鋼構造物の中小規模 ( レベル 地震動 ) と大地震 ( レベル2 地震記入者動 ) の耐震設計法について各々を概説せよ 作成日 205.08.02 ( 枚以内 ) 課題 H27-Ⅱ-- 履歴 受験番号技術建設専門科目鋼構造及びコンクリート問題番号 選択科目専門事項鋼構造科目. 中 小 規 模 地 震 ( レ ベ ル 地 震 動 ) 再 来 周 期 が 5 0 ~ 0 0 年 の 地 震 で 供 用 期 間 中 に ~ 2 回 発 生 す る 可 能 性 が あ る 地 震 を 対 象 と す る 要 求 性 能 は 地 震 後 の 補 修 が 必 要 無 い 状 態 で あ る こ と で あ る す な わ ち 構 造 物 の 地 震 に 対 す る 応 答 が 弾 性 応 答 以 内 で あ る こ と を 意 味 す る 実 設 計 に お い て は 鋼 材 の 許 容 応 力 を 降 伏 応 力 の 3 分 の 2 と 引 張 強 度 の 3 分 の と 比 較 し 大 な る 方 を 許 容 応 力 と し 地 震 に よ る 発 生 応 力 が 許 容 応 力 以 内 と な る よ う に 部 材 を 決 定 す る 2. 大 地 震 ( レ ベ ル 2 地 震 ) 再 来 周 期 が 0 0 0 年 程 度 で 供 用 期 間 中 に 発 生 す る 可 能 性 は 低 い が 規 模 が 大 き い 地 震 を 対 象 と す る 要 求 性 能 は 地 震 時 の 損 傷 は 許 容 す る も の の 内 容 液 が 漏 れ ず 周 辺 地 域 へ の 被 害 が 発 生 し な い 状 態 で あ る こ と で あ る す な わ ち 構 造 物 の 塑 性 変 形 を 許 容 し そ の 塑 性 変 形 の 繰 返 し に よ る 地 震 エ ネ ル ギ ー 吸 収 を 考 慮 す る 実 設 計 に お い て は 損 傷 が 予 想 さ れ る 部 材 の 塑 性 率 が 許 容 塑 性 率 以 下 と な る よ う に 部 材 断 面 を 決 定 す る
鋼構造物の高サイクル疲労と低サイクル疲労の特徴を説明し 記入者 各々の代表的な損傷を 例とそれを防止する対応策を記述せよ 作成日 205.08.02 ( 枚以内 ) 課題 H27-Ⅱ--3 履歴 受験番号技術建設専門科目鋼構造及びコンクリート 問題番号 選択科目 専門事項鋼構造 科目. 高 サ イ ク ル 疲 労 高 サ イ ク ル 疲 労 は 繰 り 返 し 数 が 0 の 4 乗 回 程 度 以 上 で 応 力 振 幅 が 降 伏 応 力 以 下 の 疲 労 を 意 味 す る 代 表 的 な 損 傷 は 風 荷 重 を 受 け る 架 構 の ブ レ ー ス 部 や 橋 梁 上 の 防 護 柵 の 損 傷 が 考 え ら れ る こ れ を 防 止 す る た め の 対 応 策 は 疲 労 限 の 向 上 あ る い は 応 力 振 幅 の 低 減 が 考 え ら れ る 疲 労 限 を 高 く す る た め に は 引 張 強 度 が 高 い 材 料 を 選 定 す る の が 有 効 で あ る ま た 応 力 振 幅 を 低 減 す る た め に は 構 造 物 が 風 を 受 け る こ と で 発 生 す る カ ル マ ン 渦 の 周 期 か ら 構 造 物 の 固 有 周 期 を 外 す こ と が 考 え ら れ る 2. 低 サ イ ク ル 疲 労 低 サ イ ク ル 疲 労 は 繰 り 返 し 数 が 0 の 4 乗 回 程 度 以 下 で 応 力 振 幅 が 降 伏 応 力 以 上 の 疲 労 を 意 味 す る 代 表 的 な 損 傷 は 溶 接 で 接 合 さ れ た T 型 継 手 部 な ど の 構 造 不 連 続 部 に お け る 溶 接 止 端 部 の 応 力 集 中 部 で 発 生 す る 損 傷 が 考 え ら れ る こ れ に 対 す る 対 応 策 は 溶 接 止 端 部 の 曲 率 半 径 を グ ラ イ ン ダ ー 等 に よ り 大 き く す る こ と で 応 力 の 流 れ を 緩 や か に し 当 該 部 の 発 生 応 力 振 幅 を 小 さ く す る こ と が 考 え ら れ る そ の 他 断 面 拡 大 に よ る 発 生 応 力 の 低 減 破 断 ひ ず み が 大 き い 高 靱 性 材 料 の 適 用 が 考 え ら れ る
