資料2

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(審31)資料5-1 住民意向調査の結果及び住民帰還等に向けた取組について

福島原発事故はチェルノブイリ事故と比べて ほんとうに被害は小さいの?

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福島県立医科大学復興基本構想 計画 福島県復興計画 医療拠点しての復興基本構想 計画 県民の心身の健康を守るプロジェクト 県民の健康保持 増進 地域医療の再構築 最先端医療提供体制の整備 被災者等の心のケア 1 福島県 県民健康管理調査 2 最先端診断 治療拠点整備による早期診断 早期治療 医療関連

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参考資料 国道 6 号及び県道 36 号に関する帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更について : 通行証確認が不要となるルート : 引き続き通行証確認が必要なルート : 帰還困難区域


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「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針第二次追補(政府による避難区域等の見直し等に係る損害について)」

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老発第    第 号

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福島第一原発事故の避難指示解除の基準をめぐる経緯

Microsoft PowerPoint - 資料6 福島県県民健康調査「甲状腺検査」の現状について

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reference3

放射線とは 物質を通過する高速の粒子 高いエネルギーの電磁波高いエネルギの電磁波 アルファ (α) 線 ヘリウムと同じ原子核の流れ薄い紙 1 枚程度で遮ることができるが エネルギーは高い ベータ (β) 線 電子の流れ薄いアルミニウム板で遮ることができる ガンマ (γ) 線 / エックス (X) 線

原子力被災者への対応に関する当面の取組のロードマップ の進捗状況 平成 23 年 12 月 16 日原子力災害対策本部 5 月 17 日に決定した 原子力被災者への対応に関する当面の取組のロードマップ の進捗状況は 以下のとおり 1. 避難者等に対する支援の取組み (1) 一時立入りの実施 警戒区域

中間指針第四次追補に関するQ&A集


IAEA Report DOC

April 21,2015 原子力委員会定例会合同庁舎 8 号館 5 階 C 会議室 - 福島における放射線リスク評価と管理その壁は何か - 中西準子 ( 国 ) 産業技術総合研究所名誉フェロー横浜国大名誉教授

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fsc

放射線被ばくによる小児の 健康への影響について 2011 年 5 月 19 日東京電力福島原子力発電所事故が小児に与える影響についての日本小児科学会の考え方 本指針を作成するにあたり 広島大学原爆放射線医科学研究所細胞再生学研究分野田代聡教授の御指導を戴きました 御尽力に深く感謝申し上げます

1 放射線のホント ってほんとうなの? (中略) 放射線のホント 1 頁甲状腺がんの多発 作業員の肺がん死 被ばくに安全な量はない など 放射線そのものが人々を苦しめています 放射線のホント は放射能影響を風評被害にスリ替えています 放射線のホント 原文を読みながら問題点を考えてみました

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復興 5 年間の現状と課題 ( 概要 ) 復興期間 10 年の折り返し平成 23~27 年度 集中復興期間 平成 28~32 年度 復興 創生期間 インフラ復旧は概ね終了 住宅の再建が最盛期 被災者の心身のケアや 産業の再生が重要 福島においては 順次 避難指示を解除 住民の帰還に向けた環境整備を進

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平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

防護体系における保守性

降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

1. 避難指 の解除と帰還に向けた取組 (1) 村市 : 平成 26 年 4 1 避難指 解除準備区域を解除 避難指 解除から約 2 年が経過し 解除後の転 等も含めて の61% 世帯の68% ( 注 1) の が居住 <20km 圏内 > ( 平成 27 年 11 末時点 ) コミュニティの再 援

2. 調査対象 国道 114 号等を自動車で通行する運転手等の被ばく線量 国道 114 号等で 事故 車両の故障等のために車外に待機した運転手等の被ばく線量 3. 調査方法 (1) 調査対象区間 ( 図 1) 経路 1: 国道 114 号川俣町 / 浪江町境界付近 ~ 浪江 IC 付近 [27.2k

学んで、考えてみよう 除染・放射線のこと 使い方

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

2011 年 11 月 25 日 - 低線量被ばく WG 資料 低線量被ばくの健康リスクとその対応 大分県立看護科学大学 人間科学講座環境保健学研究室 甲斐倫明

食品安全委員会はリスク評価機関 厚生労働省農林水産省 食品安全委員会消費者庁等 リスク評価 食べても安全かどうか調べて 決める 機能的に分担 相互に情報交換 リスク管理 食べても安全なようにルールを決めて 監視するルを決めて 2

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第49回)

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資料 2 原 災害からの福島復興の進捗について 平成 30 年 3 原 災害対策本部

