広島県における『地域ケア会議』

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平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か


札幌市地域ケア会議推進事業実施要綱

高齢者個人に対する支援の充実+社会基盤の整備1. 地域ケア会議の設置 構築について 地域ケア会議の設置主体 : 地域包括 援センター または市町村 ( 保険者 ) 地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを想定した上で その実現のために有効と考えられる地域ケア会議を設置 構築していくことが必要 地域ケ

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高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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地域総合支援協議会

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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( 別紙 ) 地域ケア会議 に関する Q&A 問 1 今般 地域ケア会議 を通知に位置づけた背景は何か 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年へ向けて 高齢者が尊厳を保ちながら 住み慣れた地域で自立した生活をおくることができるよう 国は 医療 介護 予防 住まい及び生活支援サービスが 日常生

区分

ファーストケアチーム 事業実施マニュアル 阿南市保健福祉部福祉事務所 介護 ながいき課 平成 28 年 6 月作成

地域包括ケアシステム

01_協議体及びコーディネーター【9人Ver.】-2.xdw

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

計画相談支援 障がい児相談支援における特定事業所加算に係る基準の遵守状況に関する記録 ( 保存用 ) 平成年月サービス提供分 異動等区分 1 新規 2 継続 3 変更 4 廃止 加算の区分 1 特定事業所加算 (Ⅰ) 2 特定事業所加算 (Ⅱ) 3 特定事業所加算 (Ⅲ) 4 特定事業所加算 (Ⅳ)

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

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事業所自己評価 ミーティング様式実施日平成 7 年 月 日 ( 0:00~ :00 ). ~ したい の実現 ( 自己実現の尊重 ) メンバー上野佐藤 ( 隆 ) 藤村佐藤 ( 瞳 ) 渡部小川 に対する取組み状況 に対する取組み結果 本人の目標 ( ゴール ) がわかっていますか? 本人の当面の目

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

平成 28 年度第 3 回弘前市ケアマネジャー研修会 1. ケアプランの軽微な変更の内容について ( ケアプランの作成 ) 最新情報 vol.155 p.3 参照 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について( 平成 11 年 7 月 29 日老企 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

厚生労働省による 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1) に対する 八王子介護支援専門員連絡協議会からの質問内容と八王子市からの回答 Q1 訪問看護ステーションによるリハビリのみの提供の場合の考え方について厚労省 Q&A(Vol.1) での該当項目問 21 問 22 問 23 A

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

認知症サポーター養成講座



孤立死防止 ~ 早期の発見と対応 未然の防止のために ~

認知症医療従事者等向け研修事業要領

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平成 20 年 9 月 29 日 平成 21 年度介護報酬改定に向けた提言 社会福祉法人東京都社会福祉協議会 はじめに センター部会長代行今裕司 東京都社会福祉協議会センター部会は 東京都内の地域包括支援センター 在宅介護支援センター デイサービスセンターの 664 箇所が加入している団体です 平成

事業所自己評価 ミーティング様式実施日平成 9 年 8 月 日 ( :~ :). ~ したい の実現 ( 自己実現の尊重 ) メンハ ー 前回の課題について取り組めましたか? 人 6 人 7 人 人 6 人 個別介護計画を見直す際にはケアマネ 介護職 看護師が必ず参加し 他職種の意見を取り入れた計画

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

別添 地域包括支援センター事業点検調書項目 ( レイアウト 部変更 ) 大項目 : 基本的事項 事業計画 設置場所 職員の姿勢 地域との連携 * については どちらかに を記入して下さい 地域包括支援センター運営マニュアルの最新版について 職員全員が内容を知っている 帯広市地域包括支援センター事業実

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

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ガイドライン策定の目的 和歌山県では 和歌山県安全 安心まちづくり条例 ( 平成 18 年 3 月 24 日条例第 26 号 ) に基づき 家庭及び地域における人と人との絆を大切にし お互いが支え合い 及び助け合うとともに 安全で安心な暮らしに配慮した環境の整備を行うまちづくりを推進しています その

