光重合型歯冠用硬質レジン 使用説明書 ご使用に際しては 添付文書などをご参照ください
はじめに このたびはセラマージュシステムスタンダードセットをお買上げいただきありがとうございます 本材を正しくお使いいただくために ご使用前に本説明書をよくお読みください また お読みいただいた後は いつでも見られるところに大切に保管してください セラマージュは 長年の経験に基づいた歯冠用硬質レジンの操作性と審美性を更に発展させ 快適な築盛操作を可能にするペースト性状 陶材に匹敵する天然歯色調再現性 臼歯部咬合面での使用に耐え かつ対合歯に優しい物理的特性 を実現しました セラマージュプラスオペークは 従来品と比較して 金属色隠蔽性 ペースト操作性 を向上させるとともに 金属接着性プライマー メタルリンク との組み合わせにより 非常に高い 金属接着性 を発揮します 本材は 前歯部の高度審美修復から 長期耐久性を要求される臼歯部修復まで幅広い症例にご使用いただけます セラマージュアップはセラマージュに比べ流動性を高めたコンポジットレジンです 高い機械的強度を有しているため セラマージュと同じ部位に使用することができます 高い流動特性により ブリッジのポンティック内部の充填 インレー窩洞内や指状構造の微調整など セラマージュでは築盛しにくい部位にも使いやすく また 気泡を混入させた場合の修正も容易に行うことができます 1
目 次 1 安全上の警告 注意 1-1 使用上の注意 3 1-2 重要な基本的注意 3 1-3 使用方法に関連する使用上の注意 4 1-4 その他の注意 4 1-5 禁忌 禁止 4 2 製品の概要 2-1 使用用途 5 2-2 特長 5 2-3 種類と色調 5 2-4 商品構成と用途 6 2-5 色調構成 8 2-6 包装 9 3 使用前の準備に関する事項 3-1 硬質レジンジャケットクラウン製作の場合 10 3-2 硬質レジン前装冠製作の場合 10 3-3 インレー アンレー製作の場合 10 4 一般的な使用方法とその注意事項 4-1 フローチャート 11 4-2 基本築盛図 12 4-3 硬質レジンジャケットクラウンの築盛手順 15 4-4 硬質レジン前装冠の築盛手順 16 4-5 インレー アンレーの築盛手順 18 4-6 形態修整 研磨 完成 19 4-7 修復物接着面の処理 20 5 特殊な使用方法とその注意事項 5-1 セラマージュアップの使い方 21 5-2 オペークデンティンの使い方 22 5-3 モデリングリキッドの使い方 23 5-4 セラマージュオキシバリアーの使い方 23 6 技術仕様 6-1 重合時間 24 6-2 硬化深度 25 6-3 物性表 26 6-4 接着強さ 26 2
1 安全上の警告 注意 禁忌 禁止 (1) 本材またはメタクリレート系モノマーに対して発疹 皮膚炎等の過敏症の既往歴のある患者には使用しないこと (2) 本材またはメタクリレート系モノマーに対して発疹 皮膚炎等の過敏症の既往歴のある術者は使用しないこと (3) 不正咬合やブラキシズム ( クレンチング グラインディング タッピング ) の習癖を伴う症例への適応はしないこと (4) セラマージュスペーサーは 天然ゴムを含有しているため 天然ゴムによるアナフィラキシー症状の既往歴がある歯科医療従事者の使用は禁止 1-1 使用上の注意 本材は可燃性であるため 必ず火気を避けて使用すること 本材を使用する際には 適切な換気 (1 時間当たり数回の換気 ) がなされている場所で使用すること 本材を使用した硬化物の研磨作業等の際には粉塵による人体への影響を避けるために 局所吸塵装置 公的機関が認可した防塵マスク 保護眼鏡等を使用し 粉塵を吸入しないこと 本材は2-1に記載の用途以外には使用しないこと 本材は歯科医療有資格者以外は使用しないこと 包装 ラベルに記載の使用期限を越えて使用しないこと 1-2 重要な基本的注意 本材の使用により発疹 皮膚炎などの過敏症状が現れた患者には使用を中止し 医師の診察を受けさせること 本材の使用により発疹 皮膚炎などの過敏症状が現れた術者は使用を中止し 医師の診察を受けること 本材の未重合物は直接素手で触れないこと プラスチック手袋や保護眼鏡などを着用して 皮膚に付着させたり 目に入らないように注意すること 接触による過敏症を防ぐため 皮膚に付着した場合はすぐにアルコール綿などで拭った後 大量の流水で洗浄すること 万一目に入った場合には すぐに大量の流水で洗浄し 眼科医の診察を受けること セラマージュスペーサーは天然ゴム成分を含有しています 天然ゴムは かゆみ 発疹 蕁麻疹 むくみ 発熱 呼吸困難 喘息様症状 血圧低下 ショックなどのアレルギー性症状をまれに起こすことがあります このような症状を起こした場合には 直ちに使用を中止し 医師に相談するなど適切な処置を施すこと 天然ゴムと接触する機会の多い方々は天然ゴムアレルギー発生のハイリスクグループと考えられるため セラマージュスペーサーの使用に関しては注意すること 3
