<4D F736F F F696E74202D208E9197BF E89638B4B92E882CC8CA992BC82B582C982C282A282C4>

Similar documents
( 除名 ) 第 9 条社員が次のいずれかに該当するに至ったときは 社員総会の決議によって当該社員を除名することができる (1) この定款その他の規則に違反したとき (2) この法人の名誉を傷つけ または目的に反する行為をしたとき (3) その他除名すべき正当な事由があるとき ( 社員資格の喪失 )

<4D F736F F D2092E88ABC88EA959495CF8D5882C98AD682B782E982A8926D82E782B E646F6378>

協会定 款

< F2D92E88ABC82CC8B4C8DDA8E968D808B7982D18B408AD690DD8C76>

(2) 変更の内容 定款変更の内容は別紙のとおりであります (3) 日程 定款変更のための株主総会開催日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 定款変更の効力発生日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 以上 - 2 -

一般財団法人 日本万歩クラブ 定款

公益財団法人秋田県林業公社定款 第 1 章総則 ( 名称 ) 第 1 条 この法人は 公益財団法人秋田県林業公社と称する ( 事務所 ) 第 2 条この法人は 主たる事務所を秋田県秋田市に置く 2 この法人は 理事会の決議により 従たる事務所を必要な地に置くことができる 第 2 章 目的及び事業 (

Microsoft Word - ~ doc

取締役会規定

一般財団法人ヒューマニン財団定款 平成 26 年 6 月 30 日変 更 1

示して, 理事会の招集を請求することができる ( 同条第 2 項 ) この請求のあった日から 5 日以内に, 当該請求があった日から 2 週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には, 当該請求をした理事は, 理事会を招集することができる ( 同条第 3 項 ) 監事は,

一般社団法人にじのひかり教室定款

評議員選任 解任委員会について点検項目 説明 参考 1 評議員選任 解任委員会の設置について すべての法人 ( 現在, 評議員会を設置している法 定款例第 6 条 評議員選任 解任委員会 を設置する旨の定款変更を行っていますか ( 又は定款変更の準備をしていますか ) いる いない 人も含む ) に

<4D F736F F D F817993FC8D65817A88EA94CA8ED C4A544692E88ABC3032>

NewsRelease_ir_ _02.pdf

剰余金の配当に関するお知らせ

公益財団法人 日本航空協会 定款

Microsoft Word - 講演録添付資料.doc

一般社団法人日本骨髄間葉系幹細胞治療学会定款 第 1 章総則 ( 名称 ) 第 1 条当法人は 一般社団法人日本骨髄間葉系幹細胞治療学会と称し 英文では Japanese Association for Mesenchymal Stem cell therapy と表記する ( 目的 ) 第 2 条

社会福祉法人白浜町社会福祉協議会定款施行細則

日本パーマネントウェーブ液工業組合定款 第 1 章総則第 1 条 ( 目的 ) 本組合は パーマネントウェーブ液製造業又は製造販売業の中小企業者の改善発達を図るために必要な事業を行うことを目的とする 第 2 条 ( 名称 ) 本組合は 日本パーマネントウェーブ液工業組合と称する 第 3 条 ( 地区

( 事業年度 ) 第 6 条本会の事業年度は 毎年 4 月 1 日に始まり翌年 3 月 31 日に終わる ( 事業計画及び収支予算 ) 第 7 条本会の事業計画書及び収支予算書については 毎事業年度開始の日の前日までに 会長が作成し 理事会の承認を受けなければならない これを変更する場合も 同様とす

Microsoft Word - teikan

まず 取締役会は委員会及び執行役の人事を決定する すなわち 各委員会の委員は取締役の中から取締役会の決議で選定する (400Ⅱ) 各委員会の委員の人数は3 人以上でなければならず (400Ⅰ) 過半数は社外取締役でなければならない 3 (400Ⅲ) 委員会の委員は他の委員及び執行役を兼ねることはでき

一般財団法人日本放送協会共済会定款 一部変更評議員会決議平成 ( 平成 施行 ) ( 名称 ) 第 1 章総則 第 1 条この法人は 一般財団法人日本放送協会共済会と称する ( 事務所 ) 第 2 条この法人は 主たる事務所 ( 本部 ) を東京都渋谷区に置く 2 この法

Microsoft Word - 定款

( 第 8 条から移動 ) 第 10 条 ( 単元未満株式の売渡請求 ) 当会社の単元未満株式を有する株主 ( 実質株主を含む 以下同じ ) は株式取扱規則の定めるところに従い その有する当会社の単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の当会社の株式を売渡すよう当会社に請求することができる 第 1

定 款 ( 平成 30 年 10 月 1 日変更 )

役員及び会計監査人の選任に関する株主総会に関連し その議案は 通常の株主総会決議事項と同様に取締役会で決定するが 監査役や会計監査人の選任に関する議案については 監査役会の同意が必要であり ( 監査役に関し343Ⅰ Ⅲ 会計監査人に関し344Ⅰ) 場合によっては監査役会は取締役に対し監査役や会計監査

<4D F736F F D F18F6F A B8E738ACF8CF58BA689EF814092E88ABC>

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

されることとなり その結果 取締役は一般的な注意義務として 善良な管理者としての注意義務 ( 民法 644) を負うことになる また 取締役に関してはこれとは別に会社法に独自の一般的義務が規定されており 取締役は 法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し 株式会社のため忠実にその職務を行わなければな

財団法人 静岡県財形事業協会寄付行為 第 1 章 総則 ( 名称 ) 第 1 条この法人は 財団法人静岡県財形事業協会 ( 以下 協会 という ) という ( 事務所 ) 第 2 条協会は 事務所を静岡市葵区黒金町 5 番地の1に置く ( 目的 ) 第 3 条協会は 勤労者の福祉向上に貢献する為に

Taro-(H3006~)公益社団法人

定款

平成○年度○○総会議事録

日本ポリオレフィンフィルム工業組合

一般財団法人大阪府高等学校野球連盟定款 第 1 章総 則 ( 名称 ) 第 1 条この法人は 一般財団法人大阪府高等学校野球連盟と称する ( 事務所 ) 第 2 条この法人は 主たる事務所を大阪市に置く 第 2 章目的及び事業 ( 目的 ) 第 3 条この法人は 日本学生野球憲章に基づき 高等学校野

定款

( 事業年度 ) 第 6 条この法人の事業年度は 毎年 4 月 1 日に始まり翌年 3 月 31 日 に終わる ( 事業計画及び収支予算 ) 第 7 条この法人の事業計画書 収支予算書については 毎事業年度開始の日の前日までに 理事長が作成し 理事会の承認を受けなければならない これを変更する場合も

Microsoft Word - 定款最新 doc

Microsoft Word - ★HP版平成28年度検査の結果

Microsoft Word 年度定款.docx

財団法人  徳島県社会保険協会寄附行為

青葉台自治会会則 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本会は 以下に掲げるような共同活動を行うことにより 良好な地域社会の維持及び形成に資する事を目的とする (1) 回覧板の回付等区域内の住民相互の連絡 (2) 会員相互の融和親睦をはかる (3) 行政機関との連絡調整 (4) 区域内諸施設の維持

Microsoft Word - 定款_平成30年版_.docx

公益社団法人那珂川町シルバー人材センター定款

オムロン株式会社定款 第 1 章総則 ( 商号 ) 第 1 条当会社は オムロン株式会社と称し 英文では OMRON Corporation と表示する ( 目的 ) 第 2 条当会社は 次の事業を営むことを目的とする (1) 電気機械器具の製造および販売 (2) 制御機器 コンピュータ等の電子応用

( 事業年度 ) 第 9 条この法人の事業年度は 毎年 4 月 1 日に始まり 翌年 3 月 31 日に終わる ( 事業計画及び収支予算 ) 第 10 条この法人の事業計画書及び収支予算書については 毎事業年度開始の日の前日までに会長が作成し 理事会の決議を経て 評議員会の承認を受けなければならない

