為替相場が動く時間帯について 下図は 為替相場の1 日 24 時間の市場ごとのオープン時間帯の一覧です 為替は市場規模で言えば ロンドン市場 ニューヨーク市場がもっとも大きく 一般論として 当然これらの市場が重なっている時間帯がもっとも市場参加者 取引規模が大きくなり 一番動きやすいということになります 以下では 為替相場変動時間帯についての一般論を述べます 為替が最も動く時間帯 為替マーケットは 24 時間動いていますが 値動きが活発な時間帯と そうでない時間帯がありま す 24 時間 常に監視することは事実上不可能ですし 特徴は知っておいた方が取引に有利です
取引量の多い時間帯ほど為替変動が起こりやすい 為替レートは 通貨の需要と供給のバランスによって 随時変動します 買う人の方が多ければ値段は上がりますし 売る人の方が多ければ値段は下がります 買う人の方が多かったとしても それがごくわずかであれば 変動もごくわずかにしかなりません 買う人の方が圧倒的に多ければ 変動もその分大きくなります 例えば ある時間帯で ドルを買いたいという人が 10 人 売りたい人は 9 人しかいないとします この場合 買い のほうが多いですが たったの 1 人ですのでレートにはそれほど影響しません ですが 今度は違う時間帯で 買いたい人が 10 万人 売りたい人が 9 万人いたとします 先ほどと人数の比率は同じですが 今回は 買い のほうが 1 万人も多くいることになるので 先ほどよりもレートは動きやすくなります このように 為替相場は取引が活発に行われる時間帯ほど変動しやすい特徴があります 厳密にいうと 取引人数ではなく取引量に関連するのですが 取引する人が多くなれば必然的に取 引量も増えていきます 取引量の多い時間帯 それでは 為替取引が最も活発に行われる時間帯を考えてみましょう 為替取引は日本国内だけではなく 世界中で行われているので 世界に目を向けて考える必要があ ります 世界 3 大市場といわれているのは 取引量の多い順に ロンドン市場 ニューヨーク市場 東京市 場です
各国には それぞれ時差があるので この 3 大市場が全て開いている時間帯はないのですが ロ ンドン市場と東京市場 ロンドン市場とニューヨーク市場 でそれぞれ重なる時間帯があります ロンドン市場と東京市場の重なっている時間帯は 日本時間でいうと夕方にあたり この時間帯は 日本以外にも香港やシンガポールの市場もまだ残っているので取引は盛んに行われます 次に ロンドン市場とニューヨーク市場の重なっている時間帯ですが この時間帯は1 日の中で最も活発に取引が行われる時間帯です 日本時間でいうと 午後 9 時 ~ 午前 2 時にあたります 取引量が多いので値動きも激しく デイトレ派に最も好まれている時間帯です この時間帯は 米国経済指標の発表がされることも多く 為替を動かす要因のひとつになります 取引量の少ない時間帯 取引量の最も少ない時間帯は 日本時間の早朝です 世界 3 大市場の ロンドン市場 ニューヨーク市場 東京市場は開いていませんし この時間帯に 開いている市場はオセアニア勢の市場です オセアニアの市場というと オーストラリアのシドニー市場やニュージーランドのウェリントン市 場がありますが 世界 3 大市場と比べると規模も小さいですし 他国の市場がまだ開いてないため 取引量も少なく為替変動は起こりにくい時間帯です 東京市場のニュースで為替相場は動く? 日中忙しいサラリーマンの場合 ユーロ圏の市場が動きやすい夕方や東京市場が開いている日中は リアルタイムに参戦することはなかなか困難です ところが 興味深いことに 東京市場ではさほど為替相場に影響を与えなかった日本国内のニュー スが NY 市場が始まってから材料視され値が大きく場合もあるのです
