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2. 徴収率の状況 (1) 合計徴収率 平成 29 年度の市町村税徴収率 ( 全国 ) は 平成 31 年 3 月に総務省より発表される予定 現年課税分と滞納繰越分を合算した平成 29 年度の合計徴収率は 96.0% で 前年度 95.4% より 0.6 ポイント上昇 平成 21 年度 91.3%

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熊本では生活ごみ 片付けごみの収集が課題に 道路上に集積された生活ごみ ( 可燃 不燃 ) 片付けごみ ( 家電 家具 ) 東日本大震災 ( 宮城県石巻市 ) でも想定外のごみ量への対応が課題に 道路上に集積された片付けごみ 平時からの収集体制では対応できない状態に 2

東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の実地調査について

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☆配布資料_熊本地震検証

家屋の被害状況 被害の状況 県名全壊半壊一部損壊 熊本県 8,528 棟 20,303 棟 84,125 棟 大分県 2 棟 61 棟 2,345 棟 宮崎県 - 2 棟 20 棟 福岡県 - 1 棟 230 棟 熊本県内 一般廃棄物処理施設の被害状況 平成 28 年 5 月 29 日現在 平成 2

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ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも


~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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る. これらの廃棄物は混合状態となっていることが多いため, 選別後にそれぞれの性状に合った処理を実施する必要がある. 環境省 4) により, 放射性物質濃度による処分 ( 保管 ) 方法が表 -1のように示されている. 可燃物の焼却処理後に発生する焼却灰, 下水汚泥の焼却灰, 浄水汚泥の焼却灰は,

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北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

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適正処理の実現に向けた社内の取組内容 従業員の教育訓練の実施状況 社内研修を実施している ( 研修の内容 ) 廃棄物処理法について安全性の確保について ( 研修の頻度 ) 年 1 回半年に1 回 3ヶ月に1 回月 1 回 ( ) 外部研修を受講させている ( 研修の内容 ) 安全運転教育 事故時の対

これだけは知っておきたい地震保険

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特集大規模自然災害からの復旧 復興 参考 警察が検視により確認している死者数 50 名 災害による負傷の悪化または避難生活等における身体的負担による死者数 106 名 6 月 日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震と関連が認められた死者数 5 名建物被害全壊 8,360 棟, 半壊 3

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システム情報フロー システムの利用対象者と活用によるメリット建設リサイクル法等の提出書類の作成機能 システムの適用範囲工事発注者排出事業者処理業者情報登録発注前発注後施工計画時施工完了時 区分適用範囲 対象建設副産物対象地域 工事発注者排出事業者処理業者利用対象者システム活用によるメリット工事概要画

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目 次 はじめに 第 1 章総論 第 1 節目的第 2 節計画の位置付け第 3 節計画の対象 1 対象とする災害廃棄物 2 対象業務 3 処理事業ロー

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Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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目次 1. 目的及び位置づけ 計画の対象範囲 中部ブロックにおける大規模災害 地震 津波 火山 風水害 必要とされる広域連携の概要 発災前の広域連携の手順

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目次 建設副産物適正処理推進要綱...3 第 1 章 総則... 3 第 1 目的... 3 第 2 適用範囲... 3 第 3 用語の定義... 3 第 4 基本方針... 4 第 5 関係者の基本的責務... 4 第 2 章 計画の作成等... 4 第 6 発注者による計画の作成 条件明示等..

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資料 4-2 奈良県災害廃棄物処理計画 概要版 ( 案 ) 平成 28 年 1 月 奈良県

- 目次 - ページ Ⅰ 策定趣旨 1 Ⅱ 計画の基本的事項 2 1. 想定する最大規模の災害 2 2. 処理期間の設定 2 3. 処理方針 3 Ⅲ 災害廃棄物の発生量 必要処理能力の推計 4 1. 災害廃棄物発生量の推計 4 2. 必要処理能力等の推計 5 Ⅳ 災害時の対応方針 6 1. 災害廃棄物処理の全体像 6 2. 県災害廃棄物対策本部の体制 7 3. 広域支援体制の構築 8 Ⅴ 大規模な災害に備えた取組 9 1. 奈良県災害廃棄物対策連絡会 の設置 運営 9 2. 教育 訓練の実施 9 3. 災害廃棄物の仮置場の確保対策 10 4. 広域相互支援協定締結の促進 11 参考資料 市町村別 災害廃棄物発生量 ( 最大規模 ) の推計 12 南海トラフ巨大地震時に県内で発生する災害廃棄物の推計 13 災害廃棄物処理の工程別フロー 14

