である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の

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11総法不審第120号

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

処分済み

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処分済み

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第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

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第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 次のとおり 本件処分は 違法又は不当である旨を主張している (1) 審査請求人が 複数の取引先から依頼を受けて行っている翻訳の業務は 法第 72 条の2 第 3 項の規定により個人事業税が課されるべきいずれの事業としても法に定められて

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処分済み

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平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

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11総法不審第120号

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

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11総法不審第120号

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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11総法不審第120号

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

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録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

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遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

< F2D93C192E894F A8893AE91A E7B8D7397DF>

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

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高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

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平成  年(オ)第  号

ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

議案用 12P

b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

資料2-1(国保条例)

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

をしていないもの と読み替えた場合に同号イに該当する所得割の納税義務者又は同項第 12 号中 妻と死別し 若しくは妻と離婚した後婚姻をしていない者又は妻の生死の明らかでない者で政令で定めるもの とあるのを 婚姻によらないで父となった男子であって 現に婚姻をしていないもの と読み替えた場合に同号に該当

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

<4D F736F F D BA692E88B7982D18AD698418B4B92F D F4390B382C882B5816A2E646F63>

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

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寝屋川市母子家庭等自立支援教育訓練給付金事業実施要綱 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な教育訓練に係る講座 ( 以下 講座 という ) を受講する母子家庭の母 又は父子家庭の父に対し 母子及び父子並びに寡婦福祉法 ( 昭和 39 年法律第 129 号 以下

Microsoft Word - ③(様式26号)特別徴収実施確認・開始誓約書

松戸市市税条例等の一部を改正する条例 ( 松戸市市税条例の一部改正 ) 第 1 条松戸市市税条例 ( 平成 27 年松戸市条例第 12 号 ) の一部を次のように改正する 第 11 条中 及び第 2 号 を 第 2 号及び第 5 号 に それぞれ当該各号 を 第 1 号から第 4 号まで に改め 掲

に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

件数表(神奈川)

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

藤沢市木造住宅簡易耐震改修工事補助金交付要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は, 木造住宅の耐震改修工事を促進することにより, 災害に強い安全なまちづくりを推進するため, 藤沢市耐震改修促進計画に基づき, 簡易耐震改修工事のための補強設計及び簡易耐震改修工事並びに工事監理に要する費用に対する補助金

する軽自動車をいう 以下軽自動車税について同じ ) に対し 当該 3 輪以上の軽自動車の取得者に環境性能割によって 軽自動車等 ( 法第 442 条第 3 号に規定する軽自動車等をいう 以下軽自動車税について同じ ) に対し 当該軽自動車等の所有者に種別割によって課する 2 前項に規定するもののほか

答申件数表(1月15日答申分)

第 3 4 条の9 第 1 項中 第 3 3 条第 4 項の申告書 を 第 3 3 条第 4 項に規定する特定配当等申告書 に 同条第 6 項の申告書 を 同条第 6 項に規定する特定株式等譲渡所得金額申告書 に 法第 2 章第 1 節第 6 款 を 同節第 6 款 に改める 第 4 8 条第 1

個人情報の保護に関する規程(案)

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

- 2 - ⑷ 保育所又は学童クラブにおいて 保育又は学童クラブの目的を達成するために 児童又はその保護者に対してされる行政指導 ⑸ 市の職員 ( 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 2 条に規定する地方公務員に該当する職員をいう 以下同じ ) 又は市の職員であった者に対して

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

件数表(神奈川)

第 3 条条例第 3 条第 2 項第 2 号の所得割の額 ( 以下 所得割の額 という ) の算定は 次の各号に掲げる場合に応じ 当該各号に定める方法により行うものとする (1) 地方税法第 314 条の7 並びに附則第 5 条の4 第 6 項及び第 5 条の4の2 第 6 項の規定による控除をされ

