特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

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旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

11総法不審第120号

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

11総法不審第120号

平成  年(オ)第  号

従業員 Aは, 平成 21 年から平成 22 年にかけて, 発注会社の課長の職にあり, 上記事業場内にある発注会社の事務所等で就労していた (2) 上告人は, 自社とその子会社である発注会社及び勤務先会社等とでグループ会社 ( 以下 本件グループ会社 という ) を構成する株式会社であり, 法令等の

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

利子相当額 という ) を加えた額に相当する金額 ( 以下 退職一時金利子加算額 という ) の返還に関し, その経過措置を定める 厚生年金保険法等の一部を改正する法律 ( 平成 8 年法律第 82 号 以下 厚年法改正法 という ) 附則 3 0 条 1 項の委任に基づいて定められた, 厚生年金保

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

所得税確定申告セミナー

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

処分済み

し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

Taro-婚姻によらないで懐妊した児

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

裁判所は, 同年 9 月, 被上告人に対し, 米国に被拘束者を返還することを命ずる旨の終局決定 ( 以下 本件返還決定 という ) をし, 本件返還決定は, その後確定した (4) 上告人は, 本件返還決定に基づき, 東京家庭裁判所に子の返還の代替執行の申立て ( 実施法 137 条 ) をし, 子

11総法不審第120号

れぞれ求める住民訴訟である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 市は, 鳴門市公営企業の設置等に関する条例 ( 平成 16 年鳴門市条例第 3 8 号 ) により, モーターボート競走法に基づくモーターボート競走の開催及びこれに附帯する業務を行うため, 競艇事業を設置し

11総法不審第120号

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

平成  年(あ)第  号

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承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

平成 30 年 ( 受 ) 第 269 号損害賠償請求事件 平成 31 年 3 月 12 日第三小法廷判決 主 文 原判決中, 上告人敗訴部分を破棄する 前項の部分につき, 被上告人らの控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする 理 由 上告代理人成田茂ほかの上告受理申立て理由第

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

併等の前後を通じて 上告人ら という 同様に, 上告人 X1 銀行についても, 合併等の前後を通じて 上告人 X1 銀行 という ) との間で, 上告人らを債券の管理会社として, また, 本件第 5 回債券から本件第 7 回債券までにつき上告人 X1 銀行との間で, 同上告人を債券の管理会社として,

2(1) 所得税法 34 条 2 項は, 一時所得の金額は, その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額 ( その収入を生じた行為をするため, 又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る ) の合計額を控除し, その残額から所定の特別控除額を控除した金額とす

11総法不審第120号

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する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

住民監査請求監査結果 第 1 請求の収受 1 請求人 ( 省略 ) 2 請求書の受付日平成 28 年 8 月 16 日 3 請求の内容請求人から提出された ( 省略 ) 建物への固定資産税の賦課において 公金の賦課を怠る事実に該当する福井市職員措置請求 ( 住民監査請求 ) 書 の要旨及び事実を証す

1/12 三豊市若者定住促進 地域経済活性化事業補助金交付要綱 三豊市若者定住促進 地域経済活性化事業補助金交付要綱平成 24 年 7 月 10 日告示第 256 号改正平成 26 年 3 月 20 日告示第 46 号平成 26 年 3 月 31 日告示第 88 号平成 27 年 3 月 31 日告

(イ係)

議案用 12P

処分済み

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

○H30条例19-1

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

旧なお 当該投資法人が租税特別措置法第 83 条の2 第 3 項の規定の適なお 当該投資法人が租税特別措置法第 83 条の2 第 3 項の規定の適用を受けることができる日は 当該特定資産取得後 1 年以内であるこ用を受けることができる日は 当該特定資産取得後 1 年以内であることに留意するものとする

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

た本件諸手当との差額の支払を求め ( 以下, この請求を 本件差額賃金請求 という ),2 予備的に, 不法行為に基づき, 上記差額に相当する額の損害賠償を求める ( 以下, この請求を 本件損害賠償請求 という ) などの請求をする事案である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりであ

することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

き県が負担する負担金の額 ( 当該負担金の額が他の法令の規定により軽減される場合にあつては, その軽減されることとなる額を控除した額 以下 県負担額 という ) から当該事業に要する費用の額 ( 加算額がある場合にあつては, 加算額を控除して得た額 ) に100 分の25 以内で規則で定める割合を乗

措置法第 69 条の 4(( 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 )) 関係 ( 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等の範囲 ) 69 の 4-7 措置法第 69 条の 4 第 1 項に規定する被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 ( 以下 69 の 4-8 までにおいて 居

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北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

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最高裁○○第000100号

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平成18年1月13日 最高裁判所は,貸金業者の過払い金の受領は違法と知りつつなされたことを推定するとした判例です

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別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 申請者がと年月日をもって売買契約を締結した指名金銭債権に伴う別紙記載の不動産の質権又は抵当権の移転の登記につき 租税特別措置法第 83 条の2 第 1 項の規定の適用を受けたいので 租税特別措

に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

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(4) 抗告人は, 平成 28 年 8 月 26 日, 本件仮登記の抹消登記を経由した (5) 抗告人は, 平成 28 年 9 月 7 日, 東京地方裁判所に対し, 本件再生手続に係る再生手続開始の申立てをし, 同月 20 日, 再生手続開始の決定を受けた 上記申立てに当たり抗告人が提出した債権者一

平成  年(行ツ)第  号

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

新座市税条例の一部を改正する条例

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

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本件合併時にA 信用組合に在職する職員に係る労働契約上の地位は, 被上告人が承継すること,3 上記の職員に係る退職金は, 本件合併の際には支給せず, 合併後に退職する際に, 合併の前後の勤続年数を通算して被上告人の退職給与規程により支給することなどが合意された また, 本件合併の準備を進めるため,

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は, 亡 AとBとの間の子である 原告は, 所得税法 16 条 2 項の規定により, その営む事業に係る事業場の所在地である渋谷区を納税地としている イ亡 Aは, 平成 年 月 日に死亡し, 原告は, 渋谷区 α 番地 1ほか所在の区分所有建物及

平成  年(オ)第  号

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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Taro-議案第13号 行政手続条例の

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

美浜町空家等解体促進費補助金交付要綱

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資料2-1(国保条例)

東京都駐車場条例(昭和三十三年東京都条例第七十七号)新旧対照表(抄)

(1) 理由付記等

耐震減免通達

平成 27 年 ( 行ヒ ) 第 75 号法人税更正処分取消請求事件 平成 28 年 2 月 29 日第一小法廷判決 主 文 本件上告を棄却する 上告費用は上告人の負担とする 理 由 第 1 事案の概要等 1 本件は, 平成 21 年 2 月 24 日にa 株式会社 ( 以下 a 社 という ) か

べき標準的な事例における処分の標準例を定めたところ, 公務外非行関係の事由である 痴漢 わいせつ行為 による処分の標準例は, 免職又は停職とされている そして, 本件指針においては, 具体的な処分の量定を決定するに当たり,1 非違行為の動機, 態様及び結果,2 故意又は過失の度合い,3 職員の職務上

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なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

かった その後, 市は, 同年 11 月 14 日, 本件土地につき, 予定価格を非公表とし, 再度一般競争入札に付したが, 申込みをした者はいなかった (3) ア大願寺地区には, 平成 25 年 4 月までに小中学校を移転することとされていたところ, 市議会においては, 防犯や児童生徒の安全のため

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

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総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

Transcription:

平成 28 年 ( 行ヒ ) 第 6 号不動産取得税還付不許可決定処分取消請求事件 平成 28 年 12 月 19 日第一小法廷判決 主 文 原判決を破棄する 被上告人の控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする 理 由 上告代理人橋本勇, 同茂木伸仁, 同黒澤洋介の上告受理申立て理由について 1 本件は, 土地の取得に対する不動産取得税を納付した被上告人が, 当該土地上に建築された複数棟の建物につき同税が減額されるべき住宅に該当するとして, その還付を求める申請をしたところ, 東京都都税総合事務センター所長 ( 以下 処分行政庁 という ) からこれを還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 上告人を相手に, 本件処分の取消しを求める事案である 2 関係法令の定め (1) 地方税法 73 条の27 第 1 項及び東京都都税条例 ( 昭和 25 年東京都条例第 56 号 以下 本件条例 という )48 条の4は, 土地の取得に対して課する不動産取得税に係る徴収金を徴収した場合において, 当該不動産取得税について, それぞれ同法 73 条の24 第 1 項 1 号及び本件条例 48 条 1 項 1 号の規定の適用があることとなったときは, 納税義務者の申請に基づいて, 当該規定によって減額すべき額に相当する税額及びこれに係る徴収金を還付する旨を規定する (2) 地方税法 73 条の24 第 1 項 1 号及び本件条例 48 条 1 項 1 号は, 土地を取得した日から2 年以内に当該土地の上に住宅 ( 政令で定める住宅に限る 以下 - 1 -

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から150 万円 ( 当該土地に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を当該土地の面積の平方メートルで表した数値で除して得た額に当該特例適用住宅 1 戸 ( 共同住宅等にあっては, 居住の用に供するために独立的に区画された一の部分で政令で定めるもの なお, 共同住宅等とは, 同法 73 条の14 第 1 項に規定する共同住宅等をいう ) についてその床面積の2 倍の面積の平方メートルで表した数値 ( 当該数値が 200を超える場合には200とする ) を乗じて得た金額が150 万円を超えるときは, 当該乗じて得た金額 ) に税率を乗じて得た額を減額する旨を規定する ( 以下, この規定を 本件減額規定 という ) もっとも, 地方税法附則 10 条の2 第 2 項 ( 平成 26 年法律第 4 号による改正前のもの 以下同じ ) 及び本件条例附則 5 条の2の7( 平成 26 年東京都条例第 9 6 号による改正前のもの ) は, 土地の取得が平成 16 年 4 月 1 日から同 26 年 3 月 31 日までの間に行われたときに限り, 当該土地を取得した日から同土地の上に特例適用住宅が新築されるまでの期間につき2 年以内とあるのを3 年 ( 土地の取得の日から3 年以内に特例適用住宅が新築されることが困難である場合として政令で定める場合においては,4 年 ) 以内とする旨を規定するところ, 同法施行令附則 6 条の17 第 2 項は, 上記政令で定める場合として,1 当該特例適用住宅が居住の用に供するために独立的に区画された部分 ( 以下 独立区画部分 という ) が100 以上ある共同住宅等であって ( 以下, この要件を 戸数要件 という ),2 土地 - 2 -

を取得した日から当該共同住宅等が新築されるまでの期間が3 年を超えると見込まれることについてやむを得ない事情があると道府県 ( 同法 1 条 2 項により都を含む ) 知事が認めた場合と規定している 3 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 被上告人は, 不動産の売買, 仲介及びコンサルティングに関する業務等を目的とする株式会社であり, 平成 20 年 3 月 19 日, 独立行政法人都市再生機構から原判決別紙 1 土地目録記載の土地 ( 以下 本件土地 という ) を買い受けた 被上告人は, 平成 22 年 3 月 9 日,A 株式会社に対し, 本件土地を代金 73 億円で売却した (2) 東京都立川都税事務所長は, 平成 23 年 5 月 11 日付けで被上告人の本件土地の取得に対する不動産取得税賦課処分をし, 被上告人は, 同月 31 日までに, 本件土地の取得に対する不動産取得税として7926 万 6100 円を納付した (3) A 株式会社は, 平成 24 年 3 月 5 日, 本件土地上に建築された原判決別紙 2 建物目録記載 1から6までの各建物 ( 以下 本件各建物 という ) について, それぞれ同年 1 月 30 日新築を原因として, 表示に関する登記を得た 本件各建物は, 特例適用住宅であって, 合計 6 棟の建物から成り, 総戸数は40 5 戸である 各棟はそれぞれ構造的に独立した建物であり, その戸数はいずれも1 00 戸に満たないものであった (4) 被上告人は, 平成 24 年 6 月 13 日, 処分行政庁に対し, 本件土地の取得に対する不動産取得税の還付を求める旨の申請をした これに対し, 処分行政庁は, 同年 8 月 9 日, 被上告人に対し, 本件条例 48 条の4の規定に該当しないとして, 不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 本件処分 ) をした - 3 -