Ⅰ 策定趣旨 本計画は 大規模災害時に発生する災害廃棄物をできる限り円滑かつ計画的に処理するための基本的な方針を示し 国 県 市町村等が情報共有することにより 各主体の対応能力の向上 広域的な相 互支援体制の整備推進等を促進するとともに 市町村における災害廃棄物処理計画策定に資すること を目的とする 環境省 災害廃棄物対策指針 や 大規模災害発生時廃棄物対策近畿ブロック協議会 における検討 を踏まえ 奈良県地域防災計画 等との整合を図り 災害廃棄物処理に関する基本的な考え方や処 理方策などを示すものである 県 奈良県災害廃棄物処理計画 奈良モデル連携 協働 市町村 災害廃棄物処理計画 地域防災計画 奈良県地域防災計画 大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動計画 ( 策定中 ) 災害廃棄物対策指針 (H26.3) 環境省防災業務計画 (H13.1) 防災基本計画 (S38.6) 災害対策基本法 (S36.11) -1-

Ⅱ 計画の基本的事項 -2- 大規模災害時に発生する災害廃棄物の処理にあたっては 災害の規模 廃棄物の発生量等により 必要となる処理能力や期間等が異なることになるが 本計画では 県内で発生する可能性のある最大規模の災害を想定し 東日本大震災や紀伊半島大水害等から得られた知見を踏まえ 災害廃棄物処理の対策を構築 推進する 1. 想定する最大規模の災害県内で発生する最大規模の災害として 第 2 次奈良県地震被害想定調査報告書 ( 平成 16 年 10 月 ) において 最も被害の大きい災害とされている奈良盆地東縁断層帯地震 ( 以下 最大規模の災害 という ) を想定する 災害名 地震規模 災害廃棄物発生量 地震発生確率 (30 年以内 ) 奈良盆地東縁断層帯地震 最大震度 :7 最大約 1,700 万トン ( 県内 ) M7.5 建物倒壊数 : 最大約 20 万棟 0~5% 南海トラフ地震 最大震度 :7 最大約 500 万トン ( 県内 ) M9.1 全国で約 2.5 億 t~3.5 億 t 70% 程度 出所 ) 第 2 次奈良県地震被害想定調査報告書 (H16) 南海トラフ巨大地震の被害想定 (H25 内閣府 ) 長期評価結果 地震調査研究推進本部 2. 処理期間の設定災害の規模や災害廃棄物の発生量に応じて 適切な処理期間を設定する 想定する最大規模の災害では 最大で東日本大震災における宮城県と同規模の災害廃棄物が発生すると推計されることから 東日本大震災での災害廃棄物の処理期間 ( 概ね3 年 福島県を除く ) を踏まえ 最大でも3 年以内の処理完了を目指す 処理期間のイメージ 最大規模の災害発生 1 年目 1 年以内 2 年以内 2 年目 3 年目 被災現場からの災害廃棄物撤去完了 3 年以内 一次仮置場からの災害廃棄物撤去完了 復旧 復興 二次仮置場からの災害廃棄物撤去完了 一次仮置場 : 災害廃棄物の粗選別等を行い 二次仮置場や処理 資源化施設等へ搬出するための拠点施設 二次仮置場 : 一次仮置場の災害廃棄物を搬入 選別し 中間処理 最終処理を行うまでの間 保管する拠点施設であり 仮設の破砕 焼却等施設を設置する場合がある

Ⅱ 計画の基本的事項 3. 処理方針大規模災害時は 県内の広範囲に大量の災害廃棄物が発生することが予測され 被災した市町村等では行政機能やごみの処理力が低下することも考えられることから 通常時とは異なる緊急かつ広域の体制を構築し 処理を行う必要がある 被害規模 小 中 中 小規模災害時 各市町村が処理主体となり できる限り県内で処理する 被災市町村が通常の処理により対処できない場合 県は 他の市町村等による支援や関係団体の協力確保のための調整を行い 災害廃棄物処理の円滑かつ計画的な実施を促進する 奈良県災害廃棄物等の処理に係る相互支援協定 ( 平成 24 年 8 月 ) 県と関係団体により締結した大規模災害時の協力協定 ( 平成 21 年 8 月 )( 奈良県産業廃棄物協会 奈良県一般廃棄物事業協同組合 奈良県解体工事業協会 奈良県建設業協会 ) 大 中規模災害時 広域かつ甚大な被害状況において災害廃棄物を円滑に処理するため 県が市町村に代わって主導的な役割を担い 県内市町村及び関係機関 団体等による支援の調整 確保を行うとともに 必要に応じて国 県外自治体等に支援を求め 広域連携による処理体制を構築 推進する 大 県は 被災市町村自ら災害廃棄物の処理を行うことが困難であると判断した場合 ( 地方自治法に基づく事務委託の要請を受けて ) 県が主体となって処理を行う 発災後の処理の流れ 発生直後 ~ 二週間程度 被害状況の把握 がれき等の暫定的な集積の検討 実施 災害廃棄物の発生量 ( 総量 ) 処理見込み量 ( 処理区分別 ) の推計 県内市町村等の処理能力の確認 ( 運ぶ力 置く力 処理する力 ) 緊急輸送道路等の障害物除去等 数週間程度 処理方法の検討 スケジュールの設定 ( 被災市町村自ら設定期間内に既存処理施設で処理が可能か?) 処理可能処理不可能 一ヶ月以降 被災市町村内処理 広域処理 ( 県内 県外 ) ( 既存施設 ) 広域処理 ( 県内 県外 ) ( 仮設施設設置 ) 災害廃棄物処理実行計画 ( 処理主体別実行計画 ) の作成 実施 -3-

