会計ニュース・フラッシュ

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2 名以上の独立社外取締役の選任状況 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社の比率は 市場第一部では 9 割を超え 91.3% に JPX 日経 400では 97.7% に 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社 ( 市場第一部 ) の比率推移 ( 参考 ) 100% 88.0% 91.

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

2018年度改正 相続税・贈与税外国人納税義務の見直し

東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況 2017 年 7 月 26 日株式会社東京証券取引所

本日の内容 GIPS 基準における公正価値の考え方 (GIPS 評価原則 ) と実務上の留意点および課題 GIPS 2010 年改訂版におけるポートフォリオ評価 ポートフォリオ評価に関する重要な変更 GIPS 評価原則 について 公正価値 と 検証 GIPS 基準と既存の評価方法との差異分析 GIP

IFRSにおける適用上の論点 第27回

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IFRSにおける適用上の論点 第20回

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(資料4)運用機関とのコミュニケーションの取り方や情報開示の方法等(案).pdf

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目次 調査趣旨 概要等 3 適用初年度の開示事例分析 6 補足調査 コーポレートガバナンスガイドラインの開示状況 18 ( 参考資料 ) コーポレートガバナンス コードの概要 24 本資料は当法人が公表情報を基に独自の調査に基づき作成しております その正確性 完全性を保証するものではございませんので

1 制定の目的 方針 当社におけるコーポレートガバナンスを向上させるための枠組みである パーク 24 コーポレートガバナンスガイドライン を制定し コーポレートガバナンスの強化 充実に努めることで 当社の中長期的な価値向上と持続的成長を実現する コーポレートガバナンスに対する基本的な考え方公正で透明

IFRSにおける適用上の論点 第26回

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2019 年 6 月 26 日 各 位 会社名 代表者名 問合せ先 株式会社スターフライヤー代表取締役社長執行役員松石禎己 ( コード番号 :9206 東証第二部 ) 取締役常務執行役員柴田隆 (TEL ) コーポレートガバナンス方針 の改定について 当社は 2019 年 6

コーポレートガバナンス ガイドライン 2015 年 10 月 27 日制定 2018 年 12 月 13 日改定 大王製紙株式会社 1

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コーポレートガバナンス・ガイドライン

また 代表取締役社長直属の内部監査部門を設置し 法令遵守 内部統制の有効性と効率性 財務内容の適正開示 リスクマネジメントの検証等について 各部門 工場 グループ会社などの監査を定期的に実施し チェック 指導するとともに 監査役との情報共有等の連携を図っております 1-4( 中長期的な経営戦略等 )

第 Ⅰ 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本ガイドラインは 群栄化学工業株式会社 ( 以下 当社 という ) が 次に定める 社是 理念 実現のため ステークホルダーと協働して企業価値を向上させ 持続的に発展できるよう より良い経営を実現することを目的とする 2. 当社は GCIグループ基本理念 を制

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平成30年3月期決算の留意事項(税務)

目次 1. アンケート概要 2. 回答企業の属性 3. アンケート結果 Ⅰ. 上場企業における早期 WEB 開示について a.2015 年度の実施状況 b.2016 年度の対応について Ⅱ. 会社法第 299 条第 3 項に基づく株主総会参考書類等の電磁的通知 ( 株主の個別同意が必要 ) について

規則フォーマット

ては Ⅱ. 独立役員届出書の提出に係る留意事項について を参照してください なお 独立役員の確保の状況については コーポレート ガバナンス報告書における記載事項にもな ります 詳細は 第 5 編 5 コーポレート ガバナンスに関する報告書 を参照してください 要件に合致する社外役員が複数名存在する場

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有価証券上場規程の一部改正新旧対照表 新旧第 4 章の2 企業行動規範等第 4 章の2 企業行動規範 ( 企業行動規範等 ) ( 企業行動規範 ) 第 12 条の2 上場会社は 別添 企業行動規範第 12 条の2 上場会社は 別添 企業行動規範に関する規則 及び コーポレートガバナンス に関する規則



別紙 現行定款第 1 章総則 ( 下線は変更部分を示す ) 変更案第 1 章総則 第 1 条 ( 条文省略 ) 第 1 条 ( 現行どおり ) ( 目的 ) ( 目的 ) 第 条 当会社は 次の事業を営むことを目的とする 第 条 当会社は 次の事業を営むことを目的とする 1. トランプ類の製造販売

