( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

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原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

最高裁○○第000100号

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

最高裁○○第000100号

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

告ツイッタージャパンの間では全て原告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求 ( 主位的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 1) 記載の各情報を開示せよ ( 予備的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 2) 記載の各情報を開示せよ 第 2 事案の

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

令和元年 6 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 31 年 ( ワ ) 第 2629 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 16 日 判 決 5 原告日本コロムビア株式会社 原告株式会社バンダイナムコアーツ 10 原告キングレコード株式会社 原告ら訴訟代理人

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

最高裁○○第000100号

最高裁○○第000100号

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

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平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

最高裁○○第000100号

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

とは, 原告に対する名誉毀損に該当するものであると主張して, 不法行為に基づき400 万円の損害賠償及びこれに対する不法行為日以降の日である平成 24 年 9 月 29 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いがないか,

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

判決【】

発信者情報開示関係WGガイドライン

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

権 ) を侵害するとともに, 原告をプロデューサーとして表示しない点及び劇場用映画として制作された本件映画をインターネットで公表する点において, 本件映画につき原告が有する著作者人格権 ( 氏名表示権及び公表権 ) を侵害する行為であり, 被告が今後本件映画を上映, 複製, 公衆送信若しくは送信可能

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

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平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

同目録記載の番号により 本件著作物 1, 本件著作物 2 といい, 本件著作物 1 及び本件著作物 2を併せて 本件各著作物 という ) の著作権を有する株式会社 CAを吸収合併し, 同社の権利義務を承継したところ, 被告が本件各著作物のデータを動画共有サイトのサーバー上にアップロードした行為が公衆

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

(Microsoft Word -

ア原告は, 平成 26 年 12 月 26 日に設立された, 電気機械器具の研究及び開発等を目的とする株式会社である イ合併前会社ワイラン インクは, 平成 4 年 (1992 年 ) に設立された, カナダ法人である 同社は, 平成 29 年 (2017 年 )6 月 1 日付けで, 他のカナダ法

原告は, 被告に対し, 万円及びこれに対する平成 29 年 3 月 1 日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は,1 原告が, 自らの作成に係る別紙 1( 甲 12の1 以下 本件本体部 分 という ) 及び別紙 2( 甲 12 の 2 以下 本件ライブラリ部分 と

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

像 記載の各画像が表示されるように設定した別紙アカウント目録記載アカウント1のアカウントの保有者, 2 ツイッターにおいて, クライアントコンピュータが, 別紙流通情報目録 1⑸ 記載の URL のウェブページにアクセスした際に, タイムラインに表示される自ら投稿した各短文投稿 ( 以下, ツイッタ

めた事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実 ) (1) 当事者ア原告は, 映画プロデューサーである ( 甲 1,2) イ被告は, 新聞社であり, ウェブサイト 朝日新聞デジタルAJW を運営するものである (2) 原告の著

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

して, 損害賠償金 330 万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成 28 年 月 21 日 ( 原告が被告に本件請求の通知を送付した日の翌日 ) から支払済みまで民法所定の年 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実及び弁論の全趣旨により容

21855F41214EA DB3000CCBA

F54D3D DD700104A2

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

インターネット上の誹謗中傷対応の基礎(Web公開用)

(イ係)

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

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ない 4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標権を有する控訴人が, 被控訴人に対し, 被控訴人が原判決別紙 被告標章目録 記載の標章をインターネットホームページのサイトで使用する行為が, 控訴人の商標権を

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

き本件営業秘密の使用又は開示の差止め及び物件の廃棄を求めるとともに ( 以下, これらの請求を併せて 差止請求等 という ),(2) 被告が本件営業秘密を持ち出した行為は原告と被告の間の秘密保持契約にも違反し, これにより原告は損害を被ったと主張して, 同法 4 条又は債務不履行に基づき 1136

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

平成  年(行ツ)第  号

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

撮影を,3 株式会社 MONDESIGN Japan( 以下 モンデザイン という ) に対して全体的なデザインをそれぞれ依頼し, 上記 1につき平成 23 年 4 月頃,2につき同年 5 月頃,3につき同年 6 月頃, 各成果物を受領し, その際, 各成果物に係る著作権の譲渡を受けた ( 甲 9,

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA 東京都足立区 以下省略 原告上記代表者理事長上記訴訟代理人弁護士同同東京都世田谷区

資料2  ネット上の違法・有害情報に対する総務省の取組【総務省】

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

平成 27 年 12 月 9 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 27 年 11 月 6 日 判 決 東京都荒川区 < 以下略 > 原 告 株式会社オールビユーテイ社 同訴訟代理人弁護士 山 本 隆 司 同 植 田