自治労福島県職員労働組合退職互助会規約(抄)

Microsoft Word - ○ 定款(H27.2変更分)

第1章 総則

Microsoft Word - ä¸•è‹¬ç¤¾åł£æ³Łäººå²¬ã‡—ã‡‹ã†—ä¼ıå®ı款(啉人慖倱å›−鎤).docx

別紙 現行定款第 1 章総則 ( 下線は変更部分を示す ) 変更案第 1 章総則 第 1 条 ( 条文省略 ) 第 1 条 ( 現行どおり ) ( 目的 ) ( 目的 ) 第 条 当会社は 次の事業を営むことを目的とする 第 条 当会社は 次の事業を営むことを目的とする 1. トランプ類の製造販売

中 央 会 定 款

Microsoft Word - A-03 定款_ 最終版 提出用.doc

( 事業年度 ) 第 6 条この法人の事業年度は 毎年 4 月 1 日に始まり翌年 3 月 31 日に終わる ( 事業計画及び収支予算 ) 第 7 条この法人の事業計画書 収支予算書 資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類については 毎事業年度開始の日の前日までに 代表理事が作成し 理事会の承認

<4D F736F F D D332D318DC58F8982CC96F088F581698DB782B591D682A6816A2E646F63>

個人情報の保護に関する規程(案)

定款 社会福祉法人健徳会 1

第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本組合は フラットヤーン ( ポリプロピレン又はポリエチレンのフィルムを細長く切断して延伸して造ったスリットヤーンをいう ) の製造の事業を営む中小企業者の改善発達を図るための必要な事業を行い これらの者の経営の安定及び合理化を図ることを目的とする ( 名称

( 基本財産等の処分の制限 ) 第 8 条基本財産は これを処分し又は担保に供することができない ただし この法人の事業遂行上やむをえない理由があるときは 理事会及び評議員会において 特別の利害関係を有する者を除く理事又は評議員のそれぞれ3 分の2 以上の承認を受けて その一部を処分し 又はその全部

公益社団法人 大館法人会 定 款(案)

しなければならない 3 基本財産の一部を処分しようとするとき及び基本財産から除外しようとするときは 評議員会において 当該事項についての特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の3 分の2 以上に当たる多数の承認を得なければならない ( 事業年度 ) 第 6 条この法人の事業年度は 毎年 4 月 1

Microsoft Word - npo-tebikan3-teihen.doc

Microsoft Word 規約

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

Microsoft Word 定款作成例改訂版

新 ( 事業規程等 ) 第 10 条 ( 略 ) 2~5 ( 略 ) ( 削除 ) 6 第 7 条第 1 項第 14 号の事業の実施に当たっては 共済規程の定めるところによるものとする 7~8 ( 略 ) ( 事業規程等 ) 第 10 条 ( 略 ) 2~5 ( 略 ) 6 第 7 条第 1 項第

< F2D947A957A8E9197BF F81408ED DE092638AD6>

申込書により会長に申し込まなければならない 2 入会は 理事会においてその可否を決定し 会長が本人に通知するものとする ( 会費の負担 ) 第 7 条センターの事業活動に経常的に生じる費用に充てるため 会員になっ たとき及び毎年 会員は 総会において別に定める額を支払う義務を負う ( 任意退会 )

( 財産の種別 ) 第 6 条この法人の財産は 基本財産 特定資産及びその他の財産の 3 種類とする 2 基本財産は この法人の目的である事業を行うために不可欠な 次に掲げる財産とする (1) 設立当初の財産目録のうち基本財産の区分に記載された財産 (2) 設立後理事会において特定資産又はその他の財

( 事業報告及び決算 ) 第 8 条この法人の事業報告及び決算については 毎事業年度終了後 理事長が次の書類を作成し 監事の監査を受けた上で 理事会の承認を受けなければならない 事業報告 事業報告の附属明細書 ⑶ 貸借対照表 ⑷ 損益計算書 ( 正味財産増減計算書 ) ⑸ 貸借対照表及び損益計算書

西日本化粧品工業会規約

Microsoft Word - kaisoku

Ver.3.0 受付番号票貼付欄 合同会社設立登記申請書 フリガナ 1. 商号 1. 本店 1. 登記の事由設立の手続終了 1. 登記すべき事項 1. 課税標準金額金円 1. 登録免許税金円 1. 添付書類 定款代表社員, 本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面代表社員の就任承諾書払込みがあ

開催通知

社会福祉法人アイリス定款 第一章総則 ( 目的 ) 第一条この社会福祉法人 ( 以下 法人 という ) は 多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより 利用者が 個人の尊厳を保持しつつ 自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することを目

新規文書1

定款変更案新旧対照表

規程番号

社法の成立に伴い行われた法改正 ) により 10 万円を特定目的会社の最低資本金の額としていた最低資本金制度の規定は削除されたため 法律上は 特定資本金の額はいくらでもよい (1 円でもよい ) しかし 現在でも特定資本金の額を 10 万円としているケースが多い もっとも 資産の流動化に係る業務の終

社会福祉法人福岡いのちの電話 定款

<4D F736F F D2092E88ABC89FC90B B E82538C8E88C88D7E816A2E646F63>

<4D F736F F D2092E88ABC82CC88EA959495CF8D5882C98AD682B782E982A8926D82E782B92E646F63>

第 5 編総務の規程 ( 株式取扱規程 )0504- 総規 株式取扱規程 ( 昭和 35 年 01 月 01 日制定 ) ( 平成 24 年 04 月 1 日現在 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条当会社における株主権行使の手続きその他株式に関する取扱いについては, 株式会社証券保管振替機

< F2D8ED089EF959F8E C8C628CF F8E8389EF20>

Microsoft Word - 【修正】AMU  定款【170625改訂】クリーン.docx

公益社団法人富山県公共嘱託登記司法書士協会定款

定款

Microsoft Word - å®ı款V3.00_朕絇盋.docx

PowerPoint プレゼンテーション

第 1 章総則 ( 名称 ) 第 1 条当法人 ( 以下 本連盟 という ) は, 一般社団法人日本障がい者バドミントン連盟と称し 英文では Japan Para-Badminton Federation Inc.( 略称 JPBF ) と表示する ( 事務所 ) 第 2 条本連盟は, 主たる事務所

新株予約権発行に関する取締役会決議公告

Ver.3.1 事業協同組合 ( 役員変更 代表理事の退任, 就任 ) 受付番号票貼付欄 事業協同組合変更登記申請書 1. 会社法人等番号 分かる場合に記載してください フリガナ カイ 1. 名称 会協同組合 1. 主たる事務所 県 市 町 丁目 番 号 商号のフリガナ

住友電気工業株式会社株式取扱規則

定 款 公益財団法人日本吟剣詩舞振興会

全 国 柔 整 鍼 灸 協 同 組 合 定 款

                                                         

Ver.3.1 事業協同組合 ( 役員変更 代表理事の重任 出資の総口数及び払込済出資総額の変更 ) 受付番号票貼付欄 1. 会社法人等番号 フリガナ カイ 1. 名称 会協同組合 事業協同組合変更登記申請書 1. 主たる事務所 県 市 町 丁目 番 号 1. 登記の事

Transcription:

生協制度見直し検討会 第 5 回 (H18.10.18) 資料 4 組織 運営規定の見直しについて

目 次 現行の消費生活協同組合における組合運営 1 現行の消費生活協同組合における組合運営 ( 業務執行に疑義がある場合の対応 ) 3 組織 運営規定の見直しについての考え方 5 組織 運営に関する主な規定の各法比較 6 個別の検討事項 組織 運営規定の見直し項目の位置づけ 8 Ⅰ 機関の権限の強化 機関相互の関係の明確化 <1. 役員 > (1) 役員の欠格事由 11 (2) 役員の任期 12 (3) 役員の組合や第三者に対する責任 13 <2. 理事 理事会 > (1) 理事会 代表理事に関する規定の充実 15 (2) 理事の自己契約 利益相反取引に関する承認等 16 <3. 監事 > (1) 監事の基本的な職務 18 (2) 監事の選任等に関する監事の権限 19 (3) 監事による職務に係る費用等の請求 20 (4) 監事による総会提出議案の調査 21 (5) 監事の理事会に関する権限や義務 22 (6) 監事による理事の不法行為差止請求 23 Ⅱ 組合員の意思が反映される運営の確保 (1) 総会の招集手続 25 (2) 総 ( 代 ) 会議決事項 26 (3) 総代会の設置基準 27 (4) 役員の選出方法 ( 選任制度の導入等 ) 28 (5) 理事及び監事の報酬決定手続 29 (6) 組合員代表訴訟 30 Ⅲ 外部監視機能等の強化 <1. 組合員以外の関与 > (1) 員外理事枠の拡大 33 (2) 員外監事設置の義務付け等 34 <2. 組合外部の者等に対する透明性 > (1) 総会議事録の作成 備付け 閲覧 36 (2) 理事会議事録の作成 備付け 閲覧 37 (3) 会計帳簿の作成 保存 閲覧 38 (4) 決算関係書類と作成手続 39 (5) 組合員名簿の作成 備付け 閲覧 40 Ⅳ 行政庁の関与 (1) 行政庁による解散命令 42 Ⅴ その他 (1) 連合会会員の出資一口の金額及び 1 会員の出資口数の限度 45 ( 全 26 項目 ) 2

現行の消費生活協同組合における組合運営 理事会 ( 注 1) 員外理事 理事 理事長 互選 理事理事理事 生 協 2 事業報告書及び決算関係書類に関する意見書 [ 法 ] 1 財産状況及び業務執行状況の監査 [ 法 ] 1 事業報告徴収 調査権 監事 監事 2 監査実施時等の意見陳述権 2 理事等の法令等違反行為に関する報告 3 監査報告書の提出 4 財産状況及び業務執行に関する不整な点の報告 [ 法 ] 3 理事等の法令等違反行為に関する報告 3 監事の意見書を附した事業報告書及び決算関係書類の提出 [ 法 ] 総 ( 代 ) 会で選挙 [ 法 ] 1 事業報告書及び決算関係書類の提出 [ 法 ] 総 ( 代 ) 会で選挙 [ 法 ] 4 財産状況及び業務執行に関する不整な点の報告 [ 法 ] 総 ( 代 ) 会 4 決算日から 3 月以内に事業報告書及び決算関係書類等を提出 [ 法 ] 行政庁 組合員組合員組合員組合員組合員組合員 ( 注 1) 理事会及び理事長については 法令上の規定はない ( 注 2) [ 法 ] は 法令上の記載事項である その他は模範定款例の記載事項である 1

通常の組合運営の流れ 理事及び監事の選出 組合には役員として理事及び監事を置く ( 法第 27 条第 1 項 ) 理事の定数は 5 人以上 監事の定数は 2 人以上 ( 法第 27 条第 2 項 ) 役員は 定款の定めるところにより 組合員又は会員たる法人の役員のうちから 選挙する ( 法第 28 条第 1 項 ) 特別の事由があるときには 理事の定数の 1/5 以内に限り 員外の者から選挙することができる ( 法第 28 条第 2 項 ) 決算 1 理事は 通常総会の 1 週間前までに 事業報告書並びに財産目録 貸借対照表 剰余金処分案及び損失処理案 ( 以下 決算関係書類 と略 ) を監事に提出 ( 法第 40 条第 1 項 ) 2 3 理事は 事業報告書及び決算関係書類を通常総会に提出するときは 監事の意見書を添附 ( 法第 40 条第 3 項 ) 4 組合は 決算日から 3 月以内に 事業報告書及び決算関係書類等を行政庁に提出 ( 省令第 11 条 ) 監事による監査 1 組合の財産の状況を監査すること及び理事の業務執行の状況を監査することは 監事の職務 ( 法第 33 条第 1 号及び第 2 号 ) 2 監事は 監査を行ったとき及び必要があると認めるときは 理事会に出席して意見を述べる ( 模範定款例第 38 条第 3 項 ) 3 監事は監査を行ったときは 意見を付した監査報告書を作成し 総会に報告 ( 模範定款例第 38 条第 2 項 ) 4 財産の状況又は業務の執行につき不整の点があることを発見したときは 総会又は行政庁に報告 ( 法第 33 条第 3 号 ) 監事による調査 1 監事はいつでも理事及び組合の職員に対し事業の報告を求め 又は組合の業務及び財産の状況を調査することができる ( 模範定款例第 39 条第 1 項 ) 2 監事は 調査の結果 理事等が組合の目的の範囲内でない行為その他法令 定款に違反する行為を行い 又は行うおそれがあると認めるとき及び著しく不当な事項があると認めるときは 理事会に報告 ( 模範定款例第 39 条第 2 項 ) 3 監事は 理事会へ報告したにもかかわらず 適切な措置が採られないと認めるときは 総会に報告 ( 模範定款例第 39 条第 5 項 ) ( 注 ) 法 : 消費生活協同組合法 ( 昭和 23 年法律第 200 号 ) 省令 : 消費生活協同組合財務処理規則 ( 昭和 29 年厚生省令第 48 号 ) 模範定款例 : 法第 26 条第 2 項の規定に基づき厚生労働大臣が定めた模範定款例 2

現行の消費生活協同組合における組合運営 ( 業務執行に疑義がある場合の対応 ) 理事会 生 協 2 監査実施時等の意見陳述権 ( 注 1) 監事は理事 使用人と兼職禁止 法 理事の自己契約の理事会承認 理事長 互選 1 財産状況及び業務執行状況の監査 [ 法 ] 4 財産状況及び業務執行に関する不整な点の報告 [ 法 ] 総組合員の 1/5 以上の同意による臨時総会招集請求 法 員外理事 理事 理事理事理事 著しい損害を及ぼす事実の報告義務 総組合員の 1/5 以上の請求による役員解任請求 法 監事 監事 3 監査報告書の提出 4 財産状況及び業務執行に関する不整な点の報告 [ 法 ] 法令違反等における報告徴収 検査 法 措置命令 業務停止命令 解散命令 法 行政庁 総 ( 代 ) 会 総組合員の 3/100 以上の同意による業務等の調査請求 総組合員の 1/10 以上の同意による検査請求 法 総組合員の 1/10 以上の同意による総会決議等の取消請求 法 組合員組合員組合員組合員組合員組合員 ( 注 1) 理事会及び理事長については 法令上の規定はない ( 注 2) [ 法 ] は 法令上の記載事項である その他は模範定款例の記載事項である 3

