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平成 29 年 11 月 9 日 九州電力株式会社 川内 1 号機過去の PRA 結果との相違について ( 案 ) 川内 1 号機については これまでアクシデントマネジメント (AM) 整備後の PSA 定期安全レビュー( 以下 PSR という ) 及び新規制基準適合性審査にて PRA を実施している 第 1 表のうち 1と4 3と6 4と5について 以下の解析条件による炉心損傷頻度 ( 以下 CDF という ) の相違を感度解析にて分析した 起因事象発生頻度 緩和策 ヒューマンエラー ( 従属性 ) 評価 故障率 共通原因故障 ( 以下 CCF という ) パラメータ 第 1 表川内 1 号機の公表済みの内的事象レベル 1PRA 結果 平成 16 年 3 月 平成 24 年 7 月 平成 26 年 9 月許可 平成 29 年 7 月届出 AM 整備後 PSA 1AM 整備前 2AM 整備後 3PSR ( 第 2 回 ) 4 新規制基準適合性審査 SA 対策なしの状態 安全性向上評価 5SA 対策 6SA 対策 なしの状態 ありの状態 CDF 8.1 10-7 3.2 10-7 5.7 10-7 2.5 10-4 4.2 10-5 1.3 10-6

1AM 整備後 PSA(AM 整備前 ) と 4 新規制基準適合性審査の比較 ( 内的事象レベル 1PRA) 1AM 整備後 PSA(AM 整備前 ) においては 平成 4 年計画以前に整備されていたフィードアンドブリード 2 次系強制冷却などの AM 策に期待しているが 4 新規制基準適合性審査では それらの AM 策にも緩和策として期待しないものとして評価している また 1AM 整備後 PSA では 故障率データとして米国機器故障率を使用 CCF についても評価手法が異なることから 4 新規制基準適合性審査と比較すると 解析条件において異なる点が多い これらの緩和策 故障率データ及び CCF 評価手法の評価条件の相違による影響を感度解析により分析した結果 1と4の差の要因は 緩和策の評価条件の差による影響が大きいことを確認した 解析条件 感度解析結果について 以下に示す 1. 解析条件 (1) 起因事象発生頻度の相違の影響を分析するため 1の起因事象発生頻度に4の値を適用し CDF を計算する ( ケース1) (2)1の緩和策として考慮しているフィードアンドブリードや2 次系強制冷却などの AM 策を除いた場合の CDF を計算する ( ケース2) (3) 故障率データの相違の影響を分析するため FV 重要度の上位機器を対象として 米国機器障率と国内機器故障率を比較し 1の米国機器障率から4の国内機器故障率に変更した場合の低減率から CDF を概略計算する ( ケース3) (4)CCF の評価手法の相違の影響を分析するため FV 重要度の上位を対象として 1と4の CCF パラメータを比較し 1の CCF パラメータを4 の値に変更した場合の低減率から CDF を概略計算する ( ケース4) 2. 感度解析結果感度解析結果を第 2 表に示す (1) ケース1: 起因事象発生頻度を4に変更したところ 1:8.1 10-7 8.5 10-7

となった 起因事象発生頻度の相違については ベースケースに対するΔCDF は 4 10-8 程度であり結果に対して大きな影響がないことが確認できた (2) ケース2:1の緩和策として考慮しているフィードアンドブリードや 2 次系強制冷却などの AM 策を除いた場合の CDF の影響を検討したところ 1:8.1 10-7 2.2 10-4 となった 各 AM 策のうち最も大きな影響は起因事象として原子炉補機冷却機能が喪失した場合の緩和策の差異である 原子炉補機冷却機能喪失事象発生時のシナリオとしての大きな相違は以下の通りである 1CCW 復旧に期待し 炉心損傷防止可能 4CCW 復旧に期待できず 炉心損傷防止不可例えば 1のモデルにおける CCW 復旧 事象の RAW は約 250 である これは CCW 復旧に必ず失敗する場合 CDF が約 250 倍になることを意味している 実際に 1のモデルで緩和策を除外すると 8.1 10-7 2.2 10-4 と約 250 倍近く増加しており この主要因は上記 CCW 復旧の差異であると推察される (3) ケース3:FV 重要度の上位機器を対象に故障率を4の国内機器故障率に変更した場合の影響を概略検討したところ 1:8.1 10-7 1.3 10-7 程度となった 故障率の増減割合は機器によって異なるものの 国内機器故障率の方が小さくなっていることから CDF は低減したものと推察される (4) ケース4:1では 約 160 個を対象に MGL 法 (β ファクター法 ) を用いて 冗長数 3 のものはβ=γの値として評価 4では約 2600 個を対象に MGL 法を用いて 冗長数 機器タイプに応じて β γ δの値を区別して評価しており 評価手法の点で異なるとともに CCF パラメータも1NUREG-1150 と4CCF parameter 2010 の値とで異なる 1での FV 重要度上位を対象に CCF パラメータ値を比較し