Ⅲ 災害廃棄物の発生量 必要処理能力の推計 1. 災害廃棄物発生量の推計 ( 奈良盆地東縁断層帯地震を想定 ) 最大規模の災害で発生する災害廃棄物の発生量 種類は 第 2 次奈良県地震被害想定調査 (H16) において推計されている被害棟数 ( 全壊 半壊 ) 阪神 淡路大震災の種類別の発生原単位 及び国土交通省の建物移転料積算基準等により推計した これにより推計した災害廃棄物の量は 最大約 1700 万トンであり 東日本大震災において宮城県内で発生した災害廃棄物の量 ( 約 1,900 万トン ) とほぼ同規模となる 災害廃棄物発生量 (t)= 被害棟数 ( 約 20 万棟 ) 建物構造別割合 (%) 建物構造別平均延床面積 ( m2 ) 発生原単位 (t/ m2 ) 約 1700 万トン 発生原単位 非木造 木造 鉄筋コンクリート (RC 造 ) 鉄骨造 (S 造 ) 計 可燃物小計 木くず畳廃プラ 混合廃棄物 ( 可燃 ) 不燃物小計 がれき類 金属くず 瓦 ( 屋根葺き材 ) ガラス 石膏ボード (t/m 2 ) 混合廃棄物 ( 不燃 ) 0.696 0.194 0.147 0.003 0.004 0.040 0.502 0.293 0.033 0.055 0.004 0.023 0.095 1.107 0.120 0.047 0.004 0.011 0.058 0.987 0.820 0.067 0.000 0.005 0.003 0.092 0.712 0.082 0.037 0.002 0.004 0.039 0.630 0.431 0.095 0.000 0.003 0.010 0.091 (t/ 棟 ) 家電等 0.252 災害廃棄物の種類別発生量 率 ( 推計 ) 災害廃棄物の発生量分布 ( 推計 ) 災害廃棄物発生量 400 万 t 以上 100 万 t 以上 10 万 t 以上 10 万 t 未満 -4-

Ⅲ 災害廃棄物の発生量 必要処理能力の推計 2. 必要処理能力等の推計 ( 奈良盆地東縁断層帯地震を想定 ) 最大規模の災害により発生する災害廃棄物処理 ( 最大約 1700 万トン ) に必要となる体制の規模及び処理能力を東日本大震災における宮城県の事例を参考にして推計した (1) 処理体制の規模等 奈良県 ( 奈良盆地東縁断層帯地震 ) 発生量 処理期間 処理体制 約 1700 万トン 3 年以内 県約 50 名体制 ( 最大 ) 市町村約 100 名程増員 ( 最大 ) 東日本大震災 ( 宮城県の例 ) 発生量 処理期間 処理体制 県 約 1900 万トン 約 3 年 県職員 50 名体制 ( 最大 ) 他府県職員 5 名派遣 ( 最大 ) 市町村約 100 名程増員 ( 最大 ) (2) 処理能力 運ぶ力置く力処理する力 運搬必要能力 平均 900 台 / 日 最大 1,800 台 / 日 ( 県内事業用貨物自動車保有台数の 22%) 国土交通省土木積算基準等により試算 仮置場必要面積 一次仮置場約 500 ha 環境省災害廃棄物対策指針により試算 二次仮置場約 300 ha 東日本大震災の実績を参考に試算 焼却処理約 120 万トン 約 2 千トン / 日の能力必要 再生利用約 1500 万トン 最終処分約 100 万トン 県内 ( 仮設 臨時 ) 県外支援が必要 処理工程シミュレーション 災害発生 現場撤去 運搬 仮置保管 運搬 資源化 焼却処理 運搬 埋立処分 処理終了 (1 年間 ) (3 年間 ) 物の流れを数値化し シミュレーション 一次仮置場への搬入を 1 年で行うとしての被災現場の集積量 20,000 千 t 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 必要焼却能力 :2100t/ 日 搬入量と処理量の関係から仮置場の保管量を試算 既存 仮設施設による焼却処理を行うとして 3 年で完了 現場集積量 仮置場保管量 資源化量 ( 累積 ) 災害廃棄物焼却量 ( 累積 ) 埋立処分量 ( 累積 ) -5-