業務執行に疑義がある場合の組合運営 監事による監査 ( 通常の場合と同様 ) 1 組合の財産の状況を監査すること及び理事の業務執行の状況を監査することは 監事の職務 ( 法第 33 条第 1 号及び第 2 号 ) 2 監事は 監査を行ったとき及び必要があると認めるときは 理事会に出席して意見を述べる ( 模範定款例第 38 条第 3 項 ) 3 監事は監査を行ったときは 意見を付した監査報告書を作成し 総会に報告 ( 模範定款例第 38 条第 2 項 ) 4 財産の状況又は業務の執行につき不整の点があることを発見したときは 総会又は行政庁に報告 ( 法第 33 条第 3 号 ) 未然防止策 監事は 理事又は組合の使用人と兼職禁止 ( 法第 31 条 ) 理事が 自己又は第三者のために組合の事業の部類に属する取引を行うには 理事会において承認が必要 ( 模範定款例第 36 条第 1 項 ) 理事は 組合に著しい損害を及ぼすおそれがある事実を発見したときは 直ちに監事に報告が必要 ( 模範定款例第 40 条 ) 組合員の権利 総組合員の 1/5 以上が 総会の招集を請求したときは 理事は 20 日以内に 臨時総会を招集する ( 法第 35 条第 2 項 ) 総組合員の 1/5 以上の請求により 任期中でも総会において 役員を解任することができる ( 法第 41 条第 1 項 ) 組合員の 1/10 以上が 組合の業務又は会計が法令等に違反する疑があることを理由として 検査請求したとき 行政庁は検査をする ( 法第 94 条第 1 項 ) 組合員の 1/10 以上が 総会の招集手続 議決の方法又は選挙が法令等に違反することを理由として その議決等の日から 1 月以内に取消請求した場合 行政庁は その違反の事実があると認めるときは その議決等を取り消すことができる ( 法第 96 条第 1 項 ) 組合員の 3/100 以上が 監事に対し 組合の業務及び財産の状況の調査を請求することができる ( 模範定款例第 41 条第 1 項 ) 行政庁による監督 行政庁は 組合に法令等を守らせるために必要があると認めるとき等は 組合からその業務又は財産の状況に関し 報告徴収が可能 ( 法第 93 条 ) 行政庁は 組合に法令等を守らせるために必要があると認めるとき等は 何時でも その組合の業務又は会計の状況を検査が可能 ( 法第 94 条第 2 項 ) 行政庁は 検査を行った場合において 業務が法令等に違反している等の場合には 組合に対し 期間を定めて 必要な措置をとるよう命令が可能 ( 法第 95 条第 1 項 ) 組合が措置命令に従わないときは 行政庁は 期間を定めて 業務停止命令が可能 ( 法第 95 条第 2 項 ) 組合基準を欠くに至った場合等で措置命令に従わないときは 行政庁は 組合に対し 解散命令が可能 ( 法第 95 条第 3 項 ) ( 注 ) 法 : 消費生活協同組合法 ( 昭和 23 年法律第 200 号 ) 模範定款例 : 法第 26 条第 2 項の規定に基づき厚生労働大臣が定めた模範定款例 4

組織 運営規定の見直しについての考え方 生協が実施する事業の複雑化等に対応するため 各機関の責任の明確化や監視機能の強化が必要 ( 事業協同組合など他の協同組合も近年ガバナンス強化の動き ) 実態上模範定款例により既に採用されている制度の法令化 機関の権限の強化 機関相互間の 権限の明確化 生協の事業運営における健全性の確保 組合員の意思が反映 される運営の確保 生協に対する外部 監視機能等の強化 5

Ⅰ 機関の権限の強化 機関相互の関係の明確化 1. 役員 事項 組織 運営に関する主な規定の各法比較 生協法農協法改正中協法会社法 役員の欠格事由 役員の任期 ( 総会終結時までの延長 ) 理事 監事共に最長 3 年 ( ) 理事 監事共に最長 3 年 ( ) 役員の組合や第三者に対する責任 2. 理事 理事会 理事は最長 2 年 監事は最長 4 年 ( ) ( 理事会決議による軽減も可 ) 取締役は原則 2 年 監査役は 4 年以内の最終事業年度に係る株主総会終結時 (-) 理事会 代表理事に関する規定の充実 理事の自己契約 利益相反規定に関する承認等 3. 監事 監事の選任等に関する監事の権限 監事による理事の不法行為差止請求 ( 同左 ) Ⅱ 組合員の意思が反映される運営の確保 役員の選出方法 ( 選任制度の導入等 ) ( 指名推薦制度もあり ) 理事及び監事の報酬決定手続 組合員代表訴訟 ( 総会決議取消の訴え等 ) Ⅲ 外部監視機能等の強化 1. 組合員以外の関与 員外理事枠の拡大 5 分の 1 3 分の 1 3 分の 1 上限なし 員外監事設置の義務付け等 2. 組合外部の者等に対する透明性 ( 責任準備金 50 億円以上の共済実施組合については 1 人以上 ) 会計帳簿の作成 保存 閲覧 ( 裁判所の提出命令あり ) 決算関係書類と作成手続 ( 財産目録含む 損益計算書含まず ) ( 財産目録は含まず 損益計算書含む ) ( 組合員数 1000 人以上の組合については 1 人以上 ) ( 監査役会設置会社については 2 分の 1 以上 ) ( 少数組合員の閲覧請求権あり ) ( 少数株主の閲覧請求権あり ) ( 財産目録 損益計算書含 ( 財産目録は含まず 損益 む ) 計算書含む ) 6

< 個別の検討事項 > 7

組織 運営規定の見直し項目の位置づけ 機関の権限の強化 機関相互の権限の明確化 ( 例 ) 理事の自己契約 利益相反取引に関する承認等 理事会 代表理事に関する規定の充実 監事の基本的な職務 理事 理事会 組合員意思の反映の確保 ( 例 ) 総会の招集手続 役員の選出方法 ( 選任制度の導入等 ) 組合員代表訴訟 監事 外部監視機能等の強化 ( 組合員以外の関与 組合外部の者に対する透明性 ) ( 例 ) 員外理事枠の拡大 員外監事設置の義務付け等 理事会議事録の作成 備付け 閲覧 組合員 総 ( 代 ) 会 行政庁の関与 行政庁による解散命令 8

Ⅰ 機関の権限の強化 機関相互の関係の明確化 9

1. 役員 10

Ⅰ-1-(1) 役員の欠格事由 制度の概要役員となることができない者の資格を定める制度 法令上 役員の欠格事由に関する規定は存在しない ( 使用人と兼ねることができないとの規定はある ) 他制度の状況 農協法 役員になることができない者として 1 法人 2 成年後見人等 3 会社法等の規定に定める罪により刑に処せられ その執行を終わった日又は執行を受けないことになった日から2 年を経過していない者 43 以外の罪により禁錮以上の刑に処せられ その執行を終わるまで又は執行を受けないことに至るまでの者が規定されている また 共済事業を行う組合の役員に関する欠格事由として 破産手続開始決定を受けて復権していない者が 追加的に規定されている 中協法 同上 会社法 取締役について 1 法人 2 成年後見人等 3 会社法等の規定に定める罪により刑に処せられ その執行を終わった日又は執行を受けないことになった日から 2 年を経過していない者 43 以外の罪により禁錮以上の刑に処せられ その執行を終わるまで又は執行を受けないことに至るまでの者が規定されている 他法を参考に 共済事業を行う組合の役員に関する追加的欠格事由を含め 生協の役員となることができない者について 定めることとしてはどうか 11

Ⅰ-1-(2) 役員の任期 制度の概要役員の任期を定める規定 役員の任期は 2 年とされている ただし 定款で 3 年以内において別段の期間を定めたときは その期間とするとされている 他制度の状況農協法 役員の任期は 3 年以内において定款で定めるとされている ただし 定款によって その任期を任期中の最終の事業年度に関する通常総会の終結の時まで伸長することができるとされている 定款で定めた役員の員数が欠けた場合には 任期の満了又は辞任により退任した役員は 新たに選任された役員が就任するまで なお役員としての権利義務を有するとされている 中協法 理事の任期は 2 年以内において定款で定める期間とされている 監事の任期は 4 年以内において定款で定める期間とされている 役員任期の伸長規定について 同上 役員欠員時の職務延長規定について 同上 会社法 取締役の任期は 選任後 2 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされている ただし 定款又は株主総会の決議によって 短縮できるとされている 監査役の任期は 選任後 4 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされている 役員欠員時の職務延長規定について 同上 理事については その権限をより適切にチェックする観点から その任期を 2 年以内において定款で定める期間としてはどうか また 監事については その権限をより強化する観点から その任期を 4 年以内において定款で定める期間としてはどうか 役員任期の伸長規定についても 他法にならい 所要の整備をすることとしてはどうか 12