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Microsoft Word - 有料事故報告依頼文

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Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

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(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

1 はじめに 本市では 平成 17 年に 鹿児島市安心安全まちづくり条例 を定め 地域の安全は地域で守る を基本理念に 市と市民 事業者等が連携 協働し 安心して安全に暮らせるまちづくりを進めてきました これまでに防犯パトロール隊や青色防犯パトロール車による防犯活動をはじめ 安心安全ネットワーク会議

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平成20年度春の家居宅介護支援事業所事業計画

計画の今後の方向性

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板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

居宅介護支援事業者向け説明会

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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PowerPoint プレゼンテーション

平成 28 年 2 月以降に認定更新等により要支援認定を受けた方が介護予防訪問介護 介護予防通所介護を利用される場合 これまでの予防給付サービスから総合事業のサービスに変わります 要支援者の認定有効期間は現在最長 12か月ですので 大川市は平成 28 年 2 月から1 年かけて移行します 更新の場合

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

平成 26 年度版 第三者評価結果概要版 ( 居宅介護支援 ) 基本情報 法人名 社会福祉法人多摩同胞会 事業所名 泉苑居宅介護支援センター 所在地 東京都府中市武蔵台 1 丁目 10 番 4 号 連絡先 事業者が大切にしている考え ( 事業者の理念 ビジョン 使命など )

要領【H29年度版】

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第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

65歳~74歳 介護認定率(平成22年度)

調査実施の背景 目的 超高齢社会である我が国では 65 歳以上の高齢者の総人口に占める割合は 24.1% 1 で 3,000 万人を超過 2 しました また 要介護 ' 要支援 ( 認定者数も増加し 直近の実績では 万人となっています 今後 益々介護を必要とされる方が増えることも予想され

第 1 ガイドライン策定の目的及び対象 1 ガイドライン策定の目的美濃加茂市では犯罪のない安全で安心できる住みよい地域社会を実現するため 平成 21 年 10 月に 美濃加茂市防犯活動推進条例 を施行するとともに 同条例に基づく防犯計画を策定し 市民 事業者及び市が一体となって 犯罪のないまちづくり

平成18年度標準調査票

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

目 次

伊丹市における地域ケア会議マニュアル

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訪問介護事業所の役割 1 訪問介護計画や手順書への記載居宅サービス計画に通院介助及び院内介助の必要性が位置付けられている場合に限り 訪問介護サービスとして 介助が必要な利用者が 自宅から病院 受診手続きから診察 薬の受け取り 帰宅までの一連の行為を円滑に行うために訪問介護員が行うべき援助内容を訪問介

個人情報の取り扱いに関する規程

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就労移行サービス等利用計画 障害児支援利用計画 利用者氏名 ( 児童氏名 ) 山口太郎障害支援区分区分 相談支援事業者名相談支援センターひまわり障害福祉サービス受給者証番号 000XXX### 利用者負担上限額 0 計画作成担当者中村次郎地域相談支援受給者証番号 000XXX??? 計画作成日平成

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各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実


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12_モニタリングの実施に関する手順書 

外部評価地域かかわりシート 1 〇外部評価 ( 地域かかわりシート 1) は A~F までの 6 項目となります〇項目 A については 事業所自己評価 をお読みいただき 適当と思われる箇所に を記入ください わかりにくい場合は 運営推進会議当日に事業者から説明がありますので 空欄のまま持参し 当日記

Transcription:

広島県における 地域ケア会議 ガイドライン 平成 25 年 8 月一部改訂 広島県地域包括ケア推進センター

広島県における 地域ケア会議 ガイドライン 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議 は 何らかの課題を抱える被保険者の支援 救済 課題発生の防止 を図るための各種会議の総称であり, 地域包括ケア 構築のために必要な会議です 個別ケースに係る支援内容の検討のために行う, 関係機関や団体に属する現任者や地域住民を招集して行う会議から, 行政, 介護サービス事業者, 医療機関, 民生委員等の地域の代表者等を招集して実施する 地域課題の把握 や ネットワークの強化, 政策形成 を目的として開催される会議までがその対象となります 2 地域ケア会議の目的 地域ケア会議 を実施する中で,1 個別課題解決 2 地域包括支援ネットワーク構築 3 地域課題発見 把握 4 地域づくり 資源開発 5 政策形成等を明らかにし, 実行していきます その結果 地域包括ケア が構築されていくことを目的とします 3 地域ケア会議の機能 (1) 機能 1 個別課題の解決機能この会議では, サービス担当者以外に必要な参加者を招集し, 個別事例の課題だけではなく, 個別事例から地域課題を把握し, 次のステップにつなげることが大切です その視点を欠かさないために,5~6ページの 地域ケア会議の記録( 個別課題用 ) の活用を勧めます 個別ケースについて多機関 多職種が多様な視点から検討を行うことにより, 住民の問題解決を支援するとともに, そのプロセスを通して地域包括支援センター職員や介護支援専門員等の問題解決力向上を図り, 支援の質を高めます 個別課題解決のために取り上げる個別事例は, サービス未利用で支援を要する高齢者等への対応 周辺住民が困っている事例 支援者が困っている事例 支援のための資源や環境整備が必要な事例 高齢者の心身の健康や権利が侵害されている事例 保険者から見てサービス提供内容に課題がある事例等サービス担当者会議で解決できないケースが対象となります 2 地域包括支援ネットワーク構築機能医師会, 介護サービス事業者, 地域リハビリ広域支援センター等, 地域の関係機関等との連携を高める機能です 地域包括支援センター間や関係機関間の情報交換の促進と, 運営協議会の場等を活用した共同体制を構築します 自治会長や民生委員, 福祉相談員など, 地域にあるネットワークや取組みを把握する必要もあります また, 個人に対する支援のネットワークという視点で, 一人暮らしの人の緊急連絡先や緊急時の対応方法, 災害時の避難場所を地域の人に伝達していくことも大切です - 1 -

3 地域課題の発見 把握機能個別ケースの検討において, 地域の共通課題を見出すことを念頭に置き, 個別ケースの背後にある解決すべき地域課題を明らかにする機能です 圏域を超えて市町で地域課題を集約するためには, 個別課題解決の会議で統一した会議記録の様式を使用することが有効であると考えられます ( 会議記録様式例 : 別紙様式 ) 集約した地域課題について, 有効な課題解決方法の普遍化や新たな資源開発の検討, 地域づくりに向けた検討が必要です 4 地域づくり 資源開発機能個別課題の検討の過程で, 地域で不足する資源や仕組みがあれば創出する必要があります インフォーマルサービスや地域の見守りネットワークなど, 住民との役割分担を図りながら地域に必要な資源を創出していきます 5 政策形成機能 明らかになった地域課題を集約 整理し, 必要な基盤整備, 関係団体との調整等の行政機 能を発揮します (2) 運営について 1 地域ケア会議の運営主体は, 地域包括支援センターまたは市町です 2 複数の日常生活圏域の地域課題を集約し, 把握する機能を担う地域ケア会議の運営主体は 市町ですが, 複数の地域包括支援センターを統括する地域包括支援センターも考えられま す 3 地域づくり 資源開発機能は, 地域課題の解決を目指すものです 日常生活圏域内での課 題解決のための会議は市町および地域包括支援センターが運営主体であり, 複数の日常生 活圏域に共通する地域課題解決のための会議の運営主体は市町です 4 地域によっては, 地域課題の把握 解決のためのネットワークが存在します 地域包括支援センターは, 既存のネットワークを活用しながら個別課題の解決や地域課題の把握を行うことが効果的です 地域包括支援センターが積極的に参加し, 地域の共通課題と役割分担について, コーディネート機能を発揮するとともに, 必要に応じて市町に課題を集約する場合も地域ケア会議と考えられます 5 政策形成機能を有する地域ケア会議は, 市町による政策の立案 実施を行うものであり, 運営主体は市町です 4 広島県における 地域ケア会議 広島県では, 地域ケア会議 を以下のように区分します 地域ケア会議 A は, 地域包括支援センターが主催する地域包括ケアに関わる個別課題の解決, 地域課題の発見 把握, 地域の関係機関等の連携推進などの会議 地域ケア会議 B は, 市町が主催する地域包括ケアに関わる地域課題の発見 把握 政策形成会議などの会議 - 2 -