1-3 使用方法に関連する使用上の注意 本材は使用後 速やかにキャップを確実に閉めること プレオペーク オペークに使用する筆は使い分けること また 塗布後は筆をセラマージュクリーナーで洗浄すること 窓際や技工用ライト直下等の明るい場所で築盛するとペーストが硬化することがあるので 強い光の当たらない場所で使用すること 気泡の混入 および材料特性の低下を防ぐため 歯冠用コンポジットレジン同士 あるいは歯冠用コンポジットレジンと他の材料を混ぜて使用しないこと ディスポディッシュ またはペーパーパッド上に取り出した本材は遮光カバーで遮光すること 最後臼歯の咬合接触部はメタルでサポートをすること セラマージュセップは使用前に容器を振って 沈殿物を分散させてから塗布すること セラマージュスペーサーは使用後 速やかにキャップを閉じること キャップをはずしたまま放置すると内容物が固化する原因となります 1-4 その他の注意 完成して 患者に装着した歯冠補綴物は 食習慣等にかかわって口腔内で着色したり プラーク付着することがあるため 患者に対して口腔内の日常清掃を指導すること 1-5 禁忌 禁止 ブラキシズム ( クレンチング グラインディング タッピング ) などの咬合悪習癖を伴う症例への適用は避けること 4
2 製品の概要 2-1 使用用途 前臼歯ジャケット冠 前臼歯前装冠 インレー アンレー ラミネートベニア インプラント上部構造体 歯冠修復物および欠損補綴物の修理 2-2 特長 快適な操作性 豊富な色調と天然歯類以の色調再現性 臼歯部での使用に耐える強度と対合歯にも優しい物理的性質 セラマージュアップによる 細部築盛や修正 色調調整が容易 メタルリンクと オペーク ( プレオペーク ) により貴金属合金を含むあらゆる金属に強固に接着 2-3 種類と色調 種類 分類色調 (5mL) (1 色 2mL) (27 色 各 2mL) WO W2O W3O A1O A2O A3O A3.5O A4O B1O B2O B3O B4O C1O C2O C3O C4O D2O D3O D4O rootao R2O R3O R3.5O MO BGO GO GUM-O (79 色 各 4.6g(2.6mL)) サービカル 8 色 AC1 AC2 BC1 BC2 CC1 CC2 DC1 DC2 ODA1 ODA2 ODA3 ODA3.5 ODA4 オペークデンティン 20 色 ODB1 ODB2 ODB3 ODB4 ODC1 ODC2 ODC3 ODC4 ODD2 ODD3 ODD4 ODrootA ODR2 ODR3 ODR3.5 A1B A2B A3B A3.5B A4B B1B B2B B3B B4B ボディー 24 色 C1B C2B C3B C4B D2B D3B D4B rootab R2B R3B R3.5B W0B W1B W2B W3B インサイザル 6 色 56 57 58 59 60 61 トランスルーセント 10 色 T HVT LVT T-Glass BG GT CT-A CT-B CT-R GUM-T コンセントレイト 11 色 MI WE OC AM-Y AM-R AM-V MY MP GUM-L GUM-D GUM-Or (26 色 各 5g) サービカル 1 色 AC1 オペークデンティン 4 色 ODA1 ODA2 ODA3 ODrootA ボディー 4 色 A1B A2B A3B rootab インサイザル 4 色 56 57 58 59 トランスルーセント 2 色 T-Glass GUM-T コンセントレイト 11 色 W GUM-V GUM- Br GUM- R GUM- L GUM- D GUM-Or GUM-DP GUM-LP GUM-P GUM-SP (6mL) 5
