モバイルネットワークへの 仮想化技術適用の取り組み 2014 年 10 月 14 日 NTT ドコモ執行役員 R&D 戦略部長 中村寛 2014 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.
1 1. 今回の報道発表内容 2. ネットワーク仮想化のメリット 3. 商用化への取り組み
2 1. 今回の報道発表内容
1-1. 仮想化技術とは 3 仮想化とは機器の物理的な構成にとらわれずに 論理的に利用できる技術である ウェアの効率的な利用や柔軟な運用を可能とする 仮想化技術の適用前 仮想化技術の適用後 仮想 HW 仮想 HW 仮想 HW 仮想 HW HDD HDD 物理ウェア HDD 物理ウェア 1 容易 2 分割 3 切替 に追加 (1つを2つに) ( 別なHWに ) (Hypervisor) 凡例 故障 HDD HDD HDD HDD HDD HDD HDD HDD CPU( 処理装置 ) HDD ストレージ 物理ウェア群 ( 共用 )
1-2. ネットワーク仮想化技術による改善 4 ネットワーク仮想化により 汎用を共用してシステムを実現 ネットワーク仮想化技術の適用前 ネットワーク仮想化技術の適用後 パケット交換機 (EPC) ( 専用 ) 音声交換機 ( 専用 ) パケット交換機 (EPC) ( 汎用 ) 音声交換機 仮想的な ( 汎用 ) 状態通知 指示 各が専用上でのみ動作 さまざまなが汎用を共用可能 : にインストールするであり ハイパーバイザ とも呼ばれる の CPU やメモリなどのリソースを用いて 複数のシステム内を柔軟に配置 実行できるようにする : のリソースを管理し やから得た容量逼迫 故障に関する情報をもとに 自動的なの切替や追加割当の指示を行う
1-3. モバイルネットワークにおける実証実験のターゲット ネットワークには 多くのシステムが存在し それぞれ特定のベンダーが 一体で提供 今回はパケット交換機 (EPC) へのネットワーク仮想化技術適用の実証実験に成功 5 音声交換機 位置情報管理装置 パケット交換機 (EPC) 留守番電話蓄積装置等 ネットワーク仮想化を適用 IP ルーター網 基地局 無線エリア
1-4. 今回の報道発表内容 6 ネットワーク仮想化技術 の複数ベンダーを組合せた実証実験に成功 仮想化プラットフォーム作りを進め 2015 年度の商用化をめざす 実証実験 世界主要ベンダー 6 社と 複数ベンダーの技術を組み合わせた業界最大規模の実証実験に成功 ウェアとして EPC を使用 パートナーベンダー Alcatel-Lucent ファーウェイ シスコシステムズ 日本電気株式会社 エリクソン ノキアソリューションズ& ネットワークス 実験の意義 通信設備を構成するおよびをベンダーを問わずそれぞれ自由に組み合わせてシステム構成可能であることを確認 ベンダー A (EPC) ベンダー C (EPC) ベンダー B (EPC) ベンダー B ベンダー B ベンダー D 今後の取組み 業界団体での活動を通じ 仮想化プラットフォームづくりを進め 2015 年度に ネットワーク仮想化技術 の商用化をめざす
7 2. ネットワーク仮想化のメリット
2-1. ネットワーク仮想化のメリット 8 メリット 1 通信混雑時のつながりやすさの向上 メリット 2 通信サービスの信頼性向上 メリット 3 サービスの早期提供 メリット 4 ネットワーク設備の経済性向上 上記メリット最大化のためには 複数ベンダー装置の組み合わせが必要
2-2. メリット 1 通信混雑時のつながりやすさの向上 9 自動的に通信設備の容量を追加し つながりやすさを向上 ネットワーク仮想化技術の適用前 ネットワーク仮想化技術の適用後 容量追加 輻輳 規制 容量逼迫 追加指示 イベント 災害発生 イベント 災害発生 輻輳時には規制を実施 自動で容量追加し つながりやすさを向上
2-3. メリット 2 通信サービスの信頼性向上 10 故障時に 二重化運転への自動復帰により高い信頼性を実現 ネットワーク仮想化技術の適用前 ネットワーク仮想化技術の適用後 故障発生 稼働中 予備 故障発生 稼働中 予備 二重化運転に自動復帰 稼働中 切替後 修理完了まで二重化されていない 稼働中 予備 故障 切替指示 自動で二重化運転に復帰する 高い信頼性を実現
