さいたま市 東京 2020 文化オリンピアード アクション & レガシープラン 平成 29 年 7 月 さいたま市
目次 1. はじめに... 2 東京オリンピック パラリンピック競技大会の 文化プログラム とは... 2 国の動き... 3 埼玉県の取組... 3 本市の取組... 3 2. 本市における取組において創出すべきレガシーコンセプト... 3 3. 取組の方向性... 5 (1) コンセプト 1 日本文化の再認識と継承 発展 への対応... 5 (2) コンセプト 2 次世代育成と新たな文化芸術の創造 への対応... 5 (3) コンセプト 3 日本文化の世界への発信と国際交流 への対応... 5 (4) コンセプト 4 全国展開によるあらゆる人の参加 交流と地域の活性化 への対応... 6 4. 取組の具体例... 6 (1) コンセプト 1: 地域に根ざした文化の継承 発展... 6 (2) コンセプト 2: 文化芸術都市創造を担う人材の育成... 7 (3) コンセプト 3: 国際芸術祭の開催を通じた国際交流及びさいたま文化の創造... 7 (4) コンセプト 4: 文化芸術を活かしたまちの活性化... 8 5. 取組の評価と見直し... 8 1
1. はじめに 東京オリンピック パラリンピック競技大会の 文化プログラム とはオリンピックのあり方を定めている IOC のオリンピック憲章では オリンピックの開催に当たり開催国に文化的なプログラム ( 以下 文化プログラム という ) を実施することを義務付けています 文化プログラムは 前のオリンピックが開催されてから次のオリンピックが開催されるまでのカルチュラル オリンピアードと呼ばれる期間に実施されることとされており 東京の場合は 平成 28 年 (2016) 年 9 月からの 4 年間がその時期に当たります ( 公財 ) 東京オリンピック パラリンピック競技大会組織委員会 ( 以下 組織委員会 という ) では 平成 28 年 (2016) 年 1 月に 東京 2020 アクション & レガシープラン 2016 中間報告 を発表し その中で 文化の祭典としてあらゆる人々が東京 2020 大会文化プログラム ( 仮称 ) に参加し オールジャパンで盛り上げることで 国内はもとより 世界中の国 地域から訪れる多くの人々に対し 日本の文化の力を示す ことをコンセプトに 1. 日本文化の再認識と継承 発展 2. 次世代育成と新たな文化芸術の創造 3. 日本文化の世界への発信と国際交流 の 3 つの方向でアクションを進めていくことを記載しています その後 東京 2020 文化オリンピアード のキックオフプログラムとして 幕開き日本橋 - 東京 2020 文化オリンピアードキックオフ - が開催され 2016 年 10 月から 2020 年の東京 2020 オリンピック パラリンピック競技大会終了時まで開催される文化の祭典がスタートしました 参考 東京 2020 オリンピアードについて * 公益財団法人東京オリンピック パラリンピック大会組織委員会 東京 2020 オリンピアードについて より抜粋 2
国の動き平成 27(2015) 年 7 月に文化庁においては 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会に向けた文化庁の取り組む文化プログラムの基本的な枠組みとして 文化プログラムの実施に向けた文化庁の基本構想 を取りまとめ 平成 28 年 10 月にスポーツ 文化 ワールド フォーラムにおける宣言 2020 年を見据えた文化による国づくりを目指して ( 通称 : 京都宣言 ) を発表しました その後 2020 年以降を見据え 日本の強みである地域性豊かで多様性に富んだ文化を活かし 成熟社会にふさわしい次世代に誇れるレガシーの創出に資する文化プログラムを beyond2020 プログラム として認証し ロゴマークを付与することで オールジャパンで統一感を持って日本全国へ展開することとしています 埼玉県の取組東京 2020 オリンピック パラリンピック競技大会 ( 以下 東京 2020 大会 という ) においてオリンピック 4 競技 パラリンピック 1 競技が開催予定の埼玉県では 東京 2020 大会に加え