夏期節電手法のご紹介 今夏の節電を実施する際の具体的な手法をご紹介いたします 実行しやすく, すぐ取り組める 事例を中心に計算例やも合わせて記載しております 本手法をに, 確実な節電を実施してくださいますようお願いいたします ご注意 一定の条件で試算しておりますので, 施設の利用状況や運用状況等によって実際と異なる場合がございます 安全衛生および管理上において, 不適切なものとならないようご注意ください 設備ページ 照明空調コンセント 動力コンプレッサー冷凍冷蔵 照 1~12 空 1~11 共 1~11 コ 1~5 冷 1~8 監修東北大学教授工学博士吉野博 東北電力株式会社 (rev.2.0 版 )
夏期節電手法のご紹介 に関する資料の見方 節電メニューの説明 節電メニューの概要について説明しています 計算例 節電効果をお客さま自身にて理解し試算できるよう, 試算条件や計算式等を記載しております ( 注 : ある条件下による試算事例であり, 各々の建物の運用状況等によって節電効果は異なります ) 実際に節電を実施するにあたり, 留意すべき事項を記載しております 項目 ユーティリティ毎に資料を編集しております 照明, 空調, コンセント 動力 など 空調 編 運用 メンテ チュー 改善 ナンス ニング 冷房時, エアコン設定温度を高くすると節電になります 朝 9 時 ~ 夜 8 時の間に空調の設定温度見直しをすると... ( 空調面積 3,500m 2 相当の事務所ビルの事例 ) 約 13kW 量約 3,500kWh 設定温度 26 28 計算式 : (kw)= 定格消費電力 ( 設備分 ) 最大負荷率 削減効果量 (kwh)= 対象時間 対象日数 期間平均率 定格消費電力 ( 設備分 ):122kW( パッケージエアコン 8HP 1 台,18HP 7 台 ) 最大負荷率 :70%( 仮定 ) 期間平均率 :40%( 仮定 ) 削減効果 :15%( 小規模事務所ビルの場合 ) 対象日数 :63 日 / 年 (7~9 月の平日のみ ) [ 実際の試算においては, 設備の余裕度や同時使用率などお客さまの運用状況を考慮した数値をお使い下さい ] DM 警報 節電項目の分類 目標として室温が 28 より低くならないよう心掛けてください ビル管法などの法令を超えた過剰な取組みとならないようご注意ください 電気室やサーバー室などは, 設置機器の保護温度 ( および実際の室内温度 ) を確認し, 温度設定してください DM 制御 節電項目について,,,, の 4 項目に分類しております 左側より実行しやすく, すぐ取り組める順に並んでおります DM 警報 設定温度の見直し : 空調の設定温度の見直しなど運用ルールを見直しすることで節電できる項目 ( 原則, 無償で対応可能 ) : 空調室外機の清掃などの ( 点検や日常手入れなど ) により機器性能を保持 回復することで節電が期待できる項目 : 建物の実情に合わせ制御方法を調整するなどの対応により節電できる項目 : 設備を高効率機器に更新することで節電できる項目 デマンド監視装置に対応可能な節電メニューの場合に記載しております DM 警報 : デマンド監視装置の警報が発報した際に手動による負荷遮断の対応が可能な節電メニュー DM 制御 : デマンド監視装置を利用し空調設備の停止など自動制御可能な節電メニュー 設定温度 26 で運転中 事務所エアコンの温度設定変更前後 節電メニュー 設定温度 28 に変更 最大電力の低減率 ( 削減効果 ) ( 室温緩和 26 28 (2 )) 大規模事務所ビル 8% 小規模事務所ビル 15% ショッピングセンター 10% コンビニエンスストア 9% デパート 6% 大規模事務所ビル : 契約電力 500kW 以上 小規模事務所ビル : 契約電力 500kW 未満 ( 注 ) 設備や外気条件, ご使用方法等で低減率は変動します 日本サステナブル建築協会資料より 空 1 節電の効果や試算を実施する際にとなる写真やグラフなどを記載しております
コンプレッサー 節電手法 吐出圧力の低減 吸気温度の低減 運転台数の削減 吸気フィルターの清掃 エア漏れ止め ページ コ 1 コ 2 コ 3 コ 4 コ 5
吐出圧力の低減 コンプレッサー ( レシプロ型, スクリュー型等 ) の吐出圧力を低減することで節電できます ( 吐出圧力が下がるのに伴い, 消費電力 (kw) も下がります ) 吐出圧力の低減対策をすると... 計算式 : 約 5.2kW 量約 5,200kWh 吐出圧力 0.75MPa 0.65MPa (kw)= 消費電力 ( 設備分 ) 負荷率 削減効果 量 (kwh)= 対象時間 対象日数 消費電力 ( 設備分 ):129kW 負荷率 :50%( 仮定 ) 削減効果 :8%( 吐出圧力 0.75MPa 0.65MPa の場合 ) 所要 120% 100% 80% 8% 0.75MPa 0.65MPa 吐出圧力計と調整前後イメージ 吐出圧力と所要動力の関係 吐出圧力を0.1MPa 下げると, コンプレッサーの消費電力が約 8 % 削減します ( 右グラフ参照 ) 吐出圧力を低減するために, 末端使用圧力と必要配管圧力損失を考慮する必要があります 注意点として, 空圧制御機器の誤作動等を考慮し, 急激な減圧を避け, 少しずつ確認しながら実施することが大事です なお, ターボ型は本対策の効果がほとんどありません 動力比 60% 40% 20% 0% 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 吐出圧力ケ ーシ 圧 ( MPa ) 0.65 0.75 吐出圧力低減の効果省エネルキ ーセンター資料より コ 1