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する 2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人 P3 及び被控訴人会社は, 大阪府内, 兵庫県内, 京都府内, 滋賀県内及び和歌山県内において, 千鳥屋という名称を使用して菓子類を販売してはならない

ブロッキングとは ブロッキングとは : ユーザがウェブサイト等を閲覧しようとする場合に 当該ユーザにインターネットアクセスを提供する ISP 等が ユーザの同意を得ることなく ユーザーがアクセスしようとするウェブサイト等のホスト名 IP アドレスないし URL を検知し そのアクセスを遮断する措置を

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

資料 10-1 海外事業者を相手方とした発信者情報開示 差止請求について ( 神田弁護士ヒアリングメモ ) 平成 30 年 8 月 6 日 1. クラウドフレアに対する発信者情報開示請求について 自分が弁護士として権利者から海賊版サイトに関する相談を受けた場合 まず, サイト管理者の連絡先を調査し,

資料 年 10 月 28 日 ヤフー株式会社 情報活用関連におけるニーズ 所在検索サービスの社会的ニーズ I. 課題現行著作権法 47 条の 6 においては インターネット検索サービス 1 の提供にあたり 送信可能化された著作物 の収集 蓄積および検索結果の表示のための著作物の複製 翻

淡路町知財研究会 (松宮ゼミ)

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

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2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人株式会社バイオセレンタック, 同 Y1 及び同 Y2は, 控訴人コスメディ製薬株式会社に対し, 各自 2200 万円及びこれに対する平成 27 年 12 月 1 日から支払済みまで年 5 分の割

平成  年(あ)第  号

02 条の3に規定する固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例 ( 以下 本件特例 という ) の適用を受ける住宅用地に該当せず, その余の部分に限り上記の住宅用地に該当するものとして, 平成 26 年 6 月 2 日付けで平成 26 年度分の固定資産税及び都市計画税の各賦課決定 ( 以下, 併せて

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

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平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

平成  年(オ)第  号

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平成 29 年 6 月 9 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 29 年 ( ワ ) 第 4222 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 月 19 日 判 決 原告甲 同訴訟代理人弁護士大熊裕司 同島川知子 被告 K D D I 株式会社 同訴訟代理人弁護士 星 川 勇 二 同 星 川 信 行 同 渡 部 英 人 同 春 田 大 吾 1 主 文 1 被告は, 原告に対し, 別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ 2 訴訟費用は被告の負担とする 事実及び理由第 1 請求 主文同旨 第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上の電子掲示板に写真を投稿したことにより原告の著作権 ( 複製権, 公衆送信権 ) 等が侵害されたと主張して, 特定 2 電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 1

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は, 電気通信事業を営み, インターネット接続サービスを提供する株式会社である (2) 氏名不詳者による写真の投稿 氏名不詳者 ( 以下 本件発信者 という ) は, インターネット掲示板 ホストラブ ( 以下 本件ウェブサイト という ) 内に設置された ( 省略 ) と題するスレッド( 以下 本件スレッド という ) において, 別紙投稿記事目録記載の記事 ( 以下 本件記事 という ) を発信した ( 甲 4の1 2) 1 (3) 被告の 開示関係役務提供者 該当性 原告は, 本件ウェブサイトの管理者に対し, 本件発信者に係る発信者情報の開示請求をし, 同管理者からIPアドレス等の開示を受けたところ ( 甲 6), このIPアドレスは被告の保有に係るものであり, 本件発信者は, 被告の提供するインターネット接続サービスを経由して本件各記事を本件ウェ ブサイトに発信していた ( 甲 7) したがって, 被告は本件発信者に対してインターネット接続サービスを提供していたから, 本件記事の投稿に関し, プロバイダ責任制限法 4 条 1 項の 開示関係役務提供者 に当たる (4) 被告による情報の保有 2 被告は, 本件発信者の氏名又は名称, 住所及び電子メールアドレスの各情 報 ( 以下 本件発信者情報 という ) を保有している 2

