資 料 2 

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第1章 財務諸表

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

Microsoft Word - 訂正短信提出2303.docx

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

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資金収支計算書 平成 30 年度の収支状況を資金収支計算書の流れでみると 収入額は平成 31 年度新入生の入学時納付金の前受金等を含め 195 億 5,975 万 4 千円となり 前年度より繰越された 40 億 5,576 万 3 千円を加えると 収入合計は 236 億 1,551 万 7 千円とな

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財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

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(訂正・数値データ訂正)「平成25年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

計算書類等

Ⅱ. 資金の範囲 (1) 内訳 Ⅰ. 総論の表のとおりです 資 金 現 金 現金同等物 手許現金 要求払預金 しかし これはあくまで会計基準 財務諸表規則等に記載されているものであるため 問題文で別途指示があった場合はそれに従ってください 何も書かれていなければ この表に従って範囲を分けてください

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2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

綿貫財団会計

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2. 収益費用観と資産負債観 2 (1) 損益計算書 (P/L) 事業活動の成果である収益と努力である費用の測定により利益が決まる ( 損益と当期純利益の計算 ) P/L( 期間計算 ) 収益収益 - 費用 = 当期純利益費用当期純利益 (2) 貸借対照表 (B/S) 企業の資産と負債の適切な測定を

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『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

貸借対照表 ( 平成 20 年 3 月 31 日 ) ( 厚生年金勘定 ) ( 単位 : 円 ) 科 目 金 額 資産の部 Ⅰ 流動資産 現金及び預金 11,313,520,485 有価証券 13,390,000,000 販売用不動産 93,938,423,482 未収金 389,813,000 未

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NO 連結精算表科目 & 連結開示 前連結会計 当連結会計 増減差額 科目 借 年度 年度 借方 方 連結借対照表 千円 千円 千円 千円 開 38 社債 20,000,000 5,000,000 開 39 長期借入金 16,500,000 16,071,500 開 40 リース債務 632,000

h18財務諸表NCTD-FS_ xls

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松山市水道事業 平成 24 年度決算の財務諸表 現行会計基準と新会計基準適用との比較 松山市公営企業局

1. 国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 抜粋 翻訳 ) 国際財務報告基準に準拠した財務諸表の作成方法について当行の国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 以下 IFRS 財務諸表 という ) は 平成 27 年 3 月末時点で国際会計基準審議会 (IAS B) が公表している基準及び解釈指針に

①別紙様式第13号 貸借対照表

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第4期 決算報告書

Microsoft Word 決算短信修正( ) - 反映.doc

(2) サマリー情報 1 ページ 1. 平成 29 年 3 月期の連結業績 ( 平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 ) (2) 連結財政状態 訂正前 総資産 純資産 自己資本比率 1 株当たり純資産 百万円 百万円 % 円銭 29 年 3 月期 2,699 1,23

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3. その他 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3)

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Microsoft Word - 公益法人会計の仕訳

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議案第 59 号 平成 28 年度安芸高田市水道事業会計補正予算 ( 第 1 号 ) ( 総則 ) 第 1 条平成 28 年度安芸高田市水道事業会計の補正予算 ( 第 1 号 ) は 次に定めるところによる ( 収益的収入及び支出 ) 第 2 条平成 28 年度安芸高田市水道事業会計予算 ( 以下

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平成 27 年度岩国市下水道事業決算の要領 下水道事業の経営成績と財政状態をお知らせするため 平成 27 年度決算の要領を公表します 1. 業務量 下水道区域の拡大により 処理人口は 260 人増加し 年間有収水量は 52,674 m3増加しました 区分 平成 27 年度 平成 26 年度 処 理


平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

平成16年度

第4期電子公告(東京)

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法人単位貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 第三号第一様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 法人名 : 社会福祉法人水巻みなみ保育所 資産の部当年度末前年度末 増減 負債の部当年度末前年度末 流動資産 23,113,482 23,430, ,370 流動負債 5,252,27

