2 被控訴人は, 別紙標章目録記載の標章を付した薬剤を販売してはならない 3 被控訴人は, 前項記載の薬剤を廃棄せよ 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, PITAVA の標準文字からなる商標( 以下 本件商標 という ) の商標権者である控訴人が, 別紙標章目録記載の標章 ( 以下 被告標章

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主 文 1 本件控訴を棄却する 2 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告標章目録記載 1ないし3の各標章を付した薬剤を販売してはならない 3 被控訴人は, 前項記載の薬剤を廃棄せよ 第 2 事案の概要等 1 事案の概要本

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

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(イ係)

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

原判決は, 控訴人ら及び C の請求をいずれも棄却したので, 控訴人らがこれを不服として控訴した 2 本件における前提事実, 関係法令の定め, 争点及びこれに対する当事者の主張は, 後記 3 のとおり, 原判決を補正し, 後記 4 のとおり, 当審における当事者の主張 を付加するほかは, 原判決 事

異議の決定 異議 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

11総法不審第120号

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する 2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人 P3 及び被控訴人会社は, 大阪府内, 兵庫県内, 京都府内, 滋賀県内及び和歌山県内において, 千鳥屋という名称を使用して菓子類を販売してはならない

事実及び理由控訴人補助参加人を 参加人 といい, 控訴人と併せて 控訴人ら と呼称し, 被控訴人キイワ産業株式会社を 被控訴人キイワ, 被控訴人株式会社サンワードを 被控訴人サンワード といい, 併せて 被控訴人ら と呼称する 用語の略称及び略称の意味は, 本判決で付するもののほか, 原判決に従う

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

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ない 4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標権を有する控訴人が, 被控訴人に対し, 被控訴人が原判決別紙 被告標章目録 記載の標章をインターネットホームページのサイトで使用する行為が, 控訴人の商標権を

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人株式会社バイオセレンタック, 同 Y1 及び同 Y2は, 控訴人コスメディ製薬株式会社に対し, 各自 2200 万円及びこれに対する平成 27 年 12 月 1 日から支払済みまで年 5 分の割

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

それぞれ改める 原判決 7 頁 9 行目の 国の機関 から同頁 14 行目末尾までを次のとおり改める 国の機関, 独立行政法人等, 地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって, 公にすることにより, 次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上, 当該事務又は事業の適正

いう ) に対し, 本件周辺道路整備工事の係る公金の支出 ( ただし, 支出命令を除く ) の差止めを求めるとともに, 文京区と東京大学との間で締結した 小石川植物園と区道の整備に関する基本協定書 による本件周辺道路整備工事に関する基本協定 ( 以下 本件基本協定 という ) に基づく年度毎の協定の

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平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

最高裁○○第000100号

令和元年 5 月 30 日判決言渡 平成 30 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 23 日 判 決 原告ジー エス エフ ケー シー ピー株式会社 被告ケーシーピーヘビーインダスト リーズカンパニーリミテッド 訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫

平成23年12月17日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

淡路町知財研究会 (松宮ゼミ)

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

併等の前後を通じて 上告人ら という 同様に, 上告人 X1 銀行についても, 合併等の前後を通じて 上告人 X1 銀行 という ) との間で, 上告人らを債券の管理会社として, また, 本件第 5 回債券から本件第 7 回債券までにつき上告人 X1 銀行との間で, 同上告人を債券の管理会社として,

平成  年(オ)第  号

最高裁○○第000100号

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

EONERO のブランド名( 以下, 本件ブランド という ) 下に, 本件商標 2と同一の標章を用いて販売している (4) 控訴人は, 平成 27 年 12 月 11 日から同月 13 日にかけて ベルジュアダチ にて開催された展示販売会 ( 以下, 本件催事 という ) のチラシ ( 以下, 本

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

最高裁○○第000100号

賦課決定 ( 以下 本件賦課決定 といい, 本件更正と併せて 本件更正等 という ) を受けたため, 本件更正は措置法 64 条 1 項が定める圧縮限度額の計算を誤った違法なものであると主張して, 処分行政庁の所属する国に対し, 本件更正等の一部取消し等を求める事案である 原審は, 控訴人の請求をい

4 処分行政庁が平成 25 年 3 月 5 日付けでした控訴人に対する平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 9 月 30 日までの事業年度の法人税の再更正処分のうち翌期へ繰り越す欠損金 4 億 万 6054 円を下回る部分を取り消す 5 処分行政庁が平成 25 年 3 月