2-4 商品構成と用途 メタルリンク歯科用金属とレジン材料との接着性を増強させるための金属接着性プライマーです 貴金属合金 非貴金属合金および純金属の表面に塗布することにより 接着性が向上します ボディデンティン色を再現するのに用います インサイザルエナメル色を再現します セラマージュプラスオペークプレオペーク前装冠製作時に一層目のオペーク材として用い金属の色調を遮蔽します 流動性が高く 維持装置の細部まで確実に侵入させることができ また硬化深度が深いため 深部の確実な光重合により強固な維持力を発揮します セラマージュプラスオペークオペーク金属色やジャケット冠の支台歯の色調を遮蔽するためのオペーク材です 基本色の他に下記の特殊色を用意しました MO マージンオペークマージン付近のオペーク色の浮き上がり防止や 歯頸部の色調調整に使用します BGO ブルーグレーオペーク透明感が必要な部分に使用します GO グレーオペーク透明感が必要な部分や オペークの明度調整に使用します WO ホワイトオペークオペークの明度調整に使用します GUM-O ガムオペーク歯肉色用のオペークです セラマージュサービカル歯頸部付近の色調を再現します トランスルーセント透明感のある色調を再現します T トランスルーセント透明感の再現に使用します HVT ハイバリュートランスルーセント明度の高いトランスルーセントです LVT ローバリュートランスルーセント明度の低いトランスルーセントです ( 透明感は LVT > T > HVT の順に設定しています ) T-Glass T グラス 最も透明度の強いトランスルーセントです BG ブルーグラス淡い青色のT グラスです GT グレートランスグレー色のトランスルーセントです CT サービカルトランス歯頸部用のトランスルーセントです CT-A A 系統色 ( オレンジ系の色調 ) に使用します CT-B B 系統色 ( 黄色系の色調 ) に使用します CT-R R 系統色 ( 赤みがかった色調 ) に使用します GUM-T ガムトランス歯肉色用のトランスルーセントです オペークデンティン不透明性の高いデンティン色です 歯頸部の色調再現や 築盛層の薄いデンティン部に用います 6
2 製品の概要 コンセントレイト各種特殊色です M I ミルキー 不透明な白色のペーストです エナメル質の白濁表現に使用します WE ホワイトエナメルやや不透明な白色のペーストです 臼歯部辺縁隆線や前歯の隣接部に使用します OC オクルーザルやや不透明な白色のペーストです 臼歯の咬合面などに使用します ( 不透明感は MI > WE > OC の順に設定しています ) AM アンバー透明感のあるアメ色のペーストです AM-Y アンバーイエロー ( イエロー系 ) AM-R アンバーレッド ( レッド系 ) AM-V アンバーバイオレット ( バイオレット系 ) MY マメロンイエロー指状構造を再現する不透明なペーストです ( イエロー系 ) MP マメロンピンク指状構造を再現する不透明なペーストです ( ピンク系 ) GUM ガム 歯肉色用のペーストです GUM-L ガムライト ( ライト色 ) GUM-D ガムダーク ( ダーク色 ) GUM-Or ガムオレンジ ( オレンジ色 ) セラマージュアップ細部まで填入可能な流動性を盛ったペーストです 高い機械的強度を有しているためセラマージュと同じ部位に使用できます ブリッジのポンティック内部の充填 インレー窩洞内や指状構造の微調整など セラマージュでは築盛しにくい部位にも使いやすく また 気泡を混入させた場合の修正も容易に行うことができます セラマージュモデリングリキッド歯冠用コンポジットレジン築盛用に用いる光重合型追加築盛液です 予備重合の終わったコンポジットレジンの表面に塗布し追加築盛する場合や 研削材で形態修整した後に塗布し再築盛する場合に用います 関連商品 セラマージュオキシバリアー最終重合前にコンポジットレジン表面に塗布し レジンの未重合層を抑制する空気遮断材です セラマージュセップ石こうとセラマージュの分離材です ジャケットクラウンやインレーの製作時に使用します セラマージュスペーサーセメントスペースを確保するためのスペーサーで ジャケットクラウンやインレーの製作時に使用します セラマージュクリーナー筆の洗浄に使用する洗浄液です 7