学校法人加計学園平成 28 年度財務の概要 貸借対照表 ( 表 1) 資産の部 科 目 平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 円 ) 本年度末前年度末増減 固 定 資 産 有 形 固 定 資 産 土 地 建 物 その他の有形固定資産 特 定 資 産 そ の 他 の 固 定 資 産 流動資産

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

平成31年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

キャッシュ・フロー計算書について

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

平成13年度大阪府水道事業会計決算概要

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

営業報告書

野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

資金収支計算書 : 当該会計年度の学校法人全体の諸活動の収入及び支出の内容と 支払資金 ( 現金及びいつでも引き出すことができる預貯金 ) の収入及び支出のてん末を明らかにしたものです 本法人の平成 29 年度の資金収入総額 762,413 千円に前年度繰越支払資金 590,765 千円を加えた資金

6. 個別中間財務諸表等 株式会社キョーリン (1) 中間貸借対照表当社はより中間財務諸表を作成しているため 前中間会計期間末は記載しておりません 末 ( 平成 18 年 9 月 30 日 ) の要約貸借対照表 ( 平成 18 年 3 月 31 日 ) 区分 注記番号 構成比 構成比 ( 資産の部

平成 28 年度貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 公益財団法人神奈川県下水道公社

WWFジャパン 2007年度(平成19年度 第37期)決算報告書

決算書目次 1 収支計算書 (1) 収支計算書総括表 1 (2) 一般会計収支計算書 2 (3) 基金特別会計収支計算書 4 2 正味財産増減計算書 (1) 正味財産増減計算書総括表 6 (2) 一般会計正味財産増減計算書 7 (3) 基金特別会計正味財産増減計算書 8 3 賃借対照表 (1) 賃借

(2) 財政状態 ( 連結 ) の変動状況総資産 株主資本 株主資本比率 1 株当たり株主資本 百万円 百万円 % 円 銭 18 年 6 月期第 3 四半期 28,677 11, , 年 6 月期第 3 四半期 17 年 6 月期 27,515 11,159 40

(2) 財政状態 ( 連結 ) の変動状況 総資産純資産自己資本比率 1 株当たり純資産 百万円 百万円 % 円 銭 19 年 12 月期第 1 四半期 8,992 5, 年 12 月期第 1 四半期 8,740 5, 年 12

財産目録の概要 資産の部では 基本財産が前年度末に比べて 8 億 6,711 万 7,226 円減の 208 億 9,949 万 9,939 円となり 運用財産が前年度末に比べて 9 億 8,029 万 2,610 円増の 211 億 2,209 万 88 円となりました 資産の部合計は 420 億

2

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平成30年度収支予算

平成 28 事業年度特定 B 型肝炎ウイルス感染者給付金等支給関係特別会計 事業費勘定 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 キャッシュ フロー計算書 1

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Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

2018( 平成 30) 年度 12 月補正予算の概要 ページ Ⅰ.2018( 平成 30) 年度 12 月補正予算の内容 1 Ⅱ.2018( 平成 30) 年度 12 月補正予算書の概要 3

第 16 回ビジネス会計検定試験より抜粋 ( 平成 27 年 3 月 8 日施行 ) 次の< 資料 1>から< 資料 5>により 問 1 から 問 11 の設問に答えなさい 分析にあたって 連結貸借対照表数値 従業員数 発行済株式数および株価は期末の数値を用いることとし 純資産を自己資本とみなす は

(2) 財政状態 ( 連結 ) の変動状況総資産 株主資本 株主資本比率 1 株当たり株主資本 百万円 百万円 % 円 銭 18 年 6 月期第 1 四半期 27,832 10, , 年 6 月期第 1 四半期 17 年 6 月期 27,515 11,159 40

財剎諸表 (1).xlsx

リコーグループサステナビリティレポート p

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

法人単位事業活動計算書 当年度決算 (A) 前年度決算 (B) 増減 (A)-(B) サービス活動増減の部収益会費収益 4,402,000 4,559, ,000 寄附金収益 764, ,846 37,643 経常経費補助金収益 25,283,623 25,257,870 2


