教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

子ども・子育て支援新制度の解説資料 1.制度概要 その1

流山市子ども・子育て会議

幼児期の教育 保育の需給計画 ( 平成 28 年度実績 ) の点検 評価結果について 資料 2 1 需給計画の策定 かながわ子どもみらいプラン においては 待機児童の解消を図り 子育て家庭のニーズにあった就学前児童の教育 保育の提供体制の充実を計画的に進めるため 各年度 ( 平成 27 年度 ~ 平

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

 

1 子ども 子育て支援新制度がはじまります 子ども 子育て支援法 等の成立により すべての子どもと子育て家庭を総合的に支援していく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月から全国的にスタートします 子ども 子育て支援新制度 では 幼稚園や保育所 地域の子育て支援の充実を図るとともに 認定

また 認可外保育施設での死亡事故が多く 特に午睡中の死亡事故が多いことから 平成 28 年 10 月に ガイドラインの取組の周知徹底と睡眠中の窒息リスクの除去の方法等 重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項を記載した周知啓発資料等を地方自治体宛てに通知し 周知している あわせて 全国担当課長会議

●アレルギー疾患対策基本法案

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1 茨城県認可外保育施設指導監督実施要項(H29.3)

趣旨 : すべての子どもに良質な成育環境を保障する等のため 子ども及び子育ての支援のための給付の創設並びにこれに必要な財源に関する包括的かつ一元的な制度の構築等の所要の措置を講ずる (1) 総則 子ども 子育て支援法の目的 基本理念 責務規定 ( 市町村 都道府県 国 事業主 国民の責務 ) 定義規

2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

子育て支援に関する行政評価・監視結果報告書-非常時における保育施設等の迅速かつ適切な臨時休園の判断の推進

教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する調査報告

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

消費者安全専門調査会報告書 ~事故情報の活用等の在り方について~2~13ページ

保育所、地域型保育事業及び認可外保育施設においてプール活動・水遊びを行う場合の事故の防止について (厚労省)通知

地域子育て支援拠点事業について

「平成29 年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について

1 計画改訂の趣旨 (1) 趣旨 1 (2) 見直しのための考え方 2 (3) 対象期間 2 (4) 対象事業 2 2 教育 保育の 量の見込み 及び 確保方策 について (1) 就学前の推計児童数 3 (2) 教育 保育の 量の見込み 3 (3) 量の見込み に対する 確保方策 4 (4) 見直し

第3章 指導・監査等の実施

第2節 茨木市の現況

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事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

広域利用の実態が異なる場合の考え方 保育整備計画との関係項目内容 6) 広域利用の実態が異なる場地域型保育事業の認可の際に行われる需給調整の判合の考え方断基準となること等から 学校就学前子どもの区分 ( 認定区分 ) ごと 地域子ども 子育て支援事業の事業ごとに教育 保育施設等及び地域子ども 子育て

教育 保育提供体制 平成 27 年度 見込量 確 ( 提保供方量策 ) 子ども 子育て支援事業の確保方策について 市全域 認定こども園 保育所 地域型保育 1 号認定 2 号認定 3 号認定 3 歳以上教育希望 3 歳以上教育希望 3 歳以上保育必要 1~2 歳保育必要 0 歳保育必要

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

 

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1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

平成 26 年 8 月 仙台市 認可保育所利用申請者数 15,077 人 14,340 人 13,826 人 認可保育所入所者数 13,994 人 13,401 人 13,069 人 市の保育施策で対応している児童数 人 174 人 157 人 待機児童数 人 533 人 4

子ども・子育て関連3法について8

 

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

新旧対照表

市町村子ども・子育て支援事業計画における「量の見込み」(平成26年4月時点)に関する調査結果について

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

児童虐待防止対策体制総合強化プラン 平成 30 年 12 月 18 日 児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定 1. 目的 2016 年 5 月に全会一致で成立した児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 以下 平成 28 年改正法 という ) においては 子ども

教育 保育の量の見込み及びその提供体制 1 号認定及び 2 号認定 (3~5 歳児 ) について 利用児童数は 1 号及び 2 号認定の利用児童数と私学助成を受ける私立幼稚園の園児数より算出 1 号認定の利用児童数は 施設型給付費等の基礎資料に関する調査 による ( 時点は各年 4 月 1 日 )