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担当係:環境防災課環境係

平成 30 年 3 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁 福島県 大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 世帯の代表者 (5,218 世帯 ) 2. 調査時期 : 平成 30 年 1 月 4 日 ~1 月 18 日 3. 調査方法 : 郵送配布 郵送回収 4. 回答者数 :

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF CC95FA8ECB90AB95A88EBF82C982E682E98C928D4E89658BBF82C982C282A282C F38DFC A2E >

論文タイトル

避難指示解除と帰還に向けた取組 1 田村市 平成26年4月1日 避難指示解除準備区域を解除 避難指示解除から約2年が経過し 解除後の転入等も含めて人口の61 世帯の69 注1 の方が居住 20km圏内 平成28年2月末時点 コミュニティの再生支援等 復興に向けた取組を継続中 避難指示区域の概念図 注

セシウム 134 セシウム 137 の放出割合 それぞれの線量の強さ 物理的減衰 ( 半減期 ) 浸透 拡散等による自然減衰を考慮すると 放出後 3 年程度で半減 10 年で約 1 割まで 放射線は低減 しかし それ以上はセシウム 137( 半減期 30 年 ) の影響がより多く残るので低減する率は

はじめに 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故により大量の放射性物質が放出され 環境の汚染が生じた このため 国及び市町村等は 人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的として 放射性物質により汚染された土壌等の除染の措置 (

目次 はじめに P1 1. 避難指示の解除と帰還に向けた取組を拡充する P3 (1) 帰還に向けた安全 安心対策 (2) 復興の動きと連携した除染の推進等 (3) 福島再生加速化交付金を活用した帰還支援の着実な実施 (4) 避難指示解除の見通しの提示とそれに向けた環境整備の加速 (5) 帰還のための

2 各区域共通の留意点 避難指示解除準備区域 居住制限区域及び帰還困難区域についても引き続き避難指示が出されております 関係者以外の方の立入りはご遠慮いただくとともに 立入りの際の安全 安心確保のため 特に以下の点にご留意ください 1 道路 信号の復旧状況は地域によって異なります 車を運転される際に

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福島県では 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散や避難等を踏まえ 県民の被ばく線量の評価を行うと共に 県民の健康状態を把握し 疾病の予防 早期発見 早期治療につなげ もって 将来にわたる県民の健康の維持 増進を図ることを目的とし 県民健康調査 を実施しています 県民健康調査では全県

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いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較する

愛する飯舘村を還せプロジェクト 負げねど飯舘!! 活動支援金ご協力のお願い これまで 子どもたちのために と 皆さまからお預かりしている支援金は 避難 ( 計画的避難の早期完了 ) や健康管理を含め 未来ある子どもたちを守るための活動に大切に使わせていただきます 今後計画的避難が進むにつれて 私たち

原子力災害対策指針の改悪に反対しよう 毎時 20μSv( 一時移転の基準 ) を計測しても 1 日がまん SPEEDI 等の予測的手法は使わず 実測値による避難指示 被ばく前提の避難 30 km圏外のプルーム対策 (PPA) は必要なし 屋内退避のみ安定ヨウ素剤の準備も不要子どもや妊婦の基準もなし


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目 次 はじめに 1 Ⅰ 福島第一原子力発電所における固体廃棄物貯蔵庫について 1 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設の目的と計画 2 (1) 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設の目的 (2) 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設の計画 2 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設に関する安全性 4 (1) 周辺地域への放

原子力災害対策本部 ( 原子力災害現地対策本部及び原子力被災者生活支援チーム ): 関係府省等との協力による東京電力福島原子力発電所周辺のモニタリングの実施 調整 福島県の行うモニタリングへの支援関係府省 : 行政目的に沿ったモニタリングに関する情報集約や支援 分析等の実施自治体等 : 国や原子力事

和解案提示理由書4(平成30年5月28日:成立に至らなかった事例)

資料第10-1-1号 :文部科学省によるプルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について

起 案 書

妊産婦に 関する調査 支援実績と内容 支援対象者の推移 調査票にご回答いただいた方のうち 記載内容から支援が必要と判断され た方を対象に専任の助産師等による電話やメール支援を行っています 平成23年度調査 平成24年度調査 平成25年度調査 平成26年度調査 電話支援対象者数 1,401人 回答者の

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食品と放射能 Q&A 参考 日常生活と放射線 ( 単位 :msv( ミリシーベルト )) CT スキャン (1 回 ) 胃の X 線集団検診 (1 回 ) 東京 ニューヨーク航空機旅行 ( 片道 ) 500Bq/kg の放射性セシウム 137( 野菜 穀類等の暫定規制値 ) が検出された飲食物を 1