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(1) 貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 公財 ) 東燃ゼネラル石油研究奨励 奨学財団 ( 単位 : 円 ) 科目当年度 前年度 増 減 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 資産の部 1. 流動資産 2. 固定資産 現金 1,997,647 1,800, ,757 普通預金 11,155,9

第28期貸借対照表

(訂正・数値データ訂正)「平成30年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

平成30年公認会計士試験

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

社会福祉法人名社会福祉法人井栗福祉会 第一号第四様式 ( 第十七条第四項関係 ) ふじの木保育園拠点区分資金収支計算書 ( 自 ) 平成 29 年 4 月 1 日 ( 至 ) 平成 3 年 3 月 31 日 ( 単位 : 円 ) 支出保健衛生費支出 65, 648,383 1,617 勘定科目 予算

第 76 期 計算書類 自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 大泉物流株式会社

目   次

財務諸表に対する注記 1. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法満期保有目的の債券 総平均法による原価法を採用している ただし 債券金額と異なる価額で取得した債券で 当該差額が金利の調整と認められるものは 償却原価法によっている その他有価証券時価のあるもの 決算期末日の市場価格等

営業活動によるキャッシュ フロー 投資活動によるキャッシュ フロー 財務活動によるキャッシュ フロー 現金及び現金同等物期末残高 百万円 百万円 百万円 百万円 28 年 3 月期 12,634 11,407 4,547 34, 年 3 月期 14, ,391 38,41

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第21期(2019年3月期) 決算公告

平成21年度 連結決算の概要

リリース

目次財務諸表 1. 貸借対照表 貸借対照表内訳表

計算書類等

学校法人明星学園浦和学院高等学校 さいたま市緑区代山 /Fax 平成 30 年 6 月 30 日 平成 29 年度財務状況の公開について 本学園では一年間の教育活動を通じた財務状況について生徒 保護者の皆様をはじめ関係者の方々

Transcription:

資料 2 地方公営企業会計制度研究会 < 報告書 > 平成 17 年 3 月 総務省 キャッシュ フロー関係抜粋

6 キャッシュ フロー計算書について (1) 地方公営企業会計制度に関する報告書 ( 平成 13 年 3 月 ) における方針企業会計及び独立行政法人会計において財務諸表の一つとして導入されることとなったキャッシュ フロー計算書について 公営企業会計においても内部留保資金を明確化する等の観点から その導入について検討する必要がある (2) 研究会において検討された論点及びその考え方 地方公営企業会計制度に関する報告書 ( 平成 13 年 3 月 ) で示された基本的な 方針を踏まえ 以下のとおり 想定される論点及びその考え方について 検討した < 論点 > 1キャッシュ フロー計算書の導入意義は 何か 2キャッシュ フロー計算書を導入するにあたっての課題は 何か 3 小規模な企業等に対する取扱いをどうするか 4キャッシュ フロー計算書を導入することとした場合の具体的内容は どのようなものが想定されるか < 論点に対する考え方 > 1についてキャッシュ フロー計算書の導入意義が論点の一つとなった これについては 同計算書は 発生主義会計のもとでの収益は現金収入のときではなく 実現の時 ( 例えば サービスの提供時等 ) に認識されることから 収益 費用を認識する会計期間と現金の収入 支出を認識する時期とに差違が生じることとなるが この現金の収入 支出 ( 資金の変動 ) に関する情報を得ることが可能となるという意義があるものである なお 具体的には 以下の点である ア 資金繰りの状況等の明示により 経営の健全性や経営危機等の判断が可能となるとともにキャッシュ フローを使った新しい財務分析も可能となること イ 貸借対照表や損益計算書とあわせて 経営状況が明示されるとともに 債務の返済能力を示すことが可能となること ウ 間接法を採用した場合には 減価償却費など現金支出を伴わない経費に係る内部留保資金が明示される ( 注 ) とともに 4 条資本収支予算の補てん財源の内訳が明示され 住民やサービスの利用者に経営状況を的確に情報提供することが可能となること 注減価償却費等の内部留保資金の明示は あくまで 間接法を採用した場合の副次的効果である - 1 -