平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

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児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

資料 2-1 クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議 ( 案 ) 平成 26 年 8 月 26 日 消費者委員会 クレジットカード取引に係る消費者からの相談の件数 ( 注 1) は 全国消費生活情報ネットワーク システム ( 以下 PIO-NET という )( 注 2) によれば 平成

指定保育士養成施設の各年度における業務報告について新旧対照表 ( 下線部 : 変更箇所 ) 改正後 現行 雇児発 0722 第 6 号 雇児発 0722 第 6 号 平成 22 年 7 月 22 日 平成 22 年 7 月 22 日 一部改正雇児発 0808 第 4 号 一部改正雇児発 0808 第

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2. 検討 ~ 医療に関する事故の特殊性など (1) 医師等による医療行為における事故 医師等が患者に対してどのような医療行為を施すべきかという判断は 医師等の医学的な専門知識 技能に加え 医師等の経験 患者の体質 その時の患者の容態 使用可能な医療機器等の設備等に基づきなされるものである ( 個別

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

安全管理規程

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相談件数 相談主体別 合計 ( 注 1) 行政機関 職員 事業者 労働者 一般 国民 弁護士 等 不明 その他 件数 相談内容別 ( 重複あり ) ( 注 2) 法律解釈 行政機関 ガイドライン 民間事業者 ガイドライン 教

( 各大臣からの御発言 ) 小此木国家公安委員会委員長 登下校時における子供の安全を確保するため 今般の 登下校防犯プラン の5 本の柱について 警察としては それぞれ以下の取組を関係機関と連携して推進してまいります まず第 1に 地域における連携の強化 については 今後構築される 地域の連携の場

幼児教育 保育の無償化の実施について 1 子ども 子育て支援新制度の趣旨に沿った無償化の実施を! 子ども 子育て支援新制度 では 一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会 子どもの最善の利益が実現される社会を目指しています まずこの目指すべき姿に沿った幼児教育 保育の無償化を図るべきです

て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

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別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

内部統制ガイドラインについて 資料

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平成27年度税制改正要望結果について

第 1 章計画策定にあたって 1 計画策定の趣旨 用語説明 6 終戦直後のベビーブーム期には 4.32 だったわが国の合計特殊出生率は, その後低下を続け, 15 年には 1.29 と戦後最低の水準を更新しました こうした出生率の低下は, 先進国共通 の現象ですが, 先進諸国の中でも, アメリカ,

1 需給計画策定に関する基本方針等 教育 保育提供区域の設定 教育 保育提供区域 とは 地域の実情に応じて 保護者や子どもが居宅より容易に移動することが可能な区域として市町村が定める区域のことですが 札幌市においては原則として 行政区単位の設定 とし 一部の事業についてのみ 札幌市全域 とします 量

別紙 警察庁丙刑企発第 98 号 警察庁丙捜一発第 63 号 警察庁丙生企発第 136 号 警察庁丙生経発第 14 号 警察庁丙交企発第 131 号 警察庁丙交指発第 34 号 消安全第 号 平成 24 年 11 月 16 日 警察庁刑事局長舟本馨 警察庁生活安全局長岩瀬充明 警察庁交通

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

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国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予定額各目明細書

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〇用語 個人情報保護法 個人情報の保護に関する法律のこと 現行保護法 現行の個人情報の保護に関する法律のこと 改正法 保護法 法 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 27 年 9 月 9 日法律第 65 号

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

教育支援資料 ~ 障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実 ~ 平成 25 年 10 月 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

 

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特定個人情報の取扱いの対応について

1 目 次

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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資料2:修正一覧

子育て支援事業要件事業例就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行規則(内閣府 文部科学省 厚生労働省令)第2条第1号に掲げる事業第2号に掲げる事業第3号に掲げる事業第4号に掲げる事業第5号に掲げる事業取扱基準別表 ( 第 7 条関係 ) 地域の子ども及びその保護者が相互

1 検査の背景 我が国の防災の基本法として災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) が制定されている 同法によれば 内閣府に中央防災会議を置くとされ 同会議は 災害予防 災害応急対策及び災害復旧の基本となる防災基本計画の作成 その実施の推進 防災に関する重要事項の審議をそれぞれ行うな

