を構成し, その結果, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書の 工業上利用することができる意匠 に当たるか否かである 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 27 年 3 月 16 日, 意匠法 14 条 1 項により3 年間秘密にすることを請求し, 物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠

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認められないから, 本願部分の画像は, 意匠法上の意匠を構成するとは認めら れない したがって, 本願意匠は, 意匠法 3 条 1 項柱書に規定する 工業上利用する ことができる意匠 に該当しないから, 意匠登録を受けることができない (2) 自由に肢体を動かせない者が行う, モニター等に表示される

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

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REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

最高裁○○第000100号

異議の決定 異議 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

意匠法第十七条の三意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは その意匠登録出願は その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす 2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは もとの意匠登

原告は, 平成 26 年 12 月 9 日, 指定役務を第 35 類 市場調査又は分析, 助産師のあっせん, 助産師のための求人情報の提供, 第 41 類 セミナーの企画 運営又は開催, 電子出版物の提供, 図書及び記録の供覧, 図書の貸与, 書籍の制作, 教育 文化 娯楽 スポーツ用ビデオの制作

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

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最高裁○○第000100号

審決取消判決の拘束力

同法 46 条 1 項 1 号により, 無効とすることはできない, というものである 第 3 当事者の主張 1 審決の取消事由に関する原告の主張 (1) 取消事由 1( 商標法 3 条 1 項柱書該当性判断の誤り ) 審決は, 本件商標に関し, 願書に記載された指定商品又は指定役務に使用していること

(イ係)

平成  年(オ)第  号

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

 

基本的な考え方の解説 (1) 立体的形状が 商品等の機能又は美感に資する目的のために採用されたものと認められる場合は 特段の事情のない限り 商品等の形状そのものの範囲を出ないものと判断する 解説 商品等の形状は 多くの場合 機能をより効果的に発揮させたり 美感をより優れたものとしたりするなどの目的で

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

知的財産権の権利活用 ~警告から訴訟まで

主文第 1 項と同旨第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 原告は, 平成 24 年 6 月 14 日, 発明の名称を 遊技機 とする特許出願をし ( 特願 号 請求項数 3 ), 平成 26 年 5 月 12 日付けで拒絶理由通知 ( 甲 8 以下 本件

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第24号-

資料 4 平成 26 年度特許庁実施庁目標 参考資料 2014 年 3 月 28 日

平成 29 年 5 月 15 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 3 月 6 日 判 決 原 告 BERNARD FRANCE SERVICE 合同会社 訴訟代理人弁護士笹本摂 向多美子 訴訟代理人弁理士木村高明 被 告 ラボラ

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

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令和元年 5 月 30 日判決言渡 平成 30 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 23 日 判 決 原告ジー エス エフ ケー シー ピー株式会社 被告ケーシーピーヘビーインダスト リーズカンパニーリミテッド 訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

平成  年(行ツ)第  号

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

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31 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 1 原告の求めた裁判 主文同旨 事実及び理由 第 2 事案の概要 本件は, 商標登録を無効とした審決の取消訴訟である 争点は, 商標法 4 条 1 項 10 号該当性 ( 引用商標の周知性の有無 ) である 1 特許庁における手続の経

1 特許庁における手続の経緯原告は, 名称を 5 角柱体状の首筋周りストレッチ枕 とする発明につき, 平成 20 年 10 月 31 日に特許出願 ( 本願 特願 号, 特開 号, 請求項の数 1) をし, 平成 25 年 6 月 19 日付けで拒絶

平成 28 年 10 月 11 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結の日平成 28 年 7 月 7 日 判 決 原 告 オーガスタナショナルインコーポレイテッド 同訴訟代理人弁護士 中 村 稔 同 松 尾 和 子 同 田 中 伸 一 郎 同訴訟代

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

平成 25 年 12 月 17 日判決言渡 平成 25 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 10 月 17 日 判 決 原告エイトマイハートイン コーポレイテッド 訴訟代理人弁護士 五十嵐 敦 出 田 真樹子 弁理士 稲 葉 良 幸 石 田 昌 彦 右

Microsoft Word - 04_【資料1- 2】画像を含む意匠の創作非容易性判断基準の明確化に関する意匠審査基準改訂についての考え方(WG当日版)

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

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平成  年(あ)第  号

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

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第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

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政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

1 原告の請求を棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 請求の趣旨 1 特許庁が無効 号事件について平成 25 年 5 月 9 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ( 当事者間に争い

11総法不審第120号

平成11年6月8日

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

11総法不審第120号

1DD CC A CA

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指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