Ⅰ-1-(3) 役員の組合や第三者に対する責任 制度の概要生協の役員が組合や第三者に対して負う責任の内容等について定める制度 組合と役員の関係は民法上の委任関係だと解されているが 法令上 明確な規定は存在しない 役員の組合や第三者に対する責任については 民法の規定が適用され 組合に対しては 委任契約に基づき 善良なる管理者の注意義務をもってその任務を遂行する義務を負い これに反した場合には 債務不履行上の責任を負う また 第三者に対しては 民法に基づく不法行為責任を負うこととなる 他制度の状況農協法 組合と役員の関係は 委任関係であることが法律上に明記されている また 組合の理事及び監事は 組合に対して忠実義務を負うとの規定がある 役員は 任務懈怠の場合は 組合に対して損害賠償責任を負うとされており この責任は 組合員全員の同意がなければ免除することができない ただし 役員が善意無重過失の場合は 総会の特別決議により賠償額を一部免除できるとされている また 役員は 職務を行うについて悪意又は重過失があった場合には 第三者に対して損害賠償責任を負うこととされている 中協法 農協法と同様の制度に加えて 役員が善意無重過失の場合には 組合に対する責任を総会の特別決議ではなく 理事会の決議により一部免除できる旨を定款で定めることができることとされている また 員外理事等については 善意無重過失の場合には 責任の範囲を一定額に限定する旨の契約を当該役員と締結できる旨を定款で定めることができるとされている 会社法 中協法と同様の規定が置かれている 農協法にならい 組合と役員の関係が委任関係であることを明確化し それに基づく忠実義務や責任及びその免除の方法について定めることとしてはどうか また 組合が第三者に対して責任を負う場合についても 定めることとしてはどうか 13

2. 理事 理事会 14

Ⅰ-2-(1) 理事会 代表理事に関する規定の充実 制度の概要組合の業務執行機関として理事会を設け 組合の業務に関する代表権を有する機関として代表理事をおくもの 法令上 理事会や代表理事に関する規定は存在しない 他制度の状況農協法 組合はすべての理事で組織する理事会を置かなければならないとされ 理事会は組合の業務執行を決し 理事の職務の執行を監督するとされている また 理事会の招集権者 招集手続に関する規定が設けられている 理事会の決議により代表理事を定めなければならないなど代表理事に関する規定や 組合を代表する権限を有すると認められる名称を付した理事の行った行為については その者が代表権を有しない場合でも 組合は善意の第三者に対してその責任を負うとする いわゆる 表見代表理事 に関する規定が設けられている 農協法には 理事会のほか 経営管理委員会に関する規定が設けられている 中協法 同上 このほか 定款の定めるところにより 理事が理事会の決議の目的たる事項について提案した場合において 理事の全員が書面又は電磁的方法により同意の意思表示をしたときは 当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなすことができるとされている 会社法 代表取締役は 取締役の互選又は株主総会の決議で定めることができるとされている その他 取締役会設置会社について 中協法と同様の規定が設けられている 他法にならい 理事会や代表理事に関する規定を整備することとしてはどうか 15

Ⅰ-2-(2) 理事の自己契約 利益相反取引に関する承認等 制度の概要理事が1 自己又は第三者のために組合と取引をしようとするとき 2 理事以外の者との間において組合と当該理事との利益が相反する取引をしようとするときは 理事会の承認を必要とする制度 法令上 理事と組合間の契約に関しては 監事が組合を代表する旨の規定が設けられているが 契約に際して 理事会の承認が必要とする規定は存在しない 他制度の状況 農協法 理事は 理事会の承認を受けた場合に限り 組合と契約することができることとされている なお これにより承認を要するのは 1 自己又は第三者のために取引をしようとする場合や2 理事以外の者との間において組合と理事との利益が相反する契約をする場合も含むと解されている 中協法 1 理事が自己又は第三者のために組合と取引をしようとするとき 2 理事以外の者との間において組合と当該理事との利益が相反する取引をしようとするときは 理事会において当該取引につき重要な事実を開示し その承認を受けなければならないものとされている 会社法 取締役について 同上 理事の自己契約や利益相反取引が独断で行われ 組合が財産上の被害を被ることを防止するため 他法にならい 理事が 1 自己又は第三者のために組合と取引をしようとするとき 2 組合が理事以外の者との間で行う 理事と組合との利益が相反する取引をしようとするときは 理事会の承認を必要とする規定を整備することとしてはどうか 16

3. 監事 17

Ⅰ-3-(1) 監事の基本的な職務 制度の概要監事が行うべき基本的な職務を定めるもの 法令上 監事は 組合の財産状況及び理事の業務執行の状況を監査することとされており これらに不整の点があることを発見したときは これを総会又は所管行政庁に報告することとされている ただし 法令上 生協の子会社等に対する財産状況等の監査に関する規定はない 他制度の状況 農協法 監事は 理事の職務の執行について監査し 監査報告を作成しなければならないとされている また 理事や使用人に対して事業の報告を求めたり 組合の業務や財産状況を調査することができるとされている また 監事は 職務を行うため必要があるときは 農協の子会社等に対して事業の報告を求め 又は その業務や財産状況を調査することができるとされている 監事は 理事が不正行為をしたり そのおそれがあると認めるときや 法令や定款に違反し また 著しく不当な事実があると認めるときは これを理事会に報告しなければならないとされている 中協法 同上会社法 監査役について 同上 他法にならい 監事が行うべき基本的な職務として 新たに監査報告の作成や 理事や生協の子会社等に対する業務の状況の調査など 必要なものを規定してはどうか また その他に 理事が不正行為をした場合等一定の場合においては 監事の理事会に対する報告を義務づけることとしてはどうか 18

Ⅰ-3-(2) 監事の選任等に関する監事の権限 制度の概要監事の選任等に関して 監事が関与する権限に関する制度 法令上 監事の選任議案に関する監事の同意や監事の選任等に関する監事の意見等の陳述に関する規定は存在しない 他制度の状況 農協法 理事は 監事の選任議案を総会に提出するには 監事の同意を得なければならないとされている また 監事は 理事に対し 監事の選任を総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を総会に提出することを請求することができる 監事は 総会において 監事の選任や解任 辞任について意見を述べることができるとされている また 監事を辞任した者は 辞任後最初に招集される総会に出席して 辞任した旨とその理由を述べることができるとされている 中協法 同上 会社法 監査役の選任等について 同上 監事の独立性を担保し 適切な監査が行われるようにするため 他法にならい 監事の選任議案に関する監事の同意 監事の選任 解任 辞任に関する意見の陳述等に関する規定を設けることとしてはどうか 19

Ⅰ-3-(3) 監事による職務に係る費用等の請求 制度の概要監事がその職務の執行に係る費用を組合に請求できるとする制度 法令上 監事の職務執行に係る費用等の組合に対する請求に関する規定は存在しない 他制度の状況 農協法 監事が その職務の執行について 1 費用の前払の請求 2 支出費用及びその利息償還請求 3 負担した債務の弁済請求を行った場合 その費用等が 当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き これを拒否することができないとされている 中協法 同上 会社法 監査役について 同上 監事の円滑な監査活動を確保するため 他法にならい 監事が その職務執行に係る費用等を請求することができ 原則として 組合はそれを拒否することができないとする規定を設けることとしてはどうか 20

Ⅰ-3-(4) 監事による総会提出議案の調査 制度の概要監事は 理事による総会提出議案を調査しなければならないとする制度 生協法上 理事が事業報告書や決算書類を通常総会に提出するときは 監事の意見書を添附しなければならないとされているが 理事が総会に提出しようとする議案に対する監事の調査義務に関する規定等は存在しない 他制度の状況 農協法 監事は 理事が総会に提出しようとする議案 書類等を調査しなければならないとされている この場合 法令や定款に違反し 又は著しく不当な事項があると認めるときは その調査結果を総会に報告しなければならないとされている 中協法 同上 会社法 監査役について 同上 他法にならい 監事による総会提出議案に関する調査義務について定める規定や 法令等に違反する場合の調査結果報告義務について定める規定を設けることとしてはどうか 21