2-5 色調構成 (1) クラシカルシェード A1 A2 A3 A3.5 A4 B1 B2 B3 B4 オペーク A1O A2O A3O A3.5O A4O B1O B2O B3O B4O サービカル - AC1 AC2 - BC1 BC2 オペークデンディン ODA1 ODA2 ODA3 ODA3.5 ODA4 ODB1 ODB2 ODB3 ODB4 ボディー A1B A2B A3B A3.5B A4B B1B B2B B3B B4B インサイザル 58 59 60 57 58 59 60 C1 C2 C3 C4 D2 D3 D4 オペーク C1O C2O C3O C4O D2O D3O D4O サービカル - CC1 CC2 DC1 DC2 オペークデンティン ODC1 ODC2 ODC3 ODC4 ODD2 ODD3 ODD4 ボディー C1B C2B C3B C4B D2B D3B D4B インサイザル 58 59 60 59 60 59 (2)NCC シェード roota R2 R3 R3.5 オペーク rootao R2O R3O R3.5O オペークデンティン ODrootA ODR2 ODR3 ODR3.5 ボディー rootab R2B R3B R3.5B インサイザル 60 58 59 (3) ホワイトニングシェード W0 W1 W2 W3 オペーク WO W2O W3O ボディー W0B W1B W2B W3B インサイザル 56 57 8
2 製品の概要 2-6 包装 セット構成 セラマージュシステムスタンダードセット (8 色セット :A1 A2 A3 A3.5 A4 B2 B3 C3) メタルリンク 5mL 1 本セラマージュプラスオペークプレオペーク 2mL 1 本セラマージュプラスオペークオペーク ( A1O A2O A3O A3.5O A4O B2O B3O C3O) 2mL 8 本 セラマージュサービカル (AC1 AC2 BC1 CC1) 4.6g(2.6mL) 4 本オペークデンティン (ODA1 ODA2 ODA3 ODA3.5 ODA4 ODB2 ODB3 ODC3) 4.6g(2.6mL) 8 本ボディー (A1B A2B A3B A3.5B A4B B2B B3B C3B) 4.6g(2.6mL) 8 本インサイザル (58 59 60) 4.6g(2.6mL) 3 本トランスルーセント (T HVT LVT T-Glass) 4.6g(2.6mL) 4 本セラマージュアップボディー (A3B rootab) 5g 2 本インサイザル (59) 5g 1 本 セラマージュモデリングリキッド 6mL 1 本 < 付属品 > セラマージュオキシバリアー 10mL 1 本 セラマージュセップ 7mL 1 本 セラマージュスペーサー 7mL 1 本 ユニブラシ No. 4 1( 柄 1 筆先 10) ディスポディッシュ 10 枚ペーパーパッド 1 冊 ( 50 枚綴 ) 遮光カバー 1 個 セラマージュアップチップ 10 個 カラーテーブル 使用説明書 ガムカラービルドアップガイド 単品包装 メタルリンク セラマージュプラスオペークプレオペーク 1 枚 1 冊 1 冊 5mL 2mL セラマージュプラスオペークオペーク (WO W2O W3O A1O A2O A3O A3.5O A4O B1O B2O B3O B4O C1O C2O C3O C4O D2O D3O D4O rootao R2O R3O R3.5O MO BGO GO GUM-O) 各 2mL セラマージュサービカル (AC1 AC2 BC1 BC2 CC1 CC2 DC1 DC2) 各 4.6g(2.6mL) オペークデンティン (ODA1 ODA2 ODA3 ODA3.5 ODA4 ODB1 ODB2 ODB3 ODB4 ODC1 ODC2 ODC3 ODC4 ODD2 ODD3 ODD4 ODrootA ODR2 ODR3 ODR3.5) 各 4.6g(2.6mL) ボディー (A1B A2B A3B A3.5B A4B B1B B2B B3B B4B C1B C2B C3B C4B D2B D3B D4B rootab R2B R3B R3.5B W0B W1B W2B W3B) 各 4.6g(2.6mL) インサイザル (56 57 58 59 60 61) 各 4.6g(2.6mL) トランスルーセント (T HVT LVT T-Glass BG GT CT-A CT-B CT-R GUM-T) 各 4.6g(2.6mL) コンセントレイト (MI WE OC AM-Y AM-R AM-V MY MP GUM-L GUM-D GUM-Or) 各 4.6g(2.6mL) セラマージュアップ (AC1 ODA1 ODA2 ODA3 ODrootA A1B A2B A3B rootab 56 57 58 59 T-Glass GUM-T W GUM-V GUM-Br GUM-R GUM-L GUM-D GUM-Or GUM-DP GUM-LP GUM-P GUM-SP) 各 5g セラマージュモデリングキッド 6mL < 関連商品の単品包装 > セラマージュオキシバリアー 10mL セラマージュセップ 7mL セラマージュスペーサー 7mL セラマージュクリーナー 100mL 9
