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Transcription:

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内容 サイバーセキュリティの概況 脅威の現状 ランサムウェア 内部不正 組織の対応状況 CISO CSIRT の状況 ( 日 米 欧比較 ) 2

サイバーセキュリティの概況 ~ 増大する脅威 ~ GSOC センサーで認知された政府機関への脅威の件数の推移 実際の攻撃である可能性が高い 不審な通信 が約 2 倍 セキュリティインシデント検知数増大 2015 年インシデント検知数前年比 38% 増 ランサムウェアに関する相談件数の増大 実被害相談割合 88% 件数は前月比 5.6 倍 (3 月 ) 出典 :NISC 2015 出典 : プライスウォーターハウスクーパース 2016 標的型メール攻撃件数の増大 2015 年 3,828 件と最多に前年比 2.2 倍 IPA : 安心相談窓口による集計 2016 出典 : 警察庁 2016 3

ランサムウェアによる攻撃が急増 ~ 組織における感染は組織全体に被害を及ぼす可能性も ~ ランサムウェア に感染すると ファイルが暗号化等され その解除と引き換えに金銭を要求される 暗号化されてしまうと ランサムウェア自体を駆除してもファイルを復元することができない 要求された金額を支払っても元に戻せる保証はない 支払った事例も存在 ランサムウェアとは Ransom( 身代金 ) と Software( ソフトウェア ) を組み合わせた造語 感染経路 メール内の URL をクリックしたり 添付ファイルを開くことで感染 攻撃者が用意した不正なウェブサイトから感染 ( 脆弱性等を悪用 ) IPA に情報提供のあったメール情報の例 メール件名 : なし (no subject) メール本文 : おはようございます! 私たちはあなたのパッケージを配信することはできません 添付ファイルのあなたの住所を確認してください ありがとうございました! ランサムウェア感染を狙ったメールのばらまき 添付ファイル名称 : 追跡番号 _ ( 数値 ).zip 出展 : 注意喚起 ランサムウェア感染を狙った攻撃に注意 (2016 年 4 月 13 日 ) 4

ランサムウェアの被害事例 IPA の相談窓口に寄せられた事例 (2016 年 3 月 ~6 月 ) No 対象内容 1 企業 A 社内で2 回目のランサムウェア感染を確認 ストレージサーバー内のデータが暗号 化されてしまった 今回はバックアップをとっておらず データ復旧が困難 感染 元のパソコンも特定できていない 2 企業 B メールの添付ファイルを 事務員が会社関係のものだと思い開いてしまい感染 ファイルがすべて開かなくなってしまった 工事の検査の申請に必要な写真も見ら れなくなってしまった 3 企業 C ランサムウェア (Locky) に感染した クラウドのファイル保存サービスを利用し ているが それがかなり上書きされているので気付いた ウィルス対策ソフトを導 入しているが検知できなかった 4 動物病院 PCに届いたメールの添付ファイルを開いたらランサムウェア (locky) に感染してしまった PCのソフトやOneDrive( オンラインストレージサービス ) が使えなくなり 連動してレントゲンも使えなくなってしまった メール件名 内容が書いていなくて 添付ファイルはinvoiceだった 5 企業 D 社内 PCでメールを開いて感染し Officeデータがやられた iphoneから自分宛に写真を送ったりするので こんなの送ったっけ? と思って開 いてしまった Dropbox( オンラインストレージサービス ) もやられてしまった 6 企業 E 仕事のPCが感染し Excel Wordファイルが lockyファイル ( 暗号化 ) になっ ていた 社長のメールアドレスで届いたメールの添付ファイルを開いてしまった 今考えると怪しいメールだった 5

ランサムウェアへの対策 メールの添付ファイル リンク (URL) を不用意に開かない 定期的にバックアップを取得する (PC だけでなく 共有サーバーも ) バックアップから復元できるか事前に確認しておく OS や利用ソフトウェアを最新の状態に保つ ウイルス対策ソフトの導入 ウイルス定義ファイルを最新に保つ 組織の対策として定期的なバックアップを 併せてウイルス対策 脆弱性対策も忘れずに バックアップ 6

内部不正の実態 ~ 最新の内部不正実態調査 (2016 年 3 月 3 日公開 ) から ~ 内部不正を行ったことのある経験者 ( 内部不正経験者 ) に対して調査 情報の持ち出し手段は USB メモリの利用が最多 300 名未満の企業の過半数は 外部記録媒体の利用制限に関する方針やルールがないと回答 外部記録媒体に関する利用ルールの徹底 および利用制限を! 故意の内部不正 ( 情報持ち出し ) に関する動機 対象情報 手段等 項目 1 位 2 位 3 位 不正行為者 システム管理者技術者 開発者経営層 役員 23.5% 22.1% 17.4% 不正行為の動機 業務が忙しく終わらせるため持ち出した 38.1% 処遇や待遇に不満があった 26.1% 持ち出した情報や機材で転職を有利にしたかった 16.7% 対象情報 顧客情報 技術情報 営業計画 持ち出し手段 48.3% USBメモリ 53.0% 故意の不正行為の経験者 :n=98 不正行為の動機 は n=84 36.9% 電子メール 28.9% 不正行為の動機 以外は複数回答 32.9% 紙媒体 18.8% 7

