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[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

( 団体名 ) 9 楽しい 役立つカンファレンス ~ 目的に応じた進め方 ~ 講義と演習 事例検討会 ケアプランカンファレンスなど対人援助の場で実践される事例検討会の進め方を習得する 目的に応じた進め方を意識し 参加者にとって役立つ 参加が楽しくなるカンファレンスのありかたを習得する 90~240

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いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

5. 対象者に対する態度研究者は 対象者の心身の安全に責任を持たなければならない 研究に参加することによって心身の問題や対人関係上の問題が対象者に生じないよう十分に配慮する必要がある また 年齢 性別 人種 信条 社会的立場などの属性にかかわる対象者の人権を尊重しなければならない 6. インフォーム

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Ⅰ. クリニカルラダー ( 看護師の実践能力段階的システム ) について クリニカルラダーは 看護の質の向上 を目的に 臨床ナース一人ひとりが臨床における看護実践能力を高められるよう支援していくシステムであり 看護実践能力は 基礎教育で学習して知識 技術をもとに 実際に臨床で経験する中で知識を積み重

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2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

2. 資産運用分野における MUFG フィデューシャリー デューティー基本方針 行動規範 1-1 誠実な行動私たちは 常にお客さま本位で考え 公正 透明な企業活動を誠実に行います 私たちは お客さまの資産を適切に取り扱い お客さまの利益が不当に損なわれることがないよう適切に対応します (1) お客さ

適切な自己表現 双方向の意思疎通を図る能力 自己評価 評価の根拠 1 上司 先輩などの上位者に対し 正確にホウレンソウ ( 報告 連絡 相談 ) している 自分の意見や主張を筋道立てて相手に説明している 相手の心情を配慮し 適切な態度や言葉遣い 姿勢で依頼や折

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

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はじめに 宅地建物取引業は さまざまな個人情報を取り扱う職種であり 宅地建物取引業法第 45 条には業者の 秘密を守る義務 が明記されています 平成 17 年 4 月に 個人情報の保護に関する法律 いわゆる個人情報保護法が完全施行され 個人情報を保護するための法整備がなされました また今般 同法改正

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都市監査基準第 1 章総則 ( 本基準の目的 ) 第 1 条都市監査基準 ( 以下 本基準 という ) は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 以下 法 という ) 地方公営企業法( 昭和 27 年法律第 292 号 以下 公企法 という ) 及び地方公共団体の財政の健全化に関する法律

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求職者と企業を繋ぐ支援ツールであるジョブ カードが 在職者 学生にも使いやすくなりました ジョブ カードは キャリア プランシート 職務経歴シート 職業能力証明シート で構成されており キャリアコンサルティング ( P23) 等の相談のもと生涯を通じた キャリア プランニング ( 職業生活設計 )

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キャリア コンサルタント行動憲章 は 2004 年 7 月にキャリア コンサルタントのあるべき姿 活動の指針を示すことを目的に制定されました 以下に掲載する キャリア コンサルタント行動憲章 は 協議会のアーカイブ ( 記録文書 ) として皆さまにご参照いただけるよう 公表しております なお 当協議会は 2016 年 4 月 1 日に新たに キャリアコンサルタント倫理綱領 を制定しました https://new.career-cc.org/sitemap/download/rinrikouryou.pdf 2016 年 12 月特定非営利活動法人キャリア コンサルティング協議会 キャリア コンサルタント 行動憲章 特定非営利活動法人キャリア コンサルティング協議会

