原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

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平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

最高裁○○第000100号

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

令和元年 6 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 31 年 ( ワ ) 第 2629 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 16 日 判 決 5 原告日本コロムビア株式会社 原告株式会社バンダイナムコアーツ 10 原告キングレコード株式会社 原告ら訴訟代理人

最高裁○○第000100号

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

告ツイッタージャパンの間では全て原告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求 ( 主位的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 1) 記載の各情報を開示せよ ( 予備的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 2) 記載の各情報を開示せよ 第 2 事案の

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

最高裁○○第000100号

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

最高裁○○第000100号

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

最高裁○○第000100号

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発信者情報開示関係WGガイドライン

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

とは, 原告に対する名誉毀損に該当するものであると主張して, 不法行為に基づき400 万円の損害賠償及びこれに対する不法行為日以降の日である平成 24 年 9 月 29 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いがないか,

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

ア原告は, 平成 26 年 12 月 26 日に設立された, 電気機械器具の研究及び開発等を目的とする株式会社である イ合併前会社ワイラン インクは, 平成 4 年 (1992 年 ) に設立された, カナダ法人である 同社は, 平成 29 年 (2017 年 )6 月 1 日付けで, 他のカナダ法

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

権 ) を侵害するとともに, 原告をプロデューサーとして表示しない点及び劇場用映画として制作された本件映画をインターネットで公表する点において, 本件映画につき原告が有する著作者人格権 ( 氏名表示権及び公表権 ) を侵害する行為であり, 被告が今後本件映画を上映, 複製, 公衆送信若しくは送信可能

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

原告は, 被告に対し, 万円及びこれに対する平成 29 年 3 月 1 日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は,1 原告が, 自らの作成に係る別紙 1( 甲 12の1 以下 本件本体部 分 という ) 及び別紙 2( 甲 12 の 2 以下 本件ライブラリ部分 と

同目録記載の番号により 本件著作物 1, 本件著作物 2 といい, 本件著作物 1 及び本件著作物 2を併せて 本件各著作物 という ) の著作権を有する株式会社 CAを吸収合併し, 同社の権利義務を承継したところ, 被告が本件各著作物のデータを動画共有サイトのサーバー上にアップロードした行為が公衆

平成 27 年 12 月 9 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 27 年 11 月 6 日 判 決 東京都荒川区 < 以下略 > 原 告 株式会社オールビユーテイ社 同訴訟代理人弁護士 山 本 隆 司 同 植 田

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

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判決【】

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA 東京都足立区 以下省略 原告上記代表者理事長上記訴訟代理人弁護士同同東京都世田谷区

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する 2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人 P3 及び被控訴人会社は, 大阪府内, 兵庫県内, 京都府内, 滋賀県内及び和歌山県内において, 千鳥屋という名称を使用して菓子類を販売してはならない

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

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撮影を,3 株式会社 MONDESIGN Japan( 以下 モンデザイン という ) に対して全体的なデザインをそれぞれ依頼し, 上記 1につき平成 23 年 4 月頃,2につき同年 5 月頃,3につき同年 6 月頃, 各成果物を受領し, その際, 各成果物に係る著作権の譲渡を受けた ( 甲 9,

ない 4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標権を有する控訴人が, 被控訴人に対し, 被控訴人が原判決別紙 被告標章目録 記載の標章をインターネットホームページのサイトで使用する行為が, 控訴人の商標権を

主位的に自筆証書 ( 後述の本件文書 ) による遺言に基づいて遺贈を受けたこと, 予備的に死因贈与を受けたことを主張して, 不当利得 ( 主位的 ) 又は死因贈与契約 ( 予備的 ) に基づく3000 万円 ( 内金請求 ) 及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成 27 年 12 月 5 日か

像 記載の各画像が表示されるように設定した別紙アカウント目録記載アカウント1のアカウントの保有者, 2 ツイッターにおいて, クライアントコンピュータが, 別紙流通情報目録 1⑸ 記載の URL のウェブページにアクセスした際に, タイムラインに表示される自ら投稿した各短文投稿 ( 以下, ツイッタ