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

同訴訟代理人弁護士同同同同同同同同同同同 三好徹石田央子津田直和井川真由美鶴﨑有一石井修平山崎哲内田尚成前田香織本田雄巳黒木義隆籔之内千賀子 主文 1 控訴人の本件控訴を棄却する 2(1) 被控訴人の附帯控訴に基づき 原判決主文 1 2 項を次のとおり変更する (2) 控訴人は 被控訴人に対し 78

処分済み

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1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

31 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 1 原告の求めた裁判 主文同旨 事実及び理由 第 2 事案の概要 本件は, 商標登録を無効とした審決の取消訴訟である 争点は, 商標法 4 条 1 項 10 号該当性 ( 引用商標の周知性の有無 ) である 1 特許庁における手続の経

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

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政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

国籍確認請求控訴事件平成 12 年 11 月 15 日事件番号 : 平成 12( 行コ )61 大阪高等裁判所第 4 民事部 裁判長裁判官 : 武田多喜子 裁判官 : 正木きよみ 松本久 原審 : 大阪地方裁判所平成 11 年 ( 行ウ )54 < 主文 > 一. 原判決を 取り消す ニ. 訴訟費用

 

11総法不審第120号

審決取消判決の拘束力

Microsoft Word - 一弁知的所有権研究部会2017年7月13日「商標登録無効の抗弁」(三村)

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の上記アの期間に係る標準報酬月額を44 万円に訂正する必要がある旨のあっせんをした ( 甲 1の18ないし21 頁, 丙 4) (2) Aの標準報酬月額の決定等ア厚生年金保険法 ( 平成 24 年法律第 62 号による改正前のもの 以下 厚年法 という )100 条の4 第 1 項 3 号及び4 号

切り餅 事件 (2)( 知財高裁判決 ) 弁護士人見友美 1. 事案の概要切り餅の側周表面の周方向の切込み ( スリット ) によって膨化による吹き出しを抑制する効果がある ( 焼いた後の焼き餅の美観を損なわない ) ことを利用した発明について 特許権の侵害が争われた事案 原判決は特許権の侵害を否定

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

(1) 被告は, 次の商標 ( 以下 本件商標 という ) に係る商標権 ( 以下 本件商標権 という ) を有している ( 甲 25) 商標登録第 号商標の構成千鳥屋 ( 標準文字 ) 登録出願日平成 23 年 12 月 21 日設定登録日平成 25 年 2 月 8 日指定商品第

同法 46 条 1 項 1 号により, 無効とすることはできない, というものである 第 3 当事者の主張 1 審決の取消事由に関する原告の主張 (1) 取消事由 1( 商標法 3 条 1 項柱書該当性判断の誤り ) 審決は, 本件商標に関し, 願書に記載された指定商品又は指定役務に使用していること

平成  年(あ)第  号

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

 

同時期に 8 社に対し提起された大阪地方裁判所における判決 ( 大阪地裁平成 24 年 9 月 27 日判決 裁判所 HP) では, 間接侵害の成立に関し, 特許法 101 条 2 号の別の要件である その物の生産に用いる物 にあたるかが問題とされ, 1 特許法 2 条 3 項 1 号及び101 条

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨主文と同旨第 2 事案の概要 1 本件は, 競馬の勝馬投票券 ( 以下 馬券 という ) の的中による払戻金に係る所得を得ていた控訴人が, 平成 17 年から平成 21 年までの各年分の所得税に係る申告期限後の確

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

平成 28 年 10 月 11 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結の日平成 28 年 7 月 7 日 判 決 原 告 オーガスタナショナルインコーポレイテッド 同訴訟代理人弁護士 中 村 稔 同 松 尾 和 子 同 田 中 伸 一 郎 同訴訟代

薬価基準収載医薬品コード レセプト電算処理システム用コード HOT コード一覧 薬価基準収載医薬品コード (YJ コード ) レセプト電算処理システム用コード HOT コード包装 ブロチゾラム錠 0.25mg ヨシトミ F1037

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

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平成 27 年 10 月 21 日判決言渡平成 27 年 ( ネ ) 第 10074 号商標権侵害差止請求控訴事件 ( 原審 東京地方裁判所平成 26 年 ( ワ ) 第 771 号 ) 口頭弁論終結日平成 27 年 9 月 9 日 判 決 控訴人興和株式会社 訴訟代理人弁護士北原潤一 同江幡奈歩 同梶並彰一郎 被控訴人テバ製薬株式会社 訴訟代理人弁護士 長 沢 幸 男 同 笹 本 摂 同 向 多 美 子 補 佐 人 弁 理 士 小 谷 武 同 木 村 吉 宏 同 長 谷 川 綱 樹 主 文 1 本件控訴を棄却する 2 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す - 1 -