吸気温度の低減 コンプレッサーの吸気温度を低くすると節電になります ( 吸気温度が低いと空気密度が増し, 容積形圧縮機 ( レシプロ型, スクリュー型等 ) の場合は負荷を低減できるため消費電力 (kw) が下がります ) 吸気温度を低減すると... ショートサーキット 換気 換気ダクト設置 換気 量 約 0.6kW 約 650kWh 吸気 外気 ( 窓 ) 吸気 外気 ( 窓 ) 吸気温度 40 35 計算式 : (kw)= 消費電力 ( 設備分 ) 負荷率 削減効果 コンプレッサー コンプレッサー コンプレッサー室換気改善例 量 (kwh)= 対象時間 対象日数 消費電力 ( 設備分 ):129kW 負荷率 :50%( 仮定 ) 削減効果 :1% 吸気温度を5 下げると, コンプレッサーの消費電力が約 1% 削減します ( 右グラフ参照 ) コンプレッサーが屋内にある場合, ショートサーキットに注意し排熱が籠らないよう換気を工夫することが大事です 本対策は容積形圧縮機限定であり, ターボ型への効果はほとんどありません 1% 35 吸気温度を 10 低下により 2% 電力を削減できる ( 省エネルキ ーセンター資料 ) ことから,5 低下で 1% 削減として試算 吸気温度低減の効果省エネルキ ーセンター資料より コ 2
運転台数の削減 無負荷運転状態 ( アンロード ) が長く続いているコンプレッサーを停止することで節電になります ( 必要圧縮空気量に対し供給力 ( 運転台数 ) に余裕がある場合, 運転台数を減らすことで消費電力 (kw) が下がります ) 朝 9 時 ~ 夜 8 時の間に運転台数の削減対策をすると... 圧縮空気 圧力計 負荷側 約 2.8kW 量約 2,800kWh 11kW 22kW 22kW 37kW 37kW 運転機 5 台のうち, 無負荷運転状態が長く続く1 台を停止 無負荷 負荷 レシーバタンク 計算式 : (kw)= 消費電力 ( 対象設備分 ) 無負荷運転時の消費電力比量 (kwh)= 対象時間 対象日数 1 台停止 運転台数低減のイメージ 消費電力 ( 対象設備分 ):11kW/ 台無負荷運転時の消費電力比 :25%( 仮定 ) [ コンプレッサーの型式によって消費電力比は変わります ( 右グラフ参照 )] ( 消費電力比 ) 無負荷運転が長く続いていると思われる場合に有効な対策です 台数制御やインバータ機を導入することで更なる効果拡大が期待できます 無負荷 コンプレッサー制御方式と消費電力省エネルキ ーセンター資料より コ 3
吸気フィルターの清掃 コンプレッサーの吸気フィルターをこまめに清掃することで節電できます ( 吸気フィルターの差圧が小さくなると圧縮効率が上がり, 消費電力 (kw) も下がります ) 適時, 吸気フィルターの清掃をすると... 前 後 量約 820kWh 約 0.8kW 吸気差圧 4kPa 2kPa 吸気フィルター清掃前後の状況 計算式 : (kw)= 消費電力 ( 設備分 ) 負荷率 削減効果 量 (kwh)= 対象時間 対象日数 消費電力 ( 設備分 ):129kW 負荷率 :50%( 仮定 ) 削減効果 :1.25%( 吐出圧力 0.7MPa-G,4kPa 2kPa の場合 ) 1.25% 吸気差圧を 4kPa から 2kPa にできると, コンプレッサーの消費電力が約 1.25% 削減します ( 右グラフ参照 ) 新品時の初期圧力損失と最終圧力損失を認識し, 適切な差圧管理を行ってください 吸気フィルター清掃の効果 省エネルキ ーセンター資料より コ 4
エア漏れ止め フランジの接続部やドレントラップなどからの空気漏れを修理することで節電になります ( 生産に必要な圧縮空気のほかに無駄な漏洩空気分が加算されるため, 漏洩箇所を修理することで負荷運転時間が減ります ) 漏れ止めの修繕をすると... 計算式 : 約 5kW 量約 5,100kWh 漏れ箇所の修理 ( 孔径 1mm 10 箇所 ) (kw) 空気漏れ総量よりメーカーカタロク 値引用量 (kwh)= 対象時間 対象日数 漏洩空気仕様 : 吐出圧力 0.7MPa-G の時,1 箇所あたり ( 孔径 1mm) の漏れ量と数量 :68l/min,10 箇所 空気漏れ総量 0.68m 3 /min(5kw のコンプレッサー相当 ) 漏れ止め量が多い場合は, コンプレッサーを停止できる可能性もあります 漏れ止めにより配管内圧力低下を軽減でき, 吐出圧力の低減対策に繋がります 操業中は, 周囲の音で漏洩音が聞こえにくいため, 操業終了後や昼休みなど静かになった状態で調査したり, 漏洩空気発見装置 ( リークディテクタ ) や石鹸水などを使うことをおすすめします 漏れ空気量 (l/min[anr]) (l/min) フランジ部ドレントラップ部フィルター等接続部 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 よくみかける空気漏れ箇所 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 空気圧力 (MPa) (Mpa) 空気漏れ量省エネルキ ーセンター資料より 孔径 mm 0.5 1 1.5 2 2.5 3 4 5 コ 5