3 使用前の準備に関する事項 3-1 硬質レジンジャケットクラウン製作の場合 作業模型の製作 通法により作業模型を製作します 3-2 硬質レジン前装冠製作の場合 メタルフレームの製作通法により作業模型を製作しワックスアップした後 前装部の窓あけ作業を行い リテンションビーズ150 で維持装置を付与します 鋳造後 メタルフレームの調整を行います メタルフレーム前装部の前処理メタルフレーム前装部をアルミナサンドブラスト処理し スチームクリーナーまたは超音波洗浄器で水洗し 乾燥させます アルミナサンドブラスト処理終了後のメタルフレーム 3-3 インレー アンレー製作の場合 作業模型の製作通法により作業模型を製作し 窩洞の状況によりブロックアウト リリーフを行います 10
4 一般的な使用方法とその注意事項 11
4-2 基本築盛図 支台歯形成ガイドライン 臼歯部 0.8mm 以上 0.8mm 以上 0.8mm 以上 1.2mm 以上 1.2mm 以上 1.0mm 以上 小臼歯 1.2mm 以上大臼歯 1.5mm 以上 小臼歯 1.2mm 以上大臼歯 1.5mm 以上 小臼歯 1.2mm 以上大臼歯 1.5mm 以上 - - 2.0mm 以上 - - 付与しない マージン部はラウンデッドショルダーまたはディープシャンファーに形成します マージンはショルダー またはラウンデッドショルダー形成します メタルの厚さは 0.3mm 以上 ( メタルの厚さを含めた数値を記載しています ) マージン部はディープシャンファー形成します 窩縁部に斜面は付与しません 窩洞はボックス形成とします 窩洞外形は丸みを持たせます 窩縁は対合歯と接触しないようにします 小臼歯 1.2mm 以上大臼歯 1.5mm 以上 小臼歯 1.2mm 以上大臼歯 1.5mm 以上 1.2mm 以上 1.2mm 以上 ジャケットクラウン 2.0mm 以上 0.8mm 以上 前装冠 1.0mm 以上 小臼歯 1.2mm 以上大臼歯 1.5mm 以上 インレー アンレー 0.8mm 以上 12
4 一般的な使用方法とその注意事項 前歯部 0.8mm 以上 0.8mm 以上 1.2mm 以上 1.2mm 以上 1.2mm 以上 - 1.5~2.5mm 1.5~2.5mm 唇舌側部はラウンデッドショルダー 隣接部はディープシャンファー形態に形成する メタルの厚さは 0.3mm 以上唇側部のマージンはショルダーまたはラウンデッドショルダー 隣接部および舌側部はディープシャンファー形成とします ( メタルの厚さを含めた数値を記載しています ) 1.5 2.5mm 1.2mm 以上 1.2mm 以上 0.8mm 以上 前歯ジャケットクラウン 0.8mm 以上 前装冠 13
築盛例 ( 基本層構成 ) ジャケットクラウン インサイザルは 唇側面で 歯冠部中央 (1/2) まで築盛 インサイザルは 唇側面で 歯冠部中央 (1/2) まで築盛 前装冠 インサイザルは 唇側面で 歯冠部中央 (1/2) まで築盛 インレー アンレー インサイザルボディーサービカルオペークメタルフレーム 14
4 一般的な使用方法とその注意事項 4-3 硬質レジンジャケットクラウンの築盛手順 (1) セラマージュスペーサーおよびセラマージュセップの塗布作業模型の築盛部 ( 支台歯 ) にセラマージュスペーサーを塗布 ( マージンを除く ) し その後 マージン部にはセラマージュセップを塗布し乾燥させます ( 乾燥後 セラマージュスペーサーは透明になります ) セラマージュスペーサーの塗布直後 セラマージュスペーサーの乾燥後 セラマージュセップの塗布 セラマージュセップは容器を振って 沈殿物が無くなるまで充分に混ぜてから塗布すること またセラマージュセップおよびセラマージュスペーサーは揮発成分を含んでいるため 