TCP/IP 設定のいろは i5/os の TCP/IP の設定を再確認しよう 今回は i5/os(os/400) の TCP/IP の設定について説明します TCP/IP は IP アドレスさえ LAN アダプターに割り当てすれば使用できてしまうので 間違って設定されているケースもしばしば見受けられます TCP/IP 設定が正しくないために発生する不具合の例としては 以下のようなものがあります iseries ナビゲーターの特定機能が動作しない iseires ナビゲーターは内部的にホスト名を使用しているものがあるため ホスト名の設定が正しくないと動作しない機能があります ( 余談ですが iseries ナビゲーターの接続アイコンについても IP アドレスを指定して作成することも出来ますが ホスト名を指定して作成する事をお勧めします ) WAS(WebSphere Application Server) の導入が失敗する WAS の導入を行うには ホスト名の設定がきちんとされていないと正常に行われませ ん TCP/IP のパフォーマンスが遅くなる DNS サーバーのアドレス指定や TCP/IP 送受信バッファーサイズの設定が適切でないと TCP/IP 通信が非常に遅くなる場合があります この機会に TCP/IP の設定をきちんと見直してみましょう TCP/IP の設定は CFGTCP コマンドから TCP/IP の設定は iseries ナビゲーターからも実行できますが 今回は i5/os コマンドラインを使用 して行います (QSECOFR など )
SECOFR クラスの ID でログイン ( サインオン ) して CFGTCP コマンドを実行します 以下の画面 が表示されます 参考 iseries ナビゲーターから実行する場合は ネットワーク TCP/IP 構成を右クリック プロ パティの画面と TCP/IP 構成の下の IPv4 以下の画面から設定します TCP/IP の設定は基本的にこの画面からすべて行います TCP/IP インターフェースの設定 LAN アダプターに対して IP アドレスを割り当てます IP アドレスを追加するには OPT 欄に 1 を入 れて実行キーを押します TCP/IP インターフェースの処理システム : LUCY03 1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 9= 開始 10= 終了 IP 回線 回線 OPT アドレス サブネット マスク 記述 タイプ 1 127.0.0.1 255.0.0.0 *LOOPBACK *NONE 192.168.1.30 255.255.255.0 ETHLINE *ELAN
F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11= インターフェース状況の表示 F12= 取り消し F17= 先頭 F18= 最後 以下のような画面が表示されます TCP/IP インターフェースの追加 (ADDTCPIFC) IP アドレス > '10.0.0.1' 回線記述 > ETHLINE 名前, *LOOPBACK... サブネット マスク > '255.255.255.0' 別名 > *NONE 関連したローカル インターフェース > *NONE TYPE OF SERVICE > *NORMAL *MINDELAY,*MAXTHRPUT... 最大送信単位 > *LIND 576-16388, *LIND 自動開始 > *YES *YES, *NO PVC 論理チャネル識別コード > 001-FFF 値の続きは+ X.25 アイドル回線タイムアウト > 60 1-600 X.25 最大回線接続 > 64 0-64 X.25 DDN インターフェース > *NO *YES, *NO TRLAN ビット順序づけ > *MSB *MSB, *LSB F3= 終了 F4= プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続きすでに区域の最後が表示されている IP アドレス : 割り当てしたい IP アドレスを指定します この例では ETHLINE という LAN アダプターに既に 192.168.1.10 のアドレスが割り当てされていますが 別のネットワークアドレスを同じ LAN アダプターに割り当てして同時に使用可能です 回線記述 : 割り当てする LAN アダプターの *LIND 名を指定します ここで *VIRTUALIP と指定すると仮想 IP アドレスを指定することが出来ます 仮想 IP アドレスを使用すると 例えば一つの仮想 IP アドレス対して複数の LAN アダプターから通信が可能になります サブネットマスク : サブネットマスクを指定します 自動開始 : IPL 後などに STRTCP コマンドが実行された際にこの IP アドレスをアクティブにする場合は *YES を指定します IP アドレスを個別に開始したい場合には *NO を指定します 指定が完了したら実行キーを押します 完了すると以下の画面が表示され IP アドレスの追加が 完了します TCP/IP インターフェースの処理システム :LUCY03 1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 9= 開始 10= 終了
IP 回線 回線 OPT アドレス サブネット マスク 記述 タイプ 127.0.0.1 255.0.0.0 *LOOPBACK *NONE 192.168.1.30 255.255.255.0 ETHLINE *ELAN 10.0.0.1 255.255.255.0 ETHLINE *ELAN F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11= インターフェース状況の表示 F12= 取り消し F17= 先頭 F18= 最後 TCP/IP 経路の処理 経路とはルーティングのことです ここでは ゲートウェイのルーターアドレスなどルーティング設 定を行います この設定はオプションです 遠隔地などルーターを介して別のネットワークアドレス 上のコンピューターと通信が必要な場合のみ設定します 一つの建物内などで異なるネットワー クアドレスとの通信がない場合 ( この例では通信の相手先が 192.168.1.1~254 と 10.0.0.1~254 以外に無い場合 ) は設定する必要がありません ルーティング情報を追加するには OPT 欄に 1 を 入力して実行キーを押します TCP/IP 経路の処理システム : LUCY03 1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 OPT 経路の宛先 サブネット マスク 次のホップ 優先インターフェース 1 *DFTROUTE *NONE 192.168.1.1 *NONE 10.1.