4390CD461EB D090030AC8

平成 25 年 4 月 24 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 3 月 11 日 判 決 原 告 X 訴訟代理人弁理士 松 下 昌 弘 被 告 特 許 庁 長 官 指定代理人 井 出 英一郎 同 水 莖 弥 同 堀 内 仁 子

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MJS/ 第 79 回租税判例研究会 ( ) MJS 判例研究会 平成 30 年 8 月 9 日 報告者西野道之助 更正の請求/ 雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除 平成 28 年 7 月 8 日 東京地裁 ( 棄却 )( 控訴 ) 平成 29 年 1 月 26 日

第26回 知的財産権審判部☆インド特許法の基礎☆

Transcription:

平成 29 年 5 月 30 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 10241 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 3 月 23 日 判 決 原告三菱電機株式会社 訴訟代理人弁理士松井重明 伊達研郎 被 告 特許庁長官 指 定 代 理 人 江 塚 尚 弘 斉 藤 孝 恵 橘 崇 生 板 谷 玲 子 主 文 1 原告の請求を棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 原告の求めた裁判特許庁が不服 2016-8802 号事件について平成 28 年 10 月 5 日にした審決を取り消す 第 2 事案の概要本件は, 意匠登録出願拒絶査定不服審判請求に対する不成立審決の取消訴訟である 争点は, 後記本願部分の画像が意匠法 2 条 2 項の 物品の操作 ( 当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る ) の用に供される画像 - 1 -

を構成し, その結果, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書の 工業上利用することができる意匠 に当たるか否かである 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 27 年 3 月 16 日, 意匠法 14 条 1 項により3 年間秘密にすることを請求し, 物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願をしたところ ( 意願 2015-5579 号 甲 1 以下 本願 という ), 同年 11 月 11 日付けで拒絶理由通知を受け ( 甲 3), 同年 12 月 24 日, 意匠に係る物品の説明 を補正する手続補正をしたが ( 甲 5), 平成 28 年 2 月 17 日付けで拒絶査定を受けたので ( 甲 6), 同年 6 月 14 日, 拒絶査定不服審判請求を行った ( 不服 2016-8802 号 甲 7) 特許庁は, 平成 28 年 10 月 5 日, 本件審判の請求は, 成り立たない との審決をし, その謄本は, 同月 18 日, 原告に送達された 2 本願意匠本願の意匠登録を受けようとする意匠 ( 以下 本願意匠 という ) は, 別紙第 1 のとおりである ( 以下, 本願において, 意匠登録を受けようとする部分を 本願部分 という ) 3 審決の理由の要点 (1) 物品と一体として用いられる, 自動車周囲の路面, 組み立て駐車場, あるいは展示場の床板等の表示機器 ( 以下 表示機 という ) に表される画像を含む意匠について意匠登録を受けようとする場合は, 意匠に含まれる画像が意匠法 2 条 2 項において規定する物品の機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像であることが必要である しかし, 本願部分の縮小画像図 1~9には操作のための図形等が一つも表れておらず, これらの縮小画像図 1~9を全体として見たとしても右折の操作に用いられるものとは認められず, これから右折することを運転者及び周囲の者に示すために表示しているにすぎない - 2 -

そうすると, 本願部分の画像は, 意匠法 2 条 2 項所定の画像を構成するとは認められないから, 本願部分の画像は, 意匠法上の意匠を構成するとは認められない したがって, 本願意匠は, 意匠法 3 条 1 項柱書に規定する 工業上利用することができる意匠 に該当しないから, 意匠登録を受けることができない (2) 自由に肢体を動かせない者が行う, モニター等に表示される文字を選択するための画像や, 音声認識させるための発声などによる操作のための画像とは異なり, 本願部分の画像には, 運転者が自動車を右折させるための操作ボタン等の画像が何も表示されていない また, 表示された画像を用いてハンドルをきる等の操作をするのではなく, これから自動車が右折するとの警告を表示機に表示するものである したがって, 本願部分の画像は, 運転者が自動車を右折させるための操作の用に供する画像とは認められない 第 3 原告主張の審決取消事由審決は, 本願部分が意匠法 2 条 2 項において規定する 物品の操作 ( 当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る ) の用に供される画像 ( 以下, 物品の操作 の用に供される画像 という ) ではないから, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書に規定する 工業上利用することができる意匠 に該当しないと判断したが, 誤りである 本願部分は, 次のとおり, 物品の操作 の用に供される画像 に当たる そして, この誤りは, 審決の結論に影響を及ぼすものであるから, 審決は取り消されるべきである 1 甲 8( 特許庁総務部総務課制度改正審議室編 平成 18 年意匠法等の一部改正産業財産権法の解説 13 頁 ~17 頁 ) によると, 形態が, 物品と一体として用いられる範囲において, 物品の操作 の用に供される画像 に関するデザインを広く保護しようとすることが, 意匠法 2 条 2 項を設けた法改正の趣旨であって, それ以上に保護対象を限定する意図は読み取れない - 3 -