Ⅰ-3-(5) 監事の理事会に関する権限や義務 制度の概要監事が理事会に出席すべきことや理事会の招集を請求する権利等について定める制度 法令上 監事の理事会に関する権限等に関する規定は存在しない 農協法 他制度の状況 理事が不正の行為をした場合やそのおそれがあると認めるとき 又は法令や定款に違反する事実や著しく不当な事実があると認めるときに 理事会にその旨を報告しなければならないとされている また 監事は 理事会に出席し 必要があると認めるときは 意見を述べなければならないとされている その場合には 監事が理事会の招集請求を行うことができ 請求日から 5 日以内に 請求日から 2 週間以内を開催日とする招集通知が発せられないときは 請求を行った監事は 理事会を招集することができるとされている 中協法 同上 会社法 監査役について 同上 他法にならい 理事の不正行為について理事会への報告義務や監事の理事会出席義務に関する規定等を設けることとしてはどうか 22

Ⅰ-3-(6) 監事による理事の不法行為差止請求 制度の概要理事が法令等に違反する行為をした場合などに 監事が当該行為を行うことを差し止めることができるとする制度 法令上 監事による理事の不法行為差止請求に関する規定は存在しない 他制度の状況 農協法 監事は 理事が法令や定款に違反する行為をした場合やそのおそれがある場合で 当該行為によって組合に著しい損害が生ずるおそれがあるときは 当該理事に対して その行為をやめることを請求することができるとされている 中協法 同上 会社法 監査役の取締役に対する不法行為差止請求について 同上 他法にならい 監事は 理事が法令や定款に違反する行為をした場合で 当該行為によって組合に著しい損害が生ずるおそれがあるときは 監事の職務権限の一環として 当該理事に対してその行為の差止請求をすることができるとしてはどうか 23

Ⅱ 組合員の意思が 反映される運営の確保 24

Ⅱ-(1) 総会の招集手続 制度の概要総会を招集する場合に定めるべき事項や招集通知の発出等総会の招集手続を定める制度 総会の招集は 原則として理事 ( 理事を欠く場合等は監事 ) が行うこととされているが 総会の日時及び場所など 総会招集時に定めるべき事項については 特段規定されていない ( ただし 会議の目的たる事項を示して招集することとされている ) 総会の招集通知については 総会の 5 日前までに発出することとされている 他制度の状況農協法 総会の招集は 原則として理事 ( 理事を欠く場合は監事が行う等の例外あり ) が行うこととされており 招集に際して 理事は 総会の日時及び場所 総会の目的事項等を 理事会の議決により定めなければならないとされている 総会の招集通知については 総会の10 日前までに発出することとされている 中協法 総会の招集は 原則として理事会が行うこととされているが ( 例外として 行政庁の許可を受けての総会招集請求組合員による招集あり ) 総会の招集を行う場合に 会議の目的である事項を示すこととする規定はあるものの 具体的に招集に際して決定すべき事項に関する定めはない 総会の招集通知については 総会の10 日前までに発出することとされている 会社法 株主総会の招集は 原則として取締役 ( 例外として 裁判所の許可を受けての株主総会招集請求株主による招集あり ) が行うこととされており 招集に際して 取締役は 総会の日時及び場所 総会の目的事項等を 理事会の議決により定めなければならないとされている 総会の招集通知については 原則として株主総会の2 週間前までに発出することとされている 会議の日時及び場所など 総会の招集を行う場合に定めるべき事項やそれらを決定する機関に関する規定を整備してはどうか また 組合員数の増加に伴う総会の大規模化 議決事項の複雑化に対応するため 招集通知の発出期限を総会の 5 日前から 10 日前までに延長してはどうか 25

Ⅱ-(2) 総 ( 代 ) 会議決事項 制度の概要総会や総代会で議決すべき事項について定める制度 定款の変更 規約の設定 変更等 組合の解散及び合併又は借入金の最高限度額等一定の事項については 総会の議決を経なければならないとされており 総代会についても総会に関する規定が準用されるとされている ただし 組合の解散及び合併については 総代会において 議決することはできないとされている 他制度の状況農協法 定款の変更等一定の事項について 総会の議決事項とされているが 借入金の最高限度額等については 総会の議決事項とはされていない また 共済規程の変更のうち軽微な事項については 定款により総会決議事項から除外できるとされている 組合の解散及び合併については 総代会でも議決することができるとされている 総代会で解散等決議がされた場合には 全組合員に通知をすることが必要であり 一定数以上の組合員からの総会招集請求があった場合には 当該総会での承認がなければ 当該合併等決議の効力は失われるとされている 中協法 総会の議決事項については 同上 組合の解散及び合併については 総会の専決事項とされている 会社法 取締役会設置会社においては 定款の変更等会社法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り 決議をすることができるとされている 組合員数が一定以上の組合においては 総会開催が困難な場合も多く 解散及び合併を総会専決事項とすると支障があることから 組合の解散及び合併について 総代会での決議がされた場合の全組合員への通知や 一定数以上の組合員からの総会招集請求があった場合の総会での承認に関する規定を設けた上で 総代会においても議決できることとしてはどうか また 他法の規定等も参考に 借入金の最高限度額については総会の議決を不要とするなど議決事項についての必要な見直しを行うこととしてはどうか 26

Ⅱ-(3) 総代会の設置基準 制度の概要組合員全員によって構成される総会に代わり設けられる 組合員を代表する総代から構成される機関である総代会を設けることができるとされる組合員数の基準 1000 人以上の組合員を有する組合は 定款の定めるところにより 総会に代わるべき総代会を設けることができるとされている 他制度の状況 農協法 500 人以上の組合員を有する組合は 定款の定めるところにより 総代会を設けることができるとされている 中協法 200 人以上の組合員を有する組合は 定款の定めるところにより 総代会を設けることができるとされている 組合員数が一定の規模以上になった場合には 総会の開催が困難な場合も多いことから 定款の定めるところにより 総代会を設けることが可能となる組合員数規模の基準を 1000 人から引き下げることとしてはどうか 27

Ⅱ-(4) 役員の選出方法 ( 選任制度の導入等 ) 制度の概要役員を総会の議決 ( 多数決 ) によって選出するもので あらかじめ一定の手続により選定した役員候補者を 一つの議案として総会に提出し これに対する賛否を問う方法 法令上 定款の定めるところにより 選挙することとされており その他の選出方法に関する規定は存在しない 他制度の状況 農協法 定款の定めるところにより 総会において選挙することとされている 選挙の方法については 無記名投票によること等が定められている また 定款の定めるところにより 組合員が総会において選任することができるとされている 中協法 同上 さらに 出席者内に異議がないときは 指名推薦 ( ) の方法によって 役員を選任することができるとされている 指名推薦 : 被指名人を当選人とすべきかどうかを総会に諮り 出席者全員の同意を得られた場合には 当選人とするもの 会社法 役員は 株主総会の決議によって選任することとされている 役員の選出方法については 現行どおり 選挙を原則とした上で 無記名投票によることなど必要な選挙に関する手続規定を設けることとしてはどうか また 組合の果たす機能の複雑化 高度化に伴い 役員に適材適所やチームワーク等がこれまで以上に求められるようになってきたこと等から 他法にならい 定款の定めるところにより 選任制度により 役員を選出できることとしてはどうか 28

Ⅱ-(5) 理事及び監事の報酬決定手続 制度の概要理事及び監事の報酬の決定手続を定める制度 法令上 理事及び監事による報酬の決定手続に関する規定は存在しない 他制度の状況 農協法 理事の報酬 賞与等については 定款に1 額が確定しているものについてはその額 2 額が確定していないものについては具体的な算定方法 3 金銭以外のものについては具体的な内容 を定めていないときは 総会決議によって定めることとされている また 総会に報酬に関する議案を提出した理事は 総会において その議案を相当とする理由を説明しなければならないとされている 監事の報酬 賞与等は 定款にその額を定めていないときは 総会の決議によって定めることとされている また 監事が2 人以上いる場合で 各監査役の報酬について定款の定めや総会決議がないときは その範囲内で 監事の協議によって定めることとされている また 監事は 総会において 報酬等について 意見を述べることができるとされている 中協法 同上 会社法 取締役及び監査役の報酬について 同上 他法にならい お手盛り防止の観点や監事の独立性の確保の観点から 理事及び監事の報酬については 定款に定めがないときは 総会で決定することなど その決定手続について規定を設けることとしてはどうか 29