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1 *NONE F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11= サービス タイプの表示 F12= 取り消し F17= 最上部 F18= 最下部 以下の画面が表示されます TCP/IP 経路の追加 (ADDTCPRTE) 経路宛先 > *DFTROUTE サブネット マスク > *NONE TYPE OF SERVICE > *NORMAL *MINDELAY,*MAXTHRPUT... ネクスト ホップ > '192.168.1.10' 優先バンド インターフェース > *NONE 最大送信単位 > *IFC 576-16388, *IFC 経路メトリック > 1 1-16 経路再配分 > *NO *NO, *YES 重複経路優先順位 > 5 1-10
F3= 終了 F4= プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続きすでに区域の最後が表示されている 経路宛先 : 通信相手先のネットワークアドレスを指定します デフォルトゲートウェイを指定する場合には *DFTROUTE を指定します サブネット マスク : 通信相手先のサブネットマスクを入力します デフォルトゲートウェイの場合には *NONE を指定します ネクスト : ホップ : 経路宛先 ( 通信の相手先 ) へのゲートウェイのアドレスを指定します 通常ゲートウェイは System i と同じ LAN( 同一の IP ネットワークアドレス上 ) に存在しているはずです したがってここで指定可能な IP アドレスは TCP/IP インターフェースの設定で System i の LAN アダプターに割り当てた IP アドレスと同じネットワークアドレス上のものだけ ( この例では 192.168.1.1~254 と 10.0.0.1~254) になります 指定が完了したら実行キーを押します 完了すると下記の画面が表示され ゲートウェイの追加 が完了します TCP/IP 経路の処理システム : LUCY03 1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 OPT 経路の宛先 サブネット マスク 次のホップ 優先インターフェース *DFTROUTE *NONE 192.168.1.1 *NONE *DFTROUTE *NONE 192.168.1.10 *NONE 10.1.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1 *NONE F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11= サービス タイプの表示 F12= 取り消し F17= 最上部 F18= 最下部 デフォルトゲートウェイの注意事項 : これは System i に限らずあらゆるコンピューターに共通ですが デフォルトゲートウェイは通常一時点でひとつしか有効になりません 上記の例では *DFTROUTE が 2 行 すなわちデフォルトゲートウェイが 2 つ登録されていますが 一時点では片方のアドレスしかデフォルトゲートウェイになりません どちらのゲートウェイが使用されるかはその時々の状況によって変わるため 通常 複数のデフォルトゲートウェイを設定することは推奨いたしません TCP/IP ドメイン情報の変更
ここでは i5/os のホスト名やドメイン名 DNS サーバー アドレスなどを指定します この画面は重 要です この画面で設定がきちんと行われていないと WAS の導入が正常に出来ないなど TCP/IP 関連の不具合が発生することがあります 通常はあまり意識しませんが アプリケーショ ンやミドルウェアによってはここで指定したシステムのホスト名やドメイン名を使用して動作するも のが多いのです このため必ず設定をしておきましょう TCP/IP ドメインの変更 (CHGTCPDMN) ホスト名 > 'LUCY03' ドメイン名 > 'IBM.CO.JP' ドメイン検索リスト > *DFT ホスト名検索優先順位 > *LOCAL *REMOTE, *LOCAL, *SAME ドメイン ネーム サーバー : IP アドレス > *NONE F3= 終了 F4= プロンプト F5= 最新表示 F10= 追加のパラメーター F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き ホスト名 : この i5/os の TCP/IP 上のホスト名を指定します ドメイン名 : この i5/os の TCP/IP 上のドメイン名を指定します 通常は同一ネットワーク上の他のサーバーやクライアントなどと同じドメイン名を指定します ホスト名検索優先順位 : TCP/IP 通信上で TCP/IP のホスト名を検索する必要が発生した場合に i5/os 上のローカルの HOSTS を先に検索するか リモート ( またはローカル i5/os 上の )DNS サーバーを先に検索するか を指定します i5/os の HOSTS は TCP/IP ホスト テーブル項目の処理で指定します 例えばここで *REMOTE を指定したにも関わらずこの i5/os からアクセス可能な DNS サーバーが無い場合などは DNS の名前解決に数秒単位の長い時間が必要となり TCP/IP 通信が非常に遅くなったり タイムアウトしたりしてしまう場合があります DNS サーバーが無い ( または DNS サーバーを必要としない ) 場合には *LOCAL を指定します ドメイン ネーム サーバー IP アドレス : DNS サーバーが存在している場合 DNS サーバーの IP アドレスを入力します ここでも複数の DNS サーバーアドレスを指定できますが 通常エントリーの上の DNS サーバーから検索されますので登録順序に注意します 参考 CHGNETA/DSPNETA コマンドでのホスト名 : CHGNETA/DSPNET コマンドで表示さ れるシステム名などは 主に SNA 環境で使用されるシステム名です TCP/IP では使用されませ ん