そして, 操作 とは, ( 機械などを ) あやつって働かせること を意味し, 一定の作用効果や結果を得るために物品の内部機構等に指示を与えることをいうところ, 本願意匠に係る物品の 操作 は, 機械など に相当するハンドルをあやつって働かせることであり, 一定の作用効果や結果 に相当する 曲がる 機能を得るために, 物品の内部機構等 に相当するラックアンドピニオン等のステアリング機構に指示を与えるものである 具体的には, 運転者は, 右折を予定しウインカーレバーを操作すると, 縮小画像図 1( 使用状態を示す参考図 1)~ 縮小画像図 9( 使用状態を示す参考図 9) が繰り返されることにより, 右折する 操作 を行うものである このように, 運転者が表示された画像を認識することにより, 次に行うべき 操作 が促されることから, 縮小画像図 1~9の画像は 操作 を必要とするものである また, 機能 とは, 物のはたらき であり, 物品の機能とは, 当該物品の物品名から一般的に想起される特定の機能を意味するところ, 本願意匠に係る物品の機能については, 自動車の 一般的に想定できる機能 である 走る, 曲がる, 止まる のうち, 曲がる ことがこれに該当する さらに, 機能を発揮できる状態 とは, 当該物品の機能を働かせることが可能となっている状態であり, 実際に当該物品がその機能に従って働いている状態は保護対象に含まないことを意味するところ, 本願意匠の縮小画像図 1( 使用状態を示す参考図 1)~ 縮小画像図 9( 使用状態を示す参考図 9) は, いずれも本願意匠に係る物品の 曲がる という機能を発揮する前に表示されているものである このように, 本願部分の画像は, 映像装置付き自動車 という物品における 曲がる という機能を発揮できる状態にするための, ハンドル等の操作の用に供されるものということができ, 物品の操作 の用に供される画像 との要件に適合するものである 2 審決は,1 操作ボタン等の画像が表示されること,2 表示された画像を用いて操作を行うものであることを, 物品の操作 の用に供される画像 に適合するた - 4 -

めの判断基準とするようであるが, このような判断基準は, 甲 8には明示されていないし, これまでの登録意匠例に照らしても誤りである すなわち, 甲 9~11の各登録意匠に係る画像は, 本願意匠と同様に, 操作ボタン等の画像が何も表示されていないにもかかわらず, 物品の操作 の用に供される画像 として登録されており, 操作ボタン等の画像が表示されることを必要としないものと判断されている また, 甲 11の登録意匠に係る画像は, 本願意匠と同様に, 表示された画像を用いて操作を行うものでないにもかかわらず, 物品の操作 の用に供される画像 として登録されており, 表示された画像を用いて操作を行うものであることを必要としないものと判断されている 3 被告は, 本願部分の画像は, 車体で隠れるから, 運転者に視認可能に表示されていないと主張する しかしながら, 意匠法における意匠とは, 使用状態において, 全体を視認することを要件とするものではなく, 視覚を通ずるもの ( 視覚性 ) であればよい 本願部分の画像は, 変化する特徴的な一部分のみを見ることで, 運転者に次の操作を行わせる画像であり, 操作の用に供されるための特徴的な一部分の画像については車内からでも視認可能である 本願部分の画像は, 縮小画像図 1~9の一連の画像が連携し, かつ各画像が変化することを, 車内からでも車体で隠れていない部分を視認できることから, 操作の用に供される画像 であることを認識することができ, この変化を視認することにより運転者に次の操作を促すことができるため, 本願部分の画像は視認できるものである 使用状態を示す参考図 1~9に基づき, 本願部分の画像が視覚を通じて 操作の用に供される画像 として認識できることを具体的に説明すると, 次のとおりである すなわち, 運転者が右折を予定しウインカーレバーを操作すると, 車体の左側に1 本の線が表示され ( 縮小画像図 1), この状態から車体の右側に向けて線 ( 縮小画像図 1の線よりも寸法が徐々に長くなる ) の本数が増えていく ( 縮小画像図 2 及び3) その後, 一定の本数を維持しつつ縮小画像図 7まで変化し, その後, 縮小画像図 8 及び9にかけて線の本数が減少していく こ - 5 -

