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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

審決取消判決の拘束力

にした審決を取り消す 第 2 前提事実 1 特許庁における手続の経緯被告は, 発明の名称を レーザ加工方法, 被レーザ加工物の生産方法, およびレーザ加工装置, 並びに, レーザ加工または被レーザ加工物の生産方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納したコンピュータが読取可能な記録媒体 とする特

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年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

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事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

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平成  年(オ)第  号

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

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7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

主文第 1 項と同旨第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 原告は, 平成 24 年 6 月 14 日, 発明の名称を 遊技機 とする特許出願をし ( 特願 号 請求項数 3 ), 平成 26 年 5 月 12 日付けで拒絶理由通知 ( 甲 8 以下 本件

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REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

 

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第24号-

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

最高裁○○第000100号

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

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平成25年5月  日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

1 特許庁における手続の経緯原告は, 名称を 5 角柱体状の首筋周りストレッチ枕 とする発明につき, 平成 20 年 10 月 31 日に特許出願 ( 本願 特願 号, 特開 号, 請求項の数 1) をし, 平成 25 年 6 月 19 日付けで拒絶

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認められないから, 本願部分の画像は, 意匠法上の意匠を構成するとは認めら れない したがって, 本願意匠は, 意匠法 3 条 1 項柱書に規定する 工業上利用する ことができる意匠 に該当しないから, 意匠登録を受けることができない (2) 自由に肢体を動かせない者が行う, モニター等に表示される

同法 46 条 1 項 1 号により, 無効とすることはできない, というものである 第 3 当事者の主張 1 審決の取消事由に関する原告の主張 (1) 取消事由 1( 商標法 3 条 1 項柱書該当性判断の誤り ) 審決は, 本件商標に関し, 願書に記載された指定商品又は指定役務に使用していること

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡 平成 29 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 13 日 判 決 原告株式会社コーエーテクモゲームス 訴訟代理人弁護士 佐 藤 安 紘 高 橋 元 弘 吉 羽 真一郎 末 吉 亙 弁理士 鶴 谷 裕 二

第 1 原告の求めた判決 特許庁が無効 号事件について平成 23 年 12 月 28 日に した審決を取り消す 第 2 事案の概要本件は, 被告の請求に基づき原告の本件特許を無効とした審決の取消訴訟であり, 当裁判所が取り上げる争点は, 実施可能要件及びサポート要件の充足性の

を構成し, その結果, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書の 工業上利用することができる意匠 に当たるか否かである 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 27 年 3 月 16 日, 意匠法 14 条 1 項により3 年間秘密にすることを請求し, 物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

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では理解できず 顕微鏡を使用しても目でみることが原理的に不可能な原子 分子又はそれらの配列 集合状態に関する概念 情報を使用しなければ理解することができないので 化学式やその化学物質固有の化学的特性を使用して 何とか当業者が理解できたつもりになれるように文章表現するしかありません しかし 発明者が世

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

平成22年 月 日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

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ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

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原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

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11総法不審第120号

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平成 28 年 10 月 11 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結の日平成 28 年 7 月 7 日 判 決 原 告 オーガスタナショナルインコーポレイテッド 同訴訟代理人弁護士 中 村 稔 同 松 尾 和 子 同 田 中 伸 一 郎 同訴訟代

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1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

号 以下 本願 という ) をしたが, 平成 23 年 10 月 26 日付けで拒絶査定を受けたので, 平成 24 年 1 月 31 日, これに対する不服の審判を請求するとともに, 手続補正書を提出した ( 以下 本件補正 という ) 特許庁は, この審判を, 不服 号事件とし

最高裁○○第000100号

異議の決定 異議 東京都荒川区東日暮里 3 丁目 27 番 6 号商標権者株式会社エドウイン 東京都渋谷区広尾 商標異議申立人 EVISU JAPAN 株式会社 東京都港区西新橋 1 丁目 18 番 9 号西新橋ノアビル4 階朝比 増田特許事務所代理人弁理士朝比

事件名

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

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1 原告の請求を棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 請求の趣旨 1 特許庁が無効 号事件について平成 25 年 5 月 9 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ( 当事者間に争い

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

で, 特許法 29 条 2 項に違反する等, としたものである 記 引用例 1 特開昭 号公報 ( 審判甲 1 本訴甲 4) 引用例 2 特開昭 号公報 ( 審判甲 2 本訴甲 5) イなお, 本件審決は, 引用例 1 には, 引用例 1 発明及び引用例 1 方法

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並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

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間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

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31 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 1 原告の求めた裁判 主文同旨 事実及び理由 第 2 事案の概要 本件は, 商標登録を無効とした審決の取消訴訟である 争点は, 商標法 4 条 1 項 10 号該当性 ( 引用商標の周知性の有無 ) である 1 特許庁における手続の経

