を余儀なくされている発表されている このような状況下 当国 NGO カサ アリアンサは 1988 年の設立以来 メキシコ市において路上生活を営む子供の保護 心身のケア 家族との再会支援 社会的自立に向けた教育支援に取り組んできた JICA は 2000 年 12 月から 3 年間 カサ アリアンサを

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ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の必要性については JICA が 2008 年 1 月に実施した 次世代航空保安システム整備に係るフィージビリティー調査 でも提言がなされており 既存空港の拡張及び効率的運用を含めたジャカルタ首都圏周辺の適切な空港整備に係る長期的な計画を策定する必要性は高い インド

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第 3 章事業事前評価表 ( 技術協力プロジェクト ) 1. 案件名ブルキナファソ国学校運営委員会支援プロジェクト 2. 協力概要 (1) プロジェクト目標とアウトプットを中心とした概要の記述本プロジェクトは ブルキナファソ国内 2 州 ( 中央プラトー州 東部中央州 ) において 州 県 CEB

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第3節 重点的な取り組み

めて整備され 文化大革命期の制度の断絶を経て 1980 年代に復活し 徐々に適用対象が拡大されてきた しかし 農村部は一貫して適用対象から外れ 1980 年代の後半に漸く農村部のみを対象にした養老保険制度が一部の豊かな農村を対象に開始された その後中国政府は農村部の養老保険制度の確立を重視してきた

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は Blue Print for Air Transportation にて民間航空長期計画を作成 アクションプラン DGCA 5-Year Strategic Plan を作成した上 航空安全に係る総合的な対策の強化を図っており 本事業はこれに寄与するもので

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るための HIV 予防という マダガスカルの開発ニーズに合致していた 事前評価時における日本の援助方針との整合性 2006 年の日本とマダガスカルの経済協力政策対話に基づく 健康状態の改善を含む 農業 漁業 農村開発に向けたインフラの維持と人材開発を重点とする 日本の援助方針に合致していた 評価判断

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

ローカルコスト負担 65,633 千円その他 相手国側 : カウンターパート配置 44 名土地 施設提供プロジェクト予算 ( 人件費含む ) 3,220,000 千ドン ( ) その他 2. 評価調査団の概要 調査者 ( 担当分野 : 氏名職位 ) 1. 総括 : 星野和久国際協力機

(b) マカッサル パレパレ間 1. Trans-Sulawesi Makassar-Parepare( 約 150Km 4 車線以上 ) 3. 協力の必要性 位置付け (1) 現状及び問題点 インドネシア国においては これまで実施してきた開発政策の実施により 国全体としての国民の生活と福祉の質の向

第1章 調査の概要


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ログラムの審査に産業界からも参画を得ることで 大学がエンジニア予備軍である学部学生に対し社会のニーズに即した教育を実践できるよう 促進する役割を果たしている かかる状況の下 エンジニアの量的拡大が質を伴う形で実現されるよう インドネシア政府は我が国に対し LAM-PS としての インドネシアエンジニ

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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

なぜ社会的責任が重要なのか

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ーに参加する前は パートナーシップ構築やプロポーザルの書き方をよく知らなかったが セミナーを通じて参加者はこれをある程度習得したと考えられる 一方 9 国連民主主義基金に申請したい 10 民主化支援事業を実施したい は 統計的に有意な変容が見られなかった これらの項目は 知識や技能の向上だけでなく

文部科学省セミナー 国際協力機構における大学との連携(国際協力機構)

類似業務対象国 / 類似地域語学の種類 各種評価調査インドネシア / 全途上国英語 5. 条件等 (1) 参加資格のない社等 : なし (2) 必要予防接種 : なし 6. 業務の背景インドネシア政府は 食料安全保障や農家の所得向上を政策上の優先課題の一つとして位置付けており 2013 年 7 月に

令 (2006 年 5 号 ) では 2025 年までの国家エネルギー政策の数値目標を設定し エネルギー供給量に対する新 再生可能エネルギーの目標値を 17%( うち地熱エネルギーは 5 %) に定めた また 2010 年の Vision 25/25 において 新 再生可能エネルギーの目標値を 25

政策目標 6-2: 開発途上国における安定的な経済社会の発展に資するための資金協力 知的支援を含む多様な協力の推進 1. 政策目標の内容自由かつ公正な国際経済社会の実現やその安定的発展に向け 開発途上国における貧困の問題や気候変動等の地球環境問題等の課題への対応を含む国際的な協力に積極的に取り組むこ

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

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[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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第1章 評価の目的と実施方法