既設の鋼構造物に損傷が発生した場合 補修補強を適切に行うことが重要である あなたが鋼構造物の補修補強の責任者として業務をすすめるに当たり 以下作成日 205.08.08 の問いに答えよ ただし 鋼部材以外 (RC 床板等のコンクリート部材含む ) に対する補修補強 地震後の損傷に対する補修補強 塗装塗替えは除くものとする 課題 H27-Ⅱ-2- () 想定する鋼構造物を示し 3 種類の損傷を挙げた上で各損傷に対して考え履歴 2 られる補修補強方法とそれによって得られる効果について述べよ 受験番号技術建設 (2)() で述べた損傷のいずれか 種類を挙げ その損傷に対する補修補強の業務を進める手順について述べよ 問題番号 選択科目専門科目鋼構造及びコンクリート科目 (3)(2) で挙げた補修補強の業務を進める際に 重要と思われる事項につい専門事項鋼構造て述べよ ( ) 鋼 構 造 物 の 損 傷 と 補 修 補 強 方 法 腐 食 に よ る 減 肉 桁 端 部 の 伸 縮 装 置 か ら の 漏 水 や 床 板 の 割 れ か ら の 漏 水 に よ り 錆 が 生 じ 鋼 桁 部 に 腐 食 が 発 生 す る 補 修 補 強 方 法 は 鋼 板 あ る い は F R P に よ る 当 板 を 行 い 断 面 性 能 を 回 復 さ せ 発 生 応 力 の 低 減 を 図 る F R P を 用 い た 当 板 工 法 で は 補 強 前 に 比 べ 腐 食 進 展 の 抑 制 を 図 れ る 2 疲 労 亀 裂 T 継 手 部 等 の 構 造 不 連 続 部 の 応 力 集 中 部 に 活 荷 重 や 風 荷 重 な ど の 繰 り 返 し 応 力 が 作 用 す る こ と で 発 生 す る 補 修 補 強 方 法 は 亀 裂 先 端 に 孔 を 空 け て 亀 裂 先 端 の 応 力 集 中 を 除 去 し 亀 裂 の 進 展 を 防 止 す る 方 法 あ る い は 当 板 の 設 置 に よ り 断 面 を 増 加 さ せ 発 生 応 力 を 低 減 し 亀 裂 の 進 展 を 抑 制 す る 3 高 力 ボ ル ト の 遅 れ 破 壊 と 脱 落 部 材 連 結 部 に お い て 切 欠 き や 腐 食 に よ る 断 面 減 少 部 の 応 力 集 中 部 か ら 亀 裂 発 生 後 進 展 し 破 壊 に 至 る 主 に 昭 和 5 0 年 頃 に 製 造 さ れ た F T 高 力 ボ ル ト に 多 く み ら れ る 補 修 補 強 方 法 は 現 行 基 準 の 高 力 ボ ル ト に 取 り 替 え る さ ら に P V C 製 の 相 互 に 連 結 さ れ た キ ャ ッ プ を 各 ボ ル ト に 被 せ れ ば 脱 落 や 腐 食 を 防 止 す る ( 2 ) 腐 食 減 肉 に 対 す る 補 修 補 強 の 業 務 手 順 健 全 性 評 価 : 減 肉 調 査 結 果 や 応 力 た わ み 測 定 結
受験番号 技術 問題番号 2 選択科目科目 果 を 基 に 強 度 や 剛 性 の 低 下 の 程 度 を 把 握 す る 3 詳 細 設 計 : 当 板 厚 ボ ル ト 本 数 の 設 定 を 行 う 4 施 工 : ボ ル ト 孔 あ け 表 面 処 理 当 板 の 設 置 高 力 ボ ル ト の 取 付 け 塗 装 作 業 を 行 う 5 性 能 回 復 効 果 の 評 価 : 補 強 部 の 施 工 前 後 の 応 力 や た わ み を 測 定 し 比 較 す る ( 3 ) 補 修 補 強 業 務 を 進 め る 際 の 重 要 と 思 わ れ る 事 項 添 接 面 の 不 陸 整 正 腐 食 面 の ケ レ ン に よ り 不 陸 が 生 じ る た め 母 材 と 当 板 の 間 に エ ポ キ シ 樹 脂 や 金 属 パ テ を 塗 布 す る こ れ に よ り 高 力 ボ ル ト に よ る 摩 擦 接 合 継 手 の 性 能 確 保 と 水 の 侵 入 に よ る 腐 食 の 防 止 を 図 る 2 腐 食 原 因 の 除 去 腐 食 の 原 因 と な っ た 漏 水 や 滞 水 の 対 策 を 実 施 し 将 来 同 様 の 損 傷 を 発 生 さ せ な い よ う に す る 3 荷 重 伝 達 区 確 保 腐 食 損 傷 部 の 応 力 低 減 を 確 実 に 図 る た め 損 傷 範 囲 の 外 側 に 荷 重 伝 達 区 間 を 確 保 す る 4 当 板 に は 後 荷 重 の 活 荷 の み 負 担 さ せ る 死 荷 重 は 当 初 の 系 に 負 担 さ せ 当 板 活 荷 重 の み を 連 結 系 で 負 担 す る す な わ ち 活 荷 重 載 荷 状 態 で は 連 結 部 付 近 は 負 曲 げ モ ー メ ン ト 領 域 と な る た め こ れ に 対 し て 連 結 板 が 抵 抗 す る よ う に す る 2