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

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農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

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5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

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教育 保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議 平成 26 年 11 月 4 日 消費者委員会 安全が守られていると信じて我が子を託している幼稚園や保育所等の教育 保育施設等 ( 注 ) において 子どもが亡くなったり 重篤な怪我を負ったりするような痛ましい事故が跡を絶たない こうした事故による被害の拡大防止や再発防止を図るためには 過去に起きた事 故の情報を関係者の間で共有し 活かしていくことが重要であり 国では 消費者安全法により 事故情報を消費者庁に集約するための通知制度を設けているが 実態としては 事故情報は政府全体として把握されておらず 情報共有が図られていない 当委員会では 平成 23 年度に 消費者事故の拡大及び再発の防止を図る観点から 内閣府特命担当大臣 ( 消費者 ) 文部科学大臣及び厚生労働大臣等に対して 消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策についての建議 ( 平成 23 年 7 月 22 日 ) を行っている この建議では 消費者安全法における重大事故等の通知義務については 関係省庁によって十分に遵守されていたとは言い難いし 消費者庁も個別に遵守を督励していなかったとみられる また 一部の公共施設や商業施設等 事故の発生場所によっては 必ずしも関係省庁から消費者庁に通知される仕組みとなっていないものもみられ 重大事故等の通知に遅れや漏れが生じている と指摘し こうした状況を抜本的に改善するため 消費者庁及び関係省庁においては 消費者安全法に係る通知義務が励行されるよう督励するほか 消費者庁と関係省庁間で通知の遅滞等が生じた各事例に関して 定期的な協議の場を設けて改善を図ること 等を求めたところである しかし 今回 当委員会が調査審議を行った結果 教育 保育施設等における事故情報の収集及び活用は 依然として不十分であることが判明した 当委員会は 今回の調査審議の結果を踏まえ 消費者庁及び消費者委員会設置法 ( 平成 21 年法律第 48 号 ) に基づき 内閣府特命担当大臣 ( 消費者 少子化対策 ) 文部科学大臣及び厚生労働大臣に対して 次のとおり建議する また この建議への対応について 各大臣に対して 平成 27 年 5 月までにその実施状況の報告を求める 1

( 注 ) 本建議において対象とする 教育 保育施設等 は 以下の施設及び事業であり 子ども 子育て支援新制度 1 に移行しない施設及び事業も含まれる 1 認定こども園 2 幼稚園 3 保育所 4 放課後児童健全育成事業 ( 放課後児童クラブ ) 5 放課後子供教室 6 子育て援助活動支援事業 ( ファミリー サポート センター事業 ) 7 地域型保育事業 8 認可外保育施設 9 ベビーシッター事業 1 子ども 子育て支援新制度とは 平成 24 年 8 月に成立した 子ども 子育て支援法 就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律 子ども 子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律 の子ども 子育て関連 3 法に基づく制度のことをいう 2

1. 事故情報の収集 ( 建議事項 1) 教育 保育施設等において消費者事故等が発生した場合 政府全体として事故の発生状況を的確に把握し 被害の拡大防止と再発の防止を図るため 消費者庁並びに内閣府 文部科学省及び厚生労働省は密接に連携し 次の措置を講ずること (1) 内閣府 文部科学省及び厚生労働省 ( 以下 関係府省 という ) は 子ども 子育て支援新制度 ( 以下 新制度 という ) の施行に向けて 関係府省において平成 26 年 9 月から開催されている教育 保育施設等における重大事故の再発 防止策に関する検討会 ( 以下 事故再発防止策検討会 という ) において 事故情報収集の仕組みを検討するに当たっては 消費者庁の協力を得て 消費者安全法第 12 条の規定に基づく通知制度を含めて検討すること (2) 厚生労働省は 事故情報を収集する仕組みのないベビーシッター事業や 十分に事業の実態を把握できていない小規模な認可外保育施設についても 事故情報を適切に収集する仕組みを構築すること (3) 消費者庁は 消費者安全法第 12 条の規定に基づく事故情報の通知制度について 関係府省に対し 消費者庁へ通知する教育 保育施設等における事故情報の範囲や通知方法を継続的に周知し 必要に応じて通知を督励すること また 関係府省は 教育 保育施設等において消費者事故等が発生した場合には 同条の規定に基づき 事故情報が漏れなく消費者庁に通知されるようにすること そのため 関係府省は 通知の対象となる消費者事故等が発生した場合の事故情報の通知に関して 地方公共団体の教育 保育施設等担当部局から所管府省を経て消費者庁へ通知する方法を含めて検討するとともに 地方公共団体を通じて 教育 保育施設等に対して事故情報の報告について協力を求めること ( 理由 ) 建議事項 1(1) について 事故再発防止策検討会では 重大事故の情報の集約の在り方や 収集した情報の分析 フィードバックの在り方等について検討を進めており 同検討会では消費者安全法に基づく事故情報の通知ルートを検討の視点の一つとして位置付けている 消費者安全法では 消費者事故等 とは 事業者 がその事業のために提供する施設 役務において 消費者 による使用等に伴い生じた事故で消費者の生命又は身体について一定程度の被害が発生したもの等と規定している これを教育 保育現場に当てはめれば 教育 保育施設等を運営し 役務を提供する者は 事業者 となり また 役務の提供を受ける子どもは 消費者 となる 関係府省は 教育 保育施設等で発生した子どもの事故が 教育 保育サービスという 消費者に向けたサービスにおいて発生した事故でもあり 消費者安全 3