標準例6

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した地方税法 ( 以下 法 という )7 2 条の 2 第 3 項及び東京都都税条例 ( 昭和 2 5 年東京都条例第 56 号 以下 条例 という )2 5 条 4 項の規定に基づく個人の行う事業に対する事業税 ( 以下 個人事業税 という ) 賦課処分に係る審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 都税事務所長 ( 以下 処分庁 という ) が 請求人に対し 平成 2 9 年 1 0 月 2 日付けで行った平成 2 9 年度分の個人事業税賦課処分 ( 内容は 別紙処分目録記載のとおり 以下 本件処分 という ) について その取消しを求めるというものである 第 3 請求人の主張の要旨請求人は おおむね以下の理由から 本件処分の違法性又は不当性を主張している 請求人は 本件会社との間で 営業社員雇用契約 を締結している生命保険外交員であり 報酬は歩合制であるが 労働時間と労働場所について 営業社員就業規則 にて拘束を受けている本件会社の使用人 労働者であり また 以下のような諸要素から 保険代理業とは認定できないものであるため 個人事業税の課税は不適当 - 1 -

である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の保険料徴収を受けている 営業所 事務用品は本件会社の提供に係るものであり 経費は立替精算である また 生命保険契約の引受の危険は本件会社が負う さらに 東京都主税局長通達において定められている判定基準に照らせば 請求人は代理業に該当すると認定されるものではない 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 5 月 23 日 諮問 平成 30 年 7 月 17 日審議 ( 第 23 回第 4 部会 ) 平成 30 年 8 月 17 日審議 ( 第 24 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め - 2 -

⑴ 法 7 2 条の 2 第 3 項は 個人事業税は 個人の行う第一種事業 第二種事業及び第三種事業に対し 所得を課税標準として事務所又は事業所所在の道府県において その個人に課する旨を定め 同条 8 項において 第一種事業 とする業種を定めて同項 23 号を代理業とする また 都税条例 2 5 条 4 項は 個人の行う法 7 2 条の 2 第 8 項から第 10 項までに規定する第一種事業 第二種事業及び第三種事業に対し 所得を課税標準として その個人に課する旨を定める ア 事業 とは 一定の技能 知識に基づいて利益を得る目的で継続的に行う業務をいうものとされている ( 財団法人地方財務協会発行の自治省府県税課編 事業税逐条解説 22 頁参照 ) イ 事業を行う個人 とは 当該事業の収支の結果を自己に帰属せしめている個人をいう と定義されている ( 地方税法の施行に関する取扱いについて ( 道府県税関係 ) ( 平成 22 年 4 月 1 日付総税都第 16 号総務大臣通知 ( 以下 取扱通知 という ) 第 3 章 第 1 節 第 1 1の5) ウ 第一種事業 とは原則として商工業等いわゆる営業に属するものであり 営業 とは継続的集団的に同種の営利行為を行うことをいい ( 前掲書 3 5 頁 ) 代理業はこれに該当する ( 法 7 2 条の2 第 8 項 23 号 ) なお 代理業 とは 手数料等の報酬の収得を目的として 商人のためにその平常の営業の部類に属する取引の代理又は媒介をする事業をいうものとされている ( 前掲書 44 頁及び商法 27 条 ( 代理商 )) ⑵ 法 7 2 条の 4 9 の 1 1 第 1 項は 個人事業税の課税標準は 当該年度の初日の属する年の前年中における個人の事業の所得による旨を定めている なお 条例も 38 条 1 項に同旨の規定を置いている - 3 -

上記課税標準の算定方法として 法 72 条の49の12 第 1 項は 前条 1 項の当該年度の初日の属する年の前年中における個人の事業の所得は 当該個人の当該年度の初日の属する年の前年中における事業に係る総収入金額から必要な経費を控除した金額によるものとし この法律又は政令で特別の定めをする場合を除くほか 当該年度の初日の属する年の前年中の所得税の課税標準である所得につき適用される所得税法 26 条及び27 条に規定する不動産所得及び事業所得の計算の例 ( 不動産所得及び事業所得の金額は その年中の不動産所得及び事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする ) によって算定するとする また 法 7 2 条の 4 9 の 1 2 第 2 項は 事業を行う個人 ( 所得税法 2 条 1 項 40 号に規定する青色申告書 ( 同法 143 条 ( 青色申告 ) の規定により青色の申告書によって提出する確定申告書及び確定申告書に係る修正申告書 ) を提出することにつき国の税務官署の承認を受けている者に限る ) と生計を一にする親族で専ら当該個人の行う事業に従事するもの ( 以下 青色事業専従者 という ) が当該事業から同法 5 7 条 2 項の書類 ( 青色事業専従者の氏名 その職務の内容及び給与の金額並びにその給与の支給期その他財務省令で定める事項を記載した書類 ) に記載されている方法に従いその記載されている金額の範囲内において給与の支払を受けた場合には 同条 1 項の規定による計算の例によって当該個人の事業の所得を算定するものとするとしている そのため 青色事業専従者が支給を受けた給与の金額でその労務の対価として相当であると認められるものは 当該個人の行う事業の所得の金額の計算上必要経費に算入することとなる ( 青色事業専従者控除 ) ⑶ 法 7 2 条の 4 9 の 1 4 第 1 項は 事業を行う個人については 当該個人の事業の所得の計算上 2 9 0 万円を控除すると規定する ( 事業主控除 ) - 4 -