2 争点 (1) 権利侵害の明白性 (2) 発信者情報開示を受けるべき正当理由の有無第 3 争点に関する当事者の主張 1 争点 (1)( 権利侵害の明白性 ) について 原告の主張 (1) 著作権侵害ア本件記事の画面をクリックすると, 原告のTwitter( 以下 ツイッター という ) のアカウント画面が表示される ( 甲 4の2) が, 原告のアカウ ント画面に表示されている顔写真 ( 以下 原告写真 という ) は, 平成 28 年 8 月ころ, 原告が自撮りした写真であり, 原告が著作権を有している 本件発信者は原告写真をコピーし, 本件記事に原告写真のコピー ( 以下 本件写真 という ) を原告の許諾なく掲載し, これを公衆に送信した 1 したがって, 本件発信者の上記行為は, 原告の原告写真に係る複製権及 び公衆送信権を侵害するものである イこの点に関して被告は, 本件記事は単に原告のツイッターのアカウント画面へのリンクを張っているにすぎないと主張する しかし, 本件ウェブサイトでは, 写真画像やスクリーンショット画像等 を貼り付けてコメントを投稿できるシステムになっており, 本件ウェブサ 2 ウ イトの表示画面 ( 甲 4の2) からもわかるとおり, 同画面は原告のアカウント画面がそのまま表示されているものではなく, 原告のアカウント画面をスクリーンショットしたものである したがって, 被告の上記主張は失当である また, 被告は, 原告が不法行為の成立を阻却する事由の存在をうかがわせるような事情が存在しないことを何ら主張 立証していないと主張する 3

しかし, 本件記事が著作権法 条以下の権利制限規定に該当しうる余地はない なお, 引用 ( 著作権法 32 条 1 項 ) について言及すると, 本件記事で原告のツイッターのアカウント画面を引用する必要性はなく, 公正な慣行に合致する 態様の投稿ではなく, 報道, 批評, 研究その他の引用の目的上 正当な範囲内 で行われているものでもなく, 引用の抗弁は成り立たない (2) 人格権侵害本件記事のうち, SNOWでもブスだ ( SNOW とは自撮り用の携帯アプリである ), ブスには必須アプリね という表現は, 社会通念上許された限度を超える態様で原告を侮辱するものであり, 原告の名誉感情 を侵害している したがって, 本件発信者の上記行為は, 原告の人格権を侵害するものである (3) 以上のとおり, 本件記事に掲載されたことにより, 原告の権利が侵害されたことが明らかである 1 被告の主張 (1) 否認ないし争う インターネット上の掲示板等における投稿は, これが匿名でなされること等もあって, 必ずしも一般社会において信用性が高いものとして評価されているわけではないが, その一方で, 発信者情報開示は, 発信者のプライバシーや表現の自由といった重大な権利利益に関する問題であ るばかりか, 発信者情報は一旦開示されてしまうと, その原状回復が不可能 であるから, 発信者情報の開示を請求することができる場合は限定的に考えるべきであって, プロバイダ責任制限法 4 条 1 項 1 号が定める 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき といった要件の認定は, これを慎重に, かつ厳格に行うべきであり, 2 何ら具体的な事実を述べることなく, 抽象的な投稿がなされた程度では, か かる要件を満たすことはあり得ないというべきである のみならず, 侵害 4

情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき の 明らか とは, 権利の侵害がなされたことが明白であるという趣旨であり, 不法行為の成立を阻却する事由の存在をうかがわせるような事情が存在しないことまでをも意味すると解すべきである (2) そして, 以下の点からすれば, 権利侵害の明白性を満たすものではない ア著作権侵害につき本件記事は, 単に, 原告のツイッターのアカウント画面へのリンクを張っているにすぎず, 同画面に表示されている顔写真を, 本件記事を投稿した者が複製しているわけでも, 公衆送信しているわけでもない また, 原告は, 不法行為の成立を阻却する事由の存在をうかがわせるよ うな事情が存在しないことを何ら主張 立証していない イ人格権侵害につき本件記事は, 何ら具体的な根拠や事実を述べることなく, SNOWでもブスだ, ブスには必須アプリね 程度の抽象的かつ極々簡単な投稿 1 をしているにすぎないから, 本件記事が社会通念上許された限度を超える 態様で原告を侮辱しているものとはいえず, 原告の名誉感情が侵害されているともいえない また, 原告は, その侵害行為の違法性を阻却する事由が存在しないことについても何ら主張 立証していない 2 争点 (2)( 本件発信者情報の開示を受けるべき正当理由の有無 ) について 原告の主張 原告は, 本件発信者に対して不法行為に基づく損害賠償を請求するため, 被告に対し, 本件発信者の本件発信者情報の開示を求めるものであるから, 正当理由の要件を充足している 2 被告の主張 争う