2についてキャッシュ フロー計算書を導入するにあたっての課題が論点の一つとなった これについては 現行の公営企業会計で作成が義務づけられている資金予算表と資金計画書 ( 注 ) との関係について整理する必要が生じたが 以下のとおりとすることが適当である ア 同計算書が 資金予算表及び資金計画書を代替することが可能となる場合で かつ 同計算書の作成を義務づけた場合には 資金予算表及び資金計画書の存続の必要性について検討する必要があること イ 現行制度において 資金予算表及び資金計画書の作成を義務づけておきながら その確定情報たる資金収支の実績表 ( キャッシュ フロー計算書 ) の作成を義務づけなくてよいか検討する必要があること 注資金予算表及び資金計画書の内容は以下のとおりである ア 資金予算表 ( 法第 31 条 規則第 11 条 第 12 条 16 号 ): 現金収支の実績を把握するとともに 将来 2ヶ月間の現金収支を予定するために作成されるもの イ 資金計画書 ( 法第 25 条 令第 17 条の 2 第 1 項第 2 号 規則第 12 条第 4 号 ): 当該年度の経営活動に伴う資金収支を示すものであり 予算において作成されるもの 3についてキャッシュ フロー計算書を導入することとした場合 小規模な企業等に対する取扱いが論点の一つとなった これについては 同計算書の作成に係る新たな事務量の増大に係る負担に配慮し 義務づけないこととするか検討することが適当である ただし 上記 2イの観点に立てば 小規模な企業等でも義務づける必要があるとする考え方も提示された 4についてキャッシュ フロー計算書を導入することとした場合の具体的内容についてどのようなものが想定されるかが論点の一つとなった これについては 以下のとおりとすることが考えられる ア 直接法又は間接法企業会計における取扱いと同様 直接法又は間接法の選択制とする 意味メリット直接法営業収入 原材料の仕入れのための主要項目が総額で表示される支出など主要な取引ごとに収入総こと 額と支出総額とを表示する方法 間接法 損益計算書等により 当期純利益を純利益と営業活動に係るキャ - 2 -

ベースに 減価償却費などの非資金ッシュ フローとの関係が明示項目と 営業に関わる負債 資産のされること 増減額を加算して表示する方法 イ 資金の範囲及び表示区分資金の範囲及び表示区分は 公営企業型地方独立行政法人会計基準を参考に 以下のとおりとすることが適当である ( ア ) 資金の範囲現金及び現金同等物 ( ) 注 1 現金とは 手許現金及び要求払預金をいう 注 2 要求払預金とは 預金者が一定期間を経ることなく引き出すことのできる預金をいい 普通預金 当座預金等が含まれる 注 3 現金同等物とは 容易に換金可能であり かつ価値変動に僅少なリスクしか負わない短期投資をいう (CP 公社債投資信託等) ( イ ) 表示区分 a キャッシュ フロー計算書には 営業活動によるキャッシュ フロー 投資活動によるキャッシュ フロー及び財務活動によるキャッシュ フローの区分を設けなければならない b 営業活動によるキャッシュ フローの区分には 投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ フローを記載する c 投資活動によるキャッシュ フローの区分には 固定資産の取得及び売却 投資資産の取得及び売却等によるキャッシュ フローを記載する d 財務活動によるキャッシュ フローの区分には 資金の調達及び返済によるキャッシュ フローを記載する e 一般会計納付に係るキャッシュ フローは 営業活動によるキャッシュ フローの区分に記載する f 受取利息 受取配当及び支払利息に係るキャッシュ フローは いずれも営業活動によるキャッシュ フローの区分に記載する ウ 具体的内容 ( 直接法 ) キャッシュ フロー計算書 ( 平成 年 4 月 1 日 ~ 平成 年 3 月 31 日 ) Ⅰ 営業活動によるキャッシュ フロー 原材料 商品又はサービスの購入による支出 人件費支出 その他の営業支出 一般会計繰入金収入 受託収入 - 3 -