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

( 図表 1) 平成 28 年度医療法人の事業収益の分布 ( 図表 2) 平成 28 年度医療法人の従事者数の分布 25.4% 27.3% 15.8% 11.2% 5.9% n=961 n=961 n= % 18.6% 18.5% 18.9% 14.4% 11.6% 8.1% 資料出所

3 参加しやすい工夫 ( 効果的な周知や会議運営 ( 開催時間 委員の構成等 ) の工夫 ) 4 名柳田委員 猪瀬委員 庄司委員 小橋委員 2 名関口副会長 高柴委員 1 名櫻井委員 関口副会長 パブリックの後の説明会 意見交換会の開催検討の方向性は 担当課の工夫がある 高柴委員 このバスを望んでい

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112 条においても 自由特区の拡大が謳われている 現在ゲシュム島と本国を結ぶ橋を建設中 (3 年後に完成予定 ) で 島内の港を拡張する計画もあり イランにのみならず 独立国家共同体 ( 以下 CIS) 諸国等への物流経路としても ゲシュム島の経済的重要性は今後益々高まると考えられる ゲシュム島の

つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

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Transcription:

事業事前評価表 ( 技術協力プロジェクト ) 1. 案件名 メキシコストリートチルドレン ( 少女 ) の社会復帰支援 Project of Rehabilitation for Female Street-Children 2. 協力概要 (1) プロジェクト目標とアウトプットを中心とした概要の記述 作成日 : 平成 16 年 11 月 12 日担当部 : 人間開発部第二グループ社会保障チーム 本プロジェクトはメキシコ市において路上生活を営む子供の保護 家族との再会支援 社会的自立に向けた教育支援を行う当国 NGO カサ アリアンサを実施機関として カサ アリアンサで保護された少女 ( 近年では半数以上が何らかの薬物に依存している ) が心身の回復と能力の開発を通じて社会的に復帰できるようになることを目標としている その目標達成のために 1) 薬物依存症からの脱却 2) 暴力的行為の削減 3) 路上生活に逆戻りしない生活能力の習得 4) 学校への復帰 5) 職業訓練を通じた社会参加能力の習得に対する支援を実施する (2) 協力期間 2004 年 11 月 ~2007 年 10 月 (3 年間 ) (3) 協力総額 ( 日本側 ) 74,740 千円 (4) 協力相手先機関 監督責任機関 : メキシコ国外務省技術科学協力局 実施機関 : カサ アリアンサ (Casa Alianza, I.A.P.)( 現地 NGO) なお 本プロジェクトのモニタリングは メキシコ事務所 ( 担当所員及びナショナルスタッフ ) がカサ アリアンサのプロジェクトマネージャーとともに行うが 本件実施および評価の際の最終責任はメキシコ国外務省にあることでメキシコ側と合意済み (5) 国内協力機関 なし (6) 裨益対象者及び規模 等 カサ アリアンサに保護されるメキシコ市で路上生活を営む 17 歳までの少女 ( 年間平均 160 名程度 ) 3. 協力の必要性 位置付け (1) 現状及び問題点 メキシコ国は 2002 年度国民総生産 (GDP) が世界第 9 位に上昇 国民 1 人あたりの GDP も 6,117 米ドルに達し 世銀融資ガイドライン上 中進国 に分類されているが 国民半数以上が貧困層であり貧富の格差は依然として大きい 貧困者数は総じて南部諸州が高いが 近年地方農村部からの貧困者層の都市部への流入により 首都メキシコ市を中心に貧困者層が増加傾向にある ストリートチルドレンに関する公的統計データは存在しないが 2002 年メキシコ中央紙レフォルマの記事によると メキシコ連邦区には 2 万人もの幼児及び青少年が路上生活