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米国会計関連情報 最近の論点 No.14-49

(2) コードの各原則に基づく開示 であっても 実施しない理由を必ず本欄に記載してください 実施しない理由の説明が必要となる各原則について 全てを実施している場合には 本欄を非表示とするのではなく 全てを実施している旨を必ず記載してください マザーズ又は JASDAQ の上場会社で 基本原則 の全て

ROICの活用による企業価値向上

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コーポレートガバナンス コードについて 本コードにおいて コーポレートガバナンス とは 会社が 株主をはじめ顧客 従業員 地域社会等の立場を踏まえた上で 透明 公正かつ迅速 果断な意思決定を行うための仕組みを意味する 本コードは 実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたも

(2) 変更の内容 定款変更の内容は別紙のとおりであります (3) 日程 定款変更のための株主総会開催日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 定款変更の効力発生日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 以上 - 2 -

IASB、IFRS第16号「リース」を公表

コーポレート・ガバナンス基本方針

(3) 分割の日程 ( 予定 ) 1 基準日設定公告 2013 年 9 月 13 日 ( 金 ) 2 基準日 2013 年 9 月 30 日 ( 月 ) 3 効力発生日 2013 年 10 月 1 日 ( 火 ) (4) 新株予約権の目的である株式の数の調整今回の株式の分割に伴い 当社発行の第 1

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スチュワードシップ コード改訂に当たって 平成 29 年 5 月 29 日 スチュワードシップ コードに関する有識者検討会 1. 平成 26 年 2 月 26 日 日本版スチュワードシップ コードに関する有識者検討会 によりスチュワードシップ コードが策定されてから約 3 年が経過した この間 スチ

開示府令改正案(役員報酬の開示拡充へ)

第 1 章 第 1 条 シャルレコーポレートガバナンス基本方針総則 ( 基本方針 ) 原則 3-1-(ⅰ),3-1-(ⅱ) 当社は 基本理念 及び わたしたちの誓い に基づき お客様 従業員 株主等のステークホルダーの立場を踏まえて 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し コーポレートガバナ

基本原則

コーポレートガバナンス CORPORATE GOVERNANCE 当社のコーポレート ガバナンスの状況は以下のとおりです Entrust Inc. 最終更新日 :2019 年 6 月 24 日 株式会社イントラスト代表取締役社長桑原豊問合せ先 : 経営管理部 証券コード :71

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適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

1. サイバーセキュリティの定義は確立されていない サイバーセキュリティ基本法案など 都道府県警察 警視庁ホームページなど サイバーセキュリティ サイバー犯罪 サイバー攻撃 外部からの脅威サイバー空間の話高度なハッキング技術明確な犯意 etc なんとなくのイメージ サイバーテロ 防衛省ホームページな

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Ⅳ TOKYO PRO Market に関する Q&A Ⅳ TOKYO PRO Market に関する Q&A このQ&Aは 当ガイドブックに記載した事項について具体的な観点からの解説を記載したものです TOKYO PRO Market はプリンシプルベースの考え方に基づき市場を運営することを基本理

剰余金の配当に関するお知らせ

(6) 経営会議規程 (7) 取締役会議長 CEO COO および CFO 職務分掌規程 ( その他取締役または執行役の職務または権限を定める規程 ) (8) 取締役 執行役等の定年 任期 処遇等の基準 準則等について当会社としての内規を定める場合は 当該内規 (9) 取締役 執行役等のトレーニング

< 本制度の仕組みの概要 > 5 ポイント付与 委託者 当社 3 自己株式の処分 1 役員株式交付規程の 制定 2 信託 < 他益信託 > を設定 ( 金銭を信託 ) 3 払込 受託者 ( 予定 ) 三井住友信託銀行 ( 再信託受託者 : 日本トラスティ サービス信託銀行 当社株式 株式交付信託 信

(2) 併合の内容 1 併合する株式の種類普通株式 2 併合の割合平成 30 年 10 月 1 日をもって 同年 9 月 30 日 ( 実質上 9 月 28 日 ) の最終の株主名簿に記載された株主さまの所有株式 5 株につき 1 株の割合で併合いたします 3 併合により減少する株式数併合前の発行済