のような画像の変化を, 運転者は, フロントガラス及びサイドウインドウ越しに視認することができる この視認できた画像の変化により, 周囲に対して十分な注意喚起がされたものと判断できることにより, この画像はハンドルを回す操作を促す画像, つまり操作の用に供される画像として運転者は認識できる また, 昨今では, 平成 21 年 7 月 9 日付けの日産自動車株式会社のニュースリリース 日産自動車, 進化したアラウンドビューモニターを スカイラインクロスオーバー に採用 ( 甲 12) に示されるように, 車外の様子をモニタリングし, この様子を映し出すモニターが車内に設けられた自動車も多くなってきている このような自動車の場合, モニターにより車外の本願部分の画像を間接的に視認することができる 4 被告は, 物品の操作 の用に供される画像 の要件として, 物品の内部機構等に指示を与えるための図形等が選択又は指定可能に表示され, 物品の内部機構等に指示を与えることができることが認識可能に表示される画像であることを要するとか, 物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供されると認識可能な図形等が一つも表示されない画像は, 物品の操作 の用に供される画像 とはいえないなどと主張する しかしながら, このように限定的に条文を解釈する具体的な論拠が全く提示されていない 被告は, 操作 の語句については, ( 機械などを ) あやつって働かせること を意味し, 一定の作用効果や結果を得るために物品の内部機構に指示を与えることをいうと定義したにもかかわらず, この定義から飛躍して上記要件を断定的に述べるのみである 意匠法 2 条 2 項を設けたときの改正趣旨は, 当該画面デザインがその物品の表示部に表示されている場合だけでなく, 同時に使用される別の物品の表示部に表示される場合も保護対象とする ( 甲 8) とされている 同項は, 登録要件を緩和しつつも, 物品から独立して販売されているビジネスソフトやゲームソフト等をインストールすることで表示される画面デザインについては, 今回の保護対象となる画面デ - 6 -

ザインには含まないものとする ( 甲 8) とされているように, 物品の操作 の用に供される画像 という文言を条文に導入することにより, 物品との関連性を確保しつつ保護すべき画像の対象について極力拡充を図ったものであると考えられる 本願部分の画像について, 画像変化と物品の操作とは密接な関連性があるのは明らかであるから, 法改正の趣旨に立ち返っても, 本願部分の画像は保護対象というべきである それにもかかわらず, 十分な根拠なく条文を限定解釈して恣意的に要件を定めた上, その要件に当てはまらないがために本願部分の画像は法に定める要件を充足しないとする被告の主張は, 妥当性を欠いている また, あらゆる操作画像 ( ボタンやアイコン等 ) は, 画面操作をどのようにして行うのかということを教示され, 又は学習することにより習慣化したために, それが物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供される画像であると認識できているのであり, パーソナルコンピュータやスマートフォン等が一般に普及する前の段階であれば, 単なる図柄が表示されたにすぎないアイコンを初めて見た人は, これが 操作のための図形等 であることを認識することはできない このように, 物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供されると認識可能な図形等が表示されているかどうかを判断できるのは, 操作者のそれまでの画像による操作経験や習熟度に依存し, 対象の画像とは直接的に関連しない要素を含むものである したがって, 対象の画像が登録されるべきかどうかという客観的な判断基準として, 物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供されると認識可能な図形等が表示されているかどうかという要件を用いるのは, 不適切といわざるを得ない 本願部分の画像が 物品の操作 の用に供される画像 に該当することは, 意匠法施行規則様式第 2 備考 40に従って記載された願書の 意匠に係る物品の説明 欄の記載から, 客観的に明らかである 5 本願部分の画像は, 縮小画像図 1~9の一連の画像が, その画像の変化により運転者の操作が促される, 映像装置付き自動車 の右折予定から曲がるまでの, 曲がる 操作の用に供される画像 ということができる - 7 -

本願部分の各画像は, 運転者が右折から曲がるまでの各操作を行うものであり, 前のステップの状態表示が次のステップの操作を促す契機となるものである このため, 本願部分の画像は 操作の用に供される画像 に相当するものといえる 本願部分の画像と運転者の操作について, 具体的に説明すると, 次のとおりである ( 後記 説明図 1 参照) すなわち, 運転者が右折を予定し, ウインカーレバーを操作することにより表示機器に表示される画像が, 縮小画像図 1~9の繰り返し画像である 当該画像は, ウインカーレバーが操作されたことを示すとともに, 運転者がハンドルを回す操作を促し, 自動車を右折させる内部機構がその機能を発揮するための 操作の用に供される画像 である 縮小画像図 1~9の繰り返し画像は, 運転者がハンドルを回す操作がされるまで繰り返される 運転者によりハンドルが回されると, 右折させる内部機構がその機能を発揮するとともに, 表示機器に表示された繰り返し画像は表示されなくなるものである - 8 -

