情報の 5S について IT 活用グループ 2009 年 12 月 (2010 年 1 月改訂 ) (2011 年 5 月改訂 ) 1. 情報の 5S の位置づけと考え方 一般的に 5S 活動は製造現場や事務部門の環境改善を目指しているが 情報の 5S は職場で取り扱われる情報 データの管理 運用の改善を対象とし 最新の情報管理のあるべき姿を目指す 情報の5S は以下の5 項目から構成されている : 整理 整頓 清掃 セキュリティ* しつけ * 従来の 5S では 清潔 にあたる 製造現場の 5S 事務部門の 5S 情報の 5S 2. 情報の 5S の目的 情報の 5S の位置づけ 情報化の進展に伴い 企業では PC を使用した業務の増加 データの保管やネットワークによるデータの共有など 情報技術の活用が日常化されてきた また 対外的にも インターネット接続により取引先や関連企業とのメールやデータのやり取りが必須となっている このような状況において 情報の 5S を実施することにより 以下の項目を実現することを目指す 情報の効率的な運用 - 情報の質の向上 運用コストの削減 情報セキュリティの強化 - 情報の機密性 完全性 可用性の確保 収益向上支援 - 正確な情報 タイムリーな情報提供 収益向上支援 情報の効率的な運用 情報の 5S 情報セキュリティの強化 1
3. 用語の定義 整理整頓清掃セキュリティしつけ 必要な情報と不要な情報とを区別し 不要な情報を削除すること 必要な情報をすぐに取り出せる状態にしておくこと データを正確に 情報を効率よく処理し ( 古く ) 不要となったデータを取り除き 常に最新の状態を維持すること 情報の機密性, 完全性及び可用性を維持すること 情報の取扱いに関するルールを守ること 4. 目指す状態 ( 状態定義 ) 情報の 5S 活動を実施することにより 目的で述べた 情報の効率的な運用 情報セキュリティの強化 収益向上支援 の実現を目指すが 実際に活動を行うにあたり 具体的に目指す状態を以下のカテゴリーに分類して実施する すべてにする項目 USB メモリ 外付けハードディスク CD DVD など 情報を記録できて持ち運びが可能な媒体に関する項目 PC 本体のほか ネットワーク上のデータストレージに関する項目 Web サイト 電子メールなど インターネットに関する項目 書類 書籍などに関する項目 次ページ以降 情報の 5S の各項目ごとに 目指す状態 を示す 2
4.1 整理 整理 : 必要な情報と不要な情報とを区別し 不要な情報を削除すること 1 保存期限を過ぎた情報は削除されている 2 必要な情報と不要な情報とを区分する 3 業務で使用するデータと個人で使用するデータが混在していない 4 所定の場所に不要な情報の有無を確認する 5 ルールに従ってタイトル表示する *** 1PC において 不要なアイコンが表示されていない 2PC において ゴミ箱内のデータは随時 削除されている 3PC において データが体系に従いフィルダに保存されている 1 頻繁にメール交信する人はアドレス帳に登録する *** 3
4.2 整頓 整頓 : 必要な情報をすぐに取り出せる状態にしておくこと 1 ファイル体系 ファイリング基準が決まっている a. 情報ごとに保存期限が定められている b. 情報ごとに保存媒体が定められている c. 情報ごとに保存形式が定められている d. 業務で使用されるデータに関する体系が確立している 2 保管場所の責任者が明示されている 3 定められた媒体に従って保存されている 4 必要な情報に的確にかつ迅速にアクセスできるようにする ( 所定の場所に必要な情報を保管する ) 1 媒体には統一されたラベルがついている 2 収納箱には何が収納されているか表示されている 3 媒体に記録されている情報の一覧が参照できる状態になっている 4 表示と実際おいてあるモノが一致している 5 使用後は机などに放置されず保管場所に戻されている 1 ディレクトリ体系 ディレクトリ名 / ファイル名付与基準が決まっている 2 ディレクトリ / ファイルの管理権限付与基準が決まっている ( 登録 / 更新 / 参照 / 廃棄権限等 ) 3 使用が認められている文書形態 (Word/Excel/PDF 等 Office2000/2003/2007 形式等 ) となっている 4 使用が認められている文書形態や版数が処理できるソフトがインストールされている 5 書類を電子化する装置が正常に動作している 6 検索方法が決まっている 7 文書作成時に適切なキーワードが設定されている 8 一つの文書の最大量が決まっている 1 フォルダ分類基準が決まっている 2 自動振り分け機能が設定されている 3 題名 / 件名 / タイトル の付与基準が決まっている 4 よく使用するサイトは お気に入り に登録する 1 書棚の中の書類は全てタテになっている 2 書棚の書類はファイリングされている 3 ファイルには統一された背表紙がついている 4 書類やファイルが床に直置きされていない 5 保管場所は扉のないものが使われている 6 高さ 1200mm を超える棚の天板部にモノを置いていない 7 棚の各段に何を置くかが表示されている 8 表示と実際おいてあるモノが一致している 9 使用後は机などに放置されず保管場所に戻されている 4