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コーポレートガバナンス CORPORATE GOVERNANCE 当社のコーポレート ガバナンスののコーポレート ガバナンスの状況は以下以下のとおりですのとおりです Miyoshi Oil & Fat Co., Ltd 最終更新日 :2015 : 年 3 月 27 日 ミヨシ油脂株式油脂株式会社 代

取引にあたっては第三者の取引と同様に決定しております 原則 3-1 情報開示の充実 (1) 会社の目指すところ ( 経営理念等 ) や経営戦略 経営計画 < 経営理念 > 顧客満足を第一としたプロフェッショナル集団として 新たな価値創造を通じて社会に貢献します < 経営戦略 経営計画 > 経営計画の

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当社では 独立社外取締役の選任基準をガイドラインにおいて定めております また 独立社外取締役は 取締役会における率直 活発で建設的な検討への貢献をしております 補充原則 取締役会は ガイドラインにおいて 取締役会の多様性等の機関設計に係る考え方を定めております また 取締役の選任に関す

当社は 持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に貢献するための資質があり 専門的知識を有する人物を 幅広く候補者として人選し 取締役は取締役会において決定しており 監査役は監査役会において決定しております (5) 取締役会が上記 (4) を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役 監査役候補者の指名を

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後の対応に反映させるべく取り組んでおります 補充原則 1-12 上場会社は 総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう株主総会に提案するに当たっては 自らの取締役会においてコーポレートガバナンスに関する役割 責務を十分に果たし得るような体制が整っているか否かを考慮すべきである 他方で 上場会社におい

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弦打校区コミュニティ協議会会則 ( 名称及び組織 第 1 条この会は, 弦打校区コミュニティ協議会 ( 以下 協議会 という ) と称し, 協議会の区域内に居住する個人および所在する法人ならびに別表 ( 組織図 ) に掲げる構成団体等で組織する ( 目的 ) 第 2 条協議会は, 住みよい地域社会の

行役員の任期は 現行規約第 17 条第 2 項の定めにより 平成 28 年 11 月 1 日より 2 年間となります ( 執行役員 1 名選任の詳細については 添付資料 第 2 回投資主総会招集ご通知 をご参照ください ) 3. 補欠執行役員 1 名選任について執行役員が欠けた場合又は法令に定める員

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コーポレートガバナンス基本方針

直前事業年度における ( 連結 ) 売上高 100 億円未満 直前事業年度末における連結子会社数 10 社未満 4. 支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針 5. その他コーポレート ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情

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コーポレートガバナンス コードの各原則に基づく開示 原則 1-4. いわゆる政策保有株式 当社は 原則として株式の政策保有はいたしませんが 良好な取引関係の構築 地域社会との連携 円滑な事業推進のため 取引先等の株式を取得保有することがあります 当該株式は 前述の目的実現のため もしくは当社の企業価

COSO内部統制フレームワーク改訂

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スに関する基本方針 の第 2 条に開示しておりますので ご参照ください 3) 当社における取締役報酬の決定方針と手続は 当社ホームページに開示しております コーポレートガバナンスに関する基本方針 の第 1 条第 3 項に記載しておりますので ご参照ください 4) 当社における取締役の選解任と取締役候

第 1 回知財のビジネス価値評価検討タスクフォース インタンジブルズに関する 情報開示フレームワーク KPMG ジャパン統合報告 Center of Excellence (CoE) 芝坂佳子 ( 本報告は 発表者の個人的な見解であり 所属する組織の見解と必ずしも一致するものではありません )

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Transcription:

東証 コーポレートガバナンス コード を公表 東京証券取引所は 2015 年 5 月 13 日に コーポレートガバナンス コード ( 以下 コード という ) を公表した コードは東京証券取引所の有価証券上場規程 ( 以下 規程 という ) の別添として定め 併せて規程 有価証券上場規程施行規則 ( 以下 施行規則 という ) 等を改正している コーポレートガバナンス コード及び改正後の規程等は 2015 年 6 月 1 日より適用される また 2015 年 2 月 24 日より東京証券取引所がパブリックコメントに付していた コーポレートガバナンス コードの策定に伴う上場制度の整備について に対し 提出された意見とそれに対する東京証券取引所の考え方 ( 以下 コメント という ) を公表している なお 2015 年 3 月 5 日に コーポレートガバナンス コードの策定に関する有識者会議 により公表された コーポレートガバナンス コード原案 ( 以下 コード原案 という ) から内容の変更は行われていない コーポレートガバナンス コード原案 等については 以下の解説を参照されたい 会計 監査ニュースフラッシュ 金融庁 東証 コーポレートガバナンス コードの基本的な考え方 ( 案 ) コーポレートガバナンス コード原案 を公表 http://www.kpmg.com/jp/ja/knowledge/news/jgaap-jgaas-news-flash/pages/jgaas-newsflash-2014-12-18.aspx 会計 監査ニュースフラッシュ 金融庁 東証 コーポレートガバナンス コード原案 を公表 http://www.kpmg.com/jp/ja/knowledge/news/jgaap-jgaas-news-flash/pages/jgaas-newsflash-2015-03-05.aspx 会計 監査ニュースフラッシュ コーポレートガバナンス コードの策定に伴う上場制度の整備について を公表 コメント募集を開始 http://www.kpmg.com/jp/ja/knowledge/news/jgaap-jgaas-news-flash/pages/jgaas-news-fl ash-2015-02-25.aspx 次ページより コードの策定に伴う規程等の改正の概要を紹介する

2 ポイント 上場会社は コードを実施するか 実施しない場合にはその理由をコーポレート ガバナンス報告書に記載する 実施するか 実施しない場合にはその理由を説明する ことが必要となる各原則の範囲については 本則市場の上場会社については基本原則 原則 補充原則 マザーズ及びJASDAQの上場会社については基本原則とされる 上場会社コーポレート ガバナンス原則 の尊重規定は コードの趣旨 精神の尊重規定に置き換わる 独立役員の独立性に関する情報開示が見直され 上場会社が独立役員を指定する場合には 当該独立役員と上場会社との間の特定の関係の有無及びその概要を開示する 2015 年 6 月 1 日から施行される コードを実施しない場合の理由の説明を記載したコーポレート ガバナンス報告書は 本年 6 月 1 日以後最初に開催する定時株主総会の日から6ヶ月を経過する日までに提出すればよい Ⅰ. コードの策定に伴う制度整備 1. コードを実施しない場合のエクスプレインコードは 法令と異なり法的拘束力を有する規範ではなく コンプライ オア エクスプレイン ( 原則を実施するか 実施しない場合には その理由を説明するか ) の手法が採用されている このため コードの各原則のうち 実施しないものがある場合は 当該原則を実施しない理由をコーポレート ガバナンス報告書において説明することが必要となる ( 改正施行規則第 211 条第 4 項等 ) 具体的には Ⅰ コーポレート ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成 企業属性その他の基本情報 1. 基本的な考え方 に新設された (1) コードの各原則を実施しない理由 に記載することとなる 実施しない理由の説明は コードの各原則のうち 実施しない原則を 項番等により具体的に特定したうえで どの原則に関する説明であるかを明示する必要がある また 他の開示書類等において コードの各原則を実施しない理由を記載している場合であっても 実施しない理由を必ず (1) に記載すべきとしている 一方 実施しない理由の説明が必要となる各原則について 全てを実施している場合は その旨を記載することとされ 当欄において 各社における コードの実施状況を確認できることとなる (1) コードを実施しない場合の理由 は 遵守すべき事項として規定されているため コードの各原則について実施も説明もしていない場合には 上場規則違反となる 一方 コードはプリンシプルベースの規範として上場会社に適用するものであり コードを実施しないこと自体は 罰則の対象とはならない ( コメント32 33) なお マザーズ又はJASDAQの上場会社については 既にコードを導入している諸外国においても 新興企業向けの市場等 ( 例 : 英国のAIM 市場 ) においてはコードについてのコンプライ オア エクスプレインが強制されていないことを踏まえ 基本原則 を実施しない場合のみ 実施しない理由の記載が求められる ( コメント2-5) もっとも 基本原則 以外の各原則について実施しない理由を任意に記載することもできる