2 被控訴人は, 別紙標章目録記載の標章を付した薬剤を販売してはならない 3 被控訴人は, 前項記載の薬剤を廃棄せよ 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, PITAVA の標準文字からなる商標( 以下 本件商標 という ) の商標権者である控訴人が, 別紙標章目録記載の標章 ( 以下 被告標章 という ) を付した薬剤を販売する被控訴人の行為が控訴人の有する商標権の侵害 ( 商標法 37 条 2 号 ) に該当する旨主張して, 被控訴人に対し, 同法 36 条 1 項及び2 項に基づき, 上記薬剤の販売の差止め及び廃棄を求めた事案である 控訴人は, 原審において, 当初は, 指定商品を第 5 類 薬剤 とする別紙商標権目録記載 1の商標権 ( 以下 本件商標権 という ) の侵害を請求原因として主張し, 被告標章を付した薬剤の販売の差止め及び廃棄を求めていたが, 平成 26 年 11 月 17 日に本件商標権の分割の申請をし, 本件商標権は, 指定商品を第 5 類 薬剤但し, ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤を除く とする同目録記載 2の商標権と指定商品を第 5 類 ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤 とする同目録記載 3の商標権 ( 以下 本件分割商標権 という ) に分割されたため ( 甲 19,20の1,2), 平成 27 年 2 月 27 日の原審第 5 回弁論準備手続期日において, 請求原因を本件商標権の侵害から本件分割商標権の侵害に変更する旨の訴えの変更 ( 交換的変更 ) をした これに対し被控訴人は, 上記訴えの変更について異議を述べた 原判決は, 控訴人の上記訴えの変更を適法と認めた上で,1 変更後の本件分割商標権の侵害を請求原因とする請求については, 被控訴人による被告標章の使用はいわゆる商標的使用に当たらず, また, 本件商標は公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標 ( 商標法 4 条 1 項 7 号 ) に該当し, 本件商標の商標登録は, 無効審判により無効とされるべきものと認められるから, 控訴人 - 2 -

は, 本件分割商標権を行使することができないとして, 控訴人の請求をいずれも棄却し,2 変更前の本件商標権の侵害を請求原因とする請求については, 被控訴人による被告標章の使用は商標的使用に当たらず, また, 本件商標の指定商品のうち, ピタバスタチンカルシウム を含有しない薬剤に本件商標を使用した場合には, 需要者等が当該薬剤に ピタバスタチンカルシウム が含まれると誤認するおそれがあるので, 本件商標は 商品の品質 の誤認を生ずるおそれがある商標 ( 同項 16 号 ) に該当し, 本件商標の商標登録は無効審判により無効にされるべきものであるから, 控訴人は, 本件商標権を行使することができないとして, 控訴人の請求をいずれも棄却した 控訴人は, 原判決のうち, 上記訴えの変更後の本件分割商標権の侵害を請求原因とする請求を棄却した部分を不服として, 本件控訴を提起した その後, 被控訴人は, 平成 27 年 9 月 9 日の当審第 1 回口頭弁論期日において, 上記訴えの変更に異議はない旨述べて, 変更前の本件商標権の侵害を請求原因とする請求に係る訴えの取下げに同意した 2 前提事実次のとおり訂正するほか, 原判決 事実及び理由 の第 2の2 記載のとおりであるから, これを引用する (1) 原判決 2 頁 19 行目から3 頁 5 行目までを次のとおり改める (2) 控訴人は, 本件商標について, 本件分割商標権 ( 別紙商標権目録記載 3 参照 ) を有している (2) 原判決 3 頁 22 行目の 原告商標権 2 を 本件分割商標権 と改める 3 争点 (1) 被告標章が本件商標と類似するか (2) 被告標章の商標法 26 条 1 項 6 号該当性 (3) 被告標章の商標法 26 条 1 項 2 号該当性 (4) 本件分割商標権に係る本件商標の商標登録が無効審判により無効とされ - 3 -