たところ 4 の方が小さくなっており 1 から 4 に CCF パラ メータ値を変更した場合の影響を概略検討したところ 1:8.1 10-7 5.6 10-7 程度 となった 以上から 1 と 4 の差の要因は 緩和策の評価条件の差による影響が大きい ことが確認できた 上述した通り 1と4の差の要因としては AM 策による影響がΔCDF=2.0 10-4 と大きいことから ヒューマンエラー評価手法の相違については 1と4の差に対してはほとんど影響がでない ただし 1の時点では THERP 手法に基づき詳細にヒューマンエラーを検討しているのは一部であり それ以外はスクリーニング値を採用しているなど 概略評価となっている 一方で 4の時点では PRA でモデル化するべき運転員操作を抽出し それぞれを THERP 手法でヒューマンエラーを詳細に分析している したがって 4の方がヒューマンエラーの評価対象範囲が大きく 個別の操作毎に詳細に分析していることから ヒューマンエラー確率の CDF への寄与は 4の方が大きくなる

第 2 表 1AM 整備後 PSA と 4 新規制基準適合性審査の PRA 感度解析結果 ベースケースケース 1 ケース 2 ケース 3 ケース 4 評価条件 1 の起因事象発生頻度を 4 の値に変更 1の AM 策を無効化 1の機器故障率を 4の値に変更 1 の CCF パラメー 緩和策相違あり相違あり同等相違あり相違あり 故障率相違あり相違あり相違あり同等相違あり タを 4 の値に変更 1-4間の相違起因事象発生頻度相違あり同等相違あり相違あり相違あり CDF CCF パラメータ相違あり相違あり相違あり相違あり同等 1AM 整備後 PSA (AM 整備前 ) *1 8.1 10-7 4 新規制基準 *2 適合性審査 (SA 対策なし ) 2.5 10-4 起因事象発生頻度を 4 の値に変更 8.5 10-7 (ΔCDF:4 10-8 ) AM 策を無効化 2.2 10-4 (ΔCDF:2 10-4 ) 米国故障率 国内故障率 1.3E 10-7 *3 程度 (ΔCDF:-7 10-7 ) NUREG-1150 CCF paramater estimation 2010 *3 5.6 10-7 程度 (ΔCDF:-2 10-7 ) 同左同左同左同左 *1:H4 年以前に整備されていたフィードアンドブリード 2 次系強制冷却などの AM 策に期待 *2: 新規制基準適合性審査における重要事故シーケンス選定のため シビアアクシデント対策を考慮していない *3: 概略値

3PSR と 6 安全性向上評価 (SA 対策ありの状態 ) の比較 ( 内的事象レベル 1PRA) 安全性向上評価においては 大容量空冷式発電機や常設電動注入ポンプといった 新規制基準対応にて新たに整備した SA 対策を考慮している 一方 PSR において考慮している緩和策のうち 号機間電源融通やCCWの復旧等は同等の機能を有する SA 対策がある等の理由で CDF への影響が小さいと考えられることから 安全性向上評価において考慮していない ヒューマンエラー従属性の評価条件については 安全性向上評価ではピアレビューコメントを反映し トレン間の従属性を完全従属 同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間の従属性を適切に考慮している これらの緩和策及びヒューマンエラー従属性の評価条件の相違による影響を感度解析により分析した結果 3と6の差の要因は 緩和策及びヒューマンエラー従属性の評価条件の差による影響が大きいことを確認した 解析条件 感度解析結果について 以下に示す 1. 解析条件 (1) 起因事象発生頻度 ヒューマンエラー従属性及び緩和策の評価条件を合致させる ( ケース1) (2) 起因事象発生頻度の相違の影響を分析するため 3の起因事象発生頻度に6の値を適用する ( ケース2) (3)3と6のヒューマンエラー従属性の評価条件を同じにするため トレン間は完全従属 同一シーケンス間は完全独立に変更する ( ケース3) (4)3のみ 6のみに考慮している緩和策を無効化し緩和策を同じとする ( ケース4) 2. 感度解析結果感度解析結果を第 4 表に示す (1) ケース1: 起因事象発生頻度 ヒューマンエラー従属性及び緩和策の評価条件を合致させた場合 3:8.6 10-7 1.0 10-6 6:1.3 10-6 1.4 10-6 となり 3と6の CDF はほぼ同等となることが確認できた (2) ケース2: 起因事象発生頻度を6に変更したところ