説明図 1-9 -

6 本願部分の画像は, 次のとおり, 被告が 物品の操作の用に供される画像 であると認めた リモコンによる遠隔操作 の場合に相当するものである (1) 操作の用に供される画像 によってリモコンで遠隔操作を行う場合( 後記 説明図 2 左図参照) 1 操作の用に供される画像は, 物品と一体として用いられる表示機器に表示される 2 操作者は, 物品と一体として用いられる表示機器上に表示された, 操作の用に供される画像に促され, リモコンの操作を行う 3 操作されたリモコンは,( 物品に対して ) 信号を発信し, この信号は, 物品の内部機構に指示を与える 4 物品は, 内部機構に与えられた指示に従い, 物品と一体として用いられる表示機器上の, 操作の用に供される画像を変化 ( 選択又は指定に相当 ) させる (2) 本願部分の画像によって 映像装置付き自動車 を操作する場合 ( 後記 説明図 2 右図参照) 1 操作の用に供される画像は, 物品と一体として用いられる表示機器に表示される 2 運転者は, 物品と一体として用いられる表示機器に表示された, 操作の用に供される画像に促され, ハンドルの操作を行う 3 操作されたハンドルは, 車両操舵装置に対して指示を与える 4 映像装置付き自動車は, 車両操舵装置に与えられた指示に従い, 物品と一体として用いられる表示機器上の, 操作の用に供される画像を変化 ( 消失 ) させる - 10 -

説明図 2 (3) 小括以上のとおり, 被告がいうところの 操作の用に供される画像 によってリモコンで遠隔操作を行う場合と, 本願部分の画像によって 映像装置付き自動車 を操作する場合とでは, 前記各ステップ1~4に示された, 操作, 指示, 画像変化が1 対 1で対応しており, 両者は同等のものであるということができる したがって, 本願部分の画像は, 被告が 物品の操作の用に供される画像 であると認めた リモコンによる遠隔操作 の場合に相当するものであるということができる 第 4 被告の主張 1 意匠法 2 条 2 項の条文改正の背景は, 次のとおりである すなわち, 近年の情報技術の進展とそれに伴う経済 社会の情報化を背景として, 家電機器や情報機器に用いられてきた操作ボタン等の物理的な部品を電子的な画面に置き換え, この画面上に表示された図形等からなるいわゆる 画面デザイン を - 11 -

利用して操作する機器が増加してきていた このような画面デザインは機器の使用状態を考慮して使いやすさ, 分かりやすさ, 美しさ等の工夫がされ, 家電機器等の品質や需要者の選択にとって大きな要素となっており, 企業においても画面デザインへの投資の重要性が増大していた そこで, 物品を操作するための従来の物理的な操作ボタン等から置き換えられた, 電子的な画面上に表示された操作ボタン等の物品の操作の用に供される画像 ( 操作画像 ) を保護するために, 同項が導入されたものである 2 意匠法上保護の対象となる画像は, 物品の機能を働かせることが可能となっている状態にするために行われる, 一定の作用効果や結果を得るために物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供される画像 ( 同法 2 条 2 項 ) であって, 視覚を通じて美感を起こさせるもの ( 同条 1 項 ) である必要がある そして, 物品 ( 又はこれと一体として用いられる物品 ) に表示される画像が, 当該物品を操作する者に視認可能に表示されない場合には, 操作をする者が当該画像を用いて物品を操作するとはいえないことから, 物品に表示される 画像 が, 物品の操作 の用に供される画像 に該当するといえるためには, 少なくとも当該 画像 が操作する者に視認可能に表示されることを要すると解される なお, 一定の作用効果や結果を得るために物品の内部機構等に指示を与えるという 操作の用に供される画像 の操作の方法としては, タッチパネルの画面を触れることで直接操作する方法でも, その画像に係る物品とは別の機器であるリモコン等を用いて操作する方法でもよいと考えられる リモコンを用いる場合は, 画面上に表示された画像は, リモコンによる遠隔操作によって選択又は指定されることにより物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供される画像であり, タッチパネルの場合は, 画面上に表示された画像は, 画面に触れることによって選択又は指定されることにより物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供される画像であると考えられる これに対して, 表示される画像が, 単に当該物品のある作動状態を表示している - 12 -

