第 2 人権救済申立の概要申立人が 未決勾留者として旭川刑務所内の拘置施設に勾留されていたところ 1 希望する医療を受けられなかったこと 2 義姉が申し込んだ面会を拒絶されたこと 3 監視カメラ付き居室に収容されて長期間に渡りカメラ監視を受けたことについて 申立人に対する人権侵害があったとし 当委員

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法律第三十三号(平二一・五・一)

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

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(4) 性的な写真や漫画などを見せること (5) ヌード ポスター等を掲示すること (6) 職場の職員を何回もじっと見つめること (7) 職場の職員を職場内外でつけ回すこと (8) 職場において 社員に対して性的な関係を要求すること (9) 職場の職員の衣服または身体をむやみに触ること (10) 頼

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11総法不審第120号

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13 条,14 条 1 項に違反するものとはいえない このように解すべきことは, 当裁判所の判例 ( 最高裁昭和 28 年 ( オ ) 第 389 号同 30 年 7 月 20 日大法廷判決 民集 9 巻 9 号 1122 頁, 最高裁昭和 37 年 ( オ ) 第 1472 号同 39 年 5 月

平成19年(ネ受)第435号上告受理申立理由要旨抜粋

ガイドライン策定の目的 和歌山県では 和歌山県安全 安心まちづくり条例 ( 平成 18 年 3 月 24 日条例第 26 号 ) に基づき 家庭及び地域における人と人との絆を大切にし お互いが支え合い 及び助け合うとともに 安全で安心な暮らしに配慮した環境の整備を行うまちづくりを推進しています その

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年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

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4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

4-1 育児関連 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 育児休業の対象者 ( 第 5

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日商協規程集

日本政府が一九七九年に批准した国際人権 自由権 規約七条には 何人も 拷問又は残虐な 非人道的な若しくは品位を傷つける取り扱い若しくは刑罰を受けない 一〇条一項には 自由を奪われたすべての者は 人道的にかつ人間の固有の尊厳を尊重して 取り扱われる とそれぞれ規定されている また 一七条では私生活への

個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン (EU 域内から十分性認定により移転を受けた個人データの取扱い編 ) 目次 (1) 要配慮個人情報 ( 法第 2 条第 3 項関係 )... 3 (2) 保有個人データ ( 法第 2 条第 7 項関係 )... 5 (3) 利用目的の特定 利用目的に

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特別養護老人ホーム瑞光の里金表 ( 従来型個室 ) ( 平成 30 年 4 月 1 日現在 ) + 口腔衛生管理加算 介護職員処遇改善加算 + 所定単位数 介護度 ,867 21,516 介護度 ,975 23, 介護度

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る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

一九二〇 経過的セーフガード措置 とは 第六 三条(経過的セーフガード措置の実施)2に定める措置をいう 第六 二条世界向けのセーフガード1この協定のいかなる規定も 千九百九十四年のガット第十九条の規定及びセーフガード協定に基づく締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない 23に規定する場合を除く

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4 予備調査委員会は必要に応じて 予備調査の対象者に対して関係資料その他予備調査を実施する上で必要な書類等の提出を求め又は関係者のヒアリングを行うことができる 5 予備調査委員会は 告発の受付から 30 日以内に その調査結果を研究倫理委員会に報告する 6 研究倫理委員会は その調査結果を最高管理責

訪問介護標準契約書案

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

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指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

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が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

4 いじめの疑いに関する情報があった時の緊急会議の実施 いじめの情報迅速な共有 関係児童等への事実関係の聴取 指導や支援の体制 対応方針の決定 保護者との連携した対応の実施 5 必要に応じた説明 ( 公表 ) への対応決定 6 いじめ防止等に係る校内研修を企画し 計画的に実施 3 いじめ防止に向けた

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

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次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

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非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

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資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

Transcription:

平成 28 年人権委第 3 号 AAAAA 人権救済申立事件 調査報告書 旭川弁護士会人権擁護委員会 委員長小林史人殿 2018 年 ( 平成 30 年 )8 月 27 日 担当委員清水健史 同北澤良兼 申立人 AAAAA にかかる上記人権救済申立事件について 当委員会が 調査した結果を以下の通り報告する 第 1 結論当弁護士会は 旭川刑務所に対し 下記のとおり勧告することが相当である 記当会は 貴刑務所に対し 以下のとおり勧告する 被収容者を監視カメラ付き居室へ収容してカメラ監視を実施する場合には カメラ監視行為が被収容者のプライバシーの権利 ( 憲法 1 3 条 ) を侵すおそれが大きいことを踏まえ やむを得ずカメラ監視行為を開始したとしても カメラ監視は相当の範囲内の方法により必要最小限度の態様で行うにとどめ かつカメラ監視をすべき必要性がなくなったときには 直ちにカメラ監視をやめるべきである 貴刑務所がした申立人に対するカメラ監視行為は 平成 27 年 11 月 26 日以降については申立人のプライバシーの権利の侵害である 以上 1

第 2 人権救済申立の概要申立人が 未決勾留者として旭川刑務所内の拘置施設に勾留されていたところ 1 希望する医療を受けられなかったこと 2 義姉が申し込んだ面会を拒絶されたこと 3 監視カメラ付き居室に収容されて長期間に渡りカメラ監視を受けたことについて 申立人に対する人権侵害があったとし 当委員会へ救済を求めたもの 第 3 調査資料等 1 申立人について 面会 手紙 照会書に対する回答等 2 旭川刑務所について 照会書に対する回答 ( 平成 28 年旭刑発第 5 19 号 平成 29 年旭刑発第 121 号 平成 29 年旭刑受第 888 号 平成 30 年旭刑受第 165 号 ) 3 札幌矯正管区について 照会書に対する回答 ( 平成 29 年札管発第 362 号 ) 4 熊本地方裁判所平成 30 年 5 月 23 日言渡 平成 27 年 ( ワ ) 第 7 7 号国家賠償請求事件判決 第 4 当事者の主張の概要 1 申立人の主張 (1)1 医療について精神的な疾病があることを申告し その症状等もあったにもかかわらず 希望する医薬品を支給されず 旭川刑務所の医務官らから威圧的言動を受け 医療が制限された (2)2 面会拒絶について義姉との面会を拒絶された (3)3カメラ監視について女性被収容者である申立人は 監視カメラ付き居室に収容されてから旭川刑務所から移送されて出るまでの長期間に渡り 性別不詳 2

の職員からカメラ監視を受け続けた 2 旭川刑務所の回答 (1)1 医療について医療体制については刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第 56 条に基づき実施しており また 診療等については同法第 62 条に基づき実施し 個別具体的な事案に応じて適切に対処していた 薬剤の処方については医師が診察しその必要性を踏まえ処方していた 申立人の診察にあたっては 医師 看護師 刑務官らが立ち会っていた 職員の威圧的言動等について申立人から不服申立てのあった事実は認められなかった (2)2 面会拒絶について平成 27 年 8 月 28 日に面会連行職員が申立人の居室に赴き面会を行う旨告知したところ 申立人が体調不良を申し述べて面会を辞退したものであり 当所が面会を不許可とした事実はない (3)3カメラ監視について監視カメラ付き居室の使用については 被収容者の動静視察等の必要性に応じ 個別具体的な事案に応じて適切に対処しているところである 申立人には 心情不安定な様子があり 過去に自殺未遂を惹起する行為を行った旨の申告があったことを踏まえ 椅子から転げ落ちたり 床に伏せ嘔吐するような動作を繰り返すなどの特異な動静があったことで 申立人の動静を視察する必要性が認められたので 女性被収容者として一定の配慮を施した上でカメラ監視を実施した 第 5 調査結果 ( 認定した事実 ) 1 1 医療について 3

(1) 旭川刑務所内の拘置施設に申立人が所在していた際 申立人には精神的な疾病等があり 食欲不振 胸の苦しさ 不安な気持ちなどの症状が出現することがあった (2) 申立人の上記各症状に対しては 医師及び看護師らによる医療体制の中で診察や投薬が実施されていた (3) 平成 27 年 11 月 20 日に申立人が胸の苦しさなどを愁訴した際には准看護師により複数回状態確認がなされた (4) 旭川刑務所医務部門が過剰投薬となると判断した場合には 申立人の希望通りの投薬がなされないことがあった (5) 平成 27 年 11 月 21 日には精神科医師の診察が予定されていたが 申立人は精神科医師の診察を断った 2 2 面会拒絶について申立人は未決勾留者として旭川刑務所内拘置施設に所在していたところ 同所所在中の平成 27 年 8 月 28 日 申立人に対し面会申込があったが 申立人は面会申込者とは面会しなかった 面会しなかった経緯に関する事実関係についての詳細は上記以上には認定できなかった 3 3カメラ監視について (1) 旭川刑務所からの回答上 申立人は 平成 27 年 8 月 26 日の入所時の健康診断において 不安障害等の症状を患っていること 過去に自殺未遂惹起の行動をしたことがあることや現在受刑している事件について逮捕された際 毛布を口に含むなどの行動をした旨を述べるなどし 心情が安定していない状態がうかがわれた (2) 申立人は 平成 27 年 11 月 20 日から平成 28 年 1 月 13 日までの55 日間 監視カメラ付き居室に収容された (3) 申立人は 監視カメラ付き居室に収容された後のほとんどすべての期間 旭川刑務所内の一角にガラスで仕切られた場所に設置されたモニターで 男性を含む監視業務職員によるカメラ監視を受けた 4