第 4 争点に対する判断 1 争点 1( 権利侵害の明白性 ) について事案に鑑み, 著作権侵害について判断する (1) 証拠 ( 甲 1,2,4,8 枝番省略 ) 及び弁論の全趣旨によれば, 原 告は平成 28 年 8 月頃, 原告自身を被写体とした原告写真をいわゆる自撮り ( スマートフォン等を用いて撮影者自身を撮影する ) に用いられるアプリを利用して撮影し, その後, ツイッターのプロフィールページに同写真を掲載したことが認められる そして, 同年 11 月 21 日, 本件発信者が上記プロフィールページに掲載された原告写真を複製して本件記事に本件写真を掲載 し, これを公衆に送信したものと推認できる (2) そうすると, 原告が原告写真の著作者であること, 本件記事に掲載された本件写真は原告の著作物である原告写真を複製したものであると認められるから, 本件発信者による本件記事の投稿は原告写真に係る原告の複製権及び公衆送信権の侵害に当たると認められる 1 (3) 被告の主張に対する判断 アこの点に関して被告は, 本件記事は単に原告のツイッターのアカウント画面へのリンクを張っているにすぎず, 同画面に表示されている顔写真が本件記事に複製されているわけでも, 公衆に送信されているわけでもない旨主張する 確かに, 証拠 ( 甲 4[ 枝番省略 ]) 及び弁論の全趣旨によれば, 本件スレ ッド中における本件記事の表示画面 ( 甲 4の1) をみると, 本件写真がアイコン状に表示されており, それをクリックすると, 原告のツイッターのアカウント画面様の表示が出現することが認められる しかし, 本件スレッド中における本件記事の表示画面 ( 甲 4の1) と原告 2 のツイッターのアカウント画面様の表示 ( 甲 4 の 2) とを対比すると, 左側 に表示された掲示板内の目次 ( たとえば, ホスト総合話題 東京のお店 6

東京( あ~た行 ) のお店 など ) は共通して表示されており, 左下に印字されたURLも (URL 省略 ) と共通していること, これに対し原告のツイッターのプロフィールページのURLが (URL 省略 ) で始まるU RLであること ( 甲 2), ツイッターのアカウント画面様の表示 ( 甲 4の2) が一見してスクリーンショットであること, ツイッターのアカウント画面様 の表示とともに 914 という本件スレッドにおける本件記事の投稿番号や投稿された文章が表示されていること ( 甲 4の2) からすれば, 本件記事に掲載された本件写真を含む原告のツイッターのアカウント画面様の表示 ( 甲 4の2) はリンクではなく, 本件記事に張り付けられた画像であって, 単に閲覧者がアイコン状の表示をクリックすると当該投稿番号の投稿文とと もに上記画像が拡大して表示される形式になっているにすぎないと認められる したがって, 被告の上記主張は採用することができない イまた, 被告は 権利が侵害されたことが明らかであるとき といえるた 1 めには, 不法行為の成立を阻却する事由の存在をうかがわせるような事情 が存在しないことまでをも意味するところ, 原告は不法行為の成立を阻却する事由の存在をうかがわせるような事情が存在しないことを何ら主張 立証していない旨主張する しかし, 被告の解釈を前提とした上で, 例えば適法引用 ( 著作権法 32 条 1 項 ) の成否につき検討してみると, 他人の著作物を引用 ( 著作権法 3 2 条 1 項 ) して利用することが許されるためには, 引用して利用する方法や態様が公正な慣行に合致したものであり, かつ, 引用の目的との関係で正当な範囲内, すなわち, 社会通念に照らして合理的な範囲内のものであることが必要であるところ, 本件発信者による本件記事の掲載は公正な慣 2 行に合致したものでもなく, また, 引用の目的上正当な範囲内にあるとい えないことは明らかであり, その他一件記録を精査しても, 本件発信者に 7

よる原告写真に係る複製及び公衆送信につき, 著作権法上の権利制限事由の存在及びその他不法行為の成立の阻却事由の存在を基礎づける事実は何らうかがわれない したがって, 被告の上記主張は採用することができない (4) 以上のとおり, 本件記事が本件ウェブサイトに掲載されたことによって 原告の権利が侵害されたことは明らかである 2 争点 2( 発信者情報開示を受けるべき正当理由の有無 ) について原告は, 本件発信者に対して原告写真の複製権及び公衆送信権侵害を理由とする損害賠償請求権等を行使することができるところ, その行使をするた めには, その発信者情報の開示が必要であると認められる したがって, 原告には被告から本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる 3 結論以上によれば, その余の点について判断するまでもなく, 原告の請求は理由 1 があるから, これを認容することとして, 主文のとおり判決する 東京地方裁判所民事第 40 部 裁判長裁判官 東海林 保 裁判官 遠山敦士 8

裁判官 勝又来未子 9

別紙 発信者情報目録別紙投稿記事目録記載の投稿記事に同目録記載の投稿用 URLに対して通信を行った電気通信回線の同日時における契約者に関する情報であって, 次に掲げるもの 1 氏名又は名称 2 住所 3 電子メールアドレス以上

別紙 投稿記事目録 投稿用 URL: (URL 省略 ) スレッドタイトル : ( 省略 ) 1 914 閲覧用 URL: (URL 省略 ) 投稿日時 :16/11/21 ( 省略 ) アイ ピー アドレス : ( 省略 ) 以上 11