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

平成  年(オ)第  号

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

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1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

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(イ係)

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(2) 訴訟費用は 被告らの負担とする 2 被告国 (1) 本案前の答弁ア原告の被告国に対する訴えを却下する イ上記訴えに係る訴訟費用は 原告の負担とする (2) 被告国は 本案について 原告の被告国に対する請求を棄却する旨の裁判を求めるものと解する 3 被告 Y1 市 (1) 本案前の答弁ア原告の

き本件営業秘密の使用又は開示の差止め及び物件の廃棄を求めるとともに ( 以下, これらの請求を併せて 差止請求等 という ),(2) 被告が本件営業秘密を持ち出した行為は原告と被告の間の秘密保持契約にも違反し, これにより原告は損害を被ったと主張して, 同法 4 条又は債務不履行に基づき 1136

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

して, 損害賠償金 330 万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成 28 年 月 21 日 ( 原告が被告に本件請求の通知を送付した日の翌日 ) から支払済みまで民法所定の年 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実及び弁論の全趣旨により容

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

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た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

平成 24 年 8 月 24 日判決言渡 平成 23 年 第 284 号代議員会議決無効確認請求事件 判 主 決 文 1 原告が, 平成 23 年 1 月 18 日をもって被告の設立事業所でないことを確認する 2 被告は, 原告のために,A 厚生年金基金規約別表第 1から 株式会社 B, 長野県諏訪

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

めた事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実 ) (1) 当事者ア原告は, 映画プロデューサーである ( 甲 1,2) イ被告は, 新聞社であり, ウェブサイト 朝日新聞デジタルAJW を運営するものである (2) 原告の著

3 被告は, 原告に対し, 金 3453 万 2652 円及びこれに対する平成 23 年 12 月 14 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件訴訟は, 原告が, 被告の製造販売に係るデジタルカタログについて, 原告の特許権を侵害している旨主張して, 被告に対し

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま

宇佐美まゆみ監修(2011)『BTSJ入力支援・自動集計システム』、及び

同訴訟代理人弁護士同同同同同同同同同同同 三好徹石田央子津田直和井川真由美鶴﨑有一石井修平山崎哲内田尚成前田香織本田雄巳黒木義隆籔之内千賀子 主文 1 控訴人の本件控訴を棄却する 2(1) 被控訴人の附帯控訴に基づき 原判決主文 1 2 項を次のとおり変更する (2) 控訴人は 被控訴人に対し 78

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

裁判年月日 平成 25 年 9 月 19 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 24( ワ )26067 号 事件名 区分所有建物使用差止請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2013WLJPCA 事案の概要 原告が 被告に対し 管理組合集会決議がないのに住宅以外の用途

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

第 1 請求 1 被告は, 別紙 1 被告製品目録記載の製品 ( 以下 被告製品 という ) を製造し, 販売し, 貸し渡し, 又は販売若しくは貸渡しのために展示してはならない 2 被告は, 被告製品及び半製品 ( 別紙 2 被告意匠目録記載の構成態様を具備しているが製品として完成するに至らないもの

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平成 30 年 4 月 13 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 274 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 7 日 判 決 原告 A 同訴訟代理人弁護士清水陽平被告ソフトバンク株式会社同訴訟代理人弁護士五十嵐敦梶原圭 小塩康祐 丸 住 憲 司 稲 葉 大 輔 中 山 祥 藤 井 康 太 1 大山貴俊 菅野邑斗 四方岳 丸山駿 主 文 20 1 被告は, 原告に対し, 別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ 2 訴訟費用は被告の負担とする 事実及び理由第 1 請求主文同旨 2 第 2 事案の概要 本件は, 原告が, 氏名不詳者がインターネット上のブログに投稿した記事は 1