地域ケア会議 C は, 地域包括支援センター以外が主催する会議やネットワークに参加し, 地域包括支援センターが地域包括ケアにかかわる主体的な役割を果たす会議ただし, 地域ケア会議 A~C とも 個別課題解決機能の強化 又は, 地域包括ケア, 地域包括ケアシステム の構築を目的とした 内容であることが必要です 地域包括支援センターは, 課題の抽出, アセスメント, 会議の設定, 参加者の招集, 会議の運営等, 様々な機能を担うことになります また, 住民のための 地域包括ケア であることから, 地域ケア会議 には, 会議の内容 目的を考慮し, できるだけ住民参加の会議とすることが望ましいと考えます 5 個人情報の保護について個人情報保護法および市町ごとに定める個人情報保護条例にしたがって, 市町は必要性の不明確な個人情報を, 本人の同意がないまま提供することはできません また, 地域包括支援センターも市町と同様です さらに守秘義務 ( 介護保険法 115 条の 38) もあります ただし, 個人情報保護法の目的は, 個人情報の 有用性に配慮しつつ, 個人の権利利益を保護すること ( 第 1 条 ) にあることから, 法や条例の趣旨を適切に解釈 運用し, 個人情報の適切な共有を図ることが重要です 市町または地域包括支援センターが収集した個人情報を, 本人の同意がなくとも, 収集した目的の範囲を超えて外部に提供できる場合として, 以下のものがあります これに該当する場合は, 個人の利益を最大限に尊重しながら, 個人情報の保護と活用のバランスをとることが必要です 1 法令の定めがある場合 ( 高齢者虐待防止法等 ) 2 本人の利益を守ることが優先される場合 ( 生命や財産の危機等 ) 3 個別の条例による場合 ( 災害時に関する条例等 ) 6 広島県地域包括ケア推進センターの支援広島県地域包括ケア推進センターでは, 専門職を派遣することで地域ケア会議の実施を支援します (1) 方法 1 地域ケア会議の開催方法についての助言 2 地域で不足する専門職種の派遣 3 会議運営を支援するアドバイザーの派遣 (2) 流れ 1 依頼を受ける ( 広島県地域包括ケア推進センターへ連絡 ) 2 地域ケア会議日時の決定 3 参加者 助言者を決める 4 地域ケア会議への参加 5 評価 - 3 -

別紙様式 地域ケア会議の記録 ( 個別課題用 ) 対象者様地域包括支援センター担当者名開催日年月日開催場所開催時間 ~ 会議名 主催者会議出席者所属 ( 職名 ) 氏名 会議開催理由 ( 話合いの主な課題 ) 現状確認 ( アセスメント ) 現状の課題 ( 分析 ) 課題背景 ( 本人の要因 その他の要因 ) 当面の対応 ( 現在行っているこ とを含む ) 家族でできること地域でできること公的サービスができること その他 申し合わせ 事項 残された課題 ( 次回の開催時期 ) 今後 在宅生活を継続するために必要な支援 ( 現在 地域に不足 もしくは 再構築を図りたい支援 サービスを含む ) 地域の共通課題 - 4 -