法で規定する消費者事故等に該当する可能性があることを改めて認識し 法執行を徹底すべきである 消費者庁は 事故情報を一元的に収集し 消費者行政の司令塔として注意喚起を図っていく という 消費者庁が発足する大きな契機となった重要な責務を果たすために 事故情報収集の取組を確実に実施することが求められており 新制度においても 消費者安全法に基づく事故情報収集の仕組みも含めて検討がなされるよう 事故再発防止策検討会における検討に協力すべきである 建議事項 1(2) について 厚生労働省は 保育する乳幼児が 5 人以下の 児童福祉法で地方公共団体への届出の対象外となっている小規模な認可外保育施設やベビーシッター事業について 事業の実態を十分に把握しておらず 事故情報が適切に収集されていない また ベビーシッター事業については事故情報の収集やフィードバックの対象としていない 一方で 認可外保育施設は認可保育所と比べて死亡事故発生率が高い現状にあり またインターネットのマッチングサイトを利用した 自称ベビーシッターによる幼児の死体遺棄事件が平成 26 年 3 月に発生しているなど 地方公共団体への届出が必要のない施設 事業等においても事故が発生している 厚生労働省においては 新制度に移行しない小規模施設やベビーシッター事業についても 事業者の地方公共団体への届出制を含め 事故報告の対象とすることや 再発防止に向けた事故情報の共有化を図るべきである 建議事項 1(3) について 文部科学省及び厚生労働省は 消費者庁と連名で 消費者安全法の施行 ( 平成 21 年 9 月 1 日 ) に合わせて 地方公共団体に事故情報の通知について依頼しているものの 情報提供は低調である このうち 文部科学省所管施設においては 平成 24 年 6 月に消費者庁との連名で地方公共団体への再周知が行われたこともあったが 幼稚園事故において文部科学省に通知された事故情報は平成 25 年度までに1 件しか確認することができず 改善が図られていない状況である 厚生労働省は 上記の消費者庁との連名の通知において 社会福祉施設等の利用に係る消費者事故等を把握した場合は 地方公共団体から直接消費者庁あて通知することとしており 併せて厚生労働省にも通知することを依頼するものとな 4