ラグビーワールドカップ 2019( 以下 RWC2019 という ) の開催都市 ( 熊谷市 ) としても決定しています 両大会の成功に向けた取組を進めていくために 埼玉県では 2020 オリンピック パラリンピック / ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会 を設置し 平成 28 年 5 月に 埼玉県推進基本計画 を策定し オール埼玉による取組 スポーツを通じたレガシーの創出 という基本理念を掲げて両大会に向けた取組を推進し 大会後に引き継がれる遺産 ( レガシー ) を残していくこととしています 本市の取組本市においては 平成 29(2017) 年 3 月に 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会に向けたおもてなしアクションプラン Ver.2017 を決定し 本市の観光 国際交流 スポーツ 文化芸術 教育等の振興を推進するとともに 本市の魅力を世界にアピールしていくことを目的として 2020 年までに官民一体となって実施していくべき取組をまとめました このプランを視野に入れながら 本市で育まれてきた文化芸術の魅力を世界に発信する絶好の機会として本市の東京オリンピック パラリンピック競技大会における さいたま市東京 2020 文化オリンピアード アクション & レガシープラン ( 以下 本プラン という ) を定めることにより 大会の気運醸成とともに本市の文化芸術の振興を図り レガシーの創出 ひいては さいたま文化 の創造を目指します 併せて 本市が策定した さいたま市文化芸術都市創造計画 ( 平成 26 年 ~32 年 ) に示す 3 つの重点プロジェクト 文化芸術を活かしたまちの活性化 文化芸術都市創造を担う人材の育成 さいたま市の魅力ある資源の活用と発信 の実現を目指します 2. 本市における取組において創出すべきレガシーコンセプト東京 2020 アクション & レガシープラン 2016 においては オリンピック パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に文化の祭典であり 和 の精神が具現化された日本の 3
文化を国内外に発信する絶好の機会として捉え 日本文化の魅力を国内はもとより世界中に発信するとともに 世界中の人々との交流を推進することを 文化オリンピアードにおけるコンセプトと目指すべきレガシーとして掲げています こうしたレガシーコンセプトに適合した取組の認証制度として 東京 2020 参画プログラム ( 以下 参画プログラム という ) を設けています この参画プログラムの対象となる取組として 東京 2020 大会の気運醸成に資するアクション 又は 東京 2020 大会の先にレガシーを創出するためのアクションとして 公開を前提とする国内で実施する公演 展示 アートプロジェクトその他のあらゆる創造活動 国際的な芸術交流活動 国内の芸術創造環境の向上に資する活動などが挙げられています その他にも 国においても 2020 年以降を見据えたレガシーを創出するための認証制度として beyond2020 プログラム を推進することとしています 本プランに掲げる取組の方向性に基づいた様々な文化芸術のアクションを これらの参画プログラム及び beyond2020 プログラムとして実施することにより 東京 2020 大会以降にも継続されるレガシーを創出し 本市独自の さいたま文化 の創造につなげていくこととします 参考 東京 2020 参画プログラム ( 組織委員会 ) * 公益財団法人東京オリンピック パラリンピック大会組織委員会 東京 2020 オリンピアードについて より抜粋 beyond2020 プログラム ( 国 ) beyond2020 プログラムとは 2020 年以降を見据え 日本の強みである地域性豊かで多様性に富んだ文化を活かし 成熟社会にふさわしい次世代に誇れるレガシーの創出に資する文化プログラムを beyond2020 プログラム として認証し ロゴマークを付与することで オールジャパンで統一感を持って日本全国へ展開していきます 4 * 文化庁 HP より