別紙様式 ( 記載例 ) 地域ケア会議の記録 ( 個別課題用 ) 対象者 梅子さん様 地域包括支援センター担当者名 開催日 年 月 日 開催場所自治会長さんのお宅開催時間 13 時 ~14 時 会議名 主催者 地域包括支援センター ( 自治会長さんの呼びかけにより開催 ) 会議出席者 所属 ( 職名 ) 氏名 自治会長 田中太郎さん 民生委員 佐藤一郎さん 地域包括 C 日本花子さん 訪問介護 鈴木次郎 広島医院 ( 事務 ) 藤田三郎 会議開催理由 ( 話合いの主な課題 ) 認知症によりゴミ出しができなくなり, 自宅周辺にゴミが積み上げられている また, 近所の人やホームヘルパーを受入れてくれない 現状確認 ( アセスメント ) 自治会長 : 近所の 商店で金銭のトラブルがあった ( 財布がなくなった ) 民生委員 : 訪問したが不在の様子 中に入れてもらえない 訪問介護 : 半年前まで掃除でサービスを利用していたが, 物が無くなるとの理由で サービス中断 地域包括 : 訪問するが受入れてもらえず 現状の課題 ( 分析 ) 課題 1かなりのゴミが家のまわりにちらかり, 異臭も強い 火災の危険もある 2 本人がゴミで転倒する危険もある 3 認知症の進行により食事もきちんと食べていない ( 未確認 ) 背景 ( 本人の要因 その他の要因 ) 1-1 認知症の進行により物への執着が強いのではないか 1-2 経済的に苦しく物を大切にしているのではないか 当分, 娘 ( 東京在住 ) が自宅に戻った話を聞かない さびしい思いもある 当面の対応 家族でできること 地域でできること 公的サービスができること ( 現在行っていることを含む ) なし 可能であれば本人の状況を確認してもらうため, 帰省してもらいたい 近所のBさんにお願いして, 長女へ連絡してみる ( 自治会長 ) 梅子さんが買い物をしているD 商店から日頃の生活状況を聞く ( 民生委員 ) 地域包括支援センターが2 週間に1 回程度訪問して本人との人間関係をつくる 訪問介護は, 梅子さんと面識のあるスタッフで訪問し様子を伺うまた以前の記録をケアマネジャーから提供を受ける その他, 申し合わせ事項 次回の会議には近所のBさんにも会議への参加をお願いする ( 自治会長 ) 残された課題 ( 次回の開催時期 ) 来月,1 月 10 日に会議を開催する それぞれの立場で, 本人の現在の生活状況を把握して情報集約を行う 今後 在宅生活を継続するために必要な支援 ( 現在 地域に不足 もしくは 再構築を図りたい支援 サービスを含む ) 1 コンビニBストアーの宅配弁当で安否伺いをお願いしたい 緊急時は地域包括へ連絡することをお願いする 地域包括が調整を行う 2 近所のBさんにかかわっていただくことで 長女との関係づくりを図りたい 地域の共通課題 ( 地域に不足しているものや不安を感じること ) 1 当地域は高齢者の一人暮らしも多い 集会所が遠くサロンへの参加者も少ない 2 隣の 2 班でも同じような方がおられる - 5 -

- 6 - 参考 地域ケア会議とその他の会議の区分について 地域ケア会議 主催 地域ケア会議の内容 地域ケア会議に入らない会議 国マニュアル 市町 包括 個別課題の解決 ネットワークの構築 サービス担当者会議 ( 介護支援専門員が主催し, ケアマネジメ 地域課題の発見 把握 ントの一環として開催 ) 地域づくり 資源の開発 政策形成 虐待対応のための個別ケース会議 県ガイドライン その他の機関地域ケア会議 A ( 包括 ) 地域ケア会議 B ( 市町 ) 市町 包括が目的と機能を確認し, 内容 時間を区分する個別課題解決, 地域の関係機関等との連携など地域課題の発見 把握, 政策形成会議など ( 高齢者虐待防止法に基づき方針, 計画等必要なメンバーで開催 ) ただし, 虐待防止のための地域のネットワークづくり, 虐待防止における地域課題の把握やその解決のために開催する会議は地域ケア会議である 地域ケア会議 C ( その他の機関 ) 包括が主体的に役割を果たす会議 ( 地域ケア会議に該当するか市町が判断 ) 事例検討会 ( 援助者の実践力向上を図ることを目的と した研修 ) 包括 : 地域包括支援センター