っている しかし 教育 保育施設等に関し 地方公共団体から消費者庁への 消費者安全法に基づく重大事故等の通知は平成 25 年度までに 2 件しか確認することができず 消費者庁における保育施設等の事故情報の把握は不十分である 他方で 厚生労働省は 所管する施設 事業のうち 保育所及び認可外保育施設 放課後児童クラブ及びファミリー サポート センター事業について 事故情報の通知制度を設け 地方公共団体から厚生労働省への事故情報の報告を依頼している しかし 当該通知では消費者安全法に触れていないこともあり 厚生労働省には地方公共団体が把握した事故の情報が集約されているが 地方公共団体から消費者庁に情報提供がなされていない状況である 消費者庁においては 消費者安全法を地方公共団体へ周知するための説明会等を開催し 消費者安全法に基づく事故情報の通知を依頼しているものの このような取組は消費者行政部門への周知にとどまり 地方公共団体内部において 福祉部門や教育委員会等への周知がなされていない可能性がある 消費者委員会においても複数の地方公共団体の教育施設 児童福祉部門へヒアリングを実施したが 消費者安全法に基づく通知義務を認識している地方公共団体は僅かであった このように 教育 保育施設等の分野において 消費者安全法に基づく事故情報の通知制度は実態としてほぼ形骸化している この背景には 両省及び地方公共団体において 事故情報を消費者庁に一元化し 政府全体で事故の再発防止を図っていく という消費者安全法の意義が 十分に理解されていないことが挙げられる また 当委員会が 教育 保育施設等や関係団体 地方公共団体 有識者へヒアリングした結果 消費者安全法に基づく通知制度や 厚生労働省が地方公共団体に通知で示している 治療に要する期間が 30 日以上 という報告基準について 施設から所管地方公共団体に届出をすべきか判断に迷うことがあるとの意見があった また 情報を受け取った地方公共団体においても 所管府省へ報告するかどうかの判断に差異が見られた 事故情報の共有による被害の拡大防止や再発防止の対策を講ずるためには その前提として 適切に情報が集約されることが必要である したがって 消費者庁は 消費者安全法に基づく消費者事故等の情報の通知制度の実効性が確保されるよう 関係府省 都道府県及び市町村に対して 当該制度の意義及び消費者庁に通知すべき消費者事故等の範囲について継続的に周知することが必要である 5

以上を踏まえ 消費者庁及び関係府省は 上記建議事項 1 に基づく措置を講ずべきである 6

2. 事故情報の分析及び活用 ( 建議事項 2) 集約した教育 保育施設等における消費者事故等の情報について その情報が被害の拡大防止及び再発防止に向けて確実に活用されるよう 消費者庁及び関係府省は 密接な連携により 次の措置を講ずること (1) 関係府省は 新制度の実施に向けて 教育 保育施設等において事故の被害の拡大防止及び再発防止に役立つ情報のフィードバックを行うため 事故情報に関する教育 保育施設等の現場のニーズを的確に把握することができるよう 所管府省だけではなく 施設等の運営主体又は運営主体の団体や 地方公共団体の教育 保育担当部局等を交えた検討を行うとともに 新制度の実施以後も検討を継続的に行い 改善を図っていくこと (2) 関係府省は 教育 保育施設等で発生した事故から得られた再発防止のための知識や注意喚起などの情報について 新制度に移行しないものも含め すべての教育 保育施設等にフィードバックすること また 消費者庁は 教育 保育施設等において発生する事故は 家庭においても起こり得るものであることに鑑み 子育て世帯にも情報を届けるよう取り組むこと (3) 消費者庁は 関係府省における (1) の検討状況や (2) の実施状況を適切に把握し フィードバックの取組に資するよう 事故情報を提供すること また 教育 保育施設等に向けた事故情報のフィードバックのための資料作成などに 事故情報データバンク 2 などが活用できることを関係府省の協力を得て地方公共団体に周知すること また メール配信登録者に直接情報を届けることが可能な 子ども安全メール from 消費者庁 について保育従事者や子育て世帯に登録を促すなど プッシュ型の配信方法の一層の活用を推進すること (4) 関係府省は 事故再発防止策検討会で検討している事故情報のデータベース化にあたっては 消費者庁の 事故情報データバンク や独立行政法人日本スポーツ振興センターの 学校事故事例検索データベース など 既存のデータベースとの整合を図り その活用を含めて検討すること (5) 関係府省及び消費者庁は 教育 保育施設等における消費者事故等の検証については 個々の事故の検証を行うことと 被害の拡大防止や再発防止のための知見を得ることの二つの要請があることを踏まえ 前者の要請に対しては 検証の公正性を確保する必要があること 後者の要請に対しては全国で発生す 2 事故情報データバンクは 生命 身体に係る消費生活上の事故情報を関係機関から一元的に集約して提供するシステムであり 事故の再発 拡大の防止に資する環境整備の一環として 消費者庁と ( 独 ) 国民生活センターが連携して 関係機関の協力を得て実施する事業 ( 関係機関 : 消費者庁 厚生労働省 農林水産省 経済産業省 国土交通省 独立行政法人国民生活センター 消費生活センター 日本司法支援センター 独立行政法人製品評価技術基盤機構 独立行政法人日本スポーツ振興センター ) 7

