平成21年度 予算編成方針

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平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

2014(平成26)年度 予算編成方針について

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~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

総務部 企画財政課

( 注 ) 年金 医療等に係る経費については 補充費途として指定されている経費等に限る 以下同じ (2) 地方交付税交付金等地方交付税交付金及び地方特例交付金の合計額については 経済 財政再生計画 との整合性に留意しつつ 要求する (3) 義務的経費以下の ( イ ) ないし ( ホ ) 及び (

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平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての


平成 25 年 4 月 30 日 補助金のあり方に関するガイドライン 函館市 平成 25 年 4 月

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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平成 29 年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について ( 平成 28 年 8 月 2 日閣議了解 ) の骨子 平成 29 年度予算は 基本方針 2016 を踏まえ 引き続き 基本方針 2015 で示された 経済 財政再生計画 の枠組みの下 手を緩めることなく本格的な歳出改革に取り組む 歳出

2012(平成24)年度 予算編成方針について

1. 財政状況の年度推移 ( 一般会計 ) (1) 決算概況 ( 単位 : 億円 ) グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向にあり 平成 27 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大規模となっています 実質収支は 黒字を継続しており 27 年度は約 49 億円 前年度と比べると約 1

目 次 1. 作成の目的 P2 2. 推計方法 P2 3. 歳入の推移 P4 4. 歳出の推移 P5 5. 歳入歳出の比較 P6 6. 基金の状況 P7 7. 地方債残高の状況 P8 8. 経常収支比率の状況 P9 9. 実質公債費比率の状況 P まとめ P11-1 -

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

PrimoPDF, Job 20

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報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

試算の前提条件 2018( 平成 30) 年度当初予算を基本に 収支等に大きく影響のあるもの (2018 年度の新規 拡充事業など ) や 2017 年度補正予算等による影響を反映 市税を 中長期の経済財政に関する試算 (2018 年 1 月内閣府 ) で示されたベースラインケースの指標により試算し


資料 5 公共施設更新コスト試算 1 試算ケース ケース1: 旧耐震基準のうち 築 60 年以上は建替え それ以外は大規模改修 新耐震基準は老朽箇所修繕 耐用年数を 60 年と想定した場合 旧耐震基準の施設のうち 築 60 年以上の施設は 築 60 年が経過した施設から建替える 建替え対象以外の旧耐

H28秋_24地方税財源

一次評価 担当課による自己評価 必要性 効率性 有効性 市民や社会のニーズを的確に捉えた事業か 民間事業者や市民が自ら実施することのできない事業か 目的 目標の達成手段として適切で 優先度の高い事業か 受益者との負担関係やは妥当な水準か 他の手段や方法とのコスト比較は十分行われているか コスト削減や

概算要求基準等の推移

豊洲移転時の収支試算の条件とパターン 収支試算の条件 平成 29 年度予算をベースとして推計 一般会計繰入金の対象範囲や水準は 据え置き 改修経費を 5 億円 / 年とした上で 5 年毎に 5 億円 / 年ずつ増加するものと仮定して試算 変更点 売上高割使用料は 5 年毎に 3% ずつ減少するものと

(公印省略)

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内部統制ガイドラインについて 資料

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プレゼン

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

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P10 第 2 章主要指標の見通し 第 2 章主要指標の見通し 1 人口 世帯 1 人口 世帯 (1) 人口 (1) 人口 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口を 国勢調査 ( 平成 7 年 ~22 年 ) による男女各歳人口をもとにコーホー 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口

第4次日田市行政改革に向けての方針

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

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『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

平成14年度予算編成方針

タイトル

さぬき市普通会計決算状況 普通会計決算状況及び財政指標等 1P 普通会計歳入決算状況 普通会計歳出決算状況 主な一般財源の推移 ( 市税及び地方交付税 ) 普通建設事業費と義務的経費の推移 基金 市債及び元利償還金等の状況 2P 3P 4P 5P 6~8P

中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

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⑴ 練馬区の予算規模はどのくらいですか? どんなことに予算が多く使われているのですか? 平成 27 年度の予算規模は約 2,500 億円で 児童 高齢者 障害者 生活困窮者などを支援するための経費の割合が増えています 平成 27 年度における予算額は約 2,500 億円で前年度より約 55 億円増加