⑷ 法 7 2 条の 4 9 の 1 8 は 個人事業税の徴収については 普通徴収 ( 徴税吏員が納税通知書を当該納税者に交付することによって地方税を徴収すること 法 1 条 1 項 7 号 ) の方法によるべき旨を定めている なお 条例も 39 条の4に同旨の規定を置いている そして 法 72 条の50 第 1 項は 個人事業税を賦課する方法として 当該個人の当該年度の初日の属する年の前年中の所得税の課税標準である所得のうち 法 72 条の49の12 第 1 項においてその計算の例によるものとされる所得税法 2 6 条及び 2 7 条に規定する不動産所得及び事業所得について 当該個人が税務官署に申告した課税標準を基準として 個人事業税を賦課する旨を定めている また 法 72 条の55 第 1 項によれば 個人事業税の納税義務者で 法 72 条の49の12 第 1 項の規定によって算出した個人の事業の所得の金額が法 72 条の49の14 第 1 項の規定による控除額 ( 事業主控除 290 万円 ) を超える者には 道府県知事に対して 当該事業の所得の計算に必要な事項 ( 青色事業専従者控除に関する事項を含む ) を申告する義務があるが 法 72 条の5 5の2 第 1 項及び 2 項によれば 前年分の所得税につき所得税法 2 条 1 項 37 号の確定申告書を提出した場合には 当該申告書が提出された日に上記道府県知事に対する申告がなされたものとみなされる なお この場合 青色申告特別控除の適用を受けた者はその旨を確定申告書に附記しなければならず 当該附記した事項は 個人事業税の賦課徴収につき申告を必要とする他の事項に相当するもので上記確定申告書により申告されたものとともに 道府県知事に対して申告されたものとみなす旨定められている ( 法 72 条の55の2 第 2 項及び3 項 法施行規則 7 条の2 第 5 号 ) ⑸ 法 7 2 条の 4 9 の 1 7 第 1 項 1 号によれば 個人事業税の額は - 5 -

第一種事業を行う個人については 所得に100 分の5の標準税率によって定めた率を乗じて得た金額とするとされているところ 条例は 39 条の3において 第一種事業を行う個人についての事業税の額は 所得に100 分の5の税率を乗じて得た金額 ( 同条 1 号 ) としている ⑹ 法 7 2 条の 5 1 第 1 項の規定は 個人事業税の納期は 8 月及び11 月中において当該道府県の条例で定めるとするが 同項ただし書において 特別の事情がある場合においては これと異なる納期を定めることができる旨を規定している 条例 3 9 条の 5 は 個人事業税の納期を 原則として 第 1 期が8 月 1 日から同月 31 日まで 第 2 期が11 月 1 日から同月 30 日までとした上で 特別の事情がある場合における個人事業税の納期は 納税通知書に定めるところによるとしている 2 事業を行う個人 及び 事業 並びに 代理業 に関する総務大臣通知及び東京都主税局長通達について ⑴ 地方自治法 2 4 5 条の 4 第 1 項の規定に基づく技術的な助言である 地方税法の施行に関する取扱いについて ( 道府県税関係 ) ( 平成 22 年 4 月 1 日付総税都第 1 6 号 ( 全部改正 ) 総務大臣通知 以下 取扱通知 という ) によれば 事業税の納税義務者である 事業を行う個人 に当たるか否かの判断基準について 事業を行う個人とは 当該事業の収支の結果を自己に帰属せしめている個人をいうものであるとした上で 他の諸法規において雇傭者としての取扱いを受けているということのみの理由で直ちに法上 事業を行う者 に該当しないとはいえず その事業に従事している形態が契約によって明確に規制されているときは 雇傭関係の有無はその契約内容における事業の収支の結果が自己の負担に帰属するかどうかによって判断し また契約の内容が上記のごとく明確でないときは その土地の慣習 慣行等をも勘案のうえ当該事業の実態に即して判断すること とされている ( 取扱通知 - 6 -