るべきものと認められ, 又は控訴人による本件分割商標権の行使が権利の濫用に当たるか第 3 争点に関する当事者の主張 1 争点 (1)( 被告標章が本件商標と類似するか ) について当事者の主張は, 原判決 事実及び理由 の第 3の1 記載のとおりであるから, これを引用する 2 争点 (2)( 被告標章の商標法 26 条 1 項 6 号該当性 ) について 被控訴人の主張 被控訴人の主張は, 次のとおり訂正するほか, 原判決 9 頁 14 行目から10 頁 20 行目までに記載のとおりであるから, これを引用する 原判決 10 頁 20 行目末尾に行を改めて次のとおり加える (2) したがって, 被告商品における被告標章の使用は, 商標的使用に当たらず, 被告標章は商標法 26 条 1 項 6 号の商標に該当するから, 本件分割商標権の効力は, 被告標章に及ばない 控訴人の主張 控訴人の主張は, 次のとおり訂正するほか, 原判決 7 頁 19 行目から9 頁 1 2 行目までに記載のとおりであるから, これを引用する 原判決 9 頁 12 行目末尾に行を改めて次のとおり加える (4) この点に関し, 原判決は, 被告商品の最終の需要者である患者にとっては, 被告商品 ( 錠剤 ) 上の表記が販売名であるのか, 有効成分の表示であるかについては明確には認識できないともいえるが, 患者が被告商品の錠剤の ピタバ の表示に触れたときに,PTPシート等に記載された ピタバスタチンカルシウム錠 の頭部分の3 文字を略記したものであると認識するものと解され, 被告商品の錠剤上の ピタバ の文字のみにより商品の出所を識別するものとは解されない旨判断した しかしながら, 錠剤の表示の捉え方は販売名やメーカー名など様々な捉 - 4 -

え方があるのであって, 患者が錠剤の表示を, 販売名 の表示か, 有効成分 の表示かという二者択一的に見ているという前提で検討している点において原判決の上記判断は誤りであり, また, 被告標章は患者において他の商品との識別のために着目されているから, この点においても, 原判決の上記判断は誤りである (5) 以上によれば, 被告標章は, 商標法 26 条 1 項 6 号の商標に該当するものとはいえないから, 本件分割商標権の効力が被告標章には及ばないとの被控訴人の主張は, 理由がない 3 争点 (3)( 被告標章の商標法 26 条 1 項 2 号該当性 ) について当事者の主張は, 次のとおり訂正するほか, 原判決 10 頁 23 行目から11 頁 4 行目までに記載のとおりであるから, これを引用する 原判決 11 頁 1 行目の 原告商標権 2 を 本件分割商標権 と改める 4 争点 (4)( 本件分割商標権に係る本件商標の商標登録が無効審判により無効とされるべきものと認められ, 又は控訴人による本件分割商標権の行使が権利の濫用に当たるか ) について 被控訴人の主張 被控訴人の主張は, 次のとおり訂正するほか, 原判決 12 頁 2 行目から16 頁 4 行目までに記載のとおりであるから, これを引用する (1) 原判決 12 頁 2 行目冒頭から末尾までを (1) 商標法 4 条 1 項 7 号に該当すること と改める (2) 原判決 12 頁 5 行目の 原告商標権 2 を 本件分割商標権 と改める (3) 原判決 12 頁 15 行目末尾に行を改めて次のとおり加える ウさらに, 原判決が述べるように,1 控訴人による本件商標に係る商標登録出願が, 本件特許権の存続期間満了後, 控訴人のライセンシー以外の者による後発医薬品の市場参入を妨げるという不当な目的でされたものであることが推認されるばかりか,2 本件商標を指定商品 ピタバス - 5 -

タチンカルシウムを含有する薬剤 に使用することを控訴人に独占させることは, 薬剤の取違え ( 引いては, 誤投与 誤服用による事故 ) を回避する手段が不当に制約されるおそれを生じさせるものであって, 公共の利益に反し, 著しく社会的妥当性を欠くと認めるのが相当であるから, 本件商標は, 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標 ( 商標法 4 条 1 項 7 号 ) に該当するというべきである (4) 原判決 12 頁 16 行目の ウ を エ と, 同頁 17 行目, 同頁 19 行目及び同頁 20 行目の各 原告商標権 2 を 本件分割商標権 とそれぞれ改める (5) 原判決 12 頁 22 行目の (3) を (2) と, 同頁 23 行目から24 行目にかけての 本件商標権 ( 若しくは原告商標権 1) 又は原告商標権 2 を 本件分割商標権 とそれぞれ改める (6) 原判決 13 頁 9 行目の 本件商標権又は原告商標権 2 を 本件分割商標権 と改める (7) 原判決 15 頁 4 行目の 本件商標権又は原告商標権 1 及び原告商標権 2 を 本件分割商標権 と改める 控訴人の主張 控訴人の主張は, 次のとおり訂正するほか, 原判決 16 頁 12 行目から18 頁 5 行目までに記載のとおりであるから, これを引用する (1) 原判決 16 頁 12 行目の (2) を (1) と改め, 同頁 13 行目冒頭に ア を加え, 同頁 17 行目末尾に行を改めて次のとおり加える イこの点に関し, 原判決は,1 控訴人による本件商標に係る商標登録出願が, 本件特許権の存続期間満了後, 控訴人のライセンシー以外の者による後発医薬品の市場参入を妨げるという不当な目的でされたものであることが推認されるばかりか,2 本件商標を指定商品 ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤 に使用することを控訴人に独占させること - 6 -