Ⅱ-(6) 組合員代表訴訟 制度の概要組合員が訴訟により不適正な運営の是正を求める権利を認める制度 法令上 役員の責任追及の訴え等 組合員代表訴訟に関する規定は存在しない 農協法 他制度の状況 以下の組合員代表訴訟等について規定されている 1 理事の違法行為差止めの訴え 3 総会の決議取消の訴え 5 出資一口金額減少無効の訴え 7 合併無効の訴え 2 役員 清算人の責任追及の訴え 4 総会決議事項無効確認 不存在確認の訴え 6 設立無効の訴え 2 など 組合と理事との間の訴訟については 監事が組合を代表することと定められている 中協法 同上 会社法 同上 組合員による適正な組織運営の確保を可能とするため 組合員代表訴訟について 他法にならい 規定を設けることとしてはどうか 30

Ⅲ 外部監視 機能等の強化 31

1. 組合員以外の関与 32

Ⅲ-1-(1) 員外理事枠の拡大 制度の概要組合員又は会員たる法人の役員以外の理事 ( 学識経験者等 ) を活用するための規定 法令上 理事定数の 1/5 以内で員外理事 ( 組合員又は会員たる法人の役員以外の理事 ) を選出することが認められている ( 理事の定数 :5 人以上 ) 他制度の状況 農協法 理事の2/3 以上は組合員又は組合員たる法人の役員から選出することが義務付けられている (1/3 以内であれば員外理事も認められている ) ( 理事の定数 :5 人以上 ) 中協法 同上( ただし 理事の定数は3 人以上 ) 会社法 法律において 株式会社は 非公開株式会社である場合を除き 取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない 員外からも広く人材を登用することが望ましいことから 他法にならい 員外理事枠を現行の理事定数の 1/5 以内から 1/3 以内に拡大してはどうか 33

Ⅲ-1-(2) 員外監事設置の義務付け等 制度の概要組合員又は会員たる法人の役員以外の監事 ( 学識経験者等 ) を活用するための規定 法令上 員外監事の設置を可能とする規定及び員外監事の設置を義務付ける規定はない ( 監事は 組合員又は会員たる法人の役員のうちから選出することとされており 定数は 2 人以上とされている ) 他制度の状況農協法 監事について特段 組合員に限定する等の資格制限を設けていない また 共済事業を行う農協のうち 事業年度開始時における責任準備金額が50 億円以上のものについては 監事のうち1 名以上は 当該組合の組合員 組合員たる法人の役員 使用人以外の者であって その就任前 5 年間 当該組合の役員や使用人等でなかった者でなければならないことを義務付けている ( 監事の定数 :2 人以上 ) 中協法 法律において 監事について特段の組合員に限定する等の資格制限を設けていない また 組合員( 連合会の場合は 会員たる組合の組合員 ) が1,000 人以上の組合 ( 予定 ) については 監事のうち1 名以上は 当該組合の組合員 組合員たる法人の役員 使用人以外の者であって その就任前 5 年間 当該組合の役員や使用人等でなかった者でなければならないことを義務付けている 会社法 監査役会設置会社においては 監査役の半数以上は社外監査役でなければならない旨の規定がある 他法にならい 組合の果たす機能の複雑化 高度化等に伴い 客観的 第三者的な立場から業務執行の是非について意見を述べることが重要となってくることから 員外監事の選出を可能としてはどうか また 組合員数が多数の場合 組合員の自治意識が希薄化している場合があり こうした組合員が監事を務めた場合 監事による監査が適切に機能しないことも考えられ また その必要性は事業の種類によっても異なると考えられるため 組合員数が一定規模以上の組合で 購買事業や共済事業等の実質的な事業を行う組合など一定の組合について 員外監事の設置を義務付けることとしてはどうか 34

2. 組合外部の者等に対する透明性 35

Ⅲ-2-(1) 総会議事録の作成 備付け 閲覧 制度の概要組織の最高意思決定機関である総会における議事内容につき 議事録の作成方法や関係者への閲覧方法を定める規定 農協法 法令上 総会議事録の作成義務や作成方法に関する規定はないものの 総会議事録の各事務所への備付け 組合員及び組合の債権者の閲覧請求に関する規定は存在している 他制度の状況 総会議事録の作成方法 ( 電磁的記録を含む ) 記載事項についての規定が存在する また 総会議事録の備付け ( 主たる事務所は 10 年間 従たる事務所へは写しを 5 年間 電磁的記録を含む ) 組合員及び組合の債権者の閲覧請求に関する法令上の規定が存在している また 閲覧請求に対しては 正当な理由がない場合は請求を拒むことができない 旨の規定が置かれている 中協法 同上 会社法 株主総会の議事録について同上 他法における総会議事録記載事項 総会が開催された日時及び場所 総会の議事の経過の要領及びその結果 総会に出席した役員の氏名 など 他法にならい 法令上 総会議事録の作成義務や作成方法について明確に定めるなど 総会議事録の作成 備付け 閲覧について 必要な整備を行うこととしてはどうか 36

Ⅲ-2-(2) 理事会議事録の作成 備付け 閲覧 制度の概要理事会における議事内容につき 議事録の作成方法や関係者への閲覧方法を定める規定 法令上 理事会議事録の作成 備付け 閲覧に関する規定は存在しない 他制度の状況 農協法 理事会の議事については 議事録( 電磁的記録を含む ) を作成し 出席した理事及び監事は これに署名し 又は記名押印 ( 電磁的記録の場合は それに代わる措置 ) しなければならないとされている 主たる事務所には理事会の日から10 年間 ( 従たる事務所の場合は5 年間 ) 議事録を備え置かなければならず 組合員は 業務時間内はいつでも議事録の閲覧等の請求が可能とされている 一方 組合の債権者については 裁判所の許可が必要とされている 中協法 議事録の作成 備付けについては 同上 議事録の閲覧等の請求については 組合の債権者も組合員と同様に 業務時間内はいつでも請求可能となっている 会社法 取締役会設置会社について 農協法と同様の規定が設けられている 他法における理事会議事録記載事項 理事会が開催された日時及び場所 総会の議事の経過の要領及びその結果 理事会に出席した役員の氏名など 他法にならい 理事会議事録の作成 備付け 閲覧に関する規定を整備することとしてはどうか その際 組合の債権者についても制限なく議事録の閲覧請求を認めることとしてはどうか 37

Ⅲ-2-(3) 会計帳簿の作成 保存 閲覧 制度の概要組織の会計状況を適切に把握するための会計帳簿の作成保存義務 閲覧方法や記載内容を定める規定 省令において 会計帳簿の作成が義務づけられているものの その保存や閲覧に関する規定は 法令上 設けられていない 他制度の状況 農協法 適時に 正確な会計帳簿を作成する義務及び 会計帳簿閉鎖の時から10 年間の保存義務に関する規定がある また 訴訟時における訴訟当事者に対する 裁判所による会計帳簿の提出命令に関する規定あり 中協法 上記の作成 保存義務のほか 総組合員の 3/100( 共済事業実施組合は 1/10) 以上の同意を得た場合の組合員の閲覧請求権に関する規定がある その際 閲覧請求に対しては 正当な理由がない場合は請求を拒むことができない 旨の規定が置かれている 訴訟時における訴訟当事者に対する 裁判所による会計帳簿の提出命令に関する規定なし 会社法 会計帳簿の作成 保存義務及び少数株主による閲覧請求につき同上 ( ただし 閲覧請求を拒否できる理由は法律上 限定列挙されている ) 訴訟時における訴訟当事者に対する 裁判所による会計帳簿の提出命令に関する規定あり 他法にならい 会計帳簿の作成義務 保存義務 (10 年間 )( 電磁的記録を含む ) に関する規定を設けてはどうか また 中協法等にならい 少数組合員による閲覧請求を可能としてはどうか 38