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公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

庁議案件No

Microsoft PowerPoint - 【がっちゃんこ版(分科会)】全国課長会議資料

5 財政見通し地方交付税の減少等に伴い歳入額が大きく減少する一方で, 歳出は緩やかに減少することから, 期間を通じて収支不足が生じるものの, 財源対策 ( 財政調整基金の取崩し ) を講じることにより, 対象期間中は収支均衡を図ることができる見込みとなった しかしながら, 平成 33 年度末の財政調

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

2007財政健全化判断比率を公表いたします

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 保険料減免制度について 府の統一基準に一致させることで急激な保険料増加となる世帯が生じることから 段階的に低所得者減免制度を解消していく 保険料の減免制度については 平成 30 年度からは災害 収入減

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各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

○補助金等に関する基本方針_1表紙・目次(小林修正案)改訂

国民健康保険税率等の諮問 について 国立市健康福祉部健康増進課国民健康保険係 国立市富士見台 : ( 代表 ) 内線

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

2 決算収支 実質収支は 59 億 63 百万円の黒字で 11 年連続で全団体黒字となった 単収支は 9 億 92 百万円の黒字となった また 赤字団体は35 団体中 15 団体となり 前と比べて8 団体減少した 実質単収支は 189 億 82 百万円の赤字となり 前と比べて41 億 47 百万円赤

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14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

平成 28 年度決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率に関する審査意見書 春日井市監査委員

Ⅸ 財政健全化の取り組み 1 財政健全化の取り組みの状況 平成 28 年度行革効果額 歳入対策 歳出抑制 約 4.4 億円 約 2.4 億円 合計約 6.8 億円 平成 28 年度は 第 4 次東村山市行財政改革大綱第 3 次実行プログラム ( 平成 2 8 年度 ~30 年度 ) の初年度として

我が国中小企業の課題と対応策

市税収入額(人口推移)

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注 : 平成 年度募集研究種目 国際的に評価の高い研究の推進 研究費の規模 / 研究の発展 H には 新たに基盤研究 (B) 若手研究 (A) の 種目に基金化を導入 若手研究 9 歳以下 ~ 年 (A) 500~,000 万円 (B) ~500 万円 研究活動スタート支援 年以内年間 50 万円以

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⑸ 老人保健拠出金については 平成 25 年度当初予算と同額の7 万 5 千円を計上した ⑹ 介護納付金については 平成 25 年度当初予算に比べ3.8% 減の1 億 8,4 03 万 9 千円を計上した ⑺ 共同事業拠出金については 平成 25 年度当初予算に比べ7.0% 増の3 億 7, 793

4-(1)-ウ①

2. 歳入の状況 ( 単位 : 億円 ) 1,8 1,6 1,4 1, 1, 1, 市債 国庫 県支出金 地方交付税 地方譲与税 交付金 市税以外の自主財源 市税 自主財源総額 比率 1,384 1,525 1,529 1,539 1, ,564

特別会計の改革について

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活動指標及び 活動指標標準仕様書 導入手順書策定数 ( 改定を含む ) 活動見込 31 活動見込 2 活動指標及び 活動指標 RPA 補助事業の完了数 活動見込 31 活動見込 5 活動指標及び AI 実証地域の完了数 活動指標 活動見込 31 活動見

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

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(2) 市税の決算状況 平成 24 年度調定済額の比較 税目 項目 平成 23 年度調定済額 平成 24 年度調定済額 増減 ( 単位 : 千円 ) 増減率 個人 10,113,609 10,412, , 市民税 法人 1,844,663 2,109, ,056

2017年度 決算説明会資料

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

スライド 1

普通財産の売却及び利活用の基本方針

目 次 1 実施方針 1 2 収支不足への対応 2 3 改革のテーマと目標 2 4 重点項目 3 (1) 事務事業の見直し (2) 施設運営の見直し (3) 人件費の削減 (4) 受益者負担の適正化と収入確保の工夫 5 重点項目ごとの主な取組と目標効果額 4 (1) 重点項目ごとの主な取組 (2)