を余儀なくされている発表されている このような状況下 当国 NGO カサ アリアンサは 1988 年の設立以来 メキシコ市において路上生活を営む子供の保護 心身のケア 家族との再会支援 社会的自立に向けた教育支援に取り組んできた JICA は 2000 年 12 月から 3 年間 カサ アリアンサを実施機関として開発福祉支援事業 ストリートチルドレンの性の教育 を実施し カサ アリアンサの活動対象となったメキシコ市旧市街地で路上生活を営む青少年の性感染症並びに計画外妊娠の減少に貢献してきた しかしながら カサ アリアンサの報告によると メキシコ市のストリートチルドレンの数が増加するなか 少女の占める割合が 2002 年度に 40% に達するなど近年急増しており その少女達の 60% 近くが何らかの薬物を使用もしくは依存症の状態にある カサ アリアンサは現在路上生活を営む男子に対する保護 心身のケア 学校への通学 職業訓練等を支援する集団訓練プログラムを有しているが 少女達に対する包括的な集団訓練プログラムの早期実施が必要不可欠となっている カサ アリアンサは各専門知識と経験を有したスタッフのほか 医師 看護士 精神科医 顧問弁護士も抱えており すでに本プロジェクトの成果である少女の薬物依存症の脱却 暴力的行為の削減 学校への復帰に係る活動をある程度実施しており且つ上述した開発福祉支援事業 ストリートチルドレンの性の教育 を通して JICA 事業に対する理解も深い したがって 本プロジェクトでは すでに独自に実施している各活動の上に 成果の一つである職業訓練を通じた社会参加能力の習得に係る活動を加えて強化すると同時に 本プロジェクト目標達成のため JICA とカサ アリアンサ合同で運営管理を行うことで 効率的且つ効果的に路上生活から脱却し心身そして能力ともに社会的に復帰できるようになる少女の数を増やすことが可能となるであろう (2) 相手国政府国家政策上の位置付け メキシコ国家開発計画 (Plan Nacional de Desarrollo 2001-2006) における大項目 人間と社会の開発 の中で 人間の能力開発 収入向上 家族の絆の構築等を通じた 貧困の克服 並びに幼児 青少年の保護と能力開発等を通じた 社会的弱者支援 を重要政策としてあげていることから 本プロジェクトの協力分野との整合性が高いと言える (3) 我が国援助政策との関連 JICA 国別事業実施計画上の位置付け ( プログラムにおける位置付け ) 中南米地域に対する我が国の援助政策の重点は次の 5 点とされている :1) 民主化及び経済改革支援 2) 環境保全支援 3) 貧困問題の緩和支援 4) 経済 社会インフラ整備支援 5) 広域的な協力推進 本プロジェクトの協力はこれらのうち 貧困問題の緩和支援 に含まれるものであるといえる また ODA タスクフォースの議論を踏まえ現在策定中の対メキシコ国別事業実施計画では 1) 貧困削減と社会的格差の是正 2) 中小企業の育成振興 3) 環境対策と自然環境保全を重点分野としている 上述のとおり本プロジェクトのターゲットは路上生活を余儀なくされている少女であることから 対メキシコ国別事業実施計画の重点分野の一つである 貧困削減と社会的格差の是正 との整合性が確保されている 4. 協力の枠組み 主な項目 (1) 協力の目標 ( アウトカム ) (1) 協力終了時の達成目標 ( プロジェクト目標 ) と指標 目標値 プロジェクト目標 : 薬物を使用または依存している少女が心身の回復及び一般社会への復帰に必要な基礎的能力 ( 仕事への心構え 人との付き合い方など ) を獲得するようになる

指標 目標値 : カサ アリアンサが提供するリハビリプログラムに参加する全少女のうち 薬物の使用を止め家族との再会または自立した生活ができる能力を身につけた少女の数が現在の 40% からプロジェクト終了時には 75% に増加する (2) 協力終了後に達成が期待される目標 ( 上位目標 ) と指標 目標値 上位目標 : 薬物を使用または依存している少女が家族の元に戻るかまたは社会復帰できるようになる 指標 目標値 : カサ アリアンサが提供するリハビリプログラムに参加する全少女のうち 家族との再会を果たすかまたは一般社会の中で自立した生活を送ることができるようになる少女の数が現在の 30% からプロジェクト終了後 5 年の時点で 60% へ増加する (2) 活動及びその成果 ( アウトプット ) (1) 活動 そのアウトプットと指標 目標値 活動 1: 1) 薬物の使用または依存している各少女に対し個別で薬物からのリハビリテーションを行う 2) 薬物の使用または依存している各少女に対しグループで薬物からのリハビリテーションを行う 3) リハビリテーションを受けた少女達の薬物依存症からの回復状態についてモニタリングを行う 成果 1: 少女達が薬物を使用しない一定の観察期間をクリアする 指標 目標値 1: リハビリテーションに参加した全少女のうち 65% の少女達が一ヶ月の観察期間中薬物を使用しない (2) 活動 そのアウトプットと指標 目標値 活動 2: 1) カサ アリアンサのスタッフと少女達の間で精神的な信頼関係を構築する 2) 少女達にカサ アリアンサの精神及び規則を紹介する 3) カサ アリアンサ内で生活を送る上で適用される規則の順守について監督する 4) カサ アリアンサの規則及び価値観についてのワークショップを実施する 5) 暴力的行為を止めるためのワークショップを実施する 成果 2: 少女達が暴力的な行為をおさえるようになる 指標 目標値 2: リハビリテーションに参加した全少女のうち 1 ヶ月後 80% の少女達が暴力的行為を止めるようになる (3) 活動 そのアウトプットと指標 目標値