4 原審は, 上記事実関係等の下において, 要旨次のとおり判断して, 本件処分は違法であり, 被上告人の請求を認容すべきものとした 特例適用住宅の新築に係る不動産取得税の還付の制度は, 居住の用に供せられる部分の床面積に着目して, 一定の居住性を備えた住宅の供給を促進することを目的とするところ, この点に関しては取得した土地の上に建築される共同住宅等が1 棟で独立区画部分を100 以上有する場合と複数棟で合計 100 以上有する場合とで違いがあるとはいえず, 行政機関に対する各種申請手続や近隣住民との調整などに時間を要することも同様である そして, 戸数要件について,1 棟の共同住宅等ごとに判断されるべきことは法令の文言上明示されておらず, 本件減額規定につき明文の規定なくその制度趣旨に反して制限的に適用することが正当化されるものではないから, 本件減額規定は, 複数棟の共同住宅等で合計 100 以上の独立区画部分がある場合にも適用される 5 しかしながら, 原審の上記判断は是認することができない その理由は, 次のとおりである (1) 地方税法 73 条の14 第 1 項は, 同法施行令附則 6 条の17 第 2 項において戸数要件の対象となる共同住宅等につき, 共同住宅, 寄宿舎その他これらに類する多数の人の居住の用に供する住宅 と規定し, 同法 73 条 4 号は, 住宅につき, 人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分で, 政令で定めるもの と定義しているから, 同法施行令附則 6 条の17 第 2 項の共同住宅等は, 家屋に含まれるものと解される そして, 同法 73 条 3 号は, 家屋につき, 住宅, 店舗, 工場, 倉庫その他の建物をいう と定義しているところ, ここでいう建物は, 屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し, 土地に定着した建 - 4 -

造物であって, その目的とする用途に供し得る状態にあるものをいい, 別段の定めがない限り,1 棟の建物を単位として把握されるべきものというべきである そうすると, 地方税法施行令附則 6 条の17 第 2 項の共同住宅等に関して定められた戸数要件を充足するか否かの判断においても, 別段の定めがない限り,1 棟の共同住宅等を単位とすべきであるところ, この点について別異に解すべきことを定めた規定は設けられておらず, 複数棟の共同住宅等を合わせて戸数要件を判断することを前提とした規定も存在しないことに照らすと,1 棟の共同住宅等ごとに判断することが予定されているというべきである (2) 以上によれば, 地方税法施行令附則 6 条の17 第 2 項にいう独立区画部分が100 以上ある共同住宅等に当たるか否かは,1 棟の共同住宅等ごとに判断すべきものと解するのが相当である これを本件についてみると, 本件各建物は,1 棟ごとの独立区画部分がいずれも100 未満であって戸数要件を満たさないから, 本件処分は違法であるとはいえない 6 以上と異なる原審の判断には, 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある 論旨は以上と同旨をいうものとして理由があり, その余の論旨について判断するまでもなく, 原判決は破棄を免れない そして, 以上に説示したところによれば, 被上告人の請求は理由がなく, これを棄却した第 1 審判決は正当であるから, 被上告人の控訴を棄却すべきである よって, 裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり判決する ( 裁判長裁判官木澤克之裁判官櫻井龍子裁判官池上政幸裁判官大谷直人裁判官小池裕 ) - 5 -