のみであり, 物品の内部機構等に指示を与えるという操作の用に供されると認識可能な図形等が一つも表示されない画像は, 物品の操作 の用に供される画像 とはいえない 3 本願願書添付図面の使用状態を示す参考図 1~9によると, 本願部分の画像は, 自動車周囲の路面等に表示されるものであり, 車体で隠れるから運転席に着座した操作する者 ( 映像装置付き自動車 の運転者 ) に視認可能に表示されているものとはいえない これらの画像のうち, 使用状態を示す参考図 3~9の画像は, 運転席に着座した運転者から視認可能な部分が全く存在しないとまではいえないとしても, 運転席から視認可能な画像の部分は, 本願部分の画像の一部分にすぎないし, 画像全体を視認することで初めて 操作の用に供される画像 となり得るのであるから, 運転者はこの視認可能な部分だけで 操作の用に供される画像 として認識できるものではない 4 縮小画像図 1~9の画像は, 本願願書の 意匠に係る物品の説明 欄の記載によると, 運転者が右折のためにウインカーレバーを下げてから, 右折のハンドル操作を開始するまでの間に, 繰り返し表示される画像であって, 運転者が, リモコンを用いたり, 画像のいずれかの部分 ( 範囲 ) を触れたりなどしてこれらの画像のどこかを選択又は指定することにより, 自動車の内部機構等に指示を与えて, 自動車を曲がるようにするための画像ではないことは明らかである 5 したがって, 本願部分の画像は, 物品の操作 の用に供される画像 ということはできない 6 原告は, 運転者が表示された画像を認識することにより, 次に行うべき右折する 操作 が促されることから, 縮小画像図 1~9の画像が 操作 を必要とする画像であると主張する しかしながら, 縮小画像図 1~9の画像は, 運転者が右折のためにウインカーレバーを下げてから, 右折のハンドル操作を開始するまでの状態を表示している画像 - 13 -

であり, かつ, これらの縮小画像図の画像は, 物品の内部機構等に指示を与える 操作のための図形等 が選択又は指定可能に表示されているものではないから, 物品の内部機構等に指示を与えることができることが視認可能に表示される 操作の用に供される画像 とはいえない 7 原告は, 甲 9~11を示して 操作ボタン等 の画像が表示されない場合でも登録されている事例が存在するから, 審決の判断は誤りであると主張する しかしながら, 審決は, 表示される画像に 操作ボタン等 の画像が表示されているか否かにより意匠法 2 条 2 項所定の画像に該当するか否かを判断したのではなく, 本願部分の画像には, 物品の内部機構等に指示を与える 操作のための図形等 が存在しないことから同項所定の画像に該当しないと判断したものである 操作ボタン等 の表示は, 物品の内部機構等に指示を与える 操作のための図形等 の画像として典型的なものであるが, 表示された画像のうち, 当該画像部分を選択又は指定可能な部分とすることにより, 物品の内部機構等に指示を与えることができる図形等として操作する者が視認可能なものであれば, 操作のための図形等 に該当し, 操作ボタン の形状に限られるものではない 8 原告は, 甲 11の登録意匠に係る画像において, 操作者が操作を行う対象は 本願意匠に係る物品とは別に設けられた操作機器など であって, 表示された画像 ではないと主張する しかしながら, その画像に係る物品とは別の機器であるリモコン ( 物品とは別に設けられた操作機器など ) 等を用いて, 物品の内部機構等に指示を与える 操作のための図形等 を選択又は指定することにより操作してもよいことは, 既に述べたとおりである 第 5 当裁判所の判断当裁判所は, 原告主張の審決取消事由は理由がないものと判断する その理由は, 次のとおりである 1 意匠法 2 条 2 項は, 物品の操作( 当該物品がその機能を発揮できる状態にす - 14 -

