株や社債をかたった投資詐欺 被害防止コールセンター通報状況の概要 ( 平成 28 年 3 月 ) 1. 平成 28 年 3 月中に受理した通報の概要 (1) 通報件数 当月中に受理した全通報件数は 82 件 1 営業日当たりの平均通報件数は約 4 件 (2) 購入 取引を勧誘された商品 1 月中において最も多かったのは その他 の 41 件 (50%) 2 その他 は 例えば 以前未公開株式を購入した被害者に対し 当該株式を買い取るとして 手数料等の金銭をだまし取るもの あるいは 被害者を投資話に絡んだ犯罪やトラブルの当事者に仕立て上げ その解決のための金銭を要求するもの 手口は時々刻々と変化し 多様化 3 安易に相手の言うことを信用せず 支払いをする前に落ち着いてよく考え直してみるなど 気を付けることが大切です (3) 被害の金額 1 全通報件数 82 件のうち 実際にお金を詐取される被害に遭ったという内容のものは 15 件 (18%) 2 被害の金額は 合計で約 19,185 万円 3 最大の被害金額は 6,000 万円 ( 未公開株式の勧誘を受けて 購入資金を支払ってしまったとの通報 ) 4 万が一 無登録業者から利殖関係の儲け話を聞かされても鵜呑みにせず お金を支払うことには十分慎重になるべきです (4) 勧誘 詐取の手段 1 勧誘手段で分類すると 従来の傾向から変わらず 電話やダイレクト メールといった直接対面しない形での勧誘がほとんど 2 実際にお金を支払ってしまう場面で多いのが現金の郵便や宅配便での送付で - 1 -
す なお 現金を現金書留以外の郵便や宅配便で送付することは禁じられてい ます 3 お金の授受の手段が多様化してきていることに注意が必要です (5) 通報者の属性 1 通報者の年齢で分類すると 60 歳以上が約 86% そのうち一人暮らしは約 21% 2 通報者の居住地で分類すると 神奈川県 東京都 千葉県が上位 ( 別紙参照 ) 3 大都市圏を中心に お年寄りに集中的に勧誘が行われていると推測されます 4 一般に お年寄りは 詐欺的な行為に遭った場合の対処に慣れておらず また一人暮しのお年寄りを中心に こうした場合に誰にも相談することができず 被害が埋没してしまうと言われています 5 お年寄りの家族や近隣地域が お年寄りの行動の変化に日頃から注意を払うことが重要です 万が一 無登録業者による未公開株等の勧誘を受けたり 実際にお金を支払う話が持ちかけられた場合には 株や社債をかたった投資詐欺 被害防止コールセンター ( 電話 :0120-344-999) に通報するようにしてください ( 平成 27 年 7 月より 未公開株通報専用コールセンター から名称変更致しました ) - 2 -
最近の手口最近の 株や社債をかたった投資詐欺 被害防止コールセンターに寄せられている通報に見られる手口をご紹介いたします 事例 通報者 Aさんは 実在する有名大手 B 証券会社を名乗る者から あなたに ( 有名大手飲料メーカー ) 甲社の社債を購入する権利が当たっている 興味がないのであれば その権利を譲ってほしい と話しを受けた しかし 通報者 Aさんは これを断った しかし 暫らくして 再びB 証券会社を名乗る者から連絡があり あなたの名義を借り 500 万円の甲社の社債を購入した 甲社から連絡があったら あなたが購入したことにして欲しい お礼に商品券を送付する との話があった この時には通報者 Aさんは名義を貸すことを了承した その後 甲社からAさんに連絡があり あなたは 名義貸しという違法行為を行ったので 訴える 訴えられたくなければ すぐに購入代金を振り込みなさい と言われた 事例の解説 この事例は 名義貸し を切り口とした 劇場型 の手口です 通報者のように 名義貸しを了承してしまう ( 名義貸しを断ったとしても 後に証券会社の担当者を騙る者から連絡があり あなたの名義を借りて 買い付けを行った と連絡をしてくる場合も多くなっています ) と 行政当局を名乗る者などから あなたは名義貸しという犯罪を犯した とトラブルの当事者に仕立て上げられ 解決のためのお金を要求されるケースが多く見受けられます このような要求をされた場合には このようなことは事実としてありえないことであ り 落ち着いて対応することです そんなことはありえない と相手にせずに 電話 を切ってしまいましょう そもそも 名義貸し を切り口とした 劇場型 の手口自体は よくある手口の一つ ですが 誰もが知っている証券会社の名前を名乗る者から連絡があり 誰もが知ってい る飲料メーカーや家電メーカー等の社債を勧誘する事案が多いのが特徴です - 3 -
有名な証券会社からの勧誘で有名企業の有価証券であることに加え 有価証券でも社 債の勧誘が多く 年利も 1% 程度と実際に販売されている商品に近いものが多くなって おります 投資家としては 有名証券会社が 優良企業の社債を勧誘してきて 現実的な利率の商品を案内される となると 実在の証券会社の勧誘であると考え 安心して投資してしまう面があるのは当然であると考えます しかし 証券会社が口座開設手続きも行わずに 有価証券の勧誘を行い購入代金を振り込ませることは 通常考えられません このような投資勧誘を受ける等不審なことがあった場合 本協会や金融庁のホームページに掲載されている会員の正規の電話番号に電話をして 事実関係を確認することが大切です 取引口座がある証券会社があれば 当該証券会社窓口へ確認することもよいでしょう また こうした話を持ち掛けられた場合には 送金などをする前に 株や社債をかた った投資詐欺 被害防止コールセンター ( 電話 :0120-344-999) に通報す るようにしてください - 4 -