3:5.7 10-7 5.1 10-7 となり 起因事象発生頻度の相違については 3のベースケースに対するΔCDF は-6 10-8 程度であり 結果に対して大きな影響がないことが確認できた (3) ケース3: ヒューマンエラー従属性条件を3と6で同等とした場合 3:5.7 10-7 8.1 10-7 6:1.3 10-6 6.7 10-7 となった 3に対しては トレン間の従属性を完全従属に変更した結果 CDF は約 1.4 倍 ( ベースに対するΔCDF は 2 10-7 程度 ) となり 6に対しては 同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間従属性を完全独立とした結果 CDF は約 0.5 倍 ( ベースに対するΔCDF は-6 10-7 程度 ) となった ヒューマンエラーの従属性条件を合致させることで 3と6の CDF のは同程度となることが確認できた (4) ケース4: 緩和策を同等とした場合 3:5.7 10-7 2.1 10-5 6:1.3 10-6 2.3 10-6 となった 3に対しては 6でモデル化していない号機間電源融通や CCW 復旧を除外した結果 CDF は約 37 倍 ( ベースに対するΔ CDF は 2 10-5 程度 ) となり 6に対しては 3でモデル化していない SA 対策を除外した結果 CDF は約 1.8 倍 ( ベースに対するΔCDF は 1 10-6 程度 ) となった 3と6の CDF の差異は1 桁程度の差があるが 緩和策を合わせた条件では RCP シール LOCA 発生時の緩和策がない (CCW 復旧なし 新設 SA 対策なし ) のため CCDP=1.0 となる ただし 3と6では原子炉補機冷却機能喪失の起因事象発生頻度が約 2 桁異なることから この事象の全 CDF への寄与割合が異なることが この差異の主要因と推察する 以上のことから 3 と 6 の差の要因は 緩和策及びヒューマンエラー従属性 の評価条件の差による影響が大きいことが確認できた

間の相違第 3 表 3PSR と 6 安全性向上評価 (SA 対策ありの状態 ) の PRA 感度解析結果 ベースケースケース 1 ケース 2 ケース 3 ケース 4 評価条件 - ケース 2+3+4 3の起因事象発生頻度を6の値に変更 3と6でヒューマンエラーの従属性評価条件を合わせる 3 と 6 で緩和策を合わせる 3-6起因事象発生頻度相違あり同等同等相違あり相違あり ヒューマンエラー評価条件 相違あり同等相違あり同等相違あり 緩和策相違あり同等相違あり相違あり同等 CDF 3PSR( 第 2 回 ) *1 5.7 10-7 6 安全性向上評価 *2 (SA 対策あり ) 1.3 10-6 1.0 10-6 (ΔCDF:5 10-7 ) 1.4 10-6 (ΔCDF:1 10-7 ) *1:AM 策として整備した号機間電源融通等に期待 *2: 新規制基準対応にて SA 対策として整備した大容量空冷式発電機等に期待 起因事象発生頻度を 6 の値に変更 5.1 10-7 (ΔCDF:-6 10-8 ) 1.3 10-6 トレン間の従属性 : 2 トレン : 高依存 3 トレン : 完全従属 完全従属 8.1 10-7 (ΔCDF:2 10-7 ) 同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間従属性 : 考慮 なし( 完全独立 ) 6.7 10-7 (ΔCDF:-6 10-7 ) 3 のみの対策を無効化 2.1 10-5 (ΔCDF:2 10-5 ) 6 のみの対策を無効化 2.3 10-6 (ΔCDF:1 10-6 )