るために行われるものに限る ) の用に供される画像であって, 当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるもの は, 同条 1 項の 物品の部分の形状, 模様若しくは色彩又はこれらの結合 に含まれ, 意匠法上の意匠に当たる旨を規定する 同条 2 項は, 平成 18 年法律第 55 号による意匠法の改正 ( 以下 平成 18 年改正 という ) によって設けられたものである ところで, 平成 18 年改正前から, 家電機器や情報機器に用いられてきた操作ボタン等の物理的な部品を電子的な画面に置き換え, この画面上に表示された図形等からなる, いわゆる 画面デザイン を利用して操作をする機器が増加してきていた このような画面デザインは, 機器の使用状態を考慮して使いやすさ, 分かりやすさ, 美しさ等の工夫がされ, 家電機器等の品質や需要者の選択にとって大きな要素となってきており, 企業においても画面デザインへの投資の重要性が増大している状況にあった しかしながら, 平成 18 年改正前においては, 特許庁の運用として, 意匠法 2 条 1 項に規定されている物品について, 画面デザインの一部のみしか保護対象としない解釈が行われ, 液晶時計の時計表示部のようにそれがなければ物品自体が成り立たない画面デザインや, 携帯電話の初期画面のように機器の初動操作に必要不可欠な画面デザインについては, その機器の意匠の構成要素として意匠法によって保護されるとの解釈が行われていたが, それら以外の画面デザインや, 機器からの信号や操作によってその機器とは別のディスプレイ等に表示される画面デザインについては, 意匠法では保護されないとの解釈が行われていた ( 意匠登録出願の願書及び図面の記載に関するガイドライン- 基本編 - 液晶表示等に関するガイドライン [ 部分意匠対応版 ]) そこで, 画面デザインを意匠権により保護できるようにするために, 平成 18 年改正により, 意匠法 2 条 2 項が設けられた このような立法経緯を踏まえて解釈すると, 同項の 物品の操作 の用に供される画像 とは, 家電機器や情報機器に用いられてきた操作ボタン等の物理的な部品 - 15 -

に代わって, 画面上に表示された図形等を利用して物品の操作を行うことができるものを指すというべきであるから, 特段の事情がない限り, 物品の操作に使用される図形等が選択又は指定可能に表示されるものをいうものと解される これを本願部分についてみると, 本願部分の画像は, 別紙第 1のとおりのものであって, 意匠に係る物品の説明 欄の記載( 補正後のもの, 別紙第 1) を併せて考慮すると, 右折を予定した状態を示す縮小画像図 1~9の画像の変化を表示することにより, 運転者に対して物理的な部品であるハンドルによる操作を促すものにすぎず, 運転者は, 本願部分の画像に表示された図形等を選択又は指定することにより, 物品 ( 映像装置付き自動車 ) の操作をするものではないというべきである ( 甲 1,5) そうすると, 本願部分の画像は, 物品の操作に使用される図形等が選択又は指定可能に表示されるものということはできない また, 本願部分の画像について, 特段の事情も認められない したがって, 本願部分の画像は, 意匠法 2 条 2 項所定の 物品の操作 の用に供される画像 には当たらないから, 本願意匠は, 意匠法 3 条 1 項柱書所定の 工業上利用することができる意匠 に当たらない 2 原告は, 平成 18 年改正により意匠法 2 条 2 項が設けられた趣旨は, 形態が, 物品と一体として用いられる範囲において, 物品の操作 の用に供される画像 に関するデザインを広く保護しようとすることにあり, それ以上に保護対象を限定する意図は読み取れず, 本願部分の画像は, 映像装置付き自動車 という物品における 曲がる という機能を発揮できる状態にするための, ハンドル等の操作の用に供されるものということができるから, 同項の要件に適合すると主張する しかしながら, 同項が設けられた趣旨, これを踏まえた同項の 物品の操作 の用に供される画像 の意義は, 前記 1のとおりであり, これによると, 本願部分の画像が 物品の操作 の用に供される画像 に当たらないことも, 前記 1のとおりである 原告は, 本願意匠に係る物品の 操作 は, 機械など に相当するハンド - 16 -

ルをあやつって働かせることであり, 一定の作用効果や結果 に相当する 曲がる 機能を得るために, 物品の内部機構等 に相当するステアリング機構に指示を与えるものであると主張するが, ここでいう 映像装置付き自動車 という 物品の操作 とは, 曲がる という機能を発揮できる状態にするための 一定の作用効果や結果 を得るために 物品の内部機構等 であるステアリング機構 ( 車両操舵装置 ) に対し指示を与えることをいうのであるから, ハンドルは, あやつって働かせる対象である 機械など に相当するものではなく, 物品の操作の用に供される ものであって, このハンドル の操作の用に供される画像 であるか否かを検討しても, 意匠法 2 条 2 項所定の画像であることが認められるものではない したがって, 原告の主張は, 理由がない 3 原告は, 審決が,1 操作ボタン等の画像が表示されること,2 表示された画像を用いて操作を行うものであることを, 意匠法 2 条 2 項所定の画像に当たるかの判断基準としたことが, これまでの意匠登録例 ( 甲 9~11) に照らしても同項の解釈として誤りであると主張する しかしながら, 同項が設けられた趣旨, これを踏まえた同項の 物品の操作 の用に供される画像 の意義は, 前記 1のとおりであり, これと同旨と解される上記判断基準に誤りはない また, 前記 1の同項の解釈は, これまでの意匠登録例により直ちに左右される性質のものではないから, 甲 9~11に基づく原告の主張を採用することはできない したがって, 原告の主張は, 理由がない 4 原告は, 被告が, 物品の内部機構等に指示を与えるための図形等が選択又は指定可能に表示され, 物品の内部機構等に指示を与えることができることが認識可能に表示される画像であることを, 意匠法 2 条 2 項所定の画像の要件としたことが, 十分な根拠なく条文を限定解釈して恣意的に要件を定めたものであり, 客観的な判断基準として不適切であると主張する しかしながら, 同項が設けられた趣旨, これを踏まえた同項の 物品の操作 の - 17 -