TCP/IP ホスト テーブル項目の処理 これは i5/os の HOSTS ファイルです DNS サーバーが存在しない場合や DNS サーバー上に 登録されていないサーバーなどのホスト名と IP アドレスをこの画面で登録します ホスト名 IP アド レスを追加するには OPT 欄に 1 を入力して実行キーを押します 以下の例のように 自分自身の IP アドレスとホスト名を登録することも出来ます TCP/IP ホスト テーブル項目の処理システム : LUCY03 1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 7= 名前変更 OPT インターネット アドレス ホスト名 1 192.168.1.30 LUCY03.IBM.CO.JP LUCY03 127.0.0.1 LOOPBACK LOCALHOST F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F12= 取消し F17= 位置指定 次の画面が表示されます TCP/IP ホスト テーブル項目の追加 (ADDTCPHTE) IP アドレス > ホスト名 : 名前 > 値の続きは+ + テキスト ' 記述 ' '192.168.1.50' LUCY05.HAKOZAKI.IBM.COM F3= 終了 F4= プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き IP アドレス : 追加したいホストの IP アドレスを指定します ホスト名 : 追加したいホストのホスト名を指定します ホスト名を 2 つ以上つけたい場合は 値の 続きは + の欄に + を入力して次画面に 2 つ目以降の名前を指定します 実行キーを押すと設定が完了します TCP/IP ホスト テーブル項目の処理システム : LUCY03 1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 7= 名前変更 OPT インターネット アドレス ホスト名 1 192.168.1.30 LUCY03.IBM.CO.JP
LUCY03 192.168.1.50 LUCY05.IBM.CO.JP LUCY05 I5_TEST1 127.0.0.1 LOOPBACK LOCALHOST F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F12= 取消し F17= 位置指定 i5/os での PING i5/os でも他のサーバーなどと同様に PING コマンドで接続の確認が出来ます 下記は PING で ホスト名を指定した例です ホスト名は DNS サーバーに登録されているか TCP/IP ホスト テーブ ル項目の処理に登録されている必要があります すべてのメッセージの表示 LUCY03 ジョブ : QPADEV0006 ユーザー : QPGMR 番号... : 211316 5>>PING LUCY03 アドレス 192.168.1.30 でホスト システム LUCY03 への接続を検査中である 192.168.1.30 からの PING 応答 1 は 0 ミリ秒の 256 バイトです TTL は 64 です 192.168.1.30 からの PING 応答 2 は 0 ミリ秒の 256 バイトです TTL は 64 です 192.168.1.30 からの PING 応答 3 は 0 ミリ秒の 256 バイトです TTL は 64 です 192.168.1.30 からの PING 応答 4 は 0 ミリ秒の 256 バイトです TTL は 64 です 192.168.1.30 からの PING 応答 5 は 0 ミリ秒の 256 バイトです TTL は 64 です 往復 ( ミリ秒 ) 最小 / 平均 / 最大 = 0/0/0 接続検査の統計 : 5 の 5 は正常に実行された (100 %) 続行するためには, 実行キーを押してください F3= 終了 F5= 最新表示 F12= 取消し F17= 最上部 F18= 最下部 PING で IP アドレスを指定する場合は指定方法が独特なので注意が必要です TCP/IP 接続の検査 (PING) リモート システム > リモート インターネット アドレス > *INTNETADR '192.168.1.30' F3= 終了 F4= プロンプト F5= 最新表示 F10= 追加のパラメーター F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き リモートシステム欄に *INTNETADR と指定し リモート インターネット アドレス欄に IP アドレスを 入力します (PING RMTSYS(*INTNETADR) INTNETADR('192.160.1.30') と指定します )
補足事項複数のアドレスを持つ i5/os での考慮事項 : この例では LUCY03 という i5/os の 2 つの IP アドレスが割り当てられています (192.168.1.30 と 10.0.0.1) どちらの IP アドレスを使用しても通信は可能です しかし上の例のように TCP/IP ホスト テーブル項目の処理でどちらかひとつの IP アドレスに対してホスト名を指定すると i5/os はそのホスト名を指定された IP アドレスと関連づけて扱います 上の例では i5 /OS から PING LUCY03 とすると必ず 192.168.1.30 に対して PING を実行します このような設定を行った場合 例えば iseries ナビゲーターマネジメント セントラルの一部機能などは 10.0.0.1 を使用して Windows 側で iseries ナビゲーターの接続アイコンを作成した場合 一部機能が正しく動作しない場合があります ( ホスト名 LUCY03 と関連づけている 192.168.1.30 で接続アイコンを作成している場合は問題ありません )i5/os 上に複数の IP アドレスを持っている場合には TCP/IP ホスト テーブル項目の処理での登録で注意する必要があります