4.3 清掃 清掃 : データを正確に 情報を効率よく処理し ( 古く ) 不要となったデータを取り除き 常に最新の状態を維持すること 1 定期的にファイル体系 ファイリング基準が見直されている 2 データのファイリング基準に従い データの移動が適宜行われている (PC 中のファイル サーバー など ) 3 最新の情報を入手したときに 古い情報を削除する 1 不要となった情報は削除する 1PC において 定期的にデフラグ処理が行われている 2 PC において 定期的にディスククリーンアップ処理が行われている 3 PC において 適宜 OS の機能更新処理が行われている 1 添付されたファイルは所定のフォルダに保存する 1 電子化できる書類は電子化して 保存 保管する紙の書類の量を少なくする 5
4.4 セキュリティ セキュリティ : 情報の機密性, 完全性及び可用性を維持すること 1 情報セキュリティに対するルール ( 下記の内容参照 ) を定める 2 重要 機密情報と他の情報とを区別する 3 関係者間においては 機密保持契約を結ぶ ( 社員の場合は 就業規則にて ) 4 関係者以外の人が 事務所 工場等に許可なく入れないようにする 5 重要情報は 許可された人以外の人に見られないよう 机の上に放置したりせず 所定の保管方法に従って保管する 6 重要情報は 原則社外には持ち出し禁止とする 社外へ持ち出さなければならないときは 所定のルールに従い 厳正な管理を行う 7 重要情報の廃棄の際には 廃棄情報が復元されないように処分する 8 必要とする情報は 他人に改ざんされることのないよう 保管 管理する 9 許可されたものが 必要とする情報を使用するとき 円滑に使用できるようにする 10 重要 機密情報については 使用履歴を残す 1 重要データを保存する (USB/CD 等 ) については 最低でもパスワードロックをかける 2 所定の管理をされていない (USB/CD 等 ) は 事前に所定の確認せずにパソコン等に挿入してはならない 3 (USB/CD 等 ) の保管については どのようなデータを保存したものかが分かるような管理を行う 4 (USB/CD 等 ) を廃棄する際には 電子データが読めなくなるような処理を行う 1 常にソフトウェアを安全な状態に管理する 2 新たにソフトウェアをインストールするときは 必ず所定のルールに従う 3 ウイルスソフトについて 常に最新のウイルス定義ファイルになるようにする 4 社外に持ち出すパソコンには 必ずパスワードロックをかける 5 パスワードは 他人に推測されにくいものに設定する 6 パスワードは 適宜変更する 7 他人のパソコンを使用する場合は クッキー等が残らないように必ず消去する 8 重要情報が消失しないよう 必ず重要情報についてはデータバックアップをとる 6
4.4 セキュリティ ( 続き ) セキュリティ : 情報の機密性, 完全性及び可用性を維持すること 1 電子メールを送信するときは 必ず送信先を送信する前に確認する 2 複数人にメールを送る場合 状況に応じて 送信者が第三者に見えないようにする (BCC を使用する ) 1 重要書類は 施錠できる場所に保管し 鍵の管理は 所定のルールに従って行う 2 重要書類を廃棄するときは 必ず シュレッダーで裁断する 3 正の書類と副の書類とを分けて管理をし 正の書類は 原則持ち出し禁止とする 4 正の書類と副の書類との内容の一元化を常に図る 5 文書を改編するときは 一定のルール ( 改編者 月日 理由等 ) に基づき行う 4.5 しつけ しつけ : 情報の取扱いに関するルールを守ること 1 情報セキュリティに関するルールが守られている 2 ファイリング基準が守られている 3 入手した情報は速やかに基準に従ってファイリングする 4 定められた保存形式が守られている *** *** 1 電子メールはすぐ読み 返信可能であればすぐ返信する *** 7