第 3 章 第 1 節 第 1 1の5 ⑵) ⑵ 東京都では 個人事業税の課税事務の運営に当たり 個人事業税課税事務提要 ( 平成 24 年 8 月 1 日付 24 主課課第 153 号東京都主税局長通達 なお 本件に適用されるのは 平成 2 9 年 3 月 31 日付 28 主課課第 546 号による改定後のものである 以下 事務提要 という ) を策定している ア事務提要においては 事業税における 事業 の定義について 事業とは 一般に営利又は対価の収得を目的として 自己の危険と計算において独立的に反復継続して行われる経済行為と解される しかし 事業の意義については地方税法上特段これを定義する規定が設けられていないため ある経済行為が事業に該当するかどうかの判断は 最終的には法意及び社会通念に照らして行うこととなる としている ( 事務提要第 3 章 第 1 節 第 1 1 ⑴) イ上記 1 ⑵ のとおり 第一種事業に該当するものとして 法 72 条の2 第 8 項 23 号により 代理業 もこれに含まれることとされているところ 事務提要では 代理業は 1 一定の商人のために ( 原則として特定の者のために ) 2 反復継続して行われ 3 取引を代理し 又は媒介する 4 独立した事業であると認められることが必要であるとする そして 代理業の認定基準に関して 個人事業税の代理業に該当するかは 原則として申告書等の各種資料に基づき認定を行う とした上で 個人事業税にいう代理業は 通常は 自らが支配 管理することのできる営業所を有し 営業費を支出し 自己の活動形式と労働時間を決定して そのなした行為について手数料を歩合的に受け取っているものであること 身分的従属関係のみを重視し 実質的に自己の責任において営業行為とみなし得る収支計算を行っている者に対して課税しないことは 課税の均衡を失することとなるため 十分調査を行うこと - 7 -

としている ( 事務提要第 3 章 第 2 節 第 2 3 1 同 2 ⑴ ) ウまた 事務提要における留意事項としては 外交員 外務員等の名称や名目上の契約にかかわらず 実態として代理業の定義を満たす場合には代理業に該当する 外交員 外務員等の課税の可否については 過去に具体的な個々の事例に関して関係府県と自治省との間に照復が行われ 課税対象外と示された例があるが これらの行政実例はいずれも具体的な事例について個別に判定の結果を指示しているに止まり 代理業に該当する外交員 外務員等までを課税対象外とする趣旨ではない とする ( 事務提要第 3 章 第 2 節 第 2 3 3 ⑷ ) 3 以上を前提に まず本件について 請求人が法 7 2 条の 2 第 8 項 2 3 号に規定する 代理業 を行う 事業を行う個人 であると認めることができるか否かについて 以下に検討する ⑴ 本件申告書類及び請求人提出の 営業社員雇用契約書 によれば 請求人は 平成 21 年 3 月 1 日 本件会社との間で 営業社員としての契約 ( 期間を 1 年とし自動更新の条項がある ) を締結しており 平成 28 年 1 月 1 日から同年 12 月 31 日までにおいて 本件会社との間の同契約に基づいて 本件会社のために 生命保険外交員として 平常の業務として保険募集業務及びそれらに関連する一切の業務 ( 以下 本件外交員業務 という ) を行っていたもので 本件外交員業務の遂行により 本件会社から 歩合制により報酬の支払いを受け これを 請求人の平成 28 年における収入のうち 営業等による収入として ( なお 本件確定申告書によると 請求人は 営業等 にかかるもののほかにも収入 所得の申告がある ) 所得税法 1 4 3 条の規定する青色申告の方法を利用して 税務署長に対して申告を行ったものであると認められる ⑵ 本件申告書類によると 請求人は 本件外交員業務により 本件会社からの報酬として収入 (213,824, 8 2 9 円 ) を得 - 8 -