3. 取組の方向性東京 2020 アクション & レガシープラン 2016 に基づき公表されている 東京 2020 参画プログラムガイドライン によれば 文化オリンピアードのレガシーコンセプトとして 以下の項目を挙げています コンセプト 1: 日本文化の再認識と継承 発展コンセプト 2: 次世代育成と新たな文化芸術の創造コンセプト 3: 日本文化の世界への発信と国際交流コンセプト 4: 全国展開によるあらゆる人の参加 交流と地域の活性化 これらのレガシーコンセプトを踏まえ 本市の取組の方向性を示すとともに その具体化を目指します (1) コンセプト 1 日本文化の再認識と継承 発展 への対応コンセプト 1 日本文化の再認識と継承 発展 において目指すべきレガシーとしては 多岐にわたる外来文化を受容しながら 日本の風土の中で形成 熟成させ 発展させてきた日本文化の価値を再認識するとともに これを次世代に継承し発展 させることが示されています 本市には 盆栽 漫画 人形 鉄道の文化はもとより 地域に伝わる伝統行事や郷土芸能を含め 多彩で魅力ある有形 無形の文化資源が存在します この コンセプト 1 に対応するものとして 本市においては これらの 地域に根差した文化の継承及び発展 を据えることとします (2) コンセプト 2 次世代育成と新たな文化芸術の創造 への対応コンセプト 2 次世代育成と新たな文化芸術の創造 において目指すべきレガシーとしては 多様な文化芸術活動が民間企業や人々からサポートされ 文化芸術団体等の事業推進力が強化されているとともに これを継承 発展 創造する担い手が育ち 自立し 幅広く活躍する社会 としています 本市においても 多様な団体による文化芸術活動の機会の拡大や若手をはじめとする芸術家の支援を通じて創造活動を行う人材 創造活動を支えるボランティア 文化芸術イベントを企画 運営できる人材など 本市の文化芸術都市創造の中核となる人材を育成することとします (3) コンセプト 3 日本文化の世界への発信と国際交流 への対応コンセプト 3 日本文化の世界への発信と国際交流 においては 新たな文化や多様な文化が融合 調和した日本の文化の魅力を世界に発信するとともに 文化芸術を通じた国際交流を活発化 させるとしており 具体例として オリンピック史に残る大規模かつ創造的なイベント や 世界中の芸術家との交流や共同制作など 国際的な芸術活動であり 新たな文化を創造する取組 が挙げられています 5
本市では 2016 年に国内外のアーティストを招聘しさいたまトリエンナーレ 2016 を開催し 本市をテーマにした作品を鑑賞することを中心に 36 万人の方々に御来場いただくとともに 現代アート界から高く評価されたところです こうした取組を通じて国際交流を活発化させることを目指して コンセプト 3 に 国際芸術祭の開催を通じた国際交流及びさいたま文化の創造 を据えることとします (4) コンセプト 4 全国展開によるあらゆる人の参加 交流と地域の活性化 への対応最後のコンセプト 4 全国展開によるあらゆる人の参加 交流と地域の活性化 の目指すべきレガシーについて あらゆる人々が多種多様な文化芸術を身近な地域で日常的にたしなみ 人生を豊かにする とともに 文化事業を通じて様々な主体が連携 参加 交流できる場や機会を創出 地域を活性化 すると掲げられています 前述したさいたまトリエンナーレ 2016 においては 多様な年齢層の市民によって構成されるサポーターなど これまでの自治会などの既存のコミュニティとは異なる新たなコミュニティとして形成されるなど 経済効果とは別の面における まちの活性化 が図られました また アーティスト オン サイト事業を福祉施設で実施することにより 年齢や障害の有無にかかわらず現代アートの作品を作家とともに制作するなど 多様な主体が参加 交流する機会が創出されました こうした取組を継続していくことを念頭に 文化芸術を活かしたまちの活性化 をコンセプト 4 に対応させることとします 本市におけるレガシーコンセプトコンセプト 1 地域に根差した文化の継承及び発展コンセプト 2 文化芸術都市創造を担う人材の育成コンセプト 3 国際芸術祭の開催を通じた国際交流及びさいたま文化の創造コンセプト 4 文化芸術を活かしたまちの活性化 4. 