手数料収入 補助金等収入 補助金等の精算による返還金の支出 工事負担金等収入 工事負担金等の精算による返還金の支出 寄附金収入 小計 利息及び配当金の受取額 利息の支払額 一般会計納付金の支払額 営業活動によるキャッシュ フロー Ⅱ 投資活動によるキャッシュ フロー 有価証券の取得による支出 有価証券の売却による収入 有形固定資産の取得による支出 有形固定資産の売却による収入 一般会計繰入金収入 補助金等収入 補助金等の精算による返還金の支出 工事負担金等収入 工事負担金等の精算による返還金の支出 投資活動によるキャッシュ フロー Ⅲ 財務活動によるキャッシュ フロー 短期借入れによる収入 短期借入金の返済による支出 長期借入れによる収入 長期借入金の返済による支出 金銭出資の受入による収入 財務活動によるキャッシュ フロー Ⅳ 資金に係る換算差額 Ⅴ 資金増加額 ( 又は減少額 ) Ⅵ 資金期首残高 - 4 -

Ⅶ 資金期末残高 注記事項キャッシュ フロー計算書については 次の事項を注記しなければならない (1) 資金の期末残高の貸借対照表科目別の内訳 (2) 重要な非資金取引 ( 注 ) (3) 各表示区分の記載内容を変更した場合には その内容 < 注 > 重要な非資金取引についてキャッシュ フロー計算書に注記すべき重要な非資金取引には 例えば 次のようなものがある (1) 現物出資の受入による資産の取得 (2) 資産の交換 (3) ファイナンス リースによる資産の取得 (4) PFIによる資産の取得 注非資金取引の中には 翌期以降のキャッシュ フローに重要な影響を与えるもの があり これを記載することとしている 具体的内容 ( 間接法 ) Ⅰ 営業活動によるキャッシュ フロー 当期純利益 ( 注 ) 減価償却費 引当金の増加額 支払利息 持分法による投資利益 有形固定資産売却益 たな卸資産の減少額 小計 利息及び配当金の受取額 利息の支払額 営業活動によるキャッシュ フロー Ⅱ Ⅲは上と同様 < 注 > 当期純利益は 投資活動によるキャッシュ フロー に計上される 補 助金等収入 補助金等の精算による返還金の支出 を控除して計上するものとす る - 5 -

(3) 基本的な方針 以上の検討を踏まえ キャッシュ フロー計算書に係る基本的な方針を以下のとお りとする < 基本的な方針 > キャッシュ フロー計算書は 各公営企業の判断により作成するものとするが 作成の動向を踏まえ 義務づけについて検討する ただし 小規模な企業等については 新たな事務の発生に係る負担に配慮し 義務づけないこととするか検討する なお いずれの場合も 比較可能性の点から 同計算書を作成する場合の指針 を示す - 6 -

地方公営企業法規則 別表第 8 号 資金計画 区分 前年度決算見込額当年度予定額増減 受入資金 事業収益 前年度未収金 企業債 固定資産売却代金 一般会計からの出資金 前年度繰越金 一時借入金 支払資金 事業債 前年度未払金 貯蔵品 建設改良費 企業債償還金 一時借入金返済 差引 - 7 -

地方公営企業法規則 別表第 20 号 資金予算表 年 月末 区分 科目 月までの執行済額 翌月予定 翌々月予定 事業収益 固定資産売却代金 企業債 収入 前年度未収金 一時借入金 預り金 合計 事業費用 建設改良費 企業債償還金 貯蔵品 支出 前年未払費用 前年度未払金 一時借入金返還金 預り金 合計 収支差引 差引 前年度及び前月より繰越 翌月へ繰越 - 8 -