る一方で 自宅を事務所として設けて維持すること及び事業用の車両 小型艇 家具 備品等を設けることについて 上記収入を得るための経費として これらの費用の全部又は一部を負担しており 本件青色申告決算書によれば 地代家賃 ( 1 0, 6 4 6, 0 7 5 円 ) 減価償却費 ( 1 9, 1 3 5, 9 8 4 円 ) 等を計上していることが認められる また 請求人は 外注工賃として4,490,240 円を計上しており 自らの収入から支出する経費として 外部の者に業務のために必要とするものの加工等を請け負わせることにより 本件外交員業務を行っていることが認められる さらに 旅費交通費について 立替精算による本件会社負担の制度が存在するにもかかわらず 本件会社負担以外に 自ら8, 941,444 円を支出し 接待交際費について57,168, 582 円を負担し 販売促進費も2,548,498 円を負担して これらを経費として計上しているほか 給料賃金として2 名分 7,732,130 円を本件外交員業務に係る収入を得ることに伴う経費として支出していることが認められる このほか 請求人の配偶者を青色事業専従者として届け出 その給与 6,000,000 円を計上していることも認められる そして 上記青色事業専従者の給与以外の各種経費としての支出の合計額 (133,159,583 円 ) が 営業等に係る事業収入の額 (213,824,829 円 ) に対して 約 62.3パーセントの割合に相当することからすれば 請求人と本件会社との関係が両者の間で取り交された 営業社員雇用契約書 に基づいているとしても 請求人が本件会社から支給されている報酬は 請求人が単に一従業員として本件会社に労務の提供を行い 本件会社から受ける一定の空間的 時間的な拘束の下 継続的ないし断続的に本件会社に対して労務又は役務の提供をした結果 それに応じた対価として本件会社から提供されたものと評価すること - 9 -

は困難というべく むしろ このような収支の結果は 各種経費を 自らの裁量判断のもとに自ら負担することによって 本件外交員業務を遂行して多額の収入を得る結果をもたらした請求人自身に帰属するものとみるべきであり 請求人は 自己の危険と計算において本件外交員業務を行っていると認めるのが相当である なお 本件外交員業務は 歩合制報酬であるその性質上 営利又は対価の収得を目的として行われるものであることは明らかであるし 地代家賃や給与の支払いが年間を通して計上されており また年間を通じ月ごとの売上もあることから 反復継続して行われているものであることも明らかである そうすると 本件外交員業務は 営利又は対価の収得を目的として 自己の危険と計算において 独立的に反復継続して行われる経済行為であると認められるから 事務提要のいう 事業 に該当し ( 2 ⑵ ア ) 請求人は 事業を行う個人であると認められる ⑶ 法 7 2 条の 2 第 8 項 2 3 号に規定する 代理業 に該当するか否かについて請求人は 本件確定申告書において自らの職業を 生命保険外交員 であると申告しており 本件外交員業務の対価として歩合制による報酬を得ているものと認められるが 一般に 外交員 とは 事業主の委託を受け 継続的に事業主の商品等の購入の勧誘を行い 購入者と事業主との間の売買契約の締結を媒介する役務を自己の計算において事業主に提供し その報酬が商品等の販売高に応じて定められている者 と解されている ( 関東信越国税不服審判所平成 11 年 3 月 11 日裁決 国税不服審判所ウェブサイト 公表裁決事例登載 裁決事例集 N o.5 7 2 0 6 頁参照 ) また 保険業法は 2 条 2 6 項において 保険募集 とは 保険契約の締結の代理又は媒介を行うことをいうと規定していると - 10 -

ころ 本件外交員業務において行われる 保険募集 の具体的内容としては 保険契約の締結の勧誘 その勧誘を目的とした保険商品の内容説明 保険契約の申込みの受領及びその他の保険契約の締結の代理又は媒介といった行為をいうものと解される ( 金融庁 保険会社向けの総合的な監督指針 ( 平成 28 年 8 月 なお平成 30 年 2 月改定後も同様 ) Ⅱ-4-2-1 ⑴) 保険業法 275 条 1 項は 同項各号に定める者が同項各号に定める保険募集を行う場合を除くほか 何人も保険募集を行ってはならないと定めているところ 同項 1 号には 次条 ( 特定保険募集人は同法の定めるところにより内閣総理大臣の登録を受けなければならない旨を定める同法 276 条を指す ) の登録を受けた生命保険募集人その所属保険会社等のために行う保険契約の締結の代理又は媒介 と規定されている また 同法 276 条の登録の申請があった場合は 同法の規定により登録を拒否する場合を除いて 内閣総理大臣は直ちに登録しなければならない旨が定められている ( 同法 278 条 1 項 ) 請求人は 保険業法 278 条 1 項による登録がなされていることから 同法 275 条 1 項 1 号にいう生命保険募集人として 本件会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行っているものであると認められる このことを事務提要に照らしていえば 請求人は 本件外交員業務を行うについて 1 一定の商人のために ( 原則として特定の者のために ) 2 反復継続して行われ 3 取引を代理し 又は媒介する業務を行う者であると認められるものである なお その業務遂行の態様は 単なる従業員としての労務の提供に止まらず 4 独立した事業である と認められる性格のものであることは 上記 ⑵のとおりであるから 本件外交員業務は 事務提要が掲げる代理業としての要件 (2 ⑵ イ) を充たしていることが認められる - 11 -