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

に係る発明についての特許を無効とする 審判費用は, 被請求人の負担とする との部分を取り消す 第 2 事案の概要特許庁は, 原告の有する後記本件特許について, 被告から無効審判請求を受け, 原告が後記本件訂正により削除した請求項 6 及び9を除く請求項に係る発明について特許を無効とする旨の審決をした

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

目次 1. 訂正発明 ( クレーム 13) と控訴人製法 ( スライド 3) 2. ボールスプライン最高裁判決 (1998 年 スライド 4) 3. 大合議判決の三つの争点 ( スライド 5) 4. 均等の 5 要件の立証責任 ( スライド 6) 5. 特許発明の本質的部分 ( 第 1 要件 )(

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平成  年(行ツ)第  号

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令和元年 5 月 30 日判決言渡 平成 30 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 23 日 判 決 原告ジー エス エフ ケー シー ピー株式会社 被告ケーシーピーヘビーインダスト リーズカンパニーリミテッド 訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫

下 本件特許 という ) の特許権者である 被告は, 平成 23 年 11 月 1 日, 特許庁に対し, 本件特許を無効にすることを求めて審判の請求をした 特許庁は, 上記請求を無効 号事件として審理をした結果, 平成 25 年 9 月 3 日, 特許第 号の

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

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平成 11 年 ( 行ケ ) 第 300 号審決取消請求事件 ( 平成 12 年 10 月 2 日口頭弁論 終結 ) 判 決 原 告 A 原 告 B 原 告 C 原 告 D 原 告 有限会社マスダオプチカル 代表者代表取締役 E 原 告 有限会社マルモト総業 代表者取締役原 告 F G 原 告 H 原 告 I 原 告 J 原 告 株式会社松浦眼鏡所 代表者代表取締役 K 原 告 プラス ジャック株式会社 代表者代表取締役 L 原 告 山崎工業株式会社 代表者代表取締役 M 原 告 有限会社田島プラスチック 代表者代表取締役 N 原 告 O 15 名訴訟代理人弁護士 金井和夫 同 金井 亨 同 弁理士 P 被 告 株式会社長井 ( 旧商号 ) 株式会社長井芯張工業所 代表者代表取締役 Q 被 告 R 両名訴訟代理人弁護士同弁理士 藤井健夫 S 同 T 主 文 特許庁が平成 10 年審判第 35199 号事件について平成 11 年 7 月 7 日にした審決を取り消す 訴訟費用は被告らの負担とする 事実及び理由 第 1 当事者の求めた判決 1 原告ら 主文と同旨 2 被告ら 原告らの請求を棄却する 訴訟費用は原告らの負担とする 第 2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯 被告らは 名称を メガネフレーム用モダンの製造方法 とする特許第 27 33538 号発明 ( 平成元年 7 月 8 日出願 平成 10 年 1 月 9 日設定登録 以下 この発明を 本件発明 といい この特許を 本件特許 という ) の特許権者で ある 原告ら外 1 名は 平成 10 年 5 月 8 日に被告らを被請求人として 本件特許 につき無効審判の請求をした 特許庁は 同請求を平成 10 年審判第 35199 号事件として審理した上 平成 11 年 7 月 7 日 本件審判の請求は 成り立たない との審決をし その 謄本は 同年 8 月 20 日 原告らに送達された 2 本件発明の要旨 メガネフレームのツル先端に挿着されるモダンの製造方法において 所定の

プラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状を製作し 該モダンを加熱して 1 対の金型から成るキャビティ内にセットし 該金型の開口から加熱した工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形することを特徴とするメガネフレーム用モダンの製造方法 3 審決の理由審決は 別添審決書写し記載のとおり 請求人ら ( 原告ら外 1 名 ) の 1 本件発明が 特開昭 49-122352 号公報 ( 以下 引用例 1 といい そこに記載された発明を 引用例発明 という ) 特公昭 50-28181 号公報 ( 以下 引用例 2 という ) 特公昭 40-5907 号公報 ( 以下 引用例 3 という ) 実公昭 40-7342 号公報 ( 以下 引用例 4 という ) 特開昭 59-53810 号公報 ( 以下 引用例 5 という ) 特開昭 50-133851 号公報 ( 以下 引用例 6 という ) 及び実願昭 61-37182 号公報 ( 以下 引用例 7 という ) に基づき 当業者が容易に発明をすることができたものであるので 特許法 29 条 2 項の規定により特許を受けることができず 本件特許は同法 123 条 1 項 2 号により無効とすべきであるとの主張 ( 無効理由 1) 2 本件発明が 本件特許の出願前に日本国内において公然実施された発明であるから 同法 2 9 条 1 項 2 号の規定に違反して特許を受けたものであり 本件特許は同法 123 条 1 項 2 号により無効とすべきであるとの主張 ( 無効理由 2) 3 本件発明は未完成であるから 同法 29 条 1 項柱書の規定に違反して特許を受けたものであり 本件特許は同法 123 条 1 項 2 号により無効とすべきであるとの主張 ( 無効理由 3) 4 本件特許が 同法 36 条 4 項及び 5 項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから 同法 123 条 1 項 4 号により無効とすべきであるとの主張 ( 無効理由 4) について いずれも採用することができず 請求人らの主張する理由及び提出した証拠方法によっては 本件特許を無効とすることはできないとした 第 3 原告ら主張の審決取消事由審決の理由中 無効理由 1 についての判断のうちの 本件発明の要旨の認定 引用例 1~7 の各記載事項の認定 ( 審決書 9 頁 12 行目 ~17 頁 5 行目 ) 並びに本件発明と引用例発明との一致点及び相違点の各認定 無効理由 2 についての判断のうちの事例 1 についての認定判断 ( 同 23 頁 15 行目 ~24 頁 18 行目 ) 無効理由 3 及び無効理由 4 についての認定判断 ( 同 27 頁 13 行目 ~29 頁 9 行目 ) は認める 審決は 無効理由 1 についての判断において 相違点についての判断を誤って ( 取消事由 1) 本件発明が 引用例 1~7 記載の発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないとの誤った結論に至り また 無効理由 2 についての判断のうちの事例 2 についての判断を誤って ( 取消事由 2) 本件発明が 本件特許出願前に 原告有限会社マスダオプチカルにおいて公然実施された発明ではないとの誤った結論に至ったものであるから 違法として取り消されるべきである 1 取消事由 1( 相違点についての判断の誤り ) (1) 審決の認定した本件発明と引用例発明との相違点 ( 審決書 18 頁 16 行目 ~19 頁 8 行目 ) は 1 本件発明が 所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状を製作し 該モダンを加熱して 1 対の金型からなるキャビティ内にセット ( 同 18 頁 16 行目 ~ 末行 ) するのに対し 引用例発明が 1 対の金型のキャビティ内に湯道を通して溶融した樹脂を注入してモダン外形を成形 ( 同 19 頁 3 行目 ~5 行目 ) する点 ( 以下 相違点 1 という ) と 2 本件発明が 金型の開口から加熱した工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜き モダンに挿着孔を成形する ( 同 18 頁末行 ~ 19 頁 2 行目 ) のに対し 引用例発明が 注入された溶融樹脂が冷却硬化する前に金型の開口から加熱していない工具を圧入し 金型内の樹脂が冷却硬化した後 工具を引き抜き モダンに挿着孔を成形する ( 同 19 頁 5 行目 ~8 行目 ) 点 ( 以下 相違点 2 という ) とに分けられる そして 審決は 相違点 12 につき 相違点にあげた本件特許発明の構成のうち 1 対の金型からなるキャビティ内にセットされる加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンの構成は 引用例 2 に記載されている ( 同 21 頁 6 行目 ~11 行目 ) ことを認定しながら 引用例 2 記載の発明には キャビティ内の加熱されたモダ