Ⅳ 災害時の対応方針 -6-1. 災害廃棄物処理の全体像 大規模災害時には 県が主体的役割を担い 市町村 関係機関等との連携のもと 広域的な支援体制を構築し 初動期 応急対応期 復旧 復興期の各段階における災害廃棄物処理を できる限り円滑かつ計画的に実施する必要がある 処理期間は 災害の規模等により異なるが 最大規模の災害に対応する災害廃棄物処理の全体像を下表のとおり想定する [ 県実施 ( 市町村連携 協働 ) 市町村実施 ( 事務委託による県実施含む ) ] 項目 初動期応急対応期復旧 復興期 発災後 ~ 数日間 ~3 ヶ月程度 ~3 年以内 1 災害廃棄物対策本部の設置 2 被災情報の収集 国 関係機関との緊急連絡調整 被災市町村への県職員派遣を含む 3 一次仮置場の指定 ( 被災市町村内を想定 ) 最大 500 ha必要 1 ヶ月以内を目処 4 災害廃棄物の撤去 一次仮置場への搬入 1 年以内を目処 5 広域処理体制の構築 ( 発生量推計 処理能力確認 広域処理調整 ) 6 災害廃棄物処理実行計画の作成 ( 注 1) 実施主体別に作成 県は全体計画をまとめる 7 二次仮置場の指定 整備 ( 広域処理を想定 ) 最大 300 ha必要 1 ヶ月以内を目処 1 ヶ月程を目処 進捗に応じて見直し 進捗に応じて見直し 二次仮置場への搬入 8 災害廃棄物の処理 二次仮置場での中間処理 分別 破砕 資源化 焼却 焼却灰等の最終処分 9 一次 二次仮置場の原状復旧 撤去完了の仮置場から段階的に復旧整備 ( 注 1) 災害廃棄物処理実行計画は 実施主体となる市町村 ( または事務委託を受ける県 ) が 発災後 できる限り速やかに災害廃棄物の発生状況の把握及び発生量の推計等を行い 処理期間 処理費用 処理方法等を処理方針として明確にするものである 処理フロー 一次仮置場 ( 最大約 500 ha ) 畳 焼却処理 災害廃棄物の発生 現場撤去 約 350 万 t 粗選別 約 1300 万 t 可燃物 不燃物 処理困難物等 混合物 コンクリート等がら 金属くず 粗大 ( 家具類等 ) その他 木くず その他可燃 その他不燃 二次仮置場 ( 最大約 300 ha ) 破砕 選別等 約 1540 万 t 約 120 万 t ( 発生量の 7%) 最終処分約 110 万 t 資源化 再生利用約 1500 万 t ( 発生量の 88%) 家電製品 ( 特定 4 品目 ) 約 1700 万 t 約 50 万 t 危険物 有害物 ( アスベスト PCB 等 ) 適正処理約 50 万 t

Ⅳ 災害時の対応方針 2. 県災害廃棄物対策本部の体制 大規模災害時に発生する災害廃棄物の迅速 適正かつ計画的な処理を確保するため 知事を本部長とする県災害対策本部のもとに 県災害廃棄物対策本部 を設置 運営する 本部体制は最大規模で 東日本大震災における宮城県と同規模 (50 名体制 ) を想定し 平常時から対象職員を特定して 教育 訓練 を実施することにより いつ災害が起こっても対応できる体制を継続的に整備 維持する 県災害廃棄物対策本部の組織体制 県災害対策本部 連携 情報共有 県災害廃棄物対策本部 本部長 ( 景観 環境局長 ) 統括 ( 景観 環境局次長 ) 企画調整班 計画調整班 処理推進班 広域調整班 県災害廃棄物対策本部の体制整備 発災直後の情報収集 とりまとめ 処理方針の作成 ( 県外支援の必要度等 ) 各班への指示 進捗管理 広報 報道対応 県内広域支援の調整 要支援市町村と支援市町村等のマッチンク 関係団体等との調整 市町村の処理実行計画作成への支援 二次仮置場等の計画 調整 指定等 発災直後に市町村が実施する情報収集等への支援 市町村が実施する災害廃棄物等の処理への技術的支援 市町村の事務委託により県が処理主体になる場合の実行部隊 国 他府県等への支援要請 県外広域支援の調整 要支援市町村と支援市町村等のマッチンク 関係団体等との調整 予算経理 本対策本部は 廃棄物処理等の専門なノウハウが必要となることから 平常時から 廃棄物処理や土木 建築等の実務経験者をリストアップし 教育 訓練 を行うことにより 50 名程度の人員を継続的に更新する 各班の体制 ( 人数等 ) は 被災の状況及び進捗状況等に応じて対処するものとする -7-