我が国の総人口は 明治以降毎年平均 % で増加を続けてきたが 現在は増加から長期的な減少過程に入り 200 年から約 40 年かけて 2050 年にはほぼ 50 年前 (965 年 ) の人口規模に戻っていくことが予想されている 965 年の従属人口指数 47 が 2050 年には 94 になり 2050 年の生産年齢人口は ほぼピークであった 995 年の 57% 程度になると予想され 965 年において働く人 2 人で子供や高齢者 人を支える社会であったものが 2050 年には働く人 人で子どもや高齢者 人を支える社会になると予想されている 建設業界においては 社会資本ストックが増加しているなか 生産年齢人口の減少 生産年齢人口の減少に伴う社会経済の変化などが深刻な問題となっている このような状況を踏まえ 以下の問いに答えよ 受験番号技術 () 上記社会背景を踏まえ 建設分野における問題点 克服すべき課題について 幅広い視点から概説せよ (2) 上述した課題に対し 鋼構造物の分野において あなたが最も重要な技術的課題と考えるものを2つ挙げ それぞれについて解決するための技術的提案を示せ (3) あなたの技術的提案それぞれについて それたがもたらす効果を具体的に示すとともに答案使用枚数それらの技術的提案を実行する際のリスクや課題について論述せよ 枚目枚中 問題番号 選択科目専門科目鋼構造及びコンクリート科目専門事項鋼構造 作成日 205.08.02 課題 H27-Ⅲ- 履歴 2 建設 ( ) 建 設 分 野 に お け る 問 題 点 及 び 克 服 す べ き 課 題 問 題 点 現 在 我 が 国 の 建 設 分 野 に お け る 労 働 者 数 は 約 5 0 0 万 人 で あ り ピ ー ク 時 の 平 成 0 年 前 後 に 比 較 し 3 割 程 度 減 少 し て い る 加 え て 5 5 歳 以 上 の 労 働 者 は 全 体 の 3 割 を 占 め 将 来 の 建 設 分 野 の 労 働 者 数 は 減 少 傾 向 に あ る 克 服 す べ き 課 題 今 後 は 高 度 成 長 期 に 建 設 さ れ た 膨 大 な 公 共 構 造 物 の 老 朽 化 が 急 速 に 進 み 維 持 管 理 に 多 く の 人 手 が 必 要 と な る こ の た め 点 検 調 査 技 術 の 高 度 化 に よ る 省 力 化 を 図 る こ と が 課 題 と 考 え る ま た 今 後 5 0 年 間 で 必 要 と さ れ る 公 共 構 造 物 の 維 持 管 理 費 と し て 9 0 兆 円 が 推 計 さ れ る 中 人 口 減 に よ る 税 収 の 減 少 が 予 想 さ れ る こ の た め 2 公 共 構 造 物 の 長 寿 命 化 に よ る ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 低 減 が 課 題 と 考 え る さ ら に 近 年 の 気 候 変 動 に よ る 局 所 的 な 大 雨 や 地 震 等 の 災 害 リ ス ク が 高 ま り よ り 強 靭 な 社 会 資 本 を 整 備 す る た め に コ ス ト 高 と な る こ の た め 3 公 共 構 造 物 に 対 す る 社 会 的 影 響 評 価 の 精 度 向 上 を 図 り 補 修 補 強 の 優 先 順 位 を つ け る こ と が 課 題 と 考 え る ( 2 ) 技 術 的 課 題 と 解 決 す る た め の 技 術 的 提 案 鋼 構 造 物 の 維 持 管 理 に お け る 点 検 業 務 の 省 力 化 a ) セ ン サ ー を 用 い た モ ニ タ リ ン グ に よ る 点 検 疲 労 亀 裂 が 発 生 す る と 予 想 さ れ る 箇 所 へ の 検 知 線 の 貼 付 け あ る い は 電 導 性 の あ る 塗 料 を 塗 り そ の 電