以上のことから 請求人が生命保険外交員として行う本件外交員業務は 個人事業税の課税対象である第一種事業 ( 法 72 条の 2 第 3 項 ) である 代理業 ( 同条 8 項 2 3 号 ) に当たるものと認められるものである 4 次に 本件処分における税額について その算定が適正か否かを検証する 上記 2により 請求人は 個人事業税の納税義務者と認められるところ 平成 2 8 年における請求人の事業の所得の金額は 事業主控除の額 2 9 0 万円を超過するものと認められるから 当該事業の所得の計算に必要な事項を申告する義務を負うものであるが 同年の所得につき 税務署長に対し本件申告書類の提出がなされているため 個人事業税についても申告があり 青色事業専従者に支給した給与の総額 青色申告特別控除の適用を受けた旨についても申告がなされたものとみなされることとなる (1 ⑷) そこで 本件申告書類を基にして個人事業税の課税標準を算定するに 税務署長に申告された請求人の平成 2 8 年の事業所得の額は 7 4, 5 6 5, 2 46 円であるところ この金額は 国税に固有の青色申告特別控除 ( 租税特別措置法 2 5 条の 2 第 1 項 1 号 ) を適用した後の金額であるため 同控除額として計上された100, 0 0 0 円については 個人事業税の課税対象とする所得の計算上は上記申告にかかる事業所得の額にこれを加算し そこから個人事業税における事業主控除の額 2, 9 0 0, 0 0 0 円 ( 法 7 2 条の 4 9 の 1 4 第 1 項 ) を減じて得た 7 1, 7 6 5, 0 0 0 円 ( 法 2 0 条の 4の2 第 1 項の規定により 千円未満の端数金額は切捨てる ) が課税標準額となるものである (1 ⑵ないし⑷) そして 代理業は第一種事業であるから ( 1 ⑴ ) 上記により求めた課税標準額 7 1, 7 6 5, 0 0 0 円に 第一種事業について東京都において課する個人事業税の税率 1 0 0 分の 5 ( 法 7 2 条の 4 9 の 1 7 第 1 項 1 号及び条例 3 9 条の 3 第 1 号 ) を乗じた額 3, 5-12 -

8 8, 2 0 0 円 ( 法 2 0 条の 4 の 2 第 3 項の規定により 百円未満の端数金額は切捨てる ) が 請求人に賦課すべき平成 29 年の個人事業税の税額となるものである (1 ⑸) 本件処分における税額 3, 5 8 8, 2 0 0 円 ( 別紙処分目録参照 ) は これに一致しており 違算等の事実は認められないことは明らかである 5 以上のとおり 本件処分は 請求人に対して 請求人が平成 2 8 年において行った第一種事業である代理業について 法令等の定めに基づき個人事業税を課し かつ適正な課税標準を基礎として税額を算定したものであり 違法又は不当な点を認めることはできないものである 6 請求人の主張について ⑴ 請求人は 上記第 3 のとおり主張し 請求人は本件会社に雇用された立場の生命保険外交員であって 独立して事業を行っている事実はないから 個人事業税の賦課対象とはならない旨を主張している しかし 個人事業税の課税要件の検討においては 他の諸法規において雇用者として取扱いを受けていることのみの理由で直ちに事業を行う者に該当しないと判断すべきではないこと ( 取扱通知第 3 章 第 1 節 第 1 1 の 5 ⑵ ) 身分的従属関係のみを重視すべきではなく 実質的に自己の責任において営業行為とみなしうる収支計算を行っているかどうかについて十分調査をすべきこと ( 事務提要第 3 章 第 2 節 第 23 2 ⑴) が求められている そして これらのことを踏まえた上で検討した結果 請求人は独立して事業を行っている個人と認めることが妥当であることは 上記 3に述べたとおりである すなわち 自宅を事務所として地代家賃を請求人の負担する経費とするほか 営業収入から多額の経費を負担しており このことからすると 本件外交員業務 - 13 -