使用後は速やかにキャップ を閉めること 特にセラマージュスペーサーはキャップをはずしたまま放置すると内容物の固化の原因となります (2) オペークの塗布 光重合オペークをユニブラシで塗布し 光重合します オペークは薄く塗布し 2 3 回の塗布 光重合を繰り返し 色調の調整を行います オペークの塗布 筆の洗浄について オペーク塗布後のユニブラシはセラマージュクリーナーで洗浄してください 常温重合レジン液での洗浄はできません オペークの光重合について オペークは 仮重合できません 必ず重合器で所定時間重合してください (3) サービカルの築盛 光重合サービカルを歯頸部から歯冠中央部にかけて移行的に築盛し 予備重合します サービカルの築盛 15
(4) ボディー インサイザルの築盛 光重合ボディーを築盛し 形態を整え予備重合します 次に インサイザルを築盛し 歯冠外形を整えたあとに最終重合します このとき必要に応じて セラマージュオキシバリアーをコンポジットレジン表面に塗布してから最終重合します ( 5-4セラマージュオキシバリアーの使い方 参照 ) ボディーの築盛ボディーの築盛後インサイザルの築盛後 4-4 硬質レジン前装冠の築盛手順 (1) メタルリンクの塗布メタルフレームの前装部にメタルリンクをユニブラシで塗布し 約 10 秒間乾燥します (2) プレオペークの塗布 光重合リテンションビーズのアンダーカット部にプレオペークをユニブラシNo.4で塗布し アンダーカット部に完全に入り込むようにして光重合します プレオペークの塗布 光重合 リテンションビーズのアンダーカット部まで確実に塗布し重合する メタルリンクは揮発しやすいので 採取後は ただちにキャップを閉じてください また 採取物は速やかに使い切るようにします 金属面処理後の前装部には水分 油分などが付着しないように気をつけてください 筆の洗浄について メタルリンク塗布後のブラシは セラマージュクリーナーで洗浄してください 常温重合レジン液での洗浄はできません 16
4 一般的な使用方法とその注意事項 (3) オペークの塗布 光重合光重合したプレオペーク上にオペークをユニブラシで塗布し光重合します 薄く塗布し 2 3 度塗布 光重合を繰り返し 下地の金属色が隠れるまで行います オペークの塗布 光重合 筆の洗浄について メタルリンク プレオペークに使用したユニブラシは 使用後速やかにセラマージュクリーナーで洗浄してください メタルリンク プレオペーク オペークの筆の併用は避けてください 常温重合レジン液での洗浄はできません (4) サービカルの築盛 光重合サービカルを歯頸部から歯冠中央部にかけて移行的に築盛し 予備重合します サービカルの築盛 光重合 (5) ボディー インサイザルの築盛 光重合ボディーを築盛し 形態を整え予備重合します 次にインサイザルを築盛し 歯冠外形を整えた後 最終重合します このとき必要に応じて セラマージュオキシバリアーをコンポジットレジン表面に塗布し最終重合します ( 5-4 セラマージュオキシバリアーの使い方 参照 ) ボディーの築盛ボディーの築盛後インサイザルの築盛後 17
4-5 インレー アンレーの築盛手順 (1) セラマージュスペーサーおよびセラマージュセップの塗布窩底部隅角など作業模型の必要な部分にセラマージュスペーサーをマージン部を避けて塗布します その後 窩洞内面および周辺にセラマージュセップを塗布し乾燥させます セラマージュスペーサーの塗布 ( マージン部への塗布はしない ) セラマージュセップの塗布 (2) ボディー インサイザルの築盛 光重合ボディーを築盛し 形態を整え 予備重合を行います 次にインサイザルを築盛し歯冠外形を整え 最終重合します この時 必要に応じてセラマージュオキシバリアーをコンポジットレジン表面に塗布し 最終重合します ボディーの築盛 ( 5-4 セラマージュオキシバリアーの使い方 参照 ) インサイザルの築盛 18
4 一般的な使用方法とその注意事項 4-6 形態修整 研磨 完成 (1) 形態修整最終重合後 カーボランダムポイント ダイヤモンドポイント フィッシャーカーバなどを用いて 形態を整えます ダイヤモンドポイントファインによる研削 フィッシャーカーバによる研削 セラマージュオキシバリアーを用いて最終重合した場合は 水洗除去してから形態修整します (2) 中仕上げ カーボランダムポイントやダイヤモンドポイントにて唇面表徴や形態細部を調整した後 シリコンポイント HR2タイプで中仕上げを行います また 前歯部唇側面や臼歯部咬合面の細部の中仕上げには ピボットブラシ SCやデュラポリッシュを付けたピボットブラシで研磨します シリコンポイント HR2 による研磨 ピボットブラシ SC による研磨 ピボットブラシとデュラポリッシュによる研磨 19