(1) 市税 1 個人市民税 12,, 12, 1,, 1, 8,, 8, 6,, 6, 4,, 4, 2,, 2, 4,425,177 4,542,579 4,451,591 4,548,613 4,83,99 5,245,539 6,124,689 6,342,477 6,436,251 6,1

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

第9号様式(第10条、第19条、第20条関係)

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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Transcription:

平成 30 年度予算編成方針 鎌倉市をとりまく状況 平成 29 年 7 月 3 日に日本銀行が発表した 6 月の全国企業短期経済観測調査 ( 短観 ) において 代表的指標である 大企業 製造業 の業況判断指数がプラス17と 約 3 年ぶりの高水準となり 景況感は3 期連続で改善するなど わが国の経済は緩やかに回復しています また 平成 29 年 8 月 14 日に内閣府が発表した平成 29 年 4 月 ~6 月期の国内総生産 (GDP) の速報値においても 物価変動の影響を除いた実質値で前期比 1.0% 年率換算で4.0% 増と 9 四半期ぶりの高成長となりました 企業収益は 輸出企業を中心として堅調に売上高が増加しており 収益は当面底堅い推移が続くことが見込まれています 個人消費についても 日経平均株価が二万円台を一時回復したことなどを受けた消費マインドの改善等によって 緩やかな回復傾向にあり 自動車などの耐久財について消費増税前の駆け込み需要の反動減が一巡する動きがみられ また外食などのサービス消費についても 回復の動きがでてきています しかし 企業の好調な業績にもかかわらず 世間の景気感覚は回復しておらず 今後の消費の伸びは不透明感に覆われたままであり 景気回復の効果が地方に及ぶにはまだ時間がかかる見通しです 消費増税をきっかけに低迷が続いていた個人消費が本格的な回復に向かうための賃金の伸びが弱く その結果 好循環の実現に結びついていない状況です 加えて 北朝鮮のミサイル問題など 地政学リスクが今後日本経済に悪影響を及ぼす可能性も否定できない状況であり 株価の値下がりや円高に振れることによる輸出企業の業績悪化に繋がるリスクが潜在していることから 今後も日本経済を取り巻く現状を注視していく必要があります 一方 鎌倉市の財政状況に目を向けますと 固定資産税の評価替えの影響などによる市税収入の落ち込みをはじめ 職員の定年退職者の増加に伴う人件費の増や 扶助費など社会保障費の増加が進展し 市の財政を圧迫する状況が継続しており 平成 30 年度は事業実施のための財源確保が大変難しくなる見込みです これまでに引き続き防災 減災対策などに係る費用や中長期的な課題である公共施設の再編 社会基盤の維持 更新などに多額の費用についても見込まれることから 今後も厳しい財政運営が続く見通しです このようなことから 平成 30 年度においては これまで以上にすべての事業について原点からの見直しを実施し 個々の施策ごとの当該年度での実施の必要性 優先性を精査し 状況に応じて事業の再構築を検討するなど 創意工夫を凝らした取り組みを行うと同時に 事業に着手することによる後年度負担等にも目を向けつつ 中長期的な視点に立ち積極的に事業の整理 統合 廃止を実施することが必要となります 1