は, 薬剤の取違え ( 引いては, 誤投与 誤服用による事故 ) を回避する手段が不当に制約されるおそれを生じさせるものであって, 公共の利益に反し, 著しく社会的妥当性を欠くと認めるのが相当であるから, 本件商標は, 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標 ( 商標法 4 条 1 項 7 号 ) に該当し, 本件分割商標権に係る本件商標の商標登録は, 無効審判により無効とされるべきもの ( 同法 46 条 1 項 1 号 ) と認められる旨判断した しかしながら, 原判決の上記判断は, 以下のとおり誤りである ( ア ) 上記 1の点について製薬会社である控訴人は, 平成 17 年 8 月 30 日, 自ら本件商標を使用する意思をもって, 指定商品を薬剤として, 本件商標の商標登録出願 ( 以下 本件出願 という ) をし, 本件商標権の設定登録を受けたものであり, 本件出願日当時において, ピタバスタチンカルシウム を ピタバ と省略して用いることはなかった また, 同年 9 月 22 日付け薬食審査発第 0922001 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 医療用後発医薬品の承認申請にあたっての販売名の命名に関する留意事項について ( 以下 本件厚労省通知 という ) によって後発医薬品の販売名に関する規制がされたが, 本件出願は, 本件厚労省通知が発出される前に行われており, 本件出願日当時, 後発医薬品の販売名に関する現在のような規制はなく, 後発医薬品メーカーがどのような販売名あるいは錠剤の表示にするかなど予想することはできない状況であった したがって, 控訴人が, ライセンシー以外の者による後発医薬品の市場参入を妨げる目的で本件出願をしたものではないことは明らかであり, 実際, 控訴人は ピタバ の表示を付した商品のみを問題にしているだけであって, およそ後発医薬品の参入自体を問題にしている - 7 -

わけではない ( イ ) 上記 2の点について甲 7 及び甲 21から明らかなように, 薬剤の錠剤に付された表示は, 有効成分の名称とは関係のないものがほとんどであって, 錠剤に有効成分の名称又はその一部を表示することは一般的でなく, 薬剤の取違えを回避するための錠剤の表示としては, 様々な表示があるから, 有効成分の名称に関する表示をしなければならないという要請はない 本件においても, 仮に, 有効成分の名称が分かるような表示を錠剤に付したいというのであれば, ピタバスタチン と表示すればよいのであって, あえて ピタバ と表示する必要性は全くない 実際, 本件商標のように, 有効成分の名称の一部と共通する文字から成る商標の登録は一般的にされている ( 甲 22) したがって, 控訴人が本件商標につき商標権を取得することは, 薬剤の取違えを回避する手段を不当に制約することにはならない ( ウ ) 小括以上のとおり, 原判決の上記 1 及び2の判断には誤りがあり, 本件商標が商標法 4 条 1 項 7 号に該当するとの原判決の判断は誤りである (2) 原判決 16 頁 18 行目の (3) を (2) と, 同頁 19 行目の ( ア ) を ア とそれぞれ改める (3) 原判決 17 頁 10 行目の ( イ ) を イ と, 同頁 17 行目の ( ウ ) を ウ と, 同頁 22 行目の ( エ ) を エ とそれぞれ改める (4) 原判決 18 頁 1 行目の ( オ ) を オ と, 同頁 3 行目の 原告商標権 2 を 本件分割商標権 とそれぞれ改める 第 4 当裁判所の判断当裁判所は, 被告商品の錠剤に付された被告標章は, 需要者が何人かの業 - 8 -

務に係る商品であることを認識することができる態様により使用されていない商標 ( 商標法 26 条 1 項 6 号 ) に該当するものと認められ, 控訴人が有する本件分割商標権の効力は被告標章に及ばないものと認められるから, 控訴人の請求は, いずれも理由がないものと判断する その理由は, 以下のとおりである 1 判断の基礎となる認定事実次のとおり訂正するほか, 原判決 事実及び理由 の第 4の2に記載のとおりであるから, これを引用する (1) 原判決 19 頁 8 行目の (1) を削り, 同頁 10 行目の ア を (1) と, 同頁 15 行目の イ を (2) と, 同頁 23 行目の ウ を (3) と, 同頁 24 行目の 有効であることは広く知られ を 有効であることは, 医師, 薬剤師等の医療従事者の間で広く知られ とそれぞれ改める (2) 原判決 20 頁 10 行目の 8の1ないし10 を 8の1ないし11 と, 同頁 11 行目の エ を (4) と, 同頁 24 行目の オ を (5) とそれぞれ改める (3) 原判決 21 頁 1 行目から2 行目にかけての ( 以下 厚労省通知 という ) を ( 本件厚労省通知 ) と改め, 同頁 14 行目から17 行目までを次のとおり改める (6) 被告商品の包装態様は, 錠剤が10 錠ずつPTPシートにパッケージされて, その複数のPTPシートが内袋に封入されて外箱に入れられたもの, 錠剤が14 錠ずつPTPシートにパッケージされて, その複数の PTPシートが内袋に封入されて外箱に入れられたもの, 又は錠剤がボトル詰めされ, そのボトルが外箱に入れられたものがある 被告商品の外箱には, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg と横書きで大きく表示され, その上部には HMG-CoA 還元酵素阻害剤, その下部には テバ, ピタバスタチンカルシウム錠 と表示される - 9 -