上記一角には 監視業務職員以外の職員が一時的に入室することもあった (4) 監視カメラ付き居室に申立人が収容された平成 27 年 11 月 20 日から翌々日までの間 申立人には 次のような動静が認められた ア平成 27 年 11 月 20 日昼頃 床にうつ伏せになり 大きな唸り声をあげながら唾液等を吐くなどして過呼吸のような症状が出現し 胸の苦しさを担当職員に訴え 薬をくださいなど申し出た 座っていた椅子から床に崩れ落ち 仰向けに転げ 担当職員の問いかけに返答しなかった 監視カメラ付き居室に移動する際は自力では移動できなかったので職員らに抱えられて移動した イ前同日夕方頃 死のうと思っているから死なないようにして などと不安な気持ちについて担当職員に述べた ウ平成 27 年 11 月 21 日 担当職員に対し胸の苦しみを愁訴した 安静にしている際 布団の上で手足や体を激しく動かすなどの症状や呻き声も出た 食欲がなく 全日に渡り喫食しなかった エ平成 27 年 11 月 22 日 担当職員に対し胸の苦しみを愁訴した (5) 平成 27 年 11 月 23 日以降平成 28 年 1 月 12 日まで51 日間 旭川刑務所からの回答上 申立人には 自傷 自殺未遂の言動等はなく 特異な動静も確認されなかった この点について 申立人は 体調は徐々に回復していきました 胸の苦しさや倒れることもなくなりました 震えや過呼吸のような症状があったのは部屋を移された最初の内だけです 食欲だけはずっとありませんでした 不安な気持ちがあったのは部屋を移った日だけ などと当委員会に対し説明した (6) 旭川刑務所からの回答及び申立人の述べるところを踏まえれば 申立人の心身にかかる体調は 平成 27 年 8 月 26 日の入所時から良好ではなく不安定な状態であったところ 平成 27 年 11 月 20 5

日頃には相当悪化した状態にまでなり その程度は自殺衝動ともとれる言動をするような状態であった その後 監視カメラ付き居室に申立人が移された日以降徐々に快方したものと認められ 平成 2 7 年 11 月 23 日以降 自傷 自殺未遂を含む特異な言動は見られなかった (7) 旭川刑務所は カメラ監視行為についての基準や取扱いについて定められた内規に基づき 人権配慮の観点から便所部分の一部を終日視察できないようにしているほか 着替え等をする場合については職員への申し出によりカメラモニターの電源を切るなどして視察を一時的に中止する人権への配慮措置をとるなどしていた可能性がある 但し このような配慮について 申立人に対して十分な説明をしたことや実際に上記措置が着替えなどの都度実施されていたことを認めるに足るところまでは調査によっては顕出されなかった (8) 申立人が当該居室において 排便や着替えを含む生活行動のほとんどすべてを行っていたこと ほとんどすべての生活行動を終始カメラ監視されていたこと これについて申立人が苦痛を感じていたことは容易に認めることができる 第 6 当委員会の判断 1 1 医療について (1) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 ( 以下 刑事被収容者処遇法という ) 第 56 条は 刑事施設においては 被収容者の心身の状況を把握することに務め 被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため 社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする と定めており 被収容者は社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な医療上の措置を受ける権利があると認められる 6