活動 3: 1) 自立生活に係るワークショップを実施する 2) リハビリテーションを継続し路上生活から離れた別の生き方を見つけるよう指導する 成果 3: 少女達が路上生活から離れた別の生き方を選択するようになる 指標 目標値 3: リハビリテーションに参加した全少女のうち 55% の少女達が路上生活に戻ることなく 2 ヶ月以上カサ アリアンサのリハビリテーションプログラムにとどまるようになる (4) 活動 そのアウトプットと指標 目標値 活動 4: 1)12 歳から17 歳までの少女達を学校に再入学させる 2) 学校に通い始めた少女達の出席状況と学習状況についてモニタリングを行う 3) 学校関係者とのコミュニケーションを維持する 4) 少女達の学習能力向上支援プログラムを構築する 成果 4: 少女達が学校へ恒常的に通うようになる 指標 目標値 4: リハビリテーションに参加した通学対象年齢の少女のうち 一ヶ月後 50% の少女達がカサ アリアンサの奨学システムを利用して通学するようになる (5) 活動 そのアウトプットと指標 目標値 活動 5: 1) 就労可能な14 歳から17 歳までの希望する少女達を外部の企業 団体が提供する職場体験プログラムに参加させる 2) 上記職場体験プログラムに参加した少女達の知識の習得状況についてモニタリングを行う 3) 手工芸等 少女達のニーズに応じた分野で職業訓練を実施する 4) 上記活動を通じて製作された製品の展示会を実施する 5) 就職準備に係るワークショップを実施する 成果 5: 就労可能な 14 歳から 17 歳までの少女達が仕事を将来行う上で必要な経験と基礎知識を習得する 指標 目標値 5: 職業訓練に参加した少女達のうち 60% の少女達が職業訓練を通じた生産活動に 1 日の一定時間を費やすようになる [ 主要な活動及びそのアウトプットにつき 指標 目標値とともに順次記載する ]

(3) 投入 ( インプット ) (1) 日本側 ( 総額 74,740 千円 ) H16 年度 (2004 年 11 月 ~2005 年 3 月 ) ローカル NGO 活用現地業務費 :5,000 千円 ( 傭人費 資機材購入費 研修セミナー開催費等 ) H17 年度 (2005 年 4 月 ~2006 年 3 月 ) ローカル NGO 活用現地業務費 :16,600 千円 ( 傭人費 資機材購入費 研修セミナー開催費等 ) 青年海外協力隊員派遣 ( 手工芸 )1 名 /12 ヶ月 :11,200 千円短期専門家派遣 ( 健康教育 )1 名 /1 ヶ月 :1,500 千円 (1,500 千円 / 人月 ) 活動 3 の自立生活支援を 健康教育の観点から指導する予定 H18 年度 (2006 年 4 月 ~2007 年 3 月 ) ローカル NGO 活用現地業務費 :16,600 千円 ( 傭人費 資機材購入費 研修セミナー開催費等 ) 青年海外協力隊員派遣 ( 手工芸 )1 名 /12 ヶ月 :11,200 千円短期専門家派遣 ( 健康教育 )1 名 /1 ヶ月 :1,500 千円 (1,500 千円 / 人月 ) H19 年度 (2007 年 4 月 ~2007 年 10 月 ) ローカル NGO 活用現地業務費 :11,140 千円 ( 傭人費 資機材購入費 研修セミナー開催費等 ) (2) メキシコ国側 活動 1,2,4 を行うカウンターパート人件費 旅費 資機材購入費 教材作成費等 施設 土地手配 その他日本側が負担できない経費 (4) 外部要因 ( 満たされるべき外部条件 ) (1) メキシコ国において貧困や雇用に深刻な影響を与えるような経済的危機が起こらない (2) メキシコ国の一般社会においてストリートチルドレンに対する偏見や差別が増幅しない (3) メキシコ市内で少女を巻き込む路上犯罪が増加しない (4) リハビリテーションプログラム参加中の少女が妊娠して同プログラムを放棄しない (5) メキシコ市内でストリートチルドレンに薬物がさらに入手しやすくなる環境にならない (6) 学校関係者 企業 周辺住民がカサ アリアンサの活動に理解をしめす 5. 評価 5 項目による評価結果 (1) 妥当性 本プロジェクトは 両親による虐待 育児放棄など貧困家庭内の問題から路上での生活を余儀なくされたストリートチルドレンの少女をターゲットにしており 心身ともに傷を受けた少女達の健康回復そして家族との再会支援もしくは自立して一般社会で生きていくために必要な知識と経験を得るための職業訓練支援に対して協力を行うものである したがって 本プロジェクトの協力内容およびターゲットは 我が国の援助政策並びに国別事業実施計画であげられた援助重点分野 貧困削減と社会的格差の是正 との整合性が高い 同時に メキシコ国家開発計画において 貧困の克服 と 社会的弱者支援 を重要課題の一つとしており 相手国のニーズとも一致している また 近年地方農村部からの都市部への移民の流入に伴い 都市部