ンに圧入される加熱された芯金を 圧入後一定時間保持した後 引き抜くという技術思想は全くないものであり 引用例 1 記載の発明における射出成形によるモダンの成形に代えて 引用例 2 記載の発明の加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンを 1 対の金型のキャビティ内にセットするという構成を適用し 前記相違点にあげた本件特許発明の構成のようにすることは当業者が容易になしえるものであるとすることはできないものである そして 引用例 1~7 記載の発明をどの様に組み合わせても 本件特許発明の 構成にすることは 当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない ( 同 21 頁 11 行目 ~22 頁 10 行目 ) と判断したが この判断は 以下のとおり誤りである (2) まず 相違点 1 についてみるに 審決の認定するとおり 1 対の金型からなるキャビティ内にセットされる加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンの構成 ( 審決書 21 頁 7 行目 ~10 行目 ) すなわち 相違点 1 に係る本件発明の構成は 引用例 2 に記載されているのみならず 引用例 5( 甲第 7 号証 ) に 従来より眼鏡のツルの製造方法としては 2) シューティング加工といわれる方法であるが あらかじめ樹脂シートをツルの形に切削加工しておき 加熱した芯金を圧力により樹脂シートに差し込む方法 などがある (1 頁左下欄 17 行目 ~ 右下欄 15 行目 ) と記載されているとおり シューティング加工によりプラスチック製モダンを製造する際の周知技術であって そのことは 審決も認定するところである ( 審決書 19 頁 12 行目 ~21 頁 1 行 ) そして 本件発明と引用例発明とは 金型内の加熱されたプラスチック中に 金型の開口から工具を圧入し 圧入後一定時間工具をそのままの状態に保持した後 該工具を引き抜 ( 同 18 頁 7 行目 ~10 行目 ) く点では一致しており 要は キャビティ内に加熱されたプラスチックの状態のモダンを作出すればよいのであるから キャビティ内に射出成形によってモダン外形を作出する引用例発明の構成に代えて 所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたものを加熱し キャビティにセットして これを作出する引用例 2 記載の構成ないしそれを含むシューティング加工の際の周知技術を適用することは 当業者が容易に想到し得るものである (3) 次に 相違点 2 についてみるに 本件明細書 ( 甲第 2 号証 ) に 加熱した工具を圧入し 一定時間後に引き抜くことにつき 工具 6 は高温加熱されてモダンに圧入されるため 成形された挿着孔 3 の周辺は可塑化状態にあり 圧入後直ちに工具 6 を引き抜くならば成形された挿着孔 3 の形状が変形したり 時には崩れてしまう したがって一定温度に低下し 成形された挿着孔 3 が硬化した後でなければ工具 6 は引き抜かれない (4 欄 36 行目 ~41 行目 ) と記載されているとおり 本件発明において 圧入する工具を加熱するのは それによってモダンを可塑化し 圧入を容易にするためであるが 引用例 2( 甲第 4 号証 ) に 芯金 1 をプラスチック テンプル 7 へ容易に挿入できるように予め適当な温度に加熱する (4 欄 19 行目 ~21 行目 ) と記載されているように そのような手段は シューティング加工において周知の技術である したがって 相違点 1 につき キャビティ内にセットするモダン外形を 引用例発明の射出成形したものから 所定のプラスチック製板材又は棒材を切削加工して成形したものに置換することに想到すれば 圧入する工具を加熱することには おのずと想到し得るものである なお 相違点 2 に係る引用例発明の 金型内の樹脂が冷却硬化した後 工具を引き抜き との構成は 樹脂が常温にまで冷えて 硬質ないし半硬質状態に硬化した後 工具を引き抜くことを意味するものではない 引用例 1 と同様なさしモダン加工による挿着孔を有するモダンの製造方法が記載されている ( 審決書 2 1 頁 3 行目 ~4 行目 ) 引用例 7( 甲第 9 号証 ) に このインサート金型 Ⅰ は金型 C 内のプロピオン酸繊維素樹脂 1 が 180 まで降温して半流動状態になったときに軸心方向へ打ち込み,110 の柔軟状態になったとき引き抜かれる (4 頁 6 行目 ~10 行目 ) という記載があるのと同様に 引用例発明においても 金型内の樹脂が 柔軟状態 になる程度まで冷却硬化した後 工具を引き抜くものであると解すべきである (4) したがって 相違点 12 についての審決の上記判断は誤りである 2 取消事由 2( 公然実施についての判断の誤り ) 審決は 無効理由 2 のうちの事例 2 すなわち 株式会社晃梅が販売した 株式会社サンエー製作所製のモダン専用穴明け機を用いて本件無効審判請求事