2-4. メリット 3 サービスの早期提供 11 の準備が不要なため 迅速なサービス提供が可能 ネットワーク仮想化技術の適用前 の計画 工事が必要 ネットワーク仮想化技術の適用後 共用を用いて 迅速なサービス提供が可能 サービス準備開始 サービス準備開始 計画調達工事インストール 設定 インストール 設定試験 サービス開始 試験 サービス開始
2-5. メリット 4 ネットワーク設備の経済性向上 12 汎用が共用可能となり ネットワーク設備の経済性を向上 ネットワーク仮想化技術の適用前 ネットワーク仮想化技術の適用後 専用 専用 ( 故障交換用 ) ( 故障交換用 ) 汎用汎用 汎用 高価な専用 故障交換用に専用 専用毎のメンテナンス 低コストな汎用 自動切替用に共用 統一的なメンテナンス
2-6. 複数ベンダー装置の組合せによるメリットの最大化 ウェアと仮想的なウェアが 異なるベンダーの組み合わせで動作可能とする - 異なるベンダー間でもが共用可能となり 通信設備利用の効率化の点でメリット最大化 - エコシステムが変革され ネットワーク業界を活性化 13 単一ベンダー 複数ベンダー組合せ ベンダー A ( 予備 ) ( 予備 ) 輻輳 ベンダー A 用に 1 台の予備 ベンダー B 故障 輻輳 or 故障 ( 予備 ) ベンダー A 設備利用の効率化 ベンダー B ベンダー B 用に 1 台の予備 ベンダー X ベンダー A ベンダー B ベンダー X 新サービス追加 ( 予備 ) 新サービス 新サービス追加 ( 新サービス ) 全体を追加する必要あり すでにある上にシステムを追加可能 2014 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.
14 3. 商用化への取り組み
3-1. ドコモの取り組み 15 2005 年より ネットワーク仮想化 の基礎研究を開始 標準化活動や実証実験を経て 2015 年度の商用開始をめざす 2005 年 ~ 2012 年 ~13 年 2013 年 11 月 ~ 2014 年 4 月 ~ 2015 年度 ネットワーク仮想化の基礎研究に着手 総務省受託研究 大規模災害時等により発生する通信混雑を緩和する技術研究 3 社との単一ベンダー実証実験 ( 前回報道発表 ) 6 社との複数ベンダー 組み合わせ実証実験 ( 今回報道発表 ) 商用化 2012 年 11 月 ~ ETSI ISG NFV で活動 2014 年 9 月 ~ OPNFV で活動 ( 今回報道発表 ) 2014 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.
3-2. 業界団体における取り組み 16 ドコモはこれまで ETSI ISG NFV にてネットワーク仮想化の検討をリード 9 月に設立した OPNFV にて仮想化プラットフォームの実装を推進 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 ETSI ISG NFV 2012 年 11 月設立 232 社が加入 (2014/10/7 現在 ) 機能 アーキテクチャ策定 ドコモは副議長を務めるなど主導的な活動 連携 Open Platform for NFV 2014 年 9 月設立 40 社が加盟 (2014/10/7 現在 ) オープンソースでの仮想化プラットフォーム作り ドコモは最上位メンバー 17 社の一員 ETSI: 欧州における電気通信の標準仕様を策定するための団体 欧州電気通信標準化機構 ETSI ISG NFV (Industry Specification Group-Network Functions Virtualisation): 通信ネットワークを仮想化するため基本仕様 アーキテクチャ等を策定するグループ
3-3. ネットワークの将来像 将来的には ネットワーク全体への仮想化適用を進めていく 17 今回のネットワーク仮想化の適用範囲 将来的なネットワーク仮想化の適用範囲 音声交換機 位置情報管理装置 パケット交換機 (EPC) 留守番電話位置情報蓄積装置等管理装置 音声交換機 パケット交換機 (EPC) 留守番電話蓄積装置等 IP ルーター網 IP ルーター網 基地局 基地局 無線エリア 無線エリア
18 ~ ネットワーク業界のエコシステムを変革 ~ 世界最高の 強さ と しなやかさ を 併せ持つネットワークへ
本資料に記載されている会社名 製品名などは該当する会社の商標または登録商標です本資料に記載されている通信速度は 受信時最大の数値です技術規格上の最大値で 通信環境等により変化します