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項の開示関係役務提供者である被告に 対し, 同項に基づき, 被告の保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 被告は, 電気通信事業を営み, インターネット接続サービスを提供する株 式会社である (2) 氏名不詳者による画像の投稿氏名不詳者 ( 以下 本件発信者 という ) は, 別紙投稿記事目録 1~ 記載の各日時において, インターネット上のブログ livedoor Blog ( 以下 本件ブログ という ) に同別紙記載の各記事 ( 以下, 同目録記載の番 1 号に従い 本件記事 1 などといい, これらを併せて 本件各記事 とい う ) を投稿し, 不特定多数に送信した 別紙著作物目録記載の各写真 ( 以下, 同目録記載の番号に従い 原告画像 1 などといい, これらを併せて 原告各画像 という ) のうち, 本件記事 1には原告画像 1~3( ただし, 同写真 3については上下を切除する加工 20 がされている ), 本件記事 2 には原告画像 4 及び ( ただし, 同各写真に ついては両端を切除する加工がされている ), 本件記事 3には原告画像 6 ( ただし, 同写真についてはハート型に切り取られる加工がされている ), 本件記事 4には原告画像 7 並びに本件記事 には原告画像 8がそれぞれ掲載されている 2 ( 甲 1 の 1~, 甲 8 の 1~3) (3) 被告による情報の保有 2

被告は, プロバイダ責任制限法 4 条 1 項の開示関係役務提供者に該当し, 別紙発信者情報目録記載の各発信者情報を保有している 2 争点 (1) 権利侵害の明白性 (2) 発信者情報開示を受けるべき正当理由の有無 第 3 争点に関する当事者の主張 1 争点 (1)( 権利侵害の明白性 ) について 原告の主張 原告各画像はいずれも原告が著作権を有する著作物であり, 同各画像に係る 原告の権利 ( 同各画像について著作権, 原告画像 6 については予備的に肖像権 ) が侵害されたことは明らかである (1) 原告各画像は, 原告自身が被写体の配置, ポーズ, 調光等を考えて撮影したものであり, 思想又は感情を創作的に表現したものである (2) 原告画像 6は, 原告のスマートフォンを夫に一時的に貸与して撮影しても 1 らったものであり, その著作権は原告の夫から原告に対して黙示的に譲渡さ れている (3) 本件各記事に原告各画像を掲載することは, 私的使用 ( 著作権法 30 条 1 項 ) や引用 ( 同法 32 条 1 項 ) その他の制限事由に該当しない (4) 仮に原告画像 6の著作権が原告に帰属しないとしても, 同画像には原告の 20 容姿が写っており, 肖像権侵害を構成する 被告の主張 (1) 原告画像 1~8は, 人物の全身若しくは上半身又は物品 ( 洋服, バッグ, 時計, 靴等 ) の全部若しくは一部をありふれた構図で撮影した写真であり, 著作物の要件である創作性を有しない 2 (2) 原告各画像のうち, 原告画像 6 については, 仮に原告の夫が撮影したもので あるとしても, 原告に対してインスタグラムへの投稿の限度でのみ使用許諾 3

した可能性を否定できず, その著作権が原告に帰属するとはいえない (3) 本件各写真に著作物性が認められ, その著作権が原告に帰属しているとしても, 著作権法 30 条以下に定める制限事由がいずれも存在しないことが明らかとはいえない (4) 原告画像 6 に関する肖像権侵害の主張については, 同画像は被写体の顔が不 鮮明である上, 原告がインスタグラムにおいて自ら公開している画像であり, 同画像の掲載について原告の同意が得られていないことが客観的に証明されていないので, 肖像権侵害が明らかとはいえない 2 争点 (2)( 発信者情報の開示を受けるべき正当理由の有無 ) について 原告の主張 原告は, 本件発信者に対して著作権侵害に基づく損害賠償を請求するため, 被告に対し, 本件発信者の本件発信者情報の開示を求めるものであり, 正当理由の要件を充足している 被告は電子メールアドレスの開示を不要と主張するが, プロバイダ責任制 1 限法 4 条 1 項に係る総務省令は, 電子メールアドレスも侵害情報の発信者の 特定に資する情報としている 被告の保有する住所, 氏名が必ずしも正確とは限らず, 電子メールアドレスで発信者を特定することができる可能性もあるのであるから, 電子メールアドレスの開示は必要である 被告の主張 20 本件各発信者の氏名又は名称及び住所の開示があれば, 損害賠償請求等を 行うことは可能であるから, これに加えて, 電子メールアドレスの開示を受けるべき正当な理由は存在しない 第 4 争点に対する判断 1 争点 1( 権利侵害の明白性 ) について 2 (1) 氏名不詳者が本件ブログに原告各画像の掲載された本件各記事を投稿し, 不特定多数に送信したとの事実が認められることは, 前記第 2 の 1(2) のと 4