については 本件会社との間に一定の従属関係はあるとはいえ 営業の相手方や営業の方法の選択等その他実際の営業活動については 本件会社の指揮命令に従ってその拘束の下に遂行するという要素が支配的であるとは推測できず むしろ 当該営業活動は いかなる経費を投入して売上を得るのか等について 請求人の裁量により その危険と計算において行われており 収支の結果は請求人に属していると認められるべきものである そうである以上 たとえ本件会社において請求人に対する報酬について所得税の源泉徴収があり また 雇用保険 健康保険及び厚生年金の保険料が本件会社を通じて徴収されている事実があったとしても それらのことは上記認定の妨げにはならないものというべきである なお 請求人がいう通達に相当するものとしては 代理業 ( 例えば代理店等 ) でない限り 法定事業に該当しないものと思料されるから課税は不可である とする行政実例 ( 昭和 29 年 8 月 1 4 日自丁府発第 6 2 号福井県総務部長あて自治庁府県税課長回答 個人事業税( 生命保険外交員に対する課税 ) の疑義について ) があるが この回答は 当該照会のあった個別具体的な事例について判定の結果を指示しているに止まるものである そして 生命保険外交員の身分を有する個人であっても代理業に該当すると認定すべき場合があることを一律に否定し そのような認定が可能な場合まで全て課税対象外とする趣旨の通達は存在しないものである ( 事務提要第 3 章 第 2 節 第 2 3 3 ⑷ ) 以上のとおりであるから 請求人の上記主張は 理由がない ⑵ なお 請求人は 判定基準 についても言及している 事務提要では 代理業の認定について 認定基準 の項において 個人事業税の代理業に該当するかは 原則として申告書等の各種資料に基づき認定を行う その上でなお実態等に疑義が生じる事例については 下記の判定基準もあわせて精査することで認 - 14 -

定を行うものとする としているところであるが ( 事務提要第 3 章 第 2 節 第 2 3 2 ) 当該 判定基準 は 具体的には 納税者が行う業務について 個人事業税の賦課対象となる代理業に該当するか否かを 報酬支払の方法 営業所の所有及び営業費の分担関係 活動形式と労働時間の拘束関係などについて各種項目を設けて 項目ごとに Y ( Y E S ) N ( N O ) を決定し 該当する項目の多寡を基準に判定を行うというものである ( 同 2 ⑵) そして 事務提要の 留意事項 においては 判定基準は絶対唯一の判定となるものではなく 判定の結果についてなお不合理があると考えられるときは その他の事情をも十分勘案して最終的判定を下すものとする 具体的には 判定基準による結果が各種資料に基づいて総合判断される結果と異なり その総合判断に用いられた資料の挙証能力が判定基準の各項目によって表されるものよりも高いと認められる場合などには 一律に判定基準を適用せず 各種資料に基づいた総合判断により認定を行うこと とされている ( 事務提要第 3 章 第 2 節 第 23 3 ⑸) 代理業の認定における上記のような判定基準の位置づけからすると そもそも判定基準に依拠するまでもなく 申告書類等から 納税者の業務を代理業と認定して個人事業税を賦課する処分を行ったからといって そのことから当該賦課処分が直ちに違法 不当となるものではないことは明らかである また 本件に関していえば 本件申告書類に基づいて 本件外交員業務が個人事業税の対象となる代理業に該当すると認定することは十分に可能であり 当該認定についてさらに疑義が生じるようなものではなかったものと認められ 本件申告書類を基に行った処分庁の認定判断が適法かつ妥当なものであることは 上記 3 に述べたところから明らかであるから 請求人の主張する点については 本件処分を違法又は不当とすべき理由として採用することはできないものである - 15 -

7 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討 その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 松井多美雄 宗宮英俊 大橋真由美 別紙 ( 略 ) - 16 -