る事故を地域や施設等の種別に関わらず横断的に分析することが有効であることに鑑み それぞれの目的を達成するために適切な検証体制の構築に向けた検討を行うこと ( 理由 ) 建議事項 2(1) について 消費者庁においては 消費者安全法の趣旨や制度に基づき 収集した情報について 定期的な公表や必要に応じた注意喚起を行っているが 前述のとおり 教育 保育施設等の分野に係る事故情報についての収集が不十分であるため 平成 22 年度から 25 年度までの間に定期公表された同分野に関する重大事故等は合計で5 件にとどまっている 厚生労働省においては 各種保育施設等に関する重大事故等について地方公共団体から情報が集約されているものの 事故防止対策の徹底の依頼とともに 事故の発生状況等に関する情報を所管課の任意の方法で公表している状況である その公表方法について 保育所及び認可外保育施設では 前年に地方公共団体から報告のあった死亡 重篤な事故について 保育施設における事故報告集計 としてとりまとめ 毎年 1 月に記者発表するとともに ウェブサイトに掲載している また 同集計は都道府県等にも発出されており 管内の市町村 保育所及び認可外保育施設等への周知を求めている 他方 放課後児童クラブについては 保育所及び認可外保育施設と同様に地方公共団体から報告のあった死亡 重篤な事故を取りまとめており 平成 25 年の1 年間に発生した事故の報告集計については 地方公共団体の主管課長会議の配布資料としてウェブサイトにも掲載されているが 情報を必要とする施設等に向けて分かりやすく情報提供がされているとは言えない状況である ファミリー サポート センター事業については 事故の発生数が少ないという背景があるものの 平成 23 年に過去 5 年分の事故報告集計をウェブサイトで公表し また 同集計は都道府県等にも発出されており 管内の市町村への周知を求めている なお それ以後は 公表されていない 文部科学省においては 事故情報の公表は行われていない また 独立行政法人日本スポーツ振興センターにおいて公表される情報も限定的 ( 災害給付制度を利用した事故のみ情報が集まる ) であり 実質的に事故情報の公表を網羅的に行う仕組みがない状況である 当委員会が 教育 保育施設等や関係団体 地方公共団体 有識者へヒアリングした結果 所管府省による事故情報のフィードバックに関して 次のような問題点が指摘された 8

厚生労働省が公表する年 1 回程度の公表では 情報の速報性に欠けるため迅速な再発防止につながりにくい また 事故の件数など統計的な報告が中心となり 具体例が分からないことから 再発防止の観点から現場で活用しづらい 行政から事故等の注意喚起があっても 既にマスコミ等で耳にした情報であり 内容も 注意してください といった抽象的なものにとどまり その原因や対処方法など 具体的な再発防止策に触れていない 例えば 1 つの保育所しか運営していない事業者は 複数の保育所を運営する事業者と比べて 他の保育所で発生した事故情報を入手する機会がないために 行政からの情報提供が頼りであるが 現在は情報提供がほとんどされていない 上記のような指摘に対応するため 関係府省は 施設等の運営主体又は運営主体の団体や 地方公共団体の教育 保育担当部局等を交えた検討を行い 事故情報に関する教育 保育施設等の現場のニーズを的確に把握することが必要である 建議事項 2(2) について 保育所等で起こった事故は幼稚園でも起こる可能性があり その逆もまたあると考えられる また 保育所等での事故は集団保育特有の原因により発生する場合もあるが 家庭やベビーシッター等でも起こり得るものである このため 事故情報や再発防止のための知識は 事故が起きた施設と同種の施設だけにフィードバックするのではなく 新制度に移行しないものも含めたすべての教育 保育施設等及び子育て世帯にも情報を届けることが必要である 建議事項 2(3) について 消費者庁では 重大事故等の定期公表や注意喚起以外にも 消費者事故全般の収集 公表の機能を持つ 事故情報データバンク や 消費者庁に集約される事故情報を基にした 子どもの事故予防の豆知識などを配信するメールマガジンである 子ども安全メール from 消費者庁 など 複数の情報発信手段を運用しており その中には 実際に教育 保育等の現場で十分に活用できる情報も含まれている しかし 当委員会が 教育 保育施設等や関係団体 地方公共団体 有識者へヒアリングした結果 上記サービスを認識している者はなく 十分に活用されていないことが明らかとなった これまでの一般消費者への周知を継続するとともに 関係省庁や地方公共団体と連携し 教育 保育等の関係者へ積極的に周知するなど 活用を図るべきである また これらのヒアリングでは 施設や事業毎に情報の入手手段が異なってい 9

