IPアドレス・ドメイン名資源管理の基礎知識

コミュニケーションの基本自分が誰とコミュニケーションをとっているのかが識別できることはコミュニケーションの成立に必要顔を合わせたコミュニケーションでは自然にそれが成立顔を合わせないコミュニケーションでは相手を識別するための識別子が必要となる手紙では住所電話では電話番号インターネット上のコミュニケーションにおいても識別子は必要相手を識別 03-5297-2311 052-xxx-yyyy 090-0123-4567 相手を識別 Copyright 2017 Japan Network Information Center 3

ドメイン名 IP アドレスとは何? どちらもインターネットにおける通信元通信先の識別子ドメイン名名前! 人がインターネット上通信先を指定する上で利用される識別子 Web サイトの URL や電子メールアドレスなどに使われている (https://www.example.co.jp user@example.co.jp など ) IP アドレス番号! コンピュータやルータなどの端末がインターネット上通信元の確認や通信先を指定する上で利用される識別子コンピュータやルータ等のネットワーク機器に付与されている (192.168.0.1(IPv4 アドレス ) 2001:db8:(IPv6 アドレス ) など ) Copyright 2017 Japan Network Information Center 4

ユーザはドメイン名を利用するドメイン名を示すと探しているWebページを特定して参照できる www. nic.ad.jp Web ページ :www.nic.ad.jp WWW( ウェブ ) サーバ example@nic.ad.jp の受信者メールアドレスを示すと送りたい宛先へメールを届けてくれるクライアント PC インターネット宛先 :example@nic.ad.jp Copyright 2017 Japan Network Information Center 5

コンピュータは IP アドレスで解釈するドメイン名 (www.nic.ad.jp) のみではコンピュータは識別することができないドメイン名は IP アドレスに変換され通信先の端末を特定している Web サーバ www.nic.ad.jp 変換 192.41.192.129 インターネット www.nic.ad.jp? 203.0.113.115 クライアントPC 192.41.192.129 DNS サーバ Copyright 2017 Japan Network Information Center 6

インターネットはネットワークの集合体 ISP-C 契約 ISP ISP-H ISP-K ISP-D ISP-A ISP-J ISP-B ISP-G ISP-E 通信相手の PC ISP-F ISP-I この機器と通信したい! 自分の PC 集合体の中で相手を一意に識別できることが通信上必要ドメイン名 IP アドレスが識別子として必要 Copyright 2017 Japan Network Information Center 7

ドメイン名 IP アドレスが重複すると自分の PC 契約 ISP ISP-D ISP-C ISP-F ISP-A 通信先が特定できず通信の混乱につながる ISP-E ISP-B? 198.51.100.16 通信相手の PC? query@nic.ad.jp 198.51.100.16 query@nic.ad.jp ドメイン名 IP アドレスの一意性が非常に重要 Copyright 2017 Japan Network Information Center 8

階層構造によるドメイン名 IP アドレスの管理 TLD レジストリ地域インターネットレジストリ (RIR) 国別インターネットレジストリ (NIR) ローカルインターネットレジストリ (LIR) レジストラ us NeuStar cn CNNIC cctld レジストリ ARIN ( 北米地域 ) RIPE NCC ( ヨーロッパ ) NIR CNNIC ( 中国 ) 指定事業者 jp JPRS ICANN (IANA) APNIC ( アジア太平洋 ) JPNIC ( 日本 ) LIR (ISP など ) レジストラ com VeriSign org PIR gtld レジストリ LACNIC ( 中南米 ) AFRINIC ( アフリカ ) TWNIC ( 台湾 ) NIR ドメイン名 /IP アドレスともに登録管理組織 ( レジストリ ) により管理されている Copyright 2017 Japan Network Information Center 10

一般的なドメイン名登録のしくみ通常レジストラ ( 登録事業者 ) やリセラ ( 再販事業者 / 取次事業者 ) を通じてドメイン名の登録を申請ドメイン名の文字列は原則早い者勝ち ( 先願主義 ) ドメイン名は所有ではなく決められた期間のリース登録の維持には費用の支払いや更新作業が必要登録後にレジストラを変更することも可能データベース登録申請取次登録申請リセラレジストリレジストラ申請者登録申請 Copyright 2017 Japan Network Information Center 11

IP アドレスが分配されるまで IANA RIR NIR LIR エンドユーザ 211.0.0.0/8 2400:0000::/12 等 211.120.248.0/22 2400:0dc2::/32 等 211.120.248.64/29 2400:0dc2::/48 等 ISP など個人ユーザの場合 ISP と契約することでネットワークへの接続と IP アドレスが自動的に付与される企業ネットワークの場合ネットワーク構築後 ISPにIPアドレスを申請して付与される Copyright 2017 Japan Network Information Center 12

ドメイン名と IP アドレスの変換ドメイン名と IP アドレスの変換を行うことを名前解決と呼ぶこの名前解決を行うために使われている仕組みが DNS:Domain Name System ドメイン名から IP アドレスに変換することを正引き IP アドレスからドメイン名に変換することを逆引きと言う DNS が存在することで人間はわかりやすいドメイン名をコンピュータは IP アドレスをそれぞれ使うことができる Copyright 2017 Japan Network Information Center 15

DNS による名前変換の仕組み www.nic.ad.jp の Web サイトを参照したいどの機器と通信すればいいの? クライアント 1www.nic.ad.jp の IP アドレスは? DNS サーバ 2192.41.192.129 です 3192.41.192.129の IPアドレスの機器と通信すればいいのか! Copyright 2017 Japan Network Information Center 16

DNS の構造 www.example.com の IP アドレスが知りたい問合せルート DNS サーバ com の DNS サーバが情報を持ってるよ! example の DNS サーバが情報が持ってるよ! jp DNS サーバ net DNS サーバ com DNS サーバ DNS DNS DNS DNS DNS DNS DNS example DNSサーバ www.example.com の IP アドレスは 93.184.216.34 だよ! DNS はドメイン名と IP アドレスの対応情報の管理の他下の階層の DNS を指し示す役割も担っている Copyright 2017 Japan Network Information Center 17

DNS 変換後の IP アドレスでの通信インターネットに接続している機器同士を識別するためには IP アドレスを利用ルータと呼ばれる機器でお互いのネットワークの IP アドレスの情報を交換 203.0.113.0/24 2001:db8::/32 ルーティングテーブル 192.41.192.129 を含むアドレスブロックはここで運用しています 192.41.192. 0/24 ルーティングテーブル 198.51.100.0/24 ルーティングテーブル 192.41.192.129 へパケットを送りたいルーティングテーブルルーティングテーブル 192.0.2.0/24 ネットワークのかたまり同士の通信はまとまった単位の IP アドレス ( プリフィクス ) に基づき情報交換 Copyright 2017 Japan Network Information Center 18