Ⅳ 災害時の対応方針 -8-3. 広域支援体制の構築 大規模災害時には 県と県内全市町村により締結した 奈良県災害廃棄物等の処理に係る相互支援協定 ( 平成 24 年 8 月 ) 及び県と関係 4 団体により締結した大規模災害時の協力協定 ( 平成 21 年 8 月 ) に基づき対応するとともに 必要に応じて 国及び他府県等に協力 支援を要請し 災害廃棄物の広域的 な処理体制を構築する必要がある また 広域的な相互支援については 本県が大規模な被災地とならず 他府県等から支援を求められた 場合も 本県としてできる限りの協力 支援を行うものである 現在 環境省が所管する 大規模災害発生 時廃棄物対策近畿ブロック協議会 において 近畿 2 府 4 県 ( 奈良県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 ) 及び政令市 中核市等が参加して 近畿圏における相互支援体制についての検討が進めら れており この広域連携の動きも踏まえ 本県としての広域的な相互支援体制を構築する 県内及び県外との支援体制 ( イメージ ) 国 報告 広域支援の要請 情報収集 広域支援の調整 指導助言 広域支援の調整 協力要請 調整 奈良県 ( 被災側 ) 報告 支援要請 情報収集 直接支援 広域支援調整 要請 / 支援 支援調整 都道府県 ( 支援側 ) 連絡調整 廃棄物 解体 建設等 関係団体 要支援市町村 要請 / 支援 支援市町村 廃棄物 解体 建設等 関係団体 連絡調整 要請 / 支援 支援調整 連絡調整 廃棄物 解体 建設等 関係事業者 支援市町村 廃棄物 解体 建設等 関係事業者 災害廃棄物対策指針 ( 環境省 平成 26 年 3 月 ) を参考にして作成

Ⅴ 大規模な災害に備えた取組 1. 奈良県災害廃棄物対策連絡会 の設置 運営本計画の周知 共有を図り 市町村の災害廃棄物処理計画の策定を促進するとともに 職員の 教育 訓練 等を計画 実施することにより 平常時から大規模災害に備える体制を整備 維持することを目的に 県 市町村による 奈良県災害廃棄物対策連絡会 ( 担当課長会議 ) を設置 運営する 2. 教育 訓練の実施 大規模災害に備える体制を整備 維持するため 平常時から対象職員を特定して 県 市町村合同の 教育 訓練 を継続的に実施する 災害廃棄物処理工程の模擬訓練や図上演習など実践的な教育 訓練を計画 実施し この成果を活かして 関係機関 団体との連携を強化するための合同訓練も計画 実施する 実施内容 (1) 対象者 1 県職員 : 廃棄物処理や土木 建築等の実務経験者をリストアップし 50 名程度の人員を継続的に更新 (2) ねらい 2 市町村等職員 : 一般廃棄物処理 ( ごみ し尿 ) 担当部署の職員 ( 毎年 各市町村等で数名 ) 3 関係団体等 ( 合同訓練 ) : 大規模災害時の協力協定 ( 平成 21 年 8 月 ) を締結している 4 団体の役員 会員等 1 県災害廃棄物処理計画の周知 2 過去事例の取組や課題等の共有 3 実践演習 災害廃棄物の発生量 種類の推計訓練 ( 図上演習 ) 処理実行計画の作成演習 処理工程の模擬訓練 ( 地域別の課題抽出 対策の検討 ) 4 市町村による災害廃棄物処理計画の策定促進 県災害廃棄物処理計画の PDCA サイクル ( イメージ ) Plan 計画策定 Action 計画の見直し 計画の継続的な改善 見直し 連携 協働奈良県市町村 奈良県災害廃棄物対策連絡会連携関係団体等 Check Do 教育 訓練 知識 技術 ノウハウの習得 市町村廃棄物処理計画の策定促進 関係団体等との連携強化 点検 評価 県 市町村等の組織体制の更新 課題抽出 対策の検討 -9-