東京電力が取り組む福島復興推進策

スライド 1

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資料 1 復興 8 年間の現状と課題 平成 31 年 3 月 8 日


ころにも初期の避難地域と同程度に汚染されている地域が存在することが明らかになり 政府に対する住民の不信と非難の声が高まった その頃 他国のメディアや市民が汚染現地を訪ねることができるようになってきた 化学物質による世界の環境汚染の現場を訪れ 独自の視点で調査研究していたサイエンスライターの綿貫礼子が

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東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故直後の平成 23 年 3 月 17 日には 原子力安全委員会の示した指標値を暫定規制値として設定し 対応を行ってきました 平成 24 年 4 月 1 日からは 厚生労働省薬事 食品衛生審議会などでの議論を踏まえて設定した基準値に基づき対応を行っています 食品

復興大臣 竹下亘様 要望書 平成 27 年 1 月 29 日 福島県南相馬市長桜井勝延

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政府と福島県が相互の動向を把握していなかった福島県が独自に半径 2km圏内に避難指示を出した30 分後に政府が半径 3km圏内に避難指示 住民への情報伝達の困難防災行政無線の回線不足や地震 津波による通信機器の損壊 緊急時モニタリング実施できず使用できたのは24か所のモニタリングポスト中 1か所モニ

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老介発 0516 第 1 号 平成 23 年 5 月 16 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局介護保険計画課長 東日本大震災により被災した介護保険の被保険者に対する 利用料の免除等の運用について 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律 ( 平成

復興の現状と取組

目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

放射線リスクに関する基礎的情報 ファクトブック

新旧対照表

飯舘村におけるホールボディカウンタ結果解析 ( 平成 年度施行分 ) 福島県立医科大学放射線健康管理学講座助手 宮崎真 Ver /03/04

被ばくの経路 外部被ばくと内部被ばく 宇宙や太陽からの放射線 外部被ばく 内部被ばく 呼吸による吸入 建物から 飲食物からの摂取 医療から 医療 ( 核医学 * ) による 傷からの吸収 地面から 放射性物質 ( 線源 ) が体外にある場合 放射性物質 ( 線源 ) が体内にある場合 * 核医学とは

原子力損害賠償の進捗状況について < 原子力損害賠償のご請求 お支払い等実績 > ご請求について 個人 年 7 月 13 日現在 法人 個人事業主など ご請求書受付件数 ( 延べ件数 ) 約 2,375,000 件約 481,000 件 本賠償の状況について 本賠償の件数 ( 延べ件数

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原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針 平成 28 年 12 月 20 日

Transcription:

資料 2 原子力被災者に対する取組 内閣府原子力被災者生活支援チーム平成 2 3 年 1 1 月

1. 事故発生以来の避難指示 避難区域等の設定は 原子力発電所事故の状況や放射線量の測定結果を踏まえ 住民の健康と安全の確保に万全を期す観点から決定 1

1. 事故発生以来の避難指示 警戒区域 福島第一原子力発電所半径 20Km 圏内について 住民の安全及び治安を確保するため 4 月 22 日 警戒区域に設定し 区域内への立入りを原則 禁止 5 月 10 日より住民の一時立入を開始 9 月 9 日 一巡目を終了 9 月 19 日から二巡目を開始 計画的避難区域 事故発生から 1 年の期間内に積算線量が 20 ミリシーベルトに達するおそれがある地域について 住民の健康への影響を踏まえ 計画的な避難を求める区域を設定 (4 月 22 日 ~) 7 月上旬に避難を完了 緊急時避難準備区域 区域内人口 : 約 77,000( 関係 9 市町村 ) 区域内人口 : 約 10,000( 関係 5 市町村 ) 区域内人口 : 約 59,000( 関係 5 市町村 ) <9 月 30 日解除 > 20km-30km 圏内は 屋内退避指示を解除し 緊急時の避難等を求める区域を設定 (4 月 22 日 ~9 月 30 日 ) 特定避難勧奨地点 227 地点 245 世帯 ( 関係 3 自治体 :8 月 3 日時点 ) 事故発生から1 年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定される特定の地点を子供やティにも配慮した上で住居単位で特定 当該地点に居住する住民に対して注意を喚起し 避難を支援 促進 (6 月 16 日 ~) 妊婦 コミュニ 2