取組の具体例本市における各コンセプトに基づく取組の具体例は以下のとおりです なお こうした取組の実施に当たっては 文化芸術都市創造基金の積極的な活用を図ることとします (1) コンセプト 1: 地域に根ざした文化の継承 発展本市には 盆栽 漫画 人形 鉄道に代表される 多彩で魅力ある有形 無形の文化資源や貴重な大規模緑地空間である見沼田圃が存在します これらの地域資源を継承し 発展させることで 文化芸術都市さいたま としての魅力向上を図ります また 本市の歴史や暮らしの中で培われてきた地域の文化芸術資源を掘り起こし 国際芸術祭をはじめとする様々な事業に活用します また こうした文化芸術資源を保存 継承するとともに 広く公開 発信します 6
想定される取組 国際芸術祭における連携プロジェクトの実施 盆栽特別展 企画展 人形のまち岩槻まつり 北沢楽天漫画大賞 鉄道のまち大宮鉄道ふれあいフェアでの鉄道文化啓発 青少年による郷土芸能伝承活動の促進 (2) コンセプト 2: 文化芸術都市創造を担う人材の育成若手をはじめとする芸術家の支援を通じて創造活動を行う人材を増やすとともに 創造活動を支えるボランティアの育成や文化芸術イベントを企画 運営できる人材を育成することによって 本市の文化芸術都市創造の中核となる人材を育成します また 子どもの豊かな感性や創造性を育むため 学校教育の場だけではなく 気軽に参加できる文化芸術の鑑賞 発表 体験の機会を提供します 想定される具体例 国際芸術祭におけるサポーター活動及び市民プロジェクトの支援 ジュニアソロコンテスト SaCLa アーツ 子どもを対象とした文化芸術体験事業 盆栽等の文化芸術に関する体験講座 ワークショップなど (3) コンセプト 3: 国際芸術祭の開催を通じた国際交流及びさいたま文化の創造 204 か国から 2 万 5 千人以上のアーティストが参加するなど 最大規模と内容で開催された 2012 年のロンドン大会の文化プログラムをはじめ 2016 年のリオ大会においても大小様々な文化プログラムが展開されたところですが 本市においても会場関連自治体としてふさわしいシンボリックな事業を展開していくこととします 国内外の若手を含む気鋭のアーティストを招聘し 国際芸術祭を継続して開催し 本市に存在する多様な文化芸術資源の活用を始め 個人 企業 団体等の多様な主体が 国際芸術祭 を媒介として交流することにより 新たな独自の文化 さいたま文化 を創造します 想定される具体例 国内外のアーティストを招聘した国際芸術祭の開催 7
(4) コンセプト 4: 文化芸術を活かしたまちの活性化文化芸術の持つ創造性を活かし 国際的な芸術祭 芸術家の新たな創造環境の創出などを通じて 多様な交流を生み出し 都市の創造性を高め まちの活性化を図ります また 文化芸術の持つ創造性を本市の産業振興に活かす取組など 文化芸術と産業の連携を進め 文化芸術と産業相互の振興を図ります 加えて 能や歌舞伎の公演を実施することなどにより 日本の伝統文化を発信するとともに まちの活性化に寄与する取組を進めます 想定される具体例 国際芸術祭における市内企業の参加及び市民プロジェクトの実施 アーティスト オン サイト事業の実施 文化芸術を生かした地域活性化事業によるアートフェスタの支援 能や歌舞伎などの公演の実施 5. 取組の評価と見直し組織委員会のアクション & レガシープランは毎年改定される予定ですが その見直しを踏まえ 本プランについても随時見直していくこととします また 本市における公認プログラム等の申請状況 を把握し 適宜 取組を公表 周知するとともに レガシーコンセプトに適合すると判断される事業については申請を促していくこととします 東京 2020 文化オリンピアード (2016~) さいたま市 A&L ブラン作成及び取組スタート プランのコンセプトに基づく各取組を実施 公認 応援プログラム申請の増加 beyond2020 認証数の増加 国際芸術祭 東京 2020 大会 レガシーとして取組を継続 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 東京 2020 参画プログラム及び beyond2020 の申請先 : 東京 2020 参画プログラム 現在調整中 ( さいたま市で取りまとめの予定 ) beyond2020 埼玉県市民生活部文化振興課 8