用に供される画像 の意義は, 前記 1のとおりである 前記 1の同項の解釈は, 同項が設けられた立法経緯を踏まえて, 同項の 操作の用に供される という文言を解釈し, 同項の 物品の操作の用に供される画像 の意義を明らかにしたものであり, 同項の文言を離れて恣意的に要件を定めたものではない また, 前記 1の同項の解釈が, 客観的な判断基準として不適切であるとする根拠はない したがって, 原告の主張は, 理由がない 5 原告は, 本願部分の画像は, 縮小画像図 1~9の一連の画像が, その画像の変化により運転者の操作が促される, 映像装置付き自動車 の右折予定から曲がるまでの, 曲がる 操作の用に供される画像 ということができると主張する しかしながら, 同項が設けられた趣旨, これを踏まえた同項の 物品の操作 の用に供される画像 の意義は, 前記 1のとおりであり, これによると, 本願部分の画像が 物品の操作 の用に供される画像 に当たらないことも, 前記 1のとおりである 映像装置の故障等により本願部分の画像が表示されず, 本願部分の画像がなかったときでも, 物理的な部品であるハンドルが正常であれば, 映像装置付き自動車における 曲がる という機能を発揮できる状態にするための 物品の操作 を行うことは可能である一方で, 本願部分の画像が正常に表示されているときでも, 物理的な部品であるハンドルが故障していれば, 上記 物品の操作 を行うことはできないのであるから, このことからしても, 映像装置付き自動車における 曲がる という機能を発揮できる状態にするための 物品の操作の用に供される ものは, 物理的な部品であるハンドルであって, 本願部分の画像ではないというべきである したがって, 原告の主張は, 理由がない 6 原告は, 本願部分の画像によって映像装置付き自動車を操作することは, 操作の用に供される画像 によってリモコンで遠隔操作を行う場合に相当するから, 本願部分の画像は, これと同様に意匠法 2 条 2 項所定の画像に当たると主張する しかしながら, 画像に表示された物品の操作に使用される図形等をタッチパネル - 18 -

により直接的に選択又は指定せず, リモコンによる遠隔操作を行う場合であっても, 画像上の図形等を選択又は指定する手段がリモコンに変わるだけで, 物品の操作に使用される図形等を選択又は指定することに変わりはない 原告は, 操作の用に供される画像 によってリモコンで遠隔操作を行う場合には, 3 操作されたリモコンは,( 物品に対して ) 信号を発信し, この信号は, 物品の内部機構に指示を与える 4 物品は, 内部機構に与えられた指示に従い, 物品と一体として用いられる表示機器上の, 操作の用に供される画像を変化 ( 選択又は指定に相当 ) させる というステップを踏むとした上で, これと, 本願部分の画像によって 映像装置付き自動車 を操作する場合における 3 操作されたハンドルは, 車両操舵装置に対して指示を与える 4 映像装置付き自動車は, 車両操舵装置に与えられた指示に従い, 物品と一体として用いられる表示機器上の, 操作の用に供される画像を変化させる とが 1 対 1で対応していると主張するが, 操作の用に供される画像 によってリモコンで遠隔操作を行う場合に,3 物品の内部機構である車両操舵装置 ( ステアリング機構 ) に対してハンドル ( の回転 ) が指示を与えることと対比すべきものは, 画像に表示された物品の操作に使用される図形等 ( のリモコンによる選択又は指定 ) が物品の内部機構等に対して指示を与えることであって, 画像上の図形等を選択又は指定する手段にすぎないリモコンを物品の内部機構に対して指示を与えるハンドルと対比する点において, 失当である したがって, 原告の主張は, 理由がない 第 6 結論よって, 原告の請求は理由がないから, これを棄却することとして, 主文のとおり判決する 知的財産高等裁判所第 2 部 - 19 -

裁判長裁判官 森義之 裁判官 片岡早苗 裁判官 古庄研 - 20 -

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