とともに, これらの表示の右側 (500 錠入りのものについては下側 ) に大きく 1mg と表示されており, 側面にも, HMG-CoA 還元酵素阻害剤, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ との表示がある また, 被告商品のPTPシートの表面には, ピタバスタチンカルシウム1mg テバ ( 二段書き ), ピタバスタチン 1mg, その裏面には, Pitavastatin Calcium 1mg TEVA, ピタバスタチンカルシウム テバ, 1mg との表示がある さらに,PTPシートを封入する内袋にも, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ, 1mg との表示がある さらに, 被告商品のボトルの表面には, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ ( 二段書き ) との表示がある ( 以上, 乙 11) (4) 原判決 21 頁 18 行目の キ を (7) と,22 頁 2 行目の ク を (8) とそれぞれ改める (5) 原判決 22 頁 7 行目末尾に行を改めて次のとおり加える (9) 被控訴人は, 平成 25 年 12 月から, ピタバスタチンカルシウムを有効成分とする被告商品の製造販売を開始した 被控訴人以外の後発医薬品メーカー 23 社も, 同月から, ピタバスタチンカルシウムを有効成分とする後発医薬品 ( HMG-CoA 還元酵素阻害剤 ) の製造販売を開始した 被控訴人以外の後発医薬品メーカーの薬剤の販売名は, 本件厚労省通知に従って, ピタバスタチンCa 錠 1mg サワイ ( 沢井製薬が製造販売する薬剤 ) などと命名されている ( 甲 7, 乙 14の1 ないし5,17の1,2,19) 2 争点 (2)( 被告標章の商標法 26 条 1 項 6 号該当性 ) について (1) 被控訴人は, 需要者である患者は, 被告商品 ( 錠剤 ) 上の ピタバ の表示をもって, 有効成分としての ピタバスタチンカルシウムを意味するも - 10 -

のと認識するとともに, 商品の品質, 原材料の表示 ( 説明的表示 ) であると理解するし, 被控訴人が被告商品の錠剤に被告標章を表示しているのは, 医療事故を防止するための表示であり, 自他商品識別機能を奏するために表示しているものではなく, 被告商品における被告標章の使用は, いわゆる商標的使用に当たらないから, 被告標章は, 需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる態様により使用されていない商標 ( 商標法 26 条 1 項 6 号 ) に該当する旨主張する アそこで検討するに, 前記前提事実 ( 前記第 2の2) 及び前記 1の認定事実によれば,1 被告商品は, 一般的名称 (JAN) を ピタバスタチンカルシウム とする化学物質を有効成分とする HMG-CoA 還元酵素阻害剤 であり, 医療用後発医薬品 ( ジェネリック医薬品 ) であること,2 平成 17 年 9 月 22 日付けで発出された本件厚労省通知は, 医療用後発医薬品の承認申請に当たっての販売名の命名に関し, 販売名の記載にあたっては, 含有する有効成分に係る一般的名称に剤型, 含量及び会社名 ( 屋号等 ) を付すこと を定めており, 被告商品の販売名である ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ は, 本件厚労省通知に従って命名されたこと,3 被控訴人を含む後発医薬品メーカー 24 社は, 平成 25 年 12 月から, ピタバスタチンカルシウムを有効成分とする後発医薬品 ( HM G-CoA 還元酵素阻害剤 ) の製造, 販売を開始し, 被控訴人以外の2 3 社も, 本件厚労省通知に従って, 上記後発医薬品の販売名を命名し ( 例えば, ピタバスタチンCa 錠 1mg サワイ ), 剤型及び含量が同じであれば, 被告商品との販売名の違いは 会社名 ( 屋号等 ) だけであること,4 スタチン系薬剤 又は スタチン系化合物 は, 医師, 薬剤師等の医療従事者の間において,HMG-CoA 還元酵素阻害剤の総称として一般に知られていたこと,5 スタチン系薬剤 又は スタチン系化合物 に属する具体的な物質を表記する場合, スタチン の用語を除外し - 11 -