における貧困層の増加が問題となっているが 都市部におけるメキシコ政府の貧困対策並びに他ドナーの援助が地方農村部に比べて遅れていることから 我が国が都市部のストリートチルドレンに対する支援を行うことについて必要性が高い (2) 有効性 本プロジェクトの PDM0 は 活動が成果に 成果がプロジェクト目標に さらにプロジェクト目標が上位目標に無理なく結びつく形となっており 計画の論理性は高いと思われる また 本プロジェクトの各成果と目標は これまでストリートチルドレンに対する支援活動を行ってきた実施機関の有するデータと同機関の経験値をもとに各指標 目標値が定量的に示されていることから 3 年間という短い協力期間であるがプロジェクト目標は達成可能である (3) 効率性 本プロジェクトの先方実施機関は組織 人員 財政的において他のローカル NGO と比べてしっかりしており 且つ開発福祉支援事業 ストリートチルドレンの性の教育 を通して JICA 事業に対する理解も深い したがって すでに先方実施機関が独自に実施してきた各活動に JICA の協力を新たに加えることで 短期間で路上生活から脱却し心身そして能力ともに社会的に復帰できるようになる少女の数を増やすことが可能となるであろう また 先方実施機関の人員 ノウハウ 施設を最大限活用することで日本側の投入規模が低く抑えられており ターゲットとなる少女達の将来のフォーマルセクターにおける生産活動を考慮すると 費用対効果の観点からも効率性が高いと言える (4) インパクト 本プロジェクトの対象地域はメキシコ市内における先方実施機関の活動地区に限定されているが 本プロジェクトが成功裏に終了した場合 メキシコ市同様にストリートチルドレンの問題を抱える他の大都市に対し一つの解決モデルとなる可能性があり プロジェクト終了後 地理的にも広く社会的インパクトを与える可能性がある (5) 自立発展性 先方実施機関は上述したとおり組織 人員 財政面で比較的強固な基盤を有しており プログラムの活動資金に対する国内大企業 国内外の財団等 ( 海外ドナーを含む ) からの財政援助のほか 本年度よりメキシコ連邦区社会統合支援基金プログラムに加入しメキシコ社会開発省の基金を通じてストリートチルドレンの一時避難所や宿泊施設の土地建物の貸与などハード面での支援も受けることが可能となっている したがって 本プロジェクトはメキシコ連邦政府 カサ アリアンサ JICA の相互補完的な協力を通じて効率性の高い案件となる可能性があるばかりでなく 終了後も先方実施機関がプロジェクトの成果を活用しながら独自に事業を継続できる素地があることから 特に組織 財政面において自立発展性があると言える 6. 貧困 ジェンダー 環境等への配慮 本プロジェクトは 両親による虐待 育児放棄など貧困家庭内の問題から路上での生活を余儀なくされたストリートチルドレンの中でも少女をターゲットとしており 貧困 ジェンダーへの配慮から協力を行うものである 7. 過去の類似案件からの教訓の活用 2003 年 12 月まで実施された開発福祉支援事業 ストリートチルドレンの性の教育 において 先方実施機関カサ アリアンサは数多くのストリートチルドレンにアプローチし 避難所への誘導 医療施設への搬送 個別健康相談 性の健康をテーマにした研修会を活発に行った実績があるが 目標 成果の数値目標がなかったこと 同事業の運営管理が適切になされなかったことなどにより 活動によって得られたであろう成果の把握及びターゲットグループの裨益人数の正確な把握ができなかったという反省点がある したがって 本プロジェクトでは計画段階から PCM 参加型ワークショップをカサ アリアンサにて行い JICA とカサ アリアンサが共同してプロジェクトの運営

管理にあたるべく且つ評価可能な数値目標を入れることを意識しながら本プロジェクトの計画立案を行った 8. 今後の評価計画 (1) 今後の評価に使う指標 上位目標 プロジェクト目標 成果の指標は上述したとおりである これらの指標を中間 終了時 事後評価の際に確認する (2) 評価スケジュール 実施期間中 ( モニタリングを随時実施 ) 終了時 (2007 年 9 月 ) および終了後 (2012 年 9 月 ) に評価を実施予定