序文 キャリア コンサルタントの養成等に関わる各機関は それぞれの枠を超えて相互に協力し キャリア コンサルタントの資質の確保及びキャリア コンサルティングの普及啓発を図り 個人の主体的なキャリア形成と職業生活の充実 ひいてはわが国の雇用の安定に貢献することを目的に キャリア コンサルタント養成講座 能力評価試験実施機関連絡協議会 を 2004 年 3 月に設立し 2006 年 4 月に名称をキャリア コンサルティング協議会と変更し 2007 年 8 月に特定非営利活動法人キャリア コンサルティング協議会 ( 以下 協議会 と称す ) となった 協議会では その目的を推進するにあたり 目指すべきキャリア コンサルティングのありかた キャリア コンサルティングを担うキャリア コンサルタントのあるべき姿 ビジョンを明らかにすることが必要であるとの認識から キャリア コンサルタント行動憲章 を採択した 協議会の各機関においては それぞれキャリア コンサルタント養成講座及び能力評価試験を独自の考え方に基づいて実施し その資格呼称も様々であるが キャリア コンサルタント行動憲章 は それらの単なる最大公約数的なものではなく わが国独自のキャリア コンサルティングのあり方とは何か プロフェッショナルとしてのキャリア コンサルタントとはいかなる人材か という視点から生まれたものである わが国独自のキャリア コンサルティング の基礎となり 多大な影響を受けているのは 米国 ( アメリカ ) のカウンセリングの考え方である アメリカのカウンセリングは職業カウンセリングを発祥として いまや 1 世紀の歴史を歩み 今も進化を続けている 一方 わが国の キャリア コンサルティング は歩み始めたばかりである その歩を進めるにあたって 日本的経営 が アメリカ企業に影響を与えたように わが国のキャリア コンサルティング がアメリカのカウンセリングに影響を与えるほどの質の高さを追求する気概を持ち続けていきたい この キャリア コンサルタント行動憲章 は わが国の文化や国民性に根ざした わが国独自のキャリア コンサルティングの確立 を目指すうえでのキャリア協議会一致の目標として掲げるものである 協議会としては この目標を実現するため キャリア コンサルタントのあるべき姿 ( 行動原則 ) を明確化し その上でキャリア コンサルタントが行う具体的活動と守るべき共通倫理 ( 行動規律 ) を定めた 協議会加盟の全団体は キャリア コンサルタント行動憲章 に則り キャリア コンサルタントの養成と能力向上に努めるとともに キャリア コンサルティングの普及啓発に尽力することを宣言する

キャリア コンサルタントの行動原則 1. キャリア コンサルティングの本質を理解し 自己研鑽を行い 活動する キャリア コンサルティングの本質は 相談者のキャリア形成に関する問題 すなわち 相談者が自分の人生をどう生きていくか 人生計画に関わる問題や人生を歩むプロセスにおいて直面する問題の解決を支援すること である キャリア コンサルタントは 個人の人生に関わるとはどういうことか を自問し 個人の人生に関わっていくということ を十分に理解するとともに その責任の重要性を自覚し 絶えざる自己研鑽を積み 活動する 2. 相談者の 自分らしさ の追求と 問題解決の支援を行う キャリア コンサルティングの目的は 相談者が自分で自分の問題を解決することであり 相談者自らが本来持っている自分らしさに気づき 自分らしさを発揮して生き生きと活動すること すなわち 相談者が自分自身の存在価値を追求することができるよう支援すること である キャリア コンサルタントは このキャリア コンサルティングの目的を明確にしたうえで 支援活動を行う 3. 個人では対処できない環境の問題を発見し 改善する キャリア コンサルティングの対象は 相談者個人及び地域 組織 家族 対人関係やシステムなどの個人を取り巻く環境 である キャリアはこの環境の中で培われるものであることを キャリア コンサルタントは十分に認識する必要がある 相談者の問題が個人に対する支援だけでは解決できない環境の問題である場合には その問題を発見し 環境に働きかけて 環境を改善していく活動を行う 4. 自己の経験や自説にこだわることなく 相談者の視点に立って 活動する キャリア コンサルティングの方法については 相談者の特性や抱える問題によって 適切な方法を選択して 実施することが必要である キャリア コンサルタントは自身の能力の限界 任務の範囲を自覚したうえで 相談者の悩みを傾聴することによって真摯に受け止め 適切な情報提供 アドバイスや 必要に応じて他の専門家への紹介 委嘱を行う キャリア コンサルタントは自己の経験や自説 持論にこだわることなく 相談者の視点に立って活動する 5. 客観的な評価を行い 適切な指導を受けることによって 活動の質を高める 実施したキャリア コンサルティング活動が相談者にとって適切であったかを常に評価 検証する 評価 検証は自己評価や相談者の評価だけではなく 相談者のプライバシー保護を前提に 適格な第三者による客観的な評価を受ける 新たに取り組むべき課題については 適切な指導なども受けながら課題克服に努め 今後のキャリア コンサルティング活動の質を高めていく