おりである (2) 被告は, 原告各画像はありふれたものにすぎず創作性を有しないと主張するが, 原告各画像はその被写体につき構図や撮影角度, 被写体との距離など目的に応じた撮影方法を選択しているものと認められ, 撮影者の思想, 感情 が創作的に表現されたものであるということができるので, 原告各画像はい ずれも著作権法 2 条 1 項 1 号の 著作物 に当たる (3) 被告は, 原告画像 6の著作権が原告に帰属することを争うが, 証拠 ( 甲 2, 弁論の全趣旨 ) によれば, 同画像は原告の夫が原告の依頼に基づき撮影したものであり, 撮影に使用したのは原告のスマートフォンであるとの事実を 認めることができる これによれば, 同画像 6 の著作権は原告の夫から原 告に黙示的に移転しているものということができるので, 同画像の著作権は原告に帰属する (4) 被告は, 著作権法 30 条以下に定める制限事由がいずれも存在しないことが明らかであるとはいえない旨主張するが, 原告各画像に係る著作権を制限 1 する事由が存在すると認めるに足りる証拠はない () したがって, 本件各記事が本件ブログに掲載されたことによって原告の著作権 ( 複製権, 公衆送信権 ) が侵害されたことは明らかである 2 争点 2( 発信者情報開示を受けるべき正当理由の有無 ) について原告が本件発信者に対して原告各画像の複製権及び公衆送信権侵害を理由 20 とする損害賠償請求権等を行使するためには, その発信者情報の開示が必要 であると認められる 開示すべき発信者情報に関し, 被告は, 電子メールアドレスの開示を受ける必要はないと主張するが, プロバイダ責任制限法 4 条 1 項に係る総務省令においては, 電子メールアドレスも侵害情報の発信者の特定に資する情報と 2 して規定されている上, 転居などの事情によって本件発信者の実際の住所が, 被告が本件発信者の住所として所持しているものと異なる可能性もあること

に照らすと, 電子メールアドレスの開示が不要ということはできない したがって, 原告には被告から本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる 3 結論 よって, 本訴請求は理由があるからこれを認容することとし, 主文のとおり 判決する 東京地方裁判所民事第 40 部 裁判長裁判官 佐藤達文 裁判官 遠山敦士 裁判官勝又来未子は転補により署名押印することができない 裁判長裁判官 佐藤達文 6

別紙 発信者情報目録別紙投稿記事目録記載の各アイ ピー アドレスを, 同目録記載の日時ころに被告から割り当てられていた契約者に関する以下の情報 1 氏名または名称 2 住所 3 電子メールアドレス以上 7

別紙 投稿記事目録 投稿記事目録添付の各写真は添付省略 1 U R L:http:// 以下省略投稿日時 :2017--14 20:19:20 IPアドレス : 省略 2 URL:http:// 以下省略投稿日時 :2017--22 19:20:46 IPアドレス : 省略 3 URL:http:// 以下省略投稿日時 :2017--22 18:9:23 IPアドレス : 省略 4 U R L:http:// 以下省略投稿日時 :2017--31 19:0:47 IPアドレス : 省略 URL:http:// 以下省略 投稿日時 :2017--31 19:06:21 8

IP アドレス : 省略 9

別紙 著作物目録 1 ないし の写真は添付省略