というのは それを材料視する多くの欧米のトレーダーは 日本時間の夜に行動するからです よって 為替を動かすような日本国内の大きなニュースを日中に聞いたからといっても チャンス を逃したと考えることはありません ロンドン市場の閉場までは為替相場は動いている NY 市場が賑わうのは日本時間の夜 9 時頃からですが その時間帯だけ大きく動くというわけでは ありません 重要経済指標の発表前後以外あっても 当然大きく為替レートは変動し続けています つまり 特に動きやすい時間帯というのはあるものの 丁寧にレートを見続けていれば 一日の中 でもレートが動く時間というのは日によって異なるのです ロンドン市場が閉場する深夜 2 時くらいまでは どの時間帯でも為替相場はそれなりに動いている ということです なお 深夜の 2 時以降は 一定の流れが決まり大きく上下する可能性は低いと言えます 為替相場変動時間帯についての個人的な見方 上記で説明した内容は 長めの時間足で見た場合のトレンド観察的変動時間帯の一般論だと考えますので デイトレやスキャル取引において特別の情報とはならないものだと思います 特に スキャル取引においては1 回の取引で数 pips の利益獲得ということを考えれば 日々の大きな波の傾向よりも その大きい波を構成している中波 小波の発生しやすい時間帯を知ることのほうが重要なことだと言えます 以下では この日々の中波 小波の発生しやすい時間帯について 今までの経験を通して感じたことを述べてみたいと思います
各市場のオープニング時間 市場切り替え時間は動きやすい 日々の為替市場はオセアニア市場がオープン時間となります オセアニア市場そのものは規模的に小さいのですが やはりオープン時は動きやすく 特に週明けのオープン時は前週末の終値よりも乖離して始まるなど不安定な動きになることが多いものです 取引としては オープン後少し落ち着いた動きになってからスキャル取引されたほうが安全だと言えます 世界の為替三大市場のドルの価格決定時間近辺は動きやすい 世界貿易の基軸通貨であるドルのその日の取引価格を 各国のメガバンクが決めることを 日本では仲値 イギリスならロンドンフィキシングなどと言われます 日本 イギリス 米国という為替三大市場での その日の価格決定時間帯前後では ドル売買需要が大きくなり 為替相場が動きやすい時間帯となります 仲値は 午前 10 時近辺 ロンドンフィキシングは深夜の1 時前後です アジア 欧州 米国の株式市場オープン時は動きやすい 株価動向で動きやすい通貨は 高金利通貨と言われるクロス円です クロス円の上下と連動して米ドル円が動きやすいという相関関係があります したがって 世界経済の中心的存在である日本 中国を中心とするアジア市場 ドイツ フランスを中心とする欧州市場 そして 取引規模で最も大きいニューヨーク市場の株価オープン状況でクロス円が動きやすく 米ドル円も連れやすいということになります ただ ニューヨーク市場については 先行的に株先物動向で予想されやすく 時間外取引の米国株先物動向も大きい為替変動要因となっております 株式市場オープンは アジア市場は午前 9 時近辺 欧州市場は午後 5 時近辺 米国市場は午後 9 時近辺です なお 欧米市場時間については 冬時間は1 時間遅れた時間で考えてください
米国の株価先物の時間外取引相場で動きやすい 米国株先物動向は 株価のニューヨーク市場オープン状況に直接反映されやすい要因であり ニューヨーク市場オープン前の米国株先物の時間外取引動向はクロス円の変動要因となり 米ドル円が連れる要因となります クロス円は 株先物が低調なら売られ 好調なら買われやすいという傾向になり 米ドル円もそれに連れた動きになりやすい傾向になります その時に世界的な関心が強い事案についての情報で動きやすい これは 現在の例でいうならギリシャやイタリアなどの欧州債務問題が該当します マーケット参加者が 日々欧州問題についての情報に敏感に反応した心理状態となり それらの情報に逐次敏感に反応し 為替相場 株式相場もその都度敏感に反応 変動するということになります 株が動けば為替に反応し 為替が動けば株価に反映するという相互関係にあり 特に問題の中心的該当国の為替相場に敏感に反映されます 現在のユーロの動きをみれば一目瞭然です 以上 デイトレやスキャル取引においては 上記のことを為替変動時間帯 変動要因として関心と 注意を払っていただければよいと思います 最後に 上記のことに神経質になりすぎて ロボチャートサイン確定でエントリーしない できないということにならないようにしてください どんな相場であろうが システムトレード取引で従うべきは ロボチャートサインと MACD クロスサインセットのシグナルなのです 利食い 手仕舞の時に その時間帯では伸びやすいかどうか程度の参考にすればよいと考えます 以上 ロボ倶楽部