内部不正の実態経営者 システム管理者と内部不正経験者が有効と考える対策 経営者等が重要視していない対策が内部不正行為に効果的 内部不正を減らすには 不正行為を思いとどまらせるのに有効な対策を的確に把握し実施することが必要 内部不正経験者経営者 対策システム管理者 順位 割合 順位 割合 1 位 50.0% ネットワークの利用制限がある ( メールの送受信先の制限 Webメールへのアクセス制限 Webサイトの閲覧制限がある ) 2 位 30.3% 2 位 46.5% 技術情報や顧客情報などの重要情報にアクセスした人が監視される ( アクセスログの監視等を含む ) 4 位 27.0% 3 位 43.0% 技術情報や顧客情報などの重要情報は特定の職員のみがアクセスできる 1 位 43.9% 4 位 25.0% 職務上の成果物を公開した場合の罰則規定を強化する 12 位 12.8% 5 位 23.5% 管理者を増員する等 社内の監視体制を強化する 11 位 13.1% ( 内部不正経験者 :n=200 経営者 システム管理者 :n=1500) 8

内部不正対策内部不正防止ガイドラインの活用 内部不正を防止するための環境整備に役立てて頂くためのガイドライン 内部不正チェックシートで現状の対策状況を把握 1 対策の指針 ポイントを理解するリスクに対する具体的な対策を立案するためのヒント 組織における内部不正防止ガイドライン ( 第 3 版 ) 内部不正チェックシート ( 付録 ) 2 具体的な実施策を立案する製品 ソリューションを検討 参考 )JNSA 内部不正対策ソリューションガイド 内部不正ガイドラインの 30 の対策項目を実現するための製品やサービスをまとめたソリューションガイド http://www.jnsa.org/solguide/index.htm JNSA: 特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会 https://www.ipa.go.jp/security/insider/index.html 9

日本における CISO の状況経営者の関与 組織的な取り組みの日 米 欧比較調査 情報セキュリティ対策の実施に CISO 設置は有効だが 日本は CISO 任命率が欧米より低い 経営層が参加する情報セキュリティに関する意思決定の場がある リスク分析を実施している CISO の任命と情報セキュリティ対策推進状況の関係 地域 経営層として CISO 任命 経営層より下の層に CISO 任命なし CISO 任命 1 2 3 日 89.3% 68.6% 37.3% 米 77.4% 58.3% 39.4% 欧 78.0% 49.6% 36.1% 日 84.9% 71.2% 43.3% 上昇 上昇 米 83.5% 64.1% 46.8% 欧 78.0% 62.7% 42.6% 経営層として CISO を任命している場合 CISO 任命なしの場合と比較し情報セキュリティ対策の実施率は高い ( 本調査の結果 約 2 倍 ) サイバー攻撃が発生した場合を想定した被害額を推定している 日本 (N=588) 米国 (N=598) 日 71.6% 67.3% 34.7% 米 69.4% 58.7% 27.7% 欧 81.2% 66.9% 27.9% 0 % 20 % 40 % 60 % 80 % 100 % 38.3 41.5 26.0 約 2 倍 37.3 25.5 15.7 10.2 5.5 1: 日 (n=225) 米 (n=248) 欧 (n=223) 2: 日 (n=153) 米 (n=223) 欧 (n=236) 1: 日 (n=150) 米 (n=94) 欧 (n=61) しかし CISO 任命率が欧米より低い 欧州 (N=540) 41.3 経営層としてCISO 等を任命している CISO 等を任命していない 43.7 11.3 3.7 経営層よりも下の階層に CISO 等を任命しているわからない 報告書 :https://www.ipa.go.jp/security/fy27/reports/ciso-csirt/ 調査対象 : 従業員数 300 人以上 10

日本における CSIRT の状況経営者の関与 組織的な取り組みの日 米 欧比較調査 日本の企業では CSIRT は設置したが 人材の能力 スキル不足を実感しており 現状に満足していない 日本 (N=401) 米国 (N=417) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 14.0 CSIRT の満足度 ( 有効性の全体評価 ) 45.3 67.1 42.2 13.0 0.5 5.5 1.2 7.0 4.3 日本は CSIRT に対する満足度評価が欧米より低い 欧州 (N=389) 48.8 41.4 1.5 6.7 1.5 期待したレベルを満たしているあまり期待したレベルを満たしていないまだ評価できない ある程度期待したレベルを満たしている全く期待したレベルを満たしていない 情報セキュリティ人材の質的充足度 0 % 20 % 40 % 60 % 80 % 100 % 日本 (N=536) 25.2 53.2 15.1 6.5 情報セキュリティ人材の質的充足度が欧米より低い 米国 (N=530) 54.3 30.4 5.8 9.4 欧州 (N=491) 61.9 28.7 3.5 5.9 十分であるやや不足している大幅に不足しているわからない 11

まとめ 外部からの新しい脅威への備え 内部不正への有効な対策の把握 CISOはセキュリティ対策の実施に有効 CSIRTはセキュリティ人材の強化が課題 12