2. 避難区域等の見直し 7 月 19 日に ステップ 1 の目標 ( 放射線量が着実に減少傾向である 状態 ) の達成確認 東京電力 ( 株 ) 福島第一原子力発電所の原子炉施設の安全確保状況を踏まえ 原子力災害対策本部において 避難区域等の見直しに関する考え方 を取りまとめ (8 月 9 日 ) 避難区域等の見直しに関する考え方 のポイント 1. 緊急時避難準備区域は 対象市町村による復旧計画の策定を踏まえ 関係自治体とも緊密に相談した上で 区域の一括解除を行う 各市町村毎に復旧計画を策定の上 9 月 30 日に原子力災害対策本部において 解除を決定 2. 警戒区域及び計画的避難区域は ステップ 2 が完了した時点で 区域見直しについて検討を行うが 除染や生活環境の復旧に向けた取組は先行して行う 3. 今後 相当長期にわたり住民の帰還が困難な区域 ( 高線量地域及び原発サイト周辺 ) の存在が明らかになる場合には 地元自治体と長期的な復興対策の在り方について十分相談し 長期的な対応策を検討 4. 放射性物質が拡散した地域における 放射線被害に対する根本的な対応が必要 1 除染に関する緊急実施基本方針 を原子力災害対策本部にて決定 (8 月 26 日 ) 2 中間貯蔵施設の整備に係る工程表 ( ロードマップ ) をとりまとめ (10 月 29 日 ) 3 放射性物質環境汚染対処特措法 (8 月 30 日成立 ) に基づく基本方針を策定中 3

3. 除染の実施に関する考え方 縦軸 : 積算被ばく線量 [msv/ 年 ] 除染推進に向けた基本的考え方 (8 月 26 日原子力災害対策本部決定 ) 除染に関する緊急実施基本方針 100mSv/ 年 緊急時被ばく状況 [ 計画的避難区域 警戒区域 ] 原子力事故など緊急事態において 緊急活動を要する状況 年間 20mSv 以下への移行を目指す 住民の帰還が実現するまで 国が主体的に除染を実施 まずは 除染のモデル事業を実施 効果的 効率的技術や作業の安全確保方策を確立 20mSv/ 年 現存被ばく状況 緊急事態後の長期被ばく状況 追加被ばく線量を年間 1mSv とする [ 比較的高線量 ] 大規模作業を伴う面的除染が必要 コミュニティ単位での除染が最も効果的 個別事情を把握している市町村が 除染計画を作成し実施 1mSv/ 年 特に子どもの生活圏の徹底的な除染を優先 [ 比較的低線量 ] 側溝や雨樋などホットスポットを集中的に除染 国は ガイドラインを提示するとともに 専門家の派遣 財政支援により円滑な除染を支援 4

4. 除染実施における長期目標 暫定目標 除染に関する緊急実施基本方針 (8 月 26 日原子力災害対策本部決定 ) 1 国際放射線防護委員会 (ICRP) の 2007 年基本勧告などを踏まえ 追加被ばく線量が年間 20 ミリシーベルト以上 ( 緊急時被ばく状況 ) にある地域の段階的かつ迅速な縮小を目指す 長期的な目標 2 年間 20 ミリシーベルト以下 ( 現存被ばく状況 ) にある地域では追加被ばく線量年間 1 ミリシーベルト以下を目指す 暫定目標 一般公衆 3 具体的な目標として 2 年後までに 一般公衆の推定年間被ばく線量の約 50% 減少を目指す 放射性物質の物理的減衰及び自然要因による減衰 :2 年で約 40% 除染による削減目標 : 約 10% 子ども 4 また 子どもの生活環境を徹底的除染により 2 年後までに 子どもの推定年間被ばく線量の約 60% 減少を目指す 放射性物質の物理的減衰及び自然要因による減衰 :2 年で約 40% 子どもの生活環境の除染による削減目標 : 約 20% 5 今後 詳細なモニタリング結果 子どもの実際の被ばく線量の実測調査 除染モデル事業等を通じ精査を重ね定期的に目標を見直し 5

5. 除染等のロードマップのポイント 環境省において中間貯蔵施設の整備に係る工程表 ( ロードマップ ) をとりまとめ (10 月 29 日 ) また 放射性物質環境汚染対処特措法 (8 月 30 日成立 ) に基づく基本方針を現在策定中 6