件の請求人である有限会社マスダオプチカルにおいて公然実施された事例 ( 審決書 23 頁 3 行目 ~7 行目 ) につき 本件特許の出願前に モダン専用穴明け機 という名称の機械が株式会社サンエー製作所で製造販売されていた事実 は認めることができるが 穴明きモダンが製作可能な機能を有する モダン専用穴明け機 という名称の機械を不特定多数の人に販売したという事実だけでは モダン専用穴明け機 という名称の機械の取り扱い説明書等が一切なく 本件特許発明 ( 注 本件発明 ) のモダン製造方法がその機械を用いて実施された事実が証明できないので 本件特許発明が本願出願前に公然と実施された発明とすることができない ( 同 26 頁 7 行目 ~ 末行 ) と判断した しかしながら 特許庁における証人 U の証言反訳書 ( 甲第 21 号証 ) 並びに モダン専用穴明け機 の全体及び構成各部の拡大写真 ( 甲第 17 号証 ) によれば 本件発明のモダン製造方法が当該機械を用いて実施されたことを認め得るものである 審決は 株式会社晃梅が平成元年 4 月に有限会社マスダオプチカルに納入したモダン専用穴明け機に 取り扱い説明書等が一切添付されていなかった事 ( 審決書 25 頁 9 行目 ~10 行目 ) 販売元株式会社晃梅の U 氏は 販売した モダン専用穴明け機 という名称の機械は シューティング加工の機械に似た機械であることは理解しているが この機械の取り扱いについてはよく知らない事 ( 同頁 11 行目 ~15 行目 ) との認定に基づいて 上記の判断をしたものであるが 上記証言反訳書によれば U は 上記 モダン専用穴明け機 の機能や原理が本件発明のものであると理解していたものの その取扱い技術については 実際に操作できる程度にまで正確に理解していなかったにすぎないこと 眼鏡機械には取扱い説明書が添付されないという慣例があることが認められるのであるから 本件発明のモダン製造方法が上記 モダン専用穴明け機 を用いて実施された証明がないとする審決の判断は誤りであるといわなければならない 第 4 被告らの反論審決の認定 判断は正当であり 原告ら主張の取消事由は理由がない 1 取消事由 1( 相違点についての判断の誤り ) について (1) 審決の認定した本件発明と引用例発明との相違点に係る本件発明の構成は 一体となって本件発明の主要部を構成するものであるから 原告らが 当該相違点を恣意的に相違点 1 と相違点 2 とに分けた上 それぞれに含まれる技術事項を別個独立に論じていること自体が相当ではないが 仮に そのような方法を採る場合には 相違点 1 については 相違点 2 の構成が続くことを また 相違点 2 については 相違点 1 の構成が前提となることを十分意識した上で検討することが必要である ところが 原告らは 相違点 1 についての主張において 本件発明の モダンを加熱して 1 対の金型から成るキャビティ内にセット する構成につき それに続いて 工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜 くことが行われることを全く顧慮せずに 引用例発明と芯金の引抜きを全く予定していない従来のシューティング加工の方法とを比較し さらに 相違点 2 についての主張において 本件発明の構成の 工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜 くことが 射出成形によるモダンではなく プラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状 としたモダンであることに何ら配慮をせず 単純に論じており いずれも 失当である (2) 原告らは 相違点 1 につき キャビティ内に加熱されたプラスチックの状態のモダンを作出すればよいのであるから キャビティ内に射出成形によってモダン外形を作出する引用例発明の構成に代えて 所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたものを加熱し キャビティにセットして これを作出する引用例 2 記載の構成ないしそれを含むシューティング加工の際の周知技術を適用することは 当業者が容易に想到し得るものであると主張する しかしながら 引用例 2 記載の発明を含むシューティング加工においては モダンに芯金を挿入した状態で 眼鏡のツルとして完成品となるため 挿入した芯金が抜けないようにするための工夫しか考えられていなかったのであり 事実 シューティング加工を施した場合には 芯金に対する樹脂の密着が極めて強いために いったん挿入した芯金は抜けなかったのである すなわち シューティング加工は モダンに挿入した芯金が抜けることのない安定構造の眼鏡のツルを製造する技術なのであって 審決が認定するとおり 引用例 2 記載の発明には キャビティ内の加熱されたモダンに圧入される加熱された芯金を 圧入後一定時間保持

した後 引き抜くという技術思想は全くない ( 審決書 21 頁 11 行目 ~14 行目 ) のである したがって このように 加熱された芯金を モダンに圧入して一定時間保持した後 引き抜くという技術思想の全くないシューティング加工の技術を 金型の開口から工具を圧入し 圧入後一定時間工具をそのままの状態に保持した後 該工具を引き抜く構成の引用例発明に適用して本件発明の構成とする動機付けが そもそも存在しない また 本件発明は 工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形する ことを要件とするものであり キャビティ内にセットするモダンの加熱は 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から 加熱条件が設定されるものである したがって 芯金を抜くという発想の全くないシューティング加工において キャビティ内に加熱されたモダンをセットすることが行われるとしても 両者の加熱の技術的意義は全く異なるものであることが明らかである そうすると 引用例発明の射出成形によってモダン外形を作出する構成に代えて シューティング加工の際の周知技術である 所定のプラスチック製板材等に切削等の加工を施してモダン外形形状としたものを加熱し キャビティにセットする構成を適用したからといって 相違点 1 に係る本件発明の構成が得られるものではない したがって 相違点 1 に関する原告らの主張は誤りである (3) 原告らは 相違点 2 につき 本件発明において 圧入する工具を加熱するのは それによってモダンを可塑化し 圧入を容易にするためであるとした上で そのような手段は シューティング加工において周知の技術であると主張するが 本件発明において圧入する工具を加熱することと シューティング加工におけるような モダンに容易に挿入できるように芯金を加熱することとは 加熱の技術的意義が異なるものである すなわち 上記のとおり シューティング加工は モダンに挿入した芯金が抜けることのない安定構造の眼鏡のツルを製造する技術であって 挿入した芯金を抜くという発想の全くないものであるのに対し 本件発明は 圧入した 工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形する ことを その要件とするものである そうすると 本件発明における工具の加熱条件は 本件明細書 ( 甲第 2 号証 ) に 工具 6 の加熱温度 はモダン 1 の材質や挿着孔 3 の大きさ 形状によって左右される条件であって その都度最適条件を定めなければならない (4 欄 43 行目 ~46 行目 ) と記載されているとおり 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から設定されるものであって それにより 挿着孔 3 の内周面は滑らかで 光沢面状となる ( 同欄 42 行目 ~43 行目 ) との効果を奏するものである したがって 相違点 2 に関する原告らの主張は誤りである 2 取消事由 2( 公然実施についての判断の誤り ) について原告らは 証人 U の証言反訳書 ( 甲第 21 号証 ) 並びに モダン専用穴明け機 の全体及び構成各部の拡大写真 ( 甲第 17 号証 ) によって 本件発明のモダン製造方法が当該機械を用いて実施されたことを認め得ると主張する しかしながら 証人 U の証言反訳書には 本件発明の構成のうちの 圧入後一定時間保持すること ( すなわち モダンに圧入した工具を引き抜くタイミング ) について 全く言及されていない また モダン専用穴明け機 の全体及び構成各部の拡大写真 ( 甲第 17 号証 ) は 平成 11 年 2 月 25 日に撮影されたものであって 当該写真に基づいて 株式会社晃梅が平成元年 4 月に有限会社マスダオプチカルに納入した当時の モダン専用穴明け機 の構成を認定することもできない したがって 原告らの上記主張は失当である 第 5 当裁判所の判断 1 取消事由 1( 相違点についての判断の誤り ) について (1) 本件発明と引用例発明とが 本件特許発明 ( 注 本件発明 ) においては 所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状を製作し 該モダンを加熱して 1 対の金型からなるキャビティ内にセットし 該金型の開口から加熱した工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜き モダンに挿着孔を成形するのに対して 引用例 1 記載の発明 ( 注 引用例発明 ) においては 1 対の金型のキャビティ内に湯道を通して溶融した樹脂を注入してモダン外形を成形し 注入された溶融樹脂が冷却硬化する前に金型の開口から加熱していない工具を圧入し 金型内の樹脂が冷却硬化した後 工具