平成 30 年度の財政収支の見通しと当初予算配分枠 1 財政収支の見通し (1) 歳出について退職者数の増などによる人件費の増を前年度比約 6.1 億円と見込んでいます また 特別会計に対する繰出金について 国民健康保険事業の広域化による影響や介護保険事業における新制度適用などにより 前年度比増額を約 5.8 億円と見込んでいます 加えて 社会保障費の増加に伴い 扶助費の伸びを前年度比約 3.8 億円の増と見込んでいます その他の事業費の減額分を相殺した上で 一般会計歳出全体としては 平成 29 年度当初予算から約 5.5 億円の増となる約 604.0 億円を見込みます (2) 歳入について歳入予算において特筆すべきは 地方消費税交付金をはじめとした国からの交付金が 近年の決算状況から軒並み減額の見込みを立てざるを得ず 平成 29 年度予算と比較して約 4.4 億円の減額を見込んでいます 市税については 個人市民税について GDP 名目成長率の伸びを加味した上での増収見込みを約 1.3 億円と見込んでいます その一方で 評価替えによる固定資産税及び都市計画税の減を約 1.1 億円と見込んでおり 軽自動車税 市たばこ税においても減額が見込まれることなどにより 市税全体では 平成 29 年度予算と比較し 約 0.3 億円の減額を見込みます 国県支出金については約 7.0 億円の増額を見込みますが それは歳出予算の増に伴うものであることから 収支の好転に寄与するものとはなりません 市債については 活用できる事業をできるだけ活用する形で計上しますが 平成 29 年度予算と比較し 約 1.7 億円の減額を見込みます 以上 それぞれの増減要素を加味し かつ財政調整基金について 平成 29 年度と同額の約 19.5 億円を繰り入れることにより 平成 30 年度の一般会計歳入全体としては 平成 29 年度当初予算から約 2.5 億円の増となる約 601.0 億円を見込みます 2 当初予算配分枠以上のとおり 平成 30 年度予算の財政収支については 財政調整基金を平成 29 年度と同額の約 19.5 億円を繰り入れることにより歳出が約 604.0 億円 歳入が約 601.0 億円となり 歳出が歳入を約 3.0 億円上回る赤字となる見込みです 包括予算制度における配分枠については 翌年度の歳出見込額に対する歳入見込額を積算し 不足する際は 歳出の見込額を圧縮したうえ 各部等へ配分しています 平成 30 年度の一般会計予算については 上記のとおり大変厳しい収支見込のもとでの予算編成となることから 各部等においては これまで取り組んできた以上に事業費の精査 優先順位付け 事務事業の見直しなどに徹底的に取り組んでください 2

平成 30 年度予算編成の基本方針 メインポリシー ( 基本方針の 4 本柱 ) 重点事業について適切な経費を計上する 不要不急事業の洗い出しを行う 事業の優先順位付けを徹底する 創意工夫を取り入れる 平成 30 年度の予算編成に当たっては 重点施策の実現に結びつけるため 予算の理事者ヒアリ ング 各部の事務事業について意見交換を行った事業ヒアリング 補助金の見直しガイドライン等 を考慮したうえで 次の点に留意し 予算編成を行ってください 1 重点事業について適切な経費を計上する約 3.0 億円の収支赤字見込みを解消する手立ては 削減に限界がある経常的な経費を見直すことでは解消できないことから 重点事業に踏み込んで見直しを行うことが必要であると判断しました 従って 重点事業について以下の点に踏み込んだ見直しを行うこととします (1) 概算事業費や不確定事業の精査平成 29 年度から平成 31 年度の3 年間にわたる後期実施計画を策定し 重点事業として位置づけた施策を実施していますが 採択した事業の中には概算事業費で計上した事業や 具体的な実施行程が不確定な状態のまま採択されたものも見受けられ その結果 計上する事業費が膨らんでいる部分が見受けられます そのような事業費について言わば伸びしろをそのままに各部に配分することにより 事業費が確定した段階で不要となった配分枠が経常的な事業費の財源として使用されることとなり 財源の無駄遣いや余分な事業費を計上することが可能となるなど 限られた財源を有効に使うことができなくなってしまうものとなります そのような懸念から 計画に位置づけられた事業費をそのまま各部に配分していたこれまでの重点事業の配分方法を見直し 概算計上や実施不確定な事業については 適切な予算額を計上するために 財政課及び経営企画課で各部へのヒアリングや査定作業を経た上で各部に配分することとし それまではペンディングの扱いとします なお 平成 29 年度から既に事業に着手しており 平成 30 年度は軌道に乗った形での実施となる事業については 事業費の精査は行いますが 実施については妨げません 3