3 2. コードの尊重上場会社は 上場会社コーポレート ガバナンス原則 の尊重規定を置き換え コードの趣旨 精神を尊重してコーポレート ガバナンスの充実に取り組むよう努めるものとするとしている ( 改正規程第 445 条の3) コードが制定されることに伴い 上場会社コーポレート ガバナンス原則 は その主な内容がコードに包含されることから コードに一本化される ( 改正規程第 445 条の3 コメント30 31) これはプリンシプルベースの規範としてのコードが上場会社に適用されていることを示すものであり それ自体は 罰則の対象とならない規範であるため 望まれる事項として規定されている ( コメント32 33) 3. コードの各原則に基づく開示市場第一部又は市場第二部の上場会社は 11の特定事項 ( 特定の事項を開示すべきとする原則 ) の実施状況を開示する必要があるが この説明は Ⅰ コーポレート ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成 企業属性その他の基本情報 1. 基本的な考え方 に新設された (2) コードの各原則に基づく開示 に記載することとなる コードの各原則に基づく開示は 開示を行う対象となる原則を 項番等により具体的に特定したうえで どの原則に基づく開示であるかを明示して記載することとなる また 開示にあたっては 開示すべきとされる事項の内容を本欄に直接記載する方法のほか 有価証券報告書 アニュアルレポート 自社のウェブサイト等の広く一般に公開された手段により該当する内容を開示している場合に その内容を参照すべき旨と閲覧方法 ( ウェブサイトのURLなど ) を本欄に記載する方法も可能である ( コメント24) さらに 11の特定事項以外の各原則の実施状況を記載する場合にも 本欄を利用することができる マザーズ又はJASDAQの上場会社においては 11の特定事項の開示については適用されないことから 任意で記載する会社を除き 本欄は非表示とすることとなる 4. コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針の開示原則 3-1(ⅱ) では 本コードのそれぞれの原則を踏まえた コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針 について開示を行うべきとしている この開示は Ⅰ コーポレート ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成 企業属性その他の基本情報 1. 基本的な考え方 等に記載することとなる この内容としてどの程度の詳細な開示を行うかは各上場会社の適切な判断に委ねられており 各社が必要と判断すれば 全ての原則 1つひとつについて どのように実施しているかを記載する場合もあり得るとされる そのほか ある程度大まかにグルーピングしたうえで記載することや 各社が重要と考える原則に絞って記載を行うこと等も考えられるとしている ( コメント10)

4 I. コーポレート ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成 企業属性その他の基本情報 1. 基本的な考え方 原則 3-1の開示を行うことも考えられる (1) コードの各原則を実施しない理由 各原則を実施しない場合に理由を記載 マザーズ又はJASDAQ 上場会社は 基本原則 を実施しない場合のみ記載 (2) コードの各原則に基づく開示原則主な開示内容原則 1-4 政策保有に関する方針 政策保有株式に係る議決権の行使について 適切な対応を確保するための基準原則 1-7 関連当事者間の取引を行う場合の手続の枠組み 原則 3-1 (ⅰ) 経営理念等や経営戦略 経営計画 (ⅱ) コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針 (ⅲ) 取締役会による経営陣幹部 取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続 (ⅳ) 取締役会による経営陣幹部の選任と取締役 監査役等候補の指名方針と手続 (ⅴ)(ⅳ) を踏まえた個々の選任 指名についての説明補充原則 4-11 取締役会による経営陣に対する委任の範囲 原則 4-8 自主的な判断により 3 分の 1 以上の独立社外取締役を選 任するための取組方針 原則 4-9 取締役会が策定する独立社外取締役の独立性基準 補充原則 4-111 取締役会による取締役会の全体としての知識 経験 能力のバランス 多様性及び規模に関する考え方 ( 取締役の選任に関する方針 手続と併せて開示 ) 補充原則 4-112 取締役 監査役の他の上場会社の役員の兼任状況 補充原則 4-113 取締役会全体の実効性についての分析 評価及びその 結果の概要 補充原則 4-142 取締役 監査役に対するトレーニングの方針 原則 5-1 取締役会による株主との建設的な対話を促進するため の体制整備 取組みに関する方針