Ⅴ 大規模な災害に備えた取組 -10-3. 災害廃棄物の仮置場の確保対策 大規模災害時の災害廃棄物を処理するにあたっての最重点課題の一つが 災害廃棄物を保管 処理するための仮置場の確保である 本計画では 最大規模の災害が発生した場合 全体で約 800 ha ( 一次仮置場 : 約 500 ha 二次仮置場 : 約 300 ha ) の仮置場が必要になると推計している 本県は 全国的にも可住地面積割合 ( 総土地面積 - 林野及び湖沼面積 ) の小さい県であること ( 全国 43 位 ) 東日本大震災で活用されたような広大な沿岸用地は無いこと 国宝をはじめ文化財が多数存在することなどから 仮置場の確保には相当の困難が予想される 現状では 県内の市町村が確保している仮置場の総面積は数十haであり 平常時から仮置場の必要面積のすべてを確保することは難しいと考えるが 東日本大震災等の事例でも仮置場の確保が 初動期から応急対応期 ( 発災後数ヶ月 ) にかけての重点課題となったことを踏まえ 本県においても 県と市町村等が連携し 地域防災計画における空き地等の利用方針等とも調整しながら 仮置場の計画 確保対策に取り組む 仮置場の機能等 区分機能設置期間 被災地の近隣集積所 一次仮置場 ( 被災市町村内を想定 ) 二次仮置場 ( 広域処理を想定 ) 被災住民等が排出する災害廃棄物を一時的に集積する場所 道路障害物等の緊急的な除去が必要となる災害廃棄物の一時的な集積場所 中間処理 ( 破砕 焼却等 ) 前に 災害廃棄物を粗選別するとともに 一定期間保管する場所 大型ダンプ等がアクセスできる道路が必要 中間処理 ( 焼却等 ) 最終処分前に 災害廃棄物を破砕 選別するとともに 一定期間保管する場所 再資源化された物を復興資材として保管する場所 東日本大震災の事例では 仮設の破砕機 焼却炉が設置されており 10~20 ha程 / 箇所の敷地が必要 大型ダンプ等がアクセスできる道路が必要 一次仮置場に搬出されるまで ( 数ヶ月を目途 ) 二次仮置場 中間処理施設等への搬入が完了するまで (2 年以内目処 ) 災害廃棄物処理が完了するまで (3 年以内 ) 仮置場の選定基準の考え方 災害廃棄物等の保管 重機等による作業に必要な面積を確保できること 効率的な搬出入ルート 必要な道路幅員が確保できること 保管期間が長期となることを想定し その使用ができること 必要な防火 消火用水 仮設処理施設の電源 水源が確保できること 学校 病院等の環境保全上留意が必要となる施設に隣接しないこと 避難場所として指定されている施設及びその周辺はできるだけ避けること 周辺住民 環境への影響に配慮すること 二次災害の恐れがない場所であること

Ⅴ 大規模な災害に備えた取組 -11-4. 広域相互支援協定締結の促進広域的かつ甚大な大規模災害が発生した場合 災害廃棄物の発生量が膨大になることが想定され 県内のみでは処理を行うことができない状況になる 全国知事会では 全国都道府県における災害時等の相互支援に関する協定 ( 平成 24 年 5 月改正 ) が締結されており 都道府県は この協定に基づき 人的 物的支援を行うことになっているが 災害廃棄物処理は 高度な専門性が要求されることから このことに特化した広域での相互支援の体制づくりが必要となる 現在 環境省が所管する 大規模災害発生時廃棄物対策近畿ブロック協議会 において 近畿 2 府 4 県 ( 奈良県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 ) 及び政令市 中核市等が参加して 近畿圏における相互支援についての検討が進められているが 東日本大震災のような大規模災害に備えるためには 近畿圏を越えて中部圏や中国四国圏等との広域圏間の相互支援体制も必要となることから 本県としても 国 関係府県等との連携を密にして 広域的な相互支援協定の締結に向けて積極的に取り組んでいく