(2) 平成 30 年度に着手する事業の実施可否の検討まだ着手していない平成 30 年度スタート予定の事業については その熟度を十分に精査し 実施の先送りや 実施内容を見直すことによる事業費の削減の可否について検討することとします そのような事業についても ペンディングの扱いとし 財政課及び経営企画課による各部へのヒアリングや査定作業を行った上で各部配当を行います 2 不要不急事業の洗い出しを行う重点事業以外の実施事業についても その予算化が平成 30 年度予算で必ずなされなければならないものであるのか 先送りできる事業ではないかなどの検討を行い 不要不急な事業の予算化をしないこととします これまで 予算要求時の調整 検討不足のまま予算化した事業が 執行の段階で実施不可能となったものや 執行の形態を変えての予算外執行となるケースなどが見受けられます そのような実施の可否があいまいな事業を予算計上しなければ 事業費を圧縮することや他の事業を手厚く配分することも可能であったと思われます よって 中途半端な予算計上を防ぐ観点からも 予算計上の段階で実施可否について十分に精査し 先送りが出来る事業は先送りするなど 無理や無駄をそぎ落とすことを念頭に熟慮した上での予算計上を行ってください 3 事業の優先順位付けを徹底する重点事業をはじめ 理事者ヒアリング等を通じて 各部において優先的に取り組むこととした事業については 予算を優先的に配分してください そのため これらの事業と比較して優先度の低いと判断した事業については 事業の整理 統廃合等を行うことによって優先すべき事業の財源を捻出してください 過去の予算編成においては 事業の優先度ではなく 事業費を一律に削減し 事業費を捻出していた部等が見受けられましたが このような手法を用いることなく予算編成を行ってください 4 創意工夫を取り入れる包括予算制度による予算編成では 各部等に配分される一般財源に 特定財源を上積みすることにより 歳出予算規模を拡大することが可能となるほか 創意工夫によって生み出された財源については 一部を後年度の各部等配分額に上乗せすることができます 各部等においては 引き続き広告料収入や土地の貸付等の歳入の確保や新たな国 県補助金の獲得に努めるとともに 先進市の取り組みや各課等において先行して実施している取り組みなどを参考に これまでの仕組みにこだわらない様々な手段の検討を行ってください 自ら必要な財源を確保し 市民サービスの維持 向上に繋げるという視点に立ち 柔軟な発想で予算編成を行ってください 5 身の丈に合った取り組みにする 国県支出金による財源措置の廃止 縮減分を市費で肩代わりしているような事業や近隣市 同 規模類似団体における取り組み 予算措置を上回っている事業につきましては 身の丈に合った 4

取り組みとするため 制度の廃止や縮減 対象や単価の見直し等を行い 事業費を縮減してください また 特に一部の限られた受益者に対する公費支出となっている事業等につきましても 事業の存続を含めて再検討してください なお 段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は 平成 30 年度予算編成に併せて 翌年度以降の制度見直しに係る年次計画の策定に努めてください 6 受益と負担の適正化を図る施設利用や各種行政サービスの提供に際して 受益者に応分の負担を求めることは 住民間の公平を図るうえで極めて重要です 施設やサービスの利用者 事業参加者が適正な負担となるように 固定観念にとらわれることなく 見直しを行ってください また 各種減免制度については 従前の例にとらわれることなく ゼロベースでの見直しを行ってください 更に 市有財産の無償もしくは相場を下回る価格での貸付を行っている場合についても 適正な価格となるように 見直しを行ってください 7 担い手の再検討を行う事業の担い手として 行政が行う必然性の有無を再検討してください 市が直営で行っていた事業の民間委託化をはじめ 市民等の独創性や英知を結集できる 協働 によるまちづくりや 行政と民間企業とが互いに Win-Win の関係を築くことができる民間活力の導入手法を検討するなど 前例や慣例にとらわれることなく 新たな発想による再検討を試みてください 施策目標を実現するにあたり 最小限の経費によって最大限の効果を生む手法の検討に重きを置いた予算編成を行ってください 他市における先進的な取り組みも調査し 本市においても実施可能なものがあれば積極的に取り入れてください 8 全ての補助金等の必要性と妥当性について再評価 再点検を行う全ての補助金等について 平成 30 年度の鎌倉市における必要性と補助率 補助額 対象者等の妥当性について例外なく再評価 再検討を行ってください 鎌倉市補助金等に係る予算の執行に関する取扱要綱 では おおむね 公共的団体等の運営費に対する補助率を1/3 以内 建設的事業費 ( 投資的なもの ) は2/3 以内 行事的な経費は1/3 以内と 基本的な交付基準を定めています 特にこの交付基準を超えた補助を行っている補助金等につきましては 例外的な扱いとしなければならない必然性の有無を再点検してください また 時代の要求に合わなくなった補助金 一定の役割を終えた補助金につきましては 新たな社会的ニーズに応える財源を捻出するため 廃止に向けた検討を行ってください さらに 団体補助につきましては 団体の活動内容や補助対象経費の公益性を再評価するとともに 団体の収支状況を詳細に確認し これまでの補助実績にとらわれることなく 客観的 合理的な視点から 市が担わなければならない財政負担の最適化を図ってください 9 事業評価結果の反映を行う 事業評価制度における評価対象事業については その評価結果を適切に反映した事業内容と 5