を引き抜き モダンに挿着孔を成形する点 ( 審決書 18 頁 16 行目 ~19 頁 8 行目 ) で異なることは当事者間に争いがない そして この相違点は 本件発明の構成の各段階に応じ 原告ら主張のとおり 1 本件発明が 所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状を製作し 該モダンを加熱して 1 対の金型からなるキャビティ内にセット するのに対し 引用例発明が 1 対の金型のキャビティ内に湯道を通して溶融した樹脂を注入してモダン外形を成形 する相違点 ( 相違点 1) と 2 本件発明が 金型の開口から加熱した工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜き モダンに挿着孔を成形する のに対し 引用例発明が 注入された溶融樹脂が冷却硬化する前に金型の開口から加熱していない工具を圧入し 金型内の樹脂が冷却硬化した後 工具を引き抜き モダンに挿着孔を成形する 相違点 ( 相違点 2) とに分けることができ また そのように分けて考察することが便宜である この点について 被告らは 本件発明の構成は 一体となって本件発明の主要部を構成するものであるとして 当該相違点を上記のとおり相違点 1 と相違点 2 とに分けて論じることが相当ではない旨主張する しかしながら 前示争いのない本件発明の要旨は 本件明細書の特許請求の範囲の記載に基づくものであり 本件明細書の特許請求の範囲には 発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されているのであるから ( 平成 6 年法律第 116 号による改正前の特許法 36 条 5 項 2 号 ) 本件発明の各構成要件のすべてが発明の構成に必須の事項にほかならない したがって 被告らの上記主張が そのような趣旨をいうものとすれば 至極当然のことであるし また そうでないとすれば 趣旨不分明の主張といわざるを得ないが いずれにしても 前示相違点を 本件発明の構成の各段階に応じ 相違点 1 と相違点 2 とに分けて検討することを妨げるものではない もっとも 被告らは そのような方法を採る場合には 相違点 1 については 相違点 2 の構成が続くことを また 相違点 2 については 相違点 1 の構成が前提となることを十分意識した上で検討することが必要である旨主張するので この点も念頭に置いた上 相違点 1 及び相違点 2 について以下に判断する (2) 相違点 1 について 1 対の金型からなるキャビティ内にセットされる加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンの構成は 引用例 2 に記載されている ( 審決書 21 頁 7 行目 ~11 行目 ) ことは当事者間に争いがないところ 引用例 2 に記載されたこの構成が 本件発明の 所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状を製作し 該モダンを加熱して 1 対の金型から成るキャビティ内にセット する構成と同一であることは明白である この点につき 被告らは 本件発明の 工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形する との要件に基づき 本件発明においてキャビティ内にセットするモダンの加熱は 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から加熱条件が設定されるものであり 芯金を抜くという発想のないシューティング加工 ( 引用例 2 記載の発明 ) においてキャビティ内にセットするモダンの加熱とは その技術的意義が異なるものである旨主張する しかしながら 本件発明の要旨は 前示のとおり 工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形する との要件を含むところ 本件発明におけるモダンの加熱が 被告ら主張のように 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から加熱条件が設定されるものであることは 本件発明の要旨において一義的に明確であるとは到底いうことができず また 本件明細書 ( 甲第 2 号証 ) の発明の詳細な説明にも キャビティ内にセットするモダンを加熱することの技術的意義については何らの記載がない したがって 被告らの上記主張は その前提を欠くものであって 採用することはできない そして 引用例 2 に記載された前示 1 対の金型からなるキャビティ内にセットされる加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンの構成 は 1 対の金型から成るキャビティ内に 加熱された状態のプラスチックによって成るモダンの外形形状を作出するという点では 相違点 1 に係る引用例発明の 1 対の金型のキャビティ内に湯道を通して溶融した樹脂を注入してモダン外形を成形 する構成と共通するものである そうすると 引用例発明の当該相違点 1 に係る構成に代えて 引用例 2 の前示構成を適用することは 当業者にとって容易であるというべきであり その適用した結果が 相違点 1 に係る本件発明の構成となることは 上記説示から明らか