参考資料 1. 市町村別 災害廃棄物発生量 ( 最大規模 ) の推計 奈良盆地東縁断層帯地震の最大規模で推計 災害廃棄物量 単位 :t 市町村 総量 木くず畳廃プラ 混合廃棄物 ( 可燃 ) がれき類 奈 良 市 4,954,712 619,070 17,130 32,791 252,712 2,756,046 317,762 211,688 24,864 104,219 607,581 10,848 大和高田市 794,892 110,890 2,774 4,806 39,826 416,424 48,851 41,782 4,119 19,585 103,898 1,935 大和郡山市 1,292,350 180,828 4,495 7,740 65,896 670,352 85,089 66,025 6,641 31,926 169,509 3,847 天 理 市 1,222,279 184,064 4,427 7,337 63,680 616,497 76,498 67,466 6,337 31,691 160,759 3,522 橿 原 市 1,989,085 275,248 6,894 11,965 100,074 1,041,087 126,721 102,379 10,262 48,792 260,392 5,271 桜 井 市 776,670 128,694 2,936 4,551 41,310 373,328 46,095 47,878 4,090 21,830 104,035 1,924 五 條 市 171,150 30,756 667 961 9,304 77,875 10,099 11,462 911 5,180 23,440 495 御 所 市 666,337 115,070 2,507 3,640 34,745 307,488 38,580 45,183 3,583 20,249 93,158 2,135 生 駒 市 683,300 89,944 2,387 4,395 35,205 369,781 44,517 31,157 3,452 15,284 85,615 1,565 香 芝 市 435,651 62,059 1,530 2,611 22,287 224,719 28,179 22,776 2,247 10,901 57,221 1,120 葛 城 市 558,305 90,003 2,045 3,154 28,896 268,892 33,900 34,587 2,956 15,857 76,383 1,632 宇 陀 市 344,937 54,951 1,211 1,791 17,076 162,988 21,326 22,647 1,859 10,356 49,559 1,172 山 添 村 58,656 11,196 233 314 3,104 25,546 2,966 4,494 322 1,932 8,328 220 平 群 町 114,022 17,846 408 636 5,899 55,248 7,446 6,751 599 3,187 15,655 348 三 郷 町 79,920 11,135 274 466 4,065 41,120 5,506 4,070 411 2,004 10,640 231 斑 鳩 町 427,161 65,946 1,538 2,455 22,183 210,274 27,440 24,619 2,231 11,602 57,659 1,213 安 堵 町 171,071 26,782 630 1,017 8,902 84,851 10,145 10,049 897 4,600 22,693 504 川 西 町 184,097 29,183 667 1,038 9,615 88,949 11,898 10,930 965 5,143 25,112 595 三 宅 町 105,660 17,924 398 593 5,630 49,414 6,510 6,715 559 3,088 14,464 366 田原本町 606,680 99,522 2,213 3,313 31,417 286,182 37,895 38,501 3,223 17,763 84,457 2,193 曽 爾 村 8,699 1,780 37 50 494 3,719 435 654 47 282 1,175 26 御 杖 村 16,814 3,440 71 96 954 7,174 841 1,265 91 545 2,271 66 高 取 町 54,628 10,178 215 296 2,906 24,191 2,936 4,007 297 1,752 7,691 159 明日香村 127,356 24,553 509 684 6,764 55,274 6,342 9,851 702 4,217 18,081 379 上 牧 町 101,533 14,107 361 641 5,322 53,441 6,692 4,887 515 2,390 12,899 278 王 寺 町 188,660 23,946 639 1,183 9,537 102,635 12,779 8,382 952 4,198 23,940 470 広 陵 町 401,949 61,028 1,442 2,342 21,059 199,647 26,634 22,226 2,082 10,657 53,727 1,105 河 合 町 163,525 22,981 578 1,009 8,491 85,322 10,730 8,154 835 3,955 21,090 379 吉 野 町 161,395 28,481 610 863 8,295 73,327 8,767 11,584 880 5,078 22,927 581 大 淀 町 154,717 27,116 598 884 8,376 71,696 9,164 10,053 819 4,561 20,980 470 下 市 町 75,577 14,361 305 426 4,148 33,470 4,068 5,402 406 2,370 10,339 282 黒 滝 村 18,529 3,821 79 106 1,052 7,895 909 1,408 100 603 2,504 50 天 川 村 22,177 4,233 88 119 1,182 9,675 1,142 1,681 122 726 3,136 73 野迫川村 3,669 760 16 21 208 1,558 177 281 20 120 495 13 十津川村 9,432 1,910 40 55 534 4,071 470 701 51 302 1,266 32 下北山村 1,987 401 8 11 112 856 100 147 11 63 267 10 上北山村 3,512 712 15 20 199 1,505 179 261 19 113 474 14 川 上 村 32,256 5,840 122 166 1,643 14,289 1,706 2,440 178 1,059 4,687 125 東吉野村 32,226 6,623 137 184 1,827 13,713 1,590 2,440 174 1,047 4,351 139 金属くず 瓦 ( 屋根葺き材 ) 合計 17,215,571 2,477,384 61,237 104,729 884,931 8,890,517 1,083,085 906,983 88,829 429,226 2,242,859 45,791 ガラス 石膏ボード 混合廃棄物 ( 不燃 ) 家電 4 品目 -12-