してください また 事業評価対象外事業についても点検を行い 効果的かつ効率的な事業実施 を行うなど改革 改善に努めてください 10 市単独事業の見直しを行う 市単独事業については 制度継続の合理性等を必ず整理し 必要に応じて制度改正を積極的 に行ってください 11 ふるさと寄附金制度に係り追加配分した予算を適切に事業に反映するふるさと寄附金制度については 本市へ寄附をしていただいた寄附者の意向を反映した予算の配分を行うため 寄附者の意向内容を財政課で把握し関係各部に連絡する予定ですので 予算編成に当っては 適切に事業に反映させてください 6

平成 30 年度予算編成における特記事項 1 予算配当枠の設定 鎌倉市包括予算制度 に基づく予算編成要領に従い 一般財源を配当します 配当した一般財源と部等が所管する特定財源との合計額をもって歳出予算要求限度額とします ただし 先に記述したとおり 一部の重点事業について 適切な予算額を計上できる状況であると財政課及び経営企画課が判断した段階で各部に配分しますので 枠の配当は先に重点事業以外の部分について各部配当し 重点事業分については精査が完了した段階で各部配当する段階的な配分実施とします 2 予算要求内容の財政課協議包括予算制度の予算編成権限は各部長等にありますので 制度上財政課は要求予算の款項目節が適切であるか 全庁的に統一性を維持すべき案件等について予算要求基準に沿った要求となっているかなどの点検のみ行うものとしており 要求内容は原則として尊重することとしています しかし 平成 30 年度の収支見通しが先に述べた状況であることから 今回の予算編成においては収支の不足を解消するべく財政課において予算要求内容を精査し 必要に応じて削減の措置を行います 3 職員減員対応経費平成 30 年度の職員の減員予定等については 今後 行革推進課から各担当部局に示すこととなりますが 職員の減員に対応して必要となる委託料 システム開発費等については 各部等への配当枠とは別に 財政課の査定により 別途必要な予算措置を行うものとします 4 行革等対応経費中長期的な観点からの行財政改革に寄与する取組み等の積極的推進を図るため 民間委託の推進等により 中長期的な財務メリットにつながることが期待できる取り組みに係る先行投資に相当する事業費については 各部等への配当枠とは別に 財政課の査定により 別途必要な予算措置を行うものとします 5 施設の維持修繕 老朽化対策 施設の維持修繕費については 別枠配当を行わず 全体の枠の中に含めて配当しますので 必要な財源を施設の維持修繕費に配分するものとします 6 施設管理等 施設管理等について 管理内容等が類型化できるものは 一括契約の可能性を検討し 経費 の節減につなげるものとします 7

7 特別会計予算特別会計予算につきましても包括予算制度による予算編成を行います ただし 予算要求に当たっては 引き続き使用料 保険料等の利用者負担の適正化を念頭に置き 歳入確保を行うとともに 歳出においてはさらなる経費削減や事業の合理化等により 一般会計からの繰入金への依存度を低くするよう努めるものとします なお 下水道事業特別会計については 公営企業としての自立した経営状況の実現を目指し 使用料や事業の見直しを積極的に進めるものとします 8 インセンティブ予算制度 インセンティブ予算は 新規歳入の獲得や 歳出額の削減等につながる提案に対して予算上 のインセンティブを与えようとするものですので この制度を積極的に活用するものとします 9 その他ここで示している財政見通し等については 現時点での推計値に基づいて算定されていますので 制度改正や国 県の動向等により 今後大きく変動することも考えられます その際には この予算編成方針に必要な修正を加え 別途再調整のうえ対処するものとします 8