(3) 艶だし研磨専用研磨材デュラポリッシュダイヤをピボットブラシやフェルトホイールに付け ていねいに艶だし研磨します フェルトホイールとデュラポリッシュダイヤによる研磨 艶だし研磨は ピボットブラシでデュラポリッシュダイヤを塗り付けるように研磨し その後フェルトホイールで拭き取るようにします (4) 完成 前歯部ジャケットクラウン 臼歯部インレー 臼歯部ジャケットクラウン 前歯部前装冠 4-7 修復物接着面の処理 支台歯との接着面がセラマージュの場合は 口腔内に接着する前に 修復物の接着面を約 0.1 0.2MPa( 約 1 2kgf/cm2 ) のゲージ圧でアルミナサンドブラスト処理を行います この時 マージン部のチッピングなどに注意してください その後 スチームクリーナーまたは超音波洗浄器で水洗し乾燥させ 松風ポーセレンプライマーで処理を行います 20
5 特殊な使用方法とその注意事項 5-1 セラマージュアップの使用用途 セラマージュアップはセラマージュに比べ流動性を高めたコンポジットレジンです 高い機械的強度を有しているため セラマージュと同じ部位に使用することができます 高い流動性をもつ操作特性により ブリッジのポンティック内部の充シリンジから直接築盛填 インレー窩洞内や指状構造の微調整など セラマージュでは築盛しにくい部位にも使いやすく また 気泡を混入させた場合の修正も容易に行うことが出来ます 歯頸部の築盛薄く伸ばしながらの築盛 使用用途 歯冠部の作成 歯肉部の作成 インレー ( 窩洞壁面 ) ポンティック内部の穴埋め 微調整 ( 指状構造 気泡の修正 ) 歯肉部の作成例 指状構造間の透明層築盛 (1) セラマージュアップの使用方法 セラマージュアップを築盛する際には 必要な箇所に直接ペーストを取り出し 筆 ( レジン用筆 ユニブラシ No.5 等 ) インスツルメントを使用して形態を付与していきます ( シリンジから直接築盛することも可能です ) セラマージュアップは従来の歯冠用コンポジットレジンと比較して流動性があるため 築盛の際は適宜 光重合 ( 予備重合 ) を繰り返しながら形態を付与していきます セラマージュアップはそれぞれを混合して色調を調整することが出来ます ペーパーパッドに任意の色調を取り出し 筆やインスツルメントを使用して混合します セラマージュアップを混合する際は 気泡の混入を避けるように混ぜてください 21
(2) セラマージュアップを用いた歯冠部築盛手順 オペーク操作までは 4-4 硬質レジン前装冠の築盛手順 の (1) メタルリンクの塗布 (3) オペークの塗布 重合を参考に作業を行います セラマージュアップの築盛は適宜 光重合 ( 予備重合 ) を繰り返しながら 筆 ( レジン用筆 ユニブラシNo5 等 ) やインスツルメントを用いて歯冠外形を作成します ( シリンジから直接築盛することも可能です ) 築盛終了後は 4-6 形態修整 研磨 完成 と同様の手順で作業を行います ボディーの取り出し ボディー形態の付与 予備重合 ( サブライトV) 5-2 オペークデンティンの使い方 セラマージュ セラマージュアップのオペークデンティンはボディーと同色でやや不透明に設計されています 舌側面や歯頸部付近 切端部のボディーの築盛スペースが少ない部分などに オペークの反映を遮蔽するために使用します インサイザルボディーオペークデンティンサービカルオペークメタルフレーム 歯頸部色として唇側面歯頸部から移行的に築盛 舌側面部に築盛 唇側切端部に築盛 22