受験番号 技術 問題番号 2 選択科目科目 気 抵 抗 を モ ニ タ リ ン グ す る こ と で 疲 労 亀 裂 に 対 す る 点 検 を 省 力 化 す る b ) ロ ボ ッ ト の 活 用 鋼 橋 の 桁 下 な ど の 狭 い 空 間 や 大 が か り な 足 場 を 必 要 と す る 山 岳 地 で の 目 視 点 検 に お い て ロ ボ ッ ト に よ る 近 接 画 像 を 撮 る こ と で 点 検 作 業 の 省 力 化 を 図 る 2 鋼 構 造 物 の 長 寿 命 化 技 術 の 適 用 に よ る ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 低 減 a ) バ イ パ ス 工 法 こ の 工 法 は 腐 食 減 肉 し た 鋼 橋 部 材 を 部 分 的 に 取 替 え る 場 合 に 用 い る 取 替 え 部 を 跨 い で 仮 設 桁 や 仮 設 ケ ー ブ ル を 設 置 し 取 替 え 部 を 除 去 す る 際 に 部 材 に 発 生 す る 応 力 を 一 時 的 に 仮 設 材 に 迂 回 さ せ 新 部 材 の 取 り 付 け 後 に 仮 設 部 材 を 撤 去 し て 再 度 主 桁 に 応 力 を 受 け 渡 す b ) ア ウ ト ケ ー ブ ル 工 法 こ の 工 法 は 腐 食 減 肉 し た 鋼 橋 の 主 桁 補 強 に お い て 鋼 板 や FRP に よ る 当 板 だ け で は 所 定 の 応 力 低 減 が 得 ら れ な い 場 合 に 用 い る 既 設 主 桁 に ケ ー ブ ル を 設 置 し ポ ス ト テ ン シ ョ ン に よ る 圧 縮 応 力 を 導 入 す る こ と で 死 荷 重 や 活 荷 重 に よ る 主 桁 下 部 に 発 生 す る 引 張 応 力 を 打 ち 消 す ( 3 ) 技 術 提 案 に つ い て の 効 果 と リ ス ク や 課 題 鋼 構 造 の 維 持 管 理 に お け る 点 検 業 務 の 省 力 化 a ) セ ン サ ー を 用 い た モ ニ タ リ ン グ に よ る 点 検 2
受験番号 技術 問題番号 3 選択科目科目 効 果 は 点 検 で は 発 見 で き な い 3 0 ミ リ 以 下 の 疲 労 亀 裂 の 発 見 が 可 能 に な る こ と で あ る し か し 温 度 や 荷 重 の 変 化 に 対 し て セ ン サ ー の 抵 抗 値 が 変 化 す る た め 誤 診 断 が 発 生 す る リ ス ク が あ る こ の 対 策 と し て 複 数 セ ン サ ー デ ー タ の 比 例 関 係 の 変 化 に 対 し て 異 常 発 生 を 判 定 す る 方 法 が 考 え ら れ る b ) ロ ボ ッ ト の 活 用 に よ る 省 力 化 効 果 は 足 場 が 不 要 と な り 交 通 規 制 に よ る 渋 滞 が 解 消 で き る こ と で あ る し か し ロ ボ ッ ト 機 能 の 高 度 化 に よ り 機 械 操 作 の 難 易 度 が 高 く な る リ ス ク が あ る こ の 対 策 と し て ア シ ス ト 機 能 に よ り 操 作 の 簡 易 化 を 図 る こ と が 考 え ら え る 2 鋼 構 造 物 の 長 寿 命 化 技 術 の 適 用 a ) バ イ パ ス 工 法 効 果 は 仮 受 け ベ ン ト が 不 要 と な る こ と で あ る 桁 下 空 間 の 利 用 に 制 限 が あ る 場 合 に 有 効 で あ る し か し 仮 設 材 の 荷 重 負 担 の 確 認 作 業 お い て 時 間 を 要 す る こ の 対 策 と し て 磁 歪 法 の 活 用 が 考 え ら れ る b ) ア ウ ト ケ ー ブ ル 工 法 効 果 は 鋼 重 増 に よ る 影 響 が 小 さ い こ と で あ る し か し 緊 張 材 が 露 出 す る た め 将 来 的 な 取 替 え が 発 生 す る リ ス ク が あ る こ の 対 策 と し て 連 続 繊 維 緊 張 材 を 用 い て 耐 久 性 を 向 上 さ せ る こ と が 考 え ら れ る 3