参考資料 -13-2. 南海トラフ巨大地震時に県内で発生する災害廃棄物の推計 奈良県内の災害廃棄物量最大 500 万トン ( 内閣府被害想定 ) 本計画で想定する奈良盆地東縁断層帯地震と比較すると 震源の近さから南部の被害が大きくなることが予想される この災害廃棄物を 3 年間で処理完了すると仮定した場合の必要能力 ( 試算 ) は下表のとおり 災害廃棄物量推定 運搬 ( 必要車両台数 ) 仮置場 ( 必要面積 ) 処理 ( 必要焼却能力 ) 奈良盆地東縁断層帯地震 ( 最大 ) 南海トラフ巨大地震 ( 最大 ) 南海トラフ巨大地震 ( 最小 ) 1700 万トン 1800 台 / 日 500 万 m2 2100t/ 日 500 万トン 500 台 / 日 145 万 m2 530t/ 日 60 万トン 60 台 / 日 17 万 m2 90t/ 日 近畿ブロック近隣府県における災害廃棄物等発生量 兵庫 100~ 800 万 t 京都 20~700 万 t 滋賀 20~100 万 t 徳島 700~ 2,000 万 t 大阪 200~ 4,500 万 t 奈良 60~500 万 t 三重 900~ 3,200 万 t 和歌山 800~ 2,300 万 t 出所 ) 内閣府被害想定 (H25.3)

参考資料 -14-3. 災害廃棄物処理の工程別フロー (1) 災害廃棄物処理量の推計 初動期 大規模災害発生 1 被害状況の把握 緊急対応 道路啓開 応急対応 2 災害廃棄物発生量の推計 3 必要能力の算定 組織体制の構築へ 収集運搬 仮置 処理処分の計画へ 実行計画の作成 復旧復興 4 処理の進捗等に応じた災害廃棄物推計量の見直し 収集運搬 仮置 処理処分の調整 (2) 運ぶ力 ( 収集運搬 ) の確保 初動 被害状況の把握 大規模災害発生 1 緊急対応 道路啓開 応急対応 必要能力の算定 仮置場の確保 2 必要な車両 重機 燃料の確保 3 収集運搬管理の体制 4 収集運搬の実行 管理 実行計画の作成 復旧復興 災害廃棄物量の見直し

参考資料 -15-3. 災害廃棄物処理の工程別フロー (3) 置く力 仮置場等の確保 運営 初動期 被害状況の把握 大規模災害発生 1 緊急対応 道路啓開 必要能力の算定 2 必要な仮置場の確保 確保済用地 既選定候補地 応急対応 組織体制の構築 ( 不足 ) 他の県有地等 3 仮置場運用管理体制 収集運搬 処理処分の計画へ 実行計画の作成 4 仮置場運用管理 復旧復興 5 終了後 原状復旧 (4) 処理する力 処理施設等の確保 初動期 発生量の推計 大規模災害発生 1 被害状況の把握 応急対応 必要能力の算定 収集運搬 仮置場の確保 破砕選別 焼却対象物 2 焼却能力等の確保 資源化物 3 資源化先の確保 5 処理処分 資源化の発注 契約 最終処分物 4 処分先の確保 実行計画の作成 6 既設処理 7 仮設施設整備 復旧復興 9 仮設処理実施 12 跡地の原状復旧 8 県外広域処理 10 資源化実施 11 処分実施

参考資料 -16-3. 災害廃棄物処理の工程別フロー (5) 住民の生活確保 被害状況の把握 大規模災害発生 1 避難者数 避難所設置場所把握 初動期 2 生活ごみ し尿収集能力 ( 仮設トイレ バキューム車 パッカー車等 ) の確保 3 生活ごみ し尿処理能力 ( 施設 ) の確保 実行計画の作成 4 収集 処理の実施 応急対応 5 住民への広報 6 仮設トイレ増設 7 施設復旧 受入 復旧復興 8 避難所等の閉鎖 以後 通常処理へ (6) 環境モニタリング等の実施 環境モニタリング 災害廃棄物の処理 処分に伴う 環境への影響を低減するため 災害廃棄物の運搬経路 仮置場 処理施設等を対象に 大気質 騒音 振動 土壌 臭気 水質等の環境モニタリングを行う 環境保全対策 悪臭や害虫が発生した場合は 消臭剤や脱臭剤 殺虫剤の散布 シートによる被覆等の対応を検討する 薬剤の散布にあたっては専門機関に相談のうえで実施する 災害廃棄物の仮置場の火災の未然防止措置として 災害廃棄物の積み上げ高さの制限 消火活動が可能な面積 間隔の確保 散水の実施 堆積物の切り返しによる放熱 ガス抜き管の設置などを実施する また 日常から 温度監視 一定温度上昇後の可燃ガス濃度測定を行う 仮置場等の火災の発生に備えて 消火栓 防火水槽 消火器の設置 作業員に対する消火訓練を実施する 万一火災が発生した場合は 消防と連携し 迅速な消火活動を行う

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