キャリア コンサルタントの活動 キャリア コンサルタントの行動原則 に基づき キャリア コンサルタントが行う主な活動は 以下のとおりである なお 4. スーパービジョン は キャリア コンサルタントが十分な経験を積んだうえで さらに一定の能力を習得した 指導レベルのキャリア コンサルタント ( スーパーバイザー ) の活動として また 5. 自己研鑽 は すべてのキャリア コンサルタントが自分自身の能力の維持 向上のための活動として整理している 1. カウンセリング活動 キャリア コンサルタントは キャリア開発及びカウンセリングに関する知識 スキルを用いて カウンセリングを行う カウンセリングの形態は 1 対 1 の個別面接 グループ単位での面接 電子メールや電話を活用した オンライン カウンセリング がある 相談者の特性やテーマによって選定されたカウンセリングの形態において カウンセリングを効果的に行う 2. 教育 普及活動 キャリア コンサルタントは キャリア開発に関する講演 研修を企画 実施し また キャリア コンサルティングに関する知識 スキルを教育 指導するほか 個人の主体的なキャリア形成 の重要性を広く社会一般に普及する活動を行う 3. 環境への働きかけ キャリア コンサルタントは キャリアは環境 ( 地域 組織 家族 対人関係やシステムなどの個人を取り巻く環境 ) との相互作用によって培われるものであるという観点から 環境に対し 相談者個人に対する支援だけでは解決できない環境の問題の発見や指摘 改善の提案等の働きかけを行う 4. スーパービジョン 指導レベルのキャリア コンサルタント ( スーパーバイザー ) は キャリア コンサルタントが抱える個別問題の本質を理解したうえで キャリア コンサルタントの相談者に対する対応が適切かどうか判断し 相談者に対する支援の適切さ あるいは不十分さ 自己の問題点等に気づかせ より高度な視点から指導してキャリア コンサルタント自身による問題解決を促すことを行う 5. 自己研鑽 キャリア コンサルタントの活動を支えるのは 不断の自己研鑽である プロフェッショナルとして求められる態度 知識 スキルの修得には終わりがない 質の高い援助を提供するためには 新しい考え方や理論も学び 常に自分自身の能力を磨く姿勢をもって自己研鑽する また この自己研鑽の結果 相談過程を通じて キャリア コンサルタント 相談者ともに人間として成長するものであることを理解する

キャリア コンサルタントの行動規律 第 1 条 ( 基本理念 ) キャリア コンサルタントは その職務を行うにあたり 自己決定権 プライバシー権等の相談者の権利の尊重を基本理念として 公正かつ客観的な提案や助言をするようにしなければならない 2 キャリア コンサルタントは 相談者の長期 持続的利益を優先的に考えて行動しなければならない 第 2 条 ( 適正な職務 ) キャリア コンサルタントは 相談者をその国籍 性別 年齢 信条等によって差別することなく 依頼を引き受け 常に公正な態度をもって職務を行い その信頼を保持しなければならない 2 キャリア コンサルタントは 自己の研究目的や興味のためにコンサルティングを利用してはならない 第 3 条 ( 守秘義務 ) キャリア コンサルタントは 職務上知り得た資料 情報については その秘密を厳重に保持し 正当な理由なく他人に漏らしたり 利用したりしてはならない 2 キャリア コンサルタントは事例や研究の公表に際して プライバシーの保護に留意し 相談者の不利益にならないよう 適切な手続きをとらなければならない 第 4 条 ( 任務の範囲 ) キャリア コンサルタントは 能力以上の仕事を引き受けようとしてはならない 自己の能力の限界を自覚し 必要に応じて他の分野の専門家の協力を受けるほか 専門家の紹介やそれへの委嘱を行わなければならない 第 5 条 ( 情報開示 ) キャリア コンサルタントは 相談者に対しコンサルティングの目標 範囲について 必要かつ十分な説明を行い 十分な理解を得てから職務をすすめなければならない 第 6 条 ( 誇示 誹謗の禁止 ) キャリア コンサルタントは 自己の業績を過大に誇示したり 他のコンサルタントまたは団体について 誹謗したりしてはならない 第 7 条 ( 利益の保護 ) キャリア コンサルタントは 相談者の利益が最大になることに専念し 相談者以外の自己および第三者の利益を優先させてはならない 第 8 条 ( 料金 ) キャリア コンサルタントは 料金の発生する場合は 相談者に対し 料金について事前に説明し その同意を得なければならない また 料金を変更する場合も 両者が同意の上で行わなければならない 第 9 条 ( 倫理の遵守 ) キャリア コンサルタントは 本行動規律を十分に理解し 違反することがないように常に注意しなければならない 2004 年 7 月制定 (2008 年 10 月 06 日修正 ) 以上