5 特殊な使用方法とその注意事項 5-3 モデリングリキッドの使い方 モデリングリキッドはセラマージュ セラマージュアップの追加築盛時に使用します 予備重合の終わったコンポジットレジン表面 もしくは形態修整後のコンポジットレジン表面へなじみ液として塗布することにより 追加築盛を容易にします (1) 予備重合後に追加築盛を行う場合 ( 必要に応じて行います ) モデリングリキッドを追加築盛面に一層薄く塗布し セラマージュ セラマージュアップのペーストを追加築盛した後 重合を行います モデリングリキッドの塗布 (2) 形態修整後に追加築盛を行う場合 ( 必ず行なってください ) 追加築盛面が中仕上げ研磨 もしくは最終仕上げ研磨後の場合は カーボランダムポイント ダイヤモンドポイントなどで 表面を粗造にし 超音波洗浄を行います その後 モデリングキッドを追加築盛面に塗布し セラマージュ セラマージュアップを追加築盛し重合します セラマージュ セラマージュアップの追加築盛 5-4 セラマージュオキシバリアーの使い方 セラマージュオキシバリアーはセラマージュ セラマージュアップの最終重合時に用いる空気遮断材です セラマージュ セラマージュアップの表面に塗布することで 未重合層を抑制し 形態修整 研磨作業を容易にします (1) 臼歯部咬合面への適用 臼歯部咬合面にセラマージュオキシバリアーを一層塗布することで レジン表面が確実に重合し その後の形態修整および研磨作業を容易にします 咬合面への適用 (2) マージン部への適用築盛層の薄くなりやすいマージン部にセラマージュオキシバリアーを適用することで 形態修整が容易になります マージン部への適用 23
6 技術仕様 6-1 重合時間 V プレオペーク重合 30 秒 60 秒 オペーク重合 90 秒 180 秒 セラマージュ予備重合 30 秒 60 秒 セラマージュアップ予備重合 30 秒 60 秒 ポンティック部重合 120 秒 180 秒 最終重合 120 秒 180 秒 注 ) 重合時間 ( 照射時間 ) は アクセルキュア および ソリディライト V を用いた 場合を記載しています 他の歯科用重合器等を使用する場合は その機器の添付文書などを参考に本材に適した光量を確保して使用してください 24
6 技術仕様 6-2 硬化深度 ( ソリディライトV) (mm) プレオペーク - 60 秒 1.6 A1O 180 秒 0.24 オペーク A3O 180 秒 0.21 A4O 180 秒 0.20 AC1 60 秒 - 180 秒 1.3-1.8 サービカル AC2 60 秒 - 180 秒 1.0-1.4 ODA1 60 秒 - 180 秒 1.8-2.5 オペークデンティン ODA3 60 秒 - 180 秒 1.5-2.1 ODA4 60 秒 - 180 秒 1.2-1.6 A1B 60 秒 - 180 秒 2.5-3.4 ボディー A3B 60 秒 - 180 秒 1.8-2.6 A4B 60 秒 - 180 秒 1.8-2.5 56 60 秒 - 180 秒 4.2-6.8 セラマージュ インサイザル 59 60 秒 - 180 秒 4.0-5.8 61 60 秒 - 180 秒 3.8-5.5 T 60 秒 - 180 秒 5.5-8.6 トランスルーセント T-Glass 60 秒 - 180 秒 6.2-9.6 MI 60 秒 - 180 秒 2.4-3.4 OC 60 秒 - 180 秒 3.7-6.3 コンセントレイト AM-Y 60 秒 - 180 秒 3.2-4.6 MY 60 秒 - 180 秒 1.6-2.4 GUM-D 60 秒 - 180 秒 1.4-2.0 サービカル AC1 60 秒 - 180 秒 1.3-1.8 オペークデンティン ODA3 60 秒 - 180 秒 1.5-2.1 セラマージュアップ ボディー A3B 60 秒 - 180 秒 1.8-2.6 インサイザル 59 60 秒 - 180 秒 4.0-5.8 トランスルーセント T-Glass 60 秒 - 180 秒 6.2-9.6 コンセントレイト GUM-D 60 秒 - 180 秒 1.4-2.0 25
6-3 物性表 HV0.2 74 40 43 JIS6517 ISO10477 MPa 146 140 75 JIS6517 ISO10477 GPa 10.7 6.4 5.7 JIS6517 ISO10477 vol% 0.43 0.69 0.39 m 3.2 1.3 4.8 m 41 13 41 8000Lx 5 5 5 JIS6517 ISO10477 6-4 接着強さ 金銀パラジウム合金に対するせん断接着強さ (MPa) サーマルサイクル (4-60 各 1 分間浸漬 )2,000 回後 MPa 28.0 28.0 JIS6717 ISO10477 26
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