6. 子ども等の健康調査 国は 福島県原子力被災者 子ども健康基金 (782 億円 ) において 福島県が実施する中長期の 県民健康管理調査事業 を全面的に支援 ( 参考 ) 福島県原子力被災者 子ども健康基金 (782 億円 ) の概要 < 基金による主要事業 > 1 全県民を対象とした放射線影響の推定調査の実施 ( 約 200 万人 ) 2 避難住民等を対象とした中長期的な健康調査の実施 ( 約 20 万人 ) 3 県内の子どもを対象とした中長期的ながん検診の実施 ( 約 28 万人 ) 4ホールボディカウンター等による検査体制の強化 5 県内の子どもや妊婦に対する積算線量計 ( フィルムバッジ ) の貸与 6 子どもの心身の健康確保事業 ( サマーキャンプ ) 等の実施等 < 基金のスキーム> 国 原子力被災者 子ども健康基金 福島県に創設 県 市町村等 基金に対する国費拠出 専門的知見に基づく助言 基金を財源とし 実施計画に基づき健康管理事業を実施 7

参考 県民健康管理調査事業及び関係する事業の全体像 県が実施主体の事業 国が実施主体の事業 Ⅰ 県民健康管理調査実施主体 : 福島県 基本調査全県民を対象に被ばく線量を把握 8/26から行動調査票を郵送開始 ( 現在 16 万通発送 ) 6/27 から浪江町 飯館村 川俣町山木屋地区で行動調査票による調査を先行実施 ( 現在約 45% 返送済み ) 1 甲状腺超音波検査 (10/9 ) 対象 : 県全域 18 歳以下 2 健康診査 (10 月 ) 対象 : 避難区域等の住民 県立医科大学にて 3 ブース 詳細調査 (10 月から開始予定 ) 継続的健康管理 ( データベースの構築 ) Ⅴ 小児甲状腺簡易測定実施主体 : 現地対策本部 ( 測定者 : 自治体 大学 電力会社等の技術者 ) 実施日 :3/24, 3/26 ~3/30 ( 個別説明会を開催済み ) 測定場所 : いわき市 川俣町 飯舘村対象者 :0~15 歳の小児 1,149 名 ( うち結果の出た 1,080 名に 結 3 こころの健康度調査 (11 月 ) 対象 : 避難区域等の住民 4 妊産婦に関する調査 ( 年内予定 ) 対象 : 県全域妊産婦 個人別に作成し 一元的に管理する ついて集計 ) 果 : 全員が原安委が問題となるレベルではないとしている 0.2μSv/h * を下回っていた 全員に通知済み (*:1 歳児の甲状腺等価線量 100mSvに相当 ) Ⅱ 放医研における研究事業実施主体 : 国 ( 放医研 ) 外部被ばく線量評価システム ( 開発中 ) 実施主体 : 支援チーム ( 開発機関 : 放医研 ) 内部被ばく線量評価のための基礎調査 実施主体 : 支援チーム ( 開発機関 : 放医研 ) 実施日 :6/27 ~ 7/28 ( 各自治体ごとに個別説明会を全て開催済み ) 対象者 : 浪江町 飯舘村及び川俣町山木屋地区の住民 122 名広野町 楢葉町 富岡町 川内村 大熊町 双葉町 葛尾村及び田村市の住民 52 名 合計 174 名結果 : セシウム134 及び137による預託実効線量は全員 1mSv 未満 ヨウ素は半減期が短いため検出されず Ⅲ 安心 リスクコミュニケーション事業 トップセミナー実施主体 : 支援チーム実施日 :7/3 対象者 : 福島県内の市町村長内容 : 1) 放射線の健康への影響等についての講演 2)WBC 測定体験 今後 福島県内での開催予定なし ホールボディカウンター測定実施主体 : 福島県 ( 測定機関 :JAEA 南相馬市立総合病院 ) 実施期間 :7/11 ~ 対象者 : 飯舘村 川俣町山木屋地区 双葉郡の町村の住民 4,289 名 ( 9/30 時点 ) 結果 : セシウム 134 及び 137 による預託実効線量は 1mSv 未満 4,273 人 1mSv 6 人 2 msv 8 人 3mSv 2 人全員に通知済み 9 月より対象地域を双葉郡町村 ( 浪江町を除く ) に拡大して実施 目標約 5,300 人中 1,090 人実施 (9/30 時点 ) ホールボディカウンター購入実施主体 : 福島県購入予定台数 :5 台 ( 移動式 ) Ⅳ 子ども等に対する積算線量計の貸与事業 実施主体 : 福島県 ( 全 59 市町村のうち 58 市町村からの申請を受付 ) 対象者 : 妊婦及び 15 歳未満の子ども ( 約 30 万人 ) 事業内容 : 市町村が実施する個人線量計 ガラスバッチ等の貸与事業及びサーベイメーターの整備事業への補助 ( 補助率 10/10) 8