~~~ ご注意ください ~~~ 高齢者が狙われています 1 一般に お年寄りは 詐欺的な行為に遭った場合の対処に慣れておらず また一人暮 しのお年寄りを中心に こうした場合に誰にも相談することができず 被害が埋没して しまうと言われています 2 留守番電話にしておくか ナンバーディスプレイのサービスを受けて 知らない者の 電話には出ないということが 有効な手段です 電話番号を非通知とする電話を受け付けないサービスを利用することもいいでしょう 最近では かかってきた電話に出ると この通話記録は録音されます とアナウンスを相手方に伝えたうえで 通話録音する機能を持った電話機が購入できるそうです 詐欺を行う者は 詐欺の証拠が残ってしまうので録音されることを嫌うと言われています 特に何度も怪しい電話がかかってくるような方は このような電話機を購入することを是非検討してください 3 お年寄りの家族や近隣地域が お年寄りの行動の変化に日頃から注意を払うことが重 要です 電話がかかってきたら 1 安易に相手の言うことを信用せず 支払いをする前に落ち着いてよく考え直してみる など 気を付けることが大切です 2 万が一 無登録業者から利殖関係の儲け話を聞かされても鵜呑みにせず お金を支払 うことには十分慎重になるべきです 3 実際にお金を支払ってしまう場面で多いのが 現金の郵便や宅配便での送付です 現 金を現金書留以外の郵便や宅配便で送付することは禁じられています 1 1 警察庁や国民生活センターにおいても同様の注意喚起がなされています 警察庁 その宛先は大丈夫ですか? ( 実際に被害に遭われた方が現金等を送ってしまった住所 ) (http://www.npa.go.jp/pressrelease/souni/furikome_jyusyo.pdf) 国民生活センター 宅配便でお金を送らないで! 他の商品と装わせてお金を送らせる手口に要注意! (http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130321_2.html) - 5 -
4 お金の受け渡し手段が多様化してきていることにも注意が必要です 万が一 無登録業者による未公開株等の勧誘を受けたり 実際にお金を支払ってしまった 場合には 日本証券業協会の 株や社債をかたった投資詐欺 被害防止コールセンター ( 電 話 :0120-344-999) をはじめ 公的機関の相談窓口にご通報ください 以 上 - 6 -
[ 別紙 ] 1. 都道府県別通報状況 ( 平成 28 年 3 月 ) 総通報件数 82 件 通報者の居住地通報件数 ( 件 ) 割合 (%) 通報者の居住地通報件数 ( 件 ) 割合 (%) 北海道 1 1.22% 滋賀県 1 1.22% 青森県 1 1.22% 京都府 1 1.22% 岩手県 0 0.00% 大阪府 3 3.66% 宮城県 2 2.44% 兵庫県 3 3.66% 秋田県 0 0.00% 奈良県 0 0.00% 山形県 0 0.00% 和歌山県 1 1.22% 福島県 3 3.66% 鳥取県 0 0.00% 茨城県 4 4.88% 島根県 0 0.00% 栃木県 0 0.00% 岡山県 2 2.44% 群馬県 2 2.44% 広島県 1 1.22% 埼玉県 4 4.88% 山口県 0 0.00% 千葉県 5 6.10% 徳島県 1 1.22% 東京都 9 10.98% 香川県 1 1.22% 神奈川県 12 14.63% 愛媛県 1 1.22% 新潟県 1 1.22% 高知県 0 0.00% 富山県 2 2.44% 福岡県 3 3.66% 石川県 0 0.00% 佐賀県 1 1.22% 福井県 1 1.22% 長崎県 1 1.22% 山梨県 1 1.22% 熊本県 0 0.00% 長野県 1 1.22% 大分県 1 1.22% 岐阜県 1 1.22% 宮崎県 0 0.00% 静岡県 1 1.22% 鹿児島県 2 2.44% 愛知県 5 6.10% 沖縄県 1 1.22% 三重県 2 2.44% 不明 0 0.00% - 7 -
2. 都道府県別通報件数 ( 平成 23 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) 通報者の居住地通報件数 ( 件 ) 割合 (%) 通報者の居住地通報件数 ( 件 ) 割合 (%) 北海道 297 1.78% 滋賀県 182 1.09% 青森県 55 0.33% 京都府 312 1.87% 岩手県 62 0.37% 大阪府 1,264 7.59% 宮城県 112 0.67% 兵庫県 671 4.03% 秋田県 31 0.19% 奈良県 248 1.49% 山形県 82 0.49% 和歌山県 108 0.65% 福島県 116 0.70% 鳥取県 54 0.32% 茨城県 350 2.10% 島根県 66 0.40% 栃木県 178 1.07% 岡山県 451 2.71% 群馬県 271 1.63% 広島県 658 3.95% 埼玉県 848 5.09% 山口県 378 2.27% 千葉県 1,057 6.35% 徳島県 71 0.43% 東京都 1,863 11.18% 香川県 169 1.01% 神奈川県 2,000 12.01% 愛媛県 189 1.13% 新潟県 321 1.93% 高知県 72 0.43% 富山県 72 0.43% 福岡県 357 2.14% 石川県 178 1.07% 佐賀県 30 0.18% 福井県 63 0.38% 長崎県 58 0.35% 山梨県 96 0.58% 熊本県 163 0.98% 長野県 406 2.44% 大分県 68 0.41% 岐阜県 332 1.99% 宮崎県 72 0.43% 静岡県 588 3.53% 鹿児島県 125 0.75% 愛知県 1,266 7.60% 沖縄県 32 0.19% 三重県 214 1.28% 不明 2 0.01% - 8 -