た部分を略称として使用することが一般的であるとまではいえないが, スタチン系薬剤 又は スタチン系化合物 を説明する際に, ピタバスタチン, アトルバスタチン, ロスバスタチン 等について ピタバ, アトルバ, ロスバ 等の略称で表記する場合もあり, 医師, 薬剤師等の医療従事者であれば, スタチン系薬剤 又は スタチン系化合物 を説明する文献又は文脈の中で, 上記表記がされた場合, それらが ピタバスタチン, アトルバスタチン, ロスバスタチン 等を意味することを理解すること,6 本件厚労省通知には, 有効成分の一般的名称については, その一般的名称の全てを記載することを原則とするが, 当該有効成分が塩, エステル及び水和物等の場合にあっては, これらに関する記載を元素記号等を用いた略号等で記載して差し支えないこと また, 他の製剤との混同を招かないと判断される場合にあっては, 塩, エステル及び水和物等に関する記載を省略することが可能であること との記載があることが認められる 上記認定事実によれば, 被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) は, 有効成分である ピタバスタチンカルシウム について, その塩であることを示す部分 ( カルシウム ) の記載及び スタチン の記載を省略した 略称 であることが認められる イ次に, 被告商品の包装態様は, 錠剤がPTPシートにパッケージされて, その複数のPTPシートが内袋に封入されて外箱に入れられたものと, 錠剤がボトル詰めされ, そのボトルが外箱に入れられたものがあり ( 前記 1 (6)), 被告商品の錠剤は, 通常は,PTPシートから取り出して服用することが想定されているといえる また, 被告商品の外箱には, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg と横書きで大きく表示され, その上部には HMG-CoA 還元酵素阻害剤, その下部には テバ, ピタバスタチンカルシウム錠 と表示されると - 12 -

ともに, これらの表示の右側 (500 錠入りのものでは下側 ) に大きく 1 mg と表示されており, 側面にも, HMG-CoA 還元酵素阻害剤, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ との表示があり,PTP シートの表面には, ピタバスタチンカルシウム1mg テバ ( 二段書き ), ピタバスタチン 1mg, その裏面には, Pitavas tatin Calcium 1mg TEVA, ピタバスタチンカルシウム テバ, 1mg との表示があり,PTPシートを封入する内袋にも, ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ, 1 mg との表示があることは, 前記 1(6) のとおりである さらに, 被告商品の外箱, 内袋又はPTPシートに記載された ピタバスタチンカルシウム, ピタバスタチン 等の表示と被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) を同じ機会に目にした場合, ピタバスタチンカルシウム 又は ピタバスタチン と ピタバ の言語構成から, ピタバ が ピタバスタチンカルシウム 又は ピタバスタチン の頭部分の3 字を略記したものであることを自然に理解するものと認められる ウそして, 医師, 薬剤師等の医療従事者の間においては, 後発医薬品の販売名は含有する有効成分に係る一般的名称に剤型, 含量及び会社名 ( 屋号等 ) から構成されていることは一般的に知られているものと認められるから, 医療従事者が, 被告商品に接した場合, 被告商品が ピタバスタチンカルシウム錠 1mg テバ を販売名とする後発医薬品であることを認識し, 被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) は, 有効成分である ピタバスタチンカルシウム の略称であることを認識するものと認められる 一方で, 患者においては,PTPシートに入れられた状態で被告商品の交付を受けた場合,PTPシートから被告商品を取り出して服用する際に, - 13 -

PTPシートに記載された ピタバスタチンカルシウム 等の表示が自然に目に触れ, 被告商品は ピタバスタチンカルシウム が含有された錠剤であること認識するものと認められるから, 被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) は, 被告商品の含有成分を略記したものであることを理解するものと認められる また, 被告商品は, 医師等の処方箋により使用する 処方箋医薬品 であり ( 前記 1(8)), 被告商品と他の薬剤とが一つの袋にまとめて包装される 1 包化調剤 により処方される場合があるが ( 乙 28), この場合, 患者は,1 包化した袋を開封し, その袋内に薬剤が入ったままの状態で服用するので, 被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示を認識することはないのが通常である もっとも, 患者は,1 包化した袋からいったん薬剤を取り出して服用する場合もあるが, その際には, 取り出した薬剤を一緒に服用すべきひとまとまりの薬剤として認識し, 個々の薬剤の表示が目に触れたとしても, その表示が薬剤の出所を示すものと理解することはないものと認められる エ以上によれば, 被告商品の需要者である医師, 薬剤師等の医療従事者及び患者のいずれにおいても, 被告商品に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) から商品の出所を識別したり, 想起することはないものと認められるから, 被告商品における被告標章の使用は, 商標的使用に当たらないというべきである したがって, 被告標章は, 需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる態様により使用されていない商標 ( 商標法 2 6 条 1 項 6 号 ) に該当するものと認められる (2) これに対し控訴人は,1 患者は, 自らの症状を治すために薬剤を服用し, 薬剤の効果や副作用について興味を持つことはあるとしても, 当該薬剤の化学物質である有効成分の名称が何であるかということには興味や知識を持っていないのが通常であるし, 医療従事者も, 患者に対して薬剤を処方するに - 14 -