5 II. 経営上の意思決定 執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート ガバナンス体制の状況 1. 機関構成 組織運営等に係る事項 (4) 独立役員関係 原則 4-9の開示を行うことも考えられる (6) 取締役報酬関係 2 報酬の額又はその算定方針の決定方針の有無 原則 3-1(ⅲ) の開示を行うことも考えられる 2. 業務執行 監査 監督 指名 報酬決定等の機能に係る事項 ( 現状のコーポレート ガ バナンス体制の概要 ) 原則 3-1(ⅲ)(ⅳ) の開示を行うことも考えられる Ⅱ. 独立役員の独立性に関する情報開示の見直し コード原則 4-9では 取締役会は 金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ 独立社外取締役となる者の独立性をその実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定 開示すべきである としている この金融商品取引所の独立性基準は直接に独立社外取締役の独立性判断基準としてリンクされるものではなく ( コメント36) 各社が 取引所の独立性基準を踏まえて 独立社外取締役となる者の独立性を実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定 開示すべきとしている ( コメント37) 改正規程では いわゆる 開示加重要件 が廃止されるが 主要な取引先の業務執行者であった者や多額の金銭等の財産を得ているコンサルタント等に所属していた者について その関係の有無に加え 関係の概要の開示が求められることとなる 関係の概要の開示にあたっては その関係を株主 投資家が適切に認識できる程度の記載が求められる 主要な取引先に該当しない取引関係についても 取引関係があることとその概要の開示が求められることとなる ( コメント39) Ⅲ. 適用時期等 1. 適用時期改正規程等は 2015 年 6 月 1 日より施行されることとなる ( 改正規程附則第 1 条 改正施行規則附則第 1 条 ) 適用にあたっては 2015 年 6 月 1 日以後に最初に到来する定時株主総会の日から6ヶ月が経過するまでは (1) コードの各原則を実施しない場合の理由 欄及び (2) コードの各原則に基づく開示 欄は非表示にすることも可能とされていることから 適用が最も早い2015 年 3 月決算の会社の場合 同年 12 月末までに開示すれば良いこととなる

6 2. 次年度以降のコーポレート ガバナンス報告書の提出時期コーポレート ガバナンス報告書の提出時期については 議決権行使の参考とするため 定時株主総会前までにという投資家のニーズがある コードの各原則を実施しない場合の理由の説明やコードの各原則に基づく開示項目については 各社が必要と判断すれば 例えば それぞれのウェブサイトや招集通知等に記載したり 投資家に説明を行ったりする形での情報提供も考えられ どのような形式 媒体 タイミングでこうした情報提供を行うかについては 各社のおかれた状況等に照らして 上場会社が自ら判断すべきものとされている ( コメント 13-16) 他方で コードに関する事項ができる限り一覧性のある形で開示されることへの投資家側の要請も踏まえ コードとは直接関係しない従前からの記載事項も含めコーポレート ガバナンスを巡る幅広い事項についての記載が求められる コーポレート ガバナンスを巡る事項には 定時株主総会を経て確定 変更されるものも少なくないことに鑑みれば 引き続きコーポレート ガバナンス報告書については 定時株主総会終了後遅滞なく提出することが適当とされている これにより 翌年の定時株主総会に向けた株主との通年の対話も促進されることが期待されている 3. コーポレート ガバナンス報告書の記載内容に変更が生じた場合コードの各原則を実施しない場合の理由の説明等の記載内容に変更が生じた場合には 現行の実務において 通常 コーポレート ガバナンス報告書の更新が行われる定時株主総会後に 一括して更新することが可能とされる ( コメント19) なお この取扱いにかかわらず 上場会社として 必要に応じてコード関連の記載内容を任意に更新することは 株主 投資家への情報提供の観点から望ましいとされる ただし 社外取締役 社外監査役の異動の場合には コーポレート ガバナンス報告書の記載を遅滞なく更新すべきとされており ( コメント40) 留意が必要となる 編集 発行 有限責任あずさ監査法人 azsa-jgaap@jp.kpmg.com ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり 特定の個人や組織が置かれている状況に対応するものではありません 私たちは 的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが 情報を受け取られた時点及びそれ以降においての正確さは保証の限りではありません 何らかの行動を取られる場合は ここにある情報のみを根拠とせず プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した上で提案する適切なアドバイスをもとにご判断ください 2015 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. The KPMG name, logo and cutting through complexity are registered trademarks or trademarks of KPMG International..