ることが明らかとなった 具体的には 認可保育所や幼稚園等の比較的大きな施設ではパソコンによる事務処理をしている所が多く そのような施設では 施設長や事務担当者がインターネットを通じて情報を入手している 他方で 放課後児童クラブや小規模な認可外保育施設 家庭的保育事業など パソコンを導入していない施設等では スマートフォンやファクシミリを主な連絡手段としていた また パソコンを配備している施設でも 業務の実態からみて 施設の職員に日々事故情報の把握を行うように求めるのは困難であり また個々の保育従事者は 業務の中でパソコンを使用することは通常ない 以上の実態を踏まえると 事故情報データバンク などウェブサイトによる情報提供を行うことには施設側の協力を得られれば相当の効果が認められるが 併せて 子ども安全メール from 消費者庁 などのプッシュ型の情報配信を普及させることが効果的である 建議事項 2(4) について 事故再発防止策検討会では 集約した情報の公表 分析 フィードバックのあり方として 既に集約している情報を中心とするデータベース化 を検討課題としているが 消費者安全法に基づいて消費者庁に通知された事故情報は全て事故情報データバンクに登録される仕組みとなっているため データベース化の検討に当たっては 事故情報データバンクや学校事故事例検索データベースの活用を含めて検討すべきである 建議事項 2(5) について 厚生労働省においては 平成 25 年 3 月に都道府県等に対して 保育所において死亡等の重篤な事故が発生した場合には 保育の実施者である市町村において再発防止のための必要な検証が行われるよう管内市町村への周知を求める通知を発出している しかし 検証結果の報告を求めてはおらず 当委員会が行った地方公共団体へのヒアリングでは 死亡事故が起きても検証がされないケースがあることが明らかになった 文部科学省においては 事故検証に関する統一的なルールはなく 対応は施設を所管する地方公共団体に任されている状況である 当委員会が 教育 保育施設等や関係団体 地方公共団体 有識者へヒアリングした結果 死亡事故等の重大事故が発生した場合は 個々の事故事案について発生原因を特定し 被害者家族等へ情報開示することの必要性と 同種の事故事例の分析を行い 再発防止のための注意点を明らかにしたうえで 全国的に情報を共有することの必要性の 2 点の要請があることが判明した 10

前者の要請に関しては 現在 個々の事故の検証に市町村が取り組んでいる例があるが さらに 検証を受ける教育 保育施設等から一定の距離を保って公正に検証を行うために 例えば 第三者委員会を市町村又は都道府県が設置することが考えられる 後者の要請については 大規模な人的 物的体制を整えて専門性の高い事故分析を行う必要があることに鑑み 国が主導して取り組む仕組みが考えられるが その検討にあたっては 消費者安全調査委員会 3 の役割や同委員会との関係性を考慮すべきである 子どもの安心 安全が守られるべき教育 保育施設等で 子どもが死亡するような事故を防止することは喫緊の課題であることから 検証は施設の種別を問わず実施すべきであり 上記 2 点の要請に応えるために適切な検証体制の構築に向けた検討を行う必要がある 以上を踏まえ 消費者庁及び関係府省は 上記建議事項 2 に基づく措置を講ずべきである 3 消費者安全調査委員会は 消費者安全法に基づき 生命又は身体の被害に係る消費者事故等の原因及びその事故による被害発生の原因を究明し 同種又は類似の事故等の再発 拡大防止や被害の軽減のため講ずべき施策又は措置について勧告又は意見具申することを任務としている 調査委員会の調査対象とし得る事故等は 運輸安全委員会が調査対象とする事故等を除く生命又は身体の被害に係る消費者事故等である ここには 食品 製品 施設 役務といった広い範囲の消費者に身近な消費生活上の事故等が含まれる 11