際し, 薬剤の効果や副作用についての説明をすることはあるが, 通常, 当該薬剤の有効成分の名称が何であるかを説明することはないから, 患者が, 被告標章 ( ピタバ ) に接したときに, それが 有効成分 を示すものであると認識するとはいえない,2たとえ, 患者が, 被告商品のPTPシート等に付された ピタバスタチンCa 錠 1mg テバ の表示に接した上で, 被告標章 ( ピタバ ) に接したときに, ピタバ が, 販売名たる ピタバスタチンCa 錠 1mg テバ のうち ピタバスタチンCa の一部の表示又はそれに由来する表示であると認識することがあったとしても, 被告商品の有効成分の名称が何であるかということについて興味も知識もなく, 説明も受けておらず, ピタバ を 有効成分としての ピタバスタチンC aを意味するものと認識することはない,3 被告標章は, 被告商品の取引者, 需要者である患者において他の商品との識別のために着目されているなどとして, 被告標章は, 商標法 26 条 1 項 6 号に該当しない旨主張する しかしながら, 前記 (1) ウ認定のとおり, 患者は,PTPシートに入れられた状態で被告商品の交付を受けた場合には,PTPシートから被告商品を取り出して服用する際に,PTPシートに記載された ピタバスタチンカルシウム 等の表示が自然に目に触れ, 被告商品は ピタバスタチンカルシウム が含有された錠剤であること認識するものと認められるから, 被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) は, 被告商品の含有成分を略記したものであることを理解するものと認められる 次に, 被告商品が 1 包化調剤 により処方された場合には, 患者は,1 包化した袋を開封し, その袋内に薬剤が入ったままの状態で服用するので, 個々の薬剤の表示には被告商品の錠剤に付された ピタバ の表示を認識することがないのが通常であり, また, 患者が1 包化した袋からいったん薬剤を取り出して服用する場合もあるが, その際には, 患者は, 取り出した薬剤を一緒に服用すべきひとまとまりの薬剤として認識し, 個々の薬剤の表示が - 15 -

目に触れたとしても, その表示が薬剤の出所を示すものと理解することはないものといえるから, 患者において, 被告商品に付された ピタバ の表示 ( 被告標章 ) から商品の出所を識別したり, 想起することはないものと認められる したがって, 被告商品における被告標章の使用は, 商標的使用に当たらないから, 控訴人の上記主張は, 採用することができない (3) 以上によれば, 被告商品の錠剤に付された被告標章は, 商標法 26 条 1 項 6 号に該当するから, 控訴人が有する本件分割商標権の効力は, 被告標章に及ばないというべきである 3 結論以上の次第であるから, その余の点について判断するまでもなく, 控訴人の請求は, いずれも理由がない したがって, 控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であるから, 主文のとおり判決する 知的財産高等裁判所第 3 部 裁判長裁判官大鷹一郎 裁判官大西勝滋 裁判官神谷厚毅 - 16 -

( 別紙 ) 標章目録 - 17 -

( 別紙 ) 商標権目録 1 登録番号第 4942833 号 出願日 登録日 指定商品 平成 17 年 8 月 30 日 平成 18 年 4 月 7 日 第 5 類 薬剤 登録商標 PITAVA( 標準文字 ) 2 登録番号第 4942833 号の 1 出願日 登録日 指定商品 平成 17 年 8 月 30 日 平成 18 年 4 月 7 日 第 5 類 薬剤但し, ピタバスタチンカルシウムを含有 する薬剤を除く 登録商標 PITAVA( 標準文字 ) 3 登録番号第 4942833 号の 2 出願日 登録日 平成 17 年 8 月 30 日 平成 18 年 4 月 7 日 ( 商標登録原簿の甲区欄記載の登 録日平成 26 年 12 月 2 日 ) 指定商品 第 5 類 ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤 登録商標 PITAVA( 標準文字 ) - 18 -