である ところで 審決は 引用例 2 記載の発明には キャビティ内の加熱されたモダンに圧入される加熱された芯金を 圧入後一定時間保持した後 引き抜くという技術思想は全くない ので 引用例発明の前示相違点 1 に係る構成に代えて 引用例 2 の前示構成を適用し 相違点 1 に係る本件発明の構成とすることは 当業者が容易になし得るものではないとし ( 審決書 21 頁 11 行目 ~22 頁 2 行目 ) 被告らは さらに 引用例 2 記載の発明を含むシューティング加工が モダンに挿入した芯金が抜けることのない安定構造の眼鏡のツルを製造する技術であり 上記の技術思想が全くないのであるから これを 金型の開口から工具を圧入し 圧入後一定時間工具をそのままの状態に保持した後 該工具を引き抜く構成の引用例発明に適用して本件発明の構成とする動機付けが存在しない旨主張する 確かに 引用例 2 記載の発明ないしこれを含むシューティング加工自体からは 加熱されたモダンに圧入される加熱された芯金を 圧入後一定時間保持した後 引き抜くという技術思想はうかがえない しかし 引用例発明とシューティング加工とは いずれもプラスチックを材料として用いた眼鏡フレーム用のモダンの製造方法として 同一技術分野に属するものである上 引用例 2 記載の発明における芯金をモダンに圧入する構成を引用例発明に適用しようとするものではなく 前示のとおり 1 対の金型から成るキャビティ内に 加熱された状態のプラスチックによって成るモダンの外形形状を作出するという点で引用例発明と共通する引用例 2 記載の発明の 1 対の金型からなるキャビティ内にセットされる加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンの構成 を 引用例発明に適用するものにほかならない したがって その適用により本件発明の構成とする動機付けがあるものと解するのが相当であるから 引用例発明の前示相違点 1 に係る構成に代えて 引用例 2 記載の発明の前示構成を適用し 相違点 1 に係る本件発明の構成とすることが 当業者が容易になし得るものではないとした審決の前示判断は誤りであり 被告らの上記主張は採用することができない (3) 相違点 2 について本件明細書 ( 甲第 2 号証 ) の 工具 6 は高温加熱されてモダンに圧入されるため 成形された挿着孔 3 の周辺は可塑化状態にあり (4 欄 36 行目 ~37 行目 ) との記載に照らせば 本件発明の 加熱した工具を圧入し との構成の技術的意義は 工具を加熱することによって これを圧入するモダンのうち工具と接触する部分 すなわち挿着孔の周辺を可塑化し 圧入を容易にすることであるものと認められる この点につき 被告らは 本件発明の 工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形する との要件に基づき 本件発明において 圧入する工具の加熱は 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から加熱条件が設定されるものであり シューティング加工におけるような モダンに容易に挿入できるように芯金を加熱することと その技術的意義が異なるものである旨主張する しかしながら 前示のとおり 工具を引き抜き ツル先端部形状と同一形状の工具により挿着孔を成形する との要件を含む本件発明の要旨の上で 本件発明における工具の加熱が 被告ら主張のように 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から加熱条件が設定されるものであることが 一義的に明確であるとは到底いうことができない また 本件明細書 ( 甲第 2 号証 ) には 実施例に関し 工具 6 の加熱温度 はモダン 1 の材質や挿着孔 3 の大きさ 形状によって左右される条件であって その都度最適条件を定めなければならない (4 欄 43 行目 ~46 行目 ) との記載もあるが これによっても 工具の加熱条件が 工具の引抜きにより所要の挿着孔を形成できるという観点から設定されることが記載されているとは認められず むしろ 前示 工具 6 は高温加熱されてモダンに圧入されるため 成形された挿着孔 3 の周辺は可塑化状態にあり との記載とあいまって 本件明細書の上記記載は 圧入を容易にするための温度設定について記載したものとみることもできる なお 本件明細書 ( 甲第 2 号証 ) には 勿論 成形孔であるため工具 6 を引き抜いて得られる挿着孔 3 の内周面は滑らかで 光沢面状となる ( 同欄 41 行目 ~43 行目 ) との記載もあるが 他方において モダンの挿着孔は成形孔であって ドリル加工による切削孔ではないため 挿着孔の内周面の面粗度は非常に小さく そのため光の乱反射は発生せず 透明度が向上する (6 欄 4 行目 ~8 行目 ) との記載もあって これらを併せ考えれば

