い 水と塩化ナトリウムができることを見いだし モ デルで表すことができる 33