4 新規制基準適合性審査と 5 安全性向上評価 (SA 対策なしの状態 ) の比較 ( 内的事象レベル 1PRA) 安全性向上評価では 起因事象発生頻度の評価において起因事象発生頻度をフォールトツリー ( 以下 FT という ) にて算出しているものがあるなど 新規制基準適合性審査とは異なる点がある また ヒューマンエラー従属性の評価条件についても 安全性向上評価ではピアレビューコメントを受け ヒューマンエラーの同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間の従属性を考慮 トレン間の従属性については完全従属としており 新規制基準適合性審査の解析条件とは異なる これらの起因事象発生頻度及びヒューマンエラー従属性の評価条件の相違による影響を 感度解析により分析した結果 4と5の差の要因は 起因事象発生頻度の評価条件の差による影響が大きいことを確認した 解析条件 感度解析結果について 以下に示す 1. 解析条件 (1) 起因事象発生頻度の相違の影響を分析するため 4の起因事象発生頻度に5の値を適用する ( ケース1) (2)4と5のヒューマンエラー従属性の評価条件を同じにするため トレン間の従属性を完全従属 同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間の従属性を独立とする ( ケース2) 2. 感度解析結果感度解析結果を第 4 表に示す (1) ケース1:4の起因事象発生頻度を5と同じ値で揃えたところ 4:2.5 10-4 4.6 10-5 となり 4の CDF は約 0.2 倍 ( ベースに対するΔCDF は-2 10-4 程度 ) 5の CDF とほぼ同等となった 45では SA 対策や CCW 回復に期待しない条件は同等であるため 原子炉補機冷却機能喪失事象が発生した場合 RCP シール LOCA の発生有無によらず炉心損傷の回避は不可能である つまり 原子炉補機冷却機能喪失はそのまま炉心損傷に直結する ここで 4では当該事象の発生頻度を実績データ (0 件 ) から算出し 2.0 10-4 を用いていたのに対し 安全性向上評価

では 緩和策との従属性を適切に評価するため FT によって起因事象発生頻度を算出している この値が 2.0 10-4 より小さくなったことから 全 CDF は 1 10-5 オーダーとなり 5とほぼ同等の値になった (2) ケース2: ヒューマンエラー従属性条件を同等とした場合 4:2.5 10-4 2.5 10-4 5:4.2 10-5 4.1 10-5 となった 4の CDF はベースからほぼ変動なし ( ベースに対するΔCDF は 2 10-6 程度 ) となった トレン間の従属性を完全従属に変更したものの 緩和策の存在しない原子炉補機冷却機能喪失が支配的であるため見ため上 CDF は増加しない結果になったものと推察する 5の CDF もベースからほぼ変動なし ( ベースに対するΔCDF は-3 10-7 程度 ) となった 同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間の従属性を完全独立とした結果 若干 CDF が低減したものの SA 対策に期待しない解析条件では同一シーケンスにおいてヒューマンエラーが複数存在する組合せ自体が非常に少ないことから その低減幅は微少である したがって ヒューマンエラー従属性の評価条件のみを単独で変更したとしても 4と5の CDF はベースケースからほとんど変動がないことが確認できた 以上のことから 4 と 5 の差の要因は 起因事象発生頻度の評価条件の差に よる影響が大きいことを確認した

第 4 表 4 新規制基準適合性審査と 5 安全性向上評価 (SA 対策なしの状態 ) の PRA 感度解析結果 ベースケースケース 1 ケース 2 評価条件 - 4 の起因事象発生頻度を 5 の値に変更 4 と 5 でヒューマンエラーの CDF 従属性評価条件を合わせる 4-5の相違起因事象発生頻度相違あり同等相違あり ヒューマンエラー 評価条件 4 新規制基準適合性審査 *1 (SA 対策なし ) 5 安全性向上評価 (SA 対策なし ) 相違あり相違あり同等 2.5 10-4 4.2 10-5 起因事象発生頻度を 5 の値に変更 4.6 10-5 (ΔCDF:-2 10-4 ) *1: 新規制基準適合性審査における重要事故シーケンス選定のため シビアアクシデント対策を考慮していない 同左 トレン間の従属性 : 2 トレン : 高依存 3 トレン : 完全従属 完全従属 2.5 10-4 (ΔCDF:2 10-6 ) 同一シーケンスにおけるヒューマンエラー間従属性 : 考慮 なし( 完全独立 ) 4.1 10-5 (ΔCDF:-3 10-7 )