本件明細書において 挿着孔 3 の内周面は滑らかで 光沢面状となる 効果は 挿着孔を切削孔ではなく成形孔として形成することによって奏されるものとされていることが認められ 当該効果と工具の加熱条件との関係は記載されていない したがって 被告らの上記主張は採用することができない ところで 引用例 5( 甲第 7 号証 ) に 従来より眼鏡のツルの製造方法としては 2) シューティング加工といわれる方法であるが あらかじめ樹脂シートをツルの形に切削加工しておき 加熱した芯金を圧力により樹脂シートに差し込む方法 などがある (1 頁左下欄 17 行目 ~ 右下欄 15 行目 ) との記載があり シューティング加工に属する発明が記載された引用例 2( 甲第 4 号証 ) に 芯金 1 をプラスチック テンプル 7 へ容易に挿入できるように予め適当な温度に加熱する (4 欄 19 行目 ~21 行目 ) との 同様の引用例 3( 甲第 5 号証 ) に 本発明は眼鏡つるの製造に於て 予熱されたつるの材料 ( プラスチック或いはセルロイド ) を 中心部以外に加圧及び冷却を同時に行い 冷却されない中心部に予熱された芯を押入 (1 頁左欄下から 7 行目 ~4 行目 ) との各記載があることに照らせば シューティング加工において プラスチック材料から成るモダン ( テンプル ) に芯金を圧入する際 その圧入を容易にするため あらかじめ芯金を加熱することは周知の技術手段であることが認められる そして このことに 引用例発明において圧入する工具が ツル先端部形状と同一形状の工具 ( 審決書 18 頁 10 行目 ~11 行目 ) であること ( 本件発明と引用例発明とが この点で一致することは当事者間に争いがない ) そもそもプラスチック材料が通常は熱可塑性であることは当業者の技術常識というべきものであることを併せ考えると 前示相違点 1 につき 引用例発明におけるモダンの外形形状の作出に 引用例 2 の 1 対の金型からなるキャビティ内にセットされる加熱された所定のプラスチック製板材又は棒材を切断 切削及び研削等の加工を施してモダン外形形状としたモダンの構成 を適用することに伴って 引用例発明におけるモダンに圧入する 工具 に あらかじめ加熱する構成を付加して 相違点 2 に係る本件発明の 加熱した工具 の構成とすることは 当業者が容易になし得たものであるというべきである この点に関し付言するに シューティング加工に係る前示加熱の技術手段は 引き抜くことを予定していない芯金の圧入についてのものではあるが 芯金の加熱は モダンへの圧入を容易にするためであり モダンへ圧入する点では引用例発明の工具もこれと同様であるから 引抜きを予定しない芯金の圧入についてのものであることが 当該技術手段を引用例発明に適用することの妨げとなるものではなく また その適用の結果として 相違点 2 に係る本件発明の 加熱した工具 の構成となることは 前示のとおり 本件発明の当該構成が圧入を容易にするという技術的意義を有すると解されることに照らして明らかである なお 溶融樹脂の冷却硬化が時間の経過とともに進行するものであることは当業者の技術常識というべきであるから 相違点 2 に係る引用例発明の 注入された溶融樹脂が冷却硬化する前に 工具を圧入し 金型内の樹脂が冷却硬化した後 工具を引き抜き との構成は 本件発明の 工具を圧入し 圧入後一定時間保持した後 該工具を引き抜き との構成と異なるものではない したがって 相違点 2 に係る本件発明の構成は 引用例発明に前示各引用例に記載された周知技術を適用することにより 当業者が容易になし得たものと認められる (4) そうすると 審決が認定した相違点についての審決の判断は誤りであり 審決には 無効理由 1 についての判断を誤った違法がある なお 本件発明の発明者である被告 ( 被請求人 ) R の特許庁における口頭審理の供述の反訳書 ( 甲第 20 号証 ) には 本件発明を考案するにつき 加熱の温度設定やモダンに圧入した工具を引き抜くタイミング ( 工具を圧入後保持する一定時間の設定 ) 等に困難な点があった旨述べる部分があるが 仮にそうであるとしても それらの困難な点を解決するため考案した具体的な温度 時間等の数値の限定 その他の手段方法などが 発明の構成として本件明細書に記載されていない以上 それらが顧慮されないとしてもやむを得ないところである 2 以上のとおり 原告らの主張する取消事由 1 は理由があり この誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから その余の点につき判断するまでもなく 審決は違法として取消しを免れない よって 原告らの請求は理由があるからこれを認容し 訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法 7 条 民事訴訟法 61 条 65 条 1 項本文を適用して 主文のと

おり判決する 東京高等裁判所第 13 民事部 裁判長裁判官 裁判官 裁判官 篠原勝美 石原直樹 宮坂昌利