Ⅲ-2-(4) 決算関係書類と作成手続 制度の概要決算関係書類の関係者への閲覧方法や備えるべき書類の種類を定める規定 理事は 通常総会の会日から 1 週間前間までに 決算関係書類 ( 財産目録 貸借対照表及び剰余金処分案又は損失処理案 ) 事業報告書を監事に提出し かつ これらを主たる事務所に備えておかなければならないとされている 組合員及び組合の債権者は当該書類の閲覧請求をすることができるとされている 法令上 決算関係書類等の保存期間及び備置期間についての規定は存在しない 他制度の状況 農協法 理事は 貸借対照表 損益計算書 剰余金処分案又は損失処理案 事業報告書及び付属明細書の作成義務を負う 本書類については 監事の監査や理事会の承認を受けなければならず 総会に当該書類を提出する必要がある 通常総会の日の2 週間前から 主たる事務所においては5 年間 ( 従たる事務所においては3 年間 ) の備付け義務及び作成日から10 年間保存義務を負う 組合員及び組合の債権者は決算関係書類等の閲覧請求が可能であり 組合は 正当な理由がないのにこれを拒んではならない こととされている 中協法 組合は 財産目録 貸借対照表 損益計算書 剰余金処分案又は損失処理案及び事業報告書の作成義務を負う その他については ほぼ同上会社法 株式会社は 計算書類( 貸借対照表 損益計算書 ) 事業報告書及び付属明細書の作成義務を負う その他については ほぼ同上 他法にならい 理事が各事業年度ごとに作成しなければならない決算書類として 損益計算書や付属明細書を加えるなど 所要の整備を行うこととしてはどうか また 他法にならい 決算関係書類等に関する備付け期間や保存期間について 規定を設けるなど 必要な整備を行うこととしてはどうか 39

Ⅲ-2-(5) 組合員名簿の作成 備付け 閲覧 制度の概要構成員である組合員の名簿の関係者への閲覧方法や記載内容を定める規定 法令上 組合員名簿の主たる事務所への備付けが義務付けられており 組合員及び組合の債権者は閲覧を求めることができるとされている 他制度の状況 農協法 組合員名簿の作成義務及び記載事項について定められている 組合員名簿の主たる事務所への備付け( 電磁的記録を含む ) が義務づけられており 組合員及び組合の債権者は閲覧又は謄写を求めることができる また 正当な理由がない場合は請求を拒むことはできない こととされている 中協法 同上 会社法 株主名簿の作成義務 記載事項及び備付けについて同上 なお 閲覧請求については 株主及び債権者は請求の理由を明らかにした上で閲覧又は謄写を求めることができる とされており 法律上明記された理由に該当する場合を除き請求を拒むことはできないとされている 組合員がその権利の行使 ( 例 : 議決の取消し又は無効 理事の責任追及等の訴えの提起 不服の申出 検査の請求等 ) を行う前提として必要であること等から 他法にならい 組合員名簿の作成義務及び記載事項について定めるなど 組合員名簿の作成 備付け 閲覧について 必要な整備を行うこととしてはどうか 40

Ⅳ 行政庁の関与 41

Ⅳ-(1) 行政庁による解散命令 制度の概要行政庁による解散命令を規定する制度 1 組合基準を欠くに至った場合 2 名義貸しを行った場合 3 法律の規定に基づいて行うことができる事業以外の事業を行った場合 4 員外利用の規定に違反した場合 5 正当な理由がなく 1 年以上その事業を休止し 又は正当な理由がなく組合成立後 1 年以内に事業を開始しない場合であって 行政庁による検査を行った場合において 措置命令を出したにもかかわらず これに従わないときに限り 行政庁はその組合の解散を命ずることができるとされている 組 合 行政庁 1 報告の徴収法令 法令に基づいてする行政庁の処分 定款若しくは規約を守らせるために必要があると認めるときは 組合からその業務又は財産の状況に関し 報告徴収が可能 2 検査 組合の業務又は会計の状況を検査することが可能 3 の 措置命令 を出せるケース その業務又は会計が法令 法令に基いてする行政庁の処分又は定款若しくは規約に違反している場合 正当な理由がなくて 1 年以上その事業を休止し 又は正当な理由がなくてその成立後 1 年以内にその事業を開始しない場合 会計経理が著しく適正でない場合 3 措置命令 期間を定めて 必要な措置を採るべき旨を命ずることができる 4 解散命令 3 の命令に従わないときは 組合の解散を命ずることができる 4 の 解散命令 を出せるケース 以下の生協法違反の場合に限られる 組合が組合基準を欠くに至った場合 ( 法第 2 条第 1 項各号 ) 名義貸しを行った場合 ( 法第 3 条第 3 項 ) 組合が法律の規定に基づいて行うことができる事業以外の事業を行った場合 ( 法第 10 条 ) 員外利用の規定に違反した場合 ( 法第 12 条第 3 項 ) 正当な理由がなく 1 年以上その事業を休止し 又は正当が理由がなく組合成立後 1 年以内にその事業を開始しない場合 ( 法第 95 条第 1 項第 2 号 ) 42

農協法 他制度の状況 1 行政庁が報告徴収又は検査を行った場合において 組合が法令に違反したと認められ 措置命令をしたにもかかわらず 組合が当該命令に従わないとき 2 組合が法律の規定に基づいて行うことができる事業以外の事業を行ったとき 3 正当な理由がないのに 組合成立の日から 1 年以内に事業を開始せず 又は 1 年以上事業を停止したときは 行政庁はその組合の解散を命ずることができるとされている 中協法 1 行政庁が組合の業務若しくは会計が法令若しくは法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款 規約等に違反する疑いがあり 又は組合の運営が著しく不当である疑いがあると認め 報告徴収又は検査を行った場合において 措置命令をしたにもかかわらす 組合が当該命令に違反したとき 2 正当な理由がないのに 組合成立の日から 1 年以内に事業を開始せず 又は引き続き 1 年以上その事業を停止していると認めるときは 行政庁はその組合に対し解散を命ずることができるとされている 協同組合は 自発的な発生 運営を尊重するべきであり 行政庁による解散の命令は 慎重に行わなければならないが 法令に違反した場合において 行政庁が措置命令を出したにもかかわらず これに従わないときは 違反の事由にかかわらず 行政庁が解散命令を出せることとしてはどうか 43

Ⅴ その他 44

Ⅴ-(1) 連合会会員の出資一口の金額及び 1 会員の出資口数の限度 制度の概要連合会会員の出資一口の金額及び1 会員の出資口数を定めるもの 農協法 連合会会員の出資一口金額は 通常負担できる程度とし 且つ 均一でなければならないとされている 出資一口の金額は 定款の記載事項とされている また 1 会員の有することのできる出資口数の限度は 会員の総出資口数の 4 分の 1( 購買事業 利用事業 生活文化事業及び共済事業のうちいずれかの事業 ( 以下 経済事業 とする ) を行う連合会は 2 分の 1) を超えない範囲とされている 他制度の状況 出資一口の金額は 均一でなければならないとされており 定款の記載事項とされている 出資口数の限度はない 中協法 出資一口の金額は 均一でなければならないとされており 定款の記載事項とされている 1 会員の出資口数は 出資総口数の100 分の35を超えてはならないとされている ( ただし 持分の全部を譲り渡す他の会員から譲り受ける場合などは100 分の50まで保有できる特例がある ) なお 会員数が3 以下の場合には この規定は適用しないこととされている 会員には原則として出資口数に関わらず議決権が付与されることから民主的な運営が可能である中で 経済事業を行う連合会の経営基盤をさらに安定的なものにするため 経済事業を行う連合会については 会員の総出資口数の制限を撤廃することとしてはどうか 45