(2) 調査の結果 申立人は 旭川刑務所における医師及び看護師らによる医療体制下において診療や投薬を受けていた事実が確認でき 専門医である精神科医師による診察予定が組まれていたなどの事実が確認できた そうすると 申立人は精神的疾患も含め医療上の措置を相当程度受けていたものと認められる 申立人の希望通りの投薬がなされなかったことのみをもって権利侵害を認めることはできず ほかに申立人の医療処遇が社会一般の水準に照らし不十分であることを示す事実の顕出までには至らなかった (3) よって 1 医療について 人権侵害行為を認めるまでには至らなかった 2 2 面会拒絶について (1) 旭川刑務所が正当な理由なく面会拒絶をしたことの確認はできなかった (2) よって 2 面会拒絶について 人権侵害行為を認めるまでには至らなかった 3 3カメラ監視について (1) 未決勾留者は 個人の尊厳の下 私生活に関する情報を他人にみだりに取得されないというプライバシーの権利を有する ( 憲法第 1 3 条 ) (2) 未決勾留者に対する権利の制約は 未決勾留者の拘禁目的である罪証隠滅を防ぐ 逃亡を防ぎ公判廷への出廷を確保することを達するために必要最小限度かつ相当な範囲に限って許容されうる (3) 居室内とそこに収容されている未決勾留者としての被収容者を監視カメラで継続的に撮影し これを視察する監視業務職員の行為は 巡視による動静把握とは異なり 被収容者の動静をいつでも また死角なく継続的に確認することが可能となるものであり 撮影されている被収容者にとっては四六時中自分の行動を常に監視されて 7

いるため 排便や着替えなど羞恥心の強い他人には知られたくない生活動作を含むほとんどすべての被収容者の姿態や動作が監視者に知られることになる したがって 監視カメラ付き居室におけるカメラ監視行為は被収容者のプライバシーの権利を害する危険があり 被収容者に強度の拘禁感や圧迫感を感じさせるものである しかも 被収容者が女性である本件のような場合には 監視者が異性であった場合には性的羞恥心をも大きく害するものである (4) ここで 監視カメラ付き居室と同様に居室の設備 備品等の構造が被収容者に強度の拘禁感や圧迫感を感じさせる居室としては 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律刑事施設収用法 ( 以下 刑事収容施設法 という ) 上の保護室があげられる 保護室については 法の明文上 保護室への収容が被収容者への心身への重大な悪影響をあたえるおそれがあることを踏まえ 被収容者の心身を保護するために その収容要件や収容期間が厳格に定められている ( 刑事収容施設法第 79 条等 ) 監視カメラ付き居室へ被収容者を収容する措置をする場合 刑事収容施設法上の同居室についての明文規定はないものの カメラ監視可能な居室の構造上 被収容者の心身へ重大な悪影響を及ぼすおそれがあることは保護室と同様もしくはそれ以上のものであることは明らかであり 明文の規定がないからといって無制限に監視カメラ付き居室への被収容者を収容する措置が許されるものではない そこで 監視カメラ付き居室への被収容者の収容については 保護室への収容要件に準じてその必要性を慎重に検討することが要請されているというべきである また その収容期間についても保護室への収容の期間が原則として72 時間以内とされていること 特に継続の必要性がある場合にのみ刑事施設の長は48 時間毎にこれを更新することができるに留 8

まることに鑑み 必要性がなくなったにもかかわらず 漫然と監視カメラ付き居室への収容を継続することは許されないというべきである (5) 本件においては 申立人は監視カメラ付き居室に移された当日において 椅子から転げ落ちるなどの特異な動静や不安な気持ちについての言動をしていたので 申立人の動静を見守るためにカメラ監視を行う必要性があったことは否定しない また 申立人は監視カメラ付き居室に移されたあと平成 27 年 1 1 月 22 日までの間においては 担当職員において申立人に対する特異な動静があったことが観察されたため 収容から 72 時間経過時点である同月 23 日の時点においては 前日まで特異な動静が観察されていたことから 引き続きカメラ監視をすべき必要性が相当程度は継続して存在していたことは否定できない 一方 平成 27 年 11 月 23 日以降から退所するまでの間 旭川刑務所の回答によれば 申立人には特異な動静は確認できておらず 申立人自身も不安な気持ちがあったのは監視カメラ付き居室に移った日だけであった旨を述べている 被収容者について 監視カメラ付き居室へ収容されて当初 72 時間を経過した後 特異な動静が確認できずに更に48 時間を経過しているような場合には カメラ監視をする必要性は著しく減退ないし消滅したものと解することには合理性がある ( 刑事収容施設法第 79 条趣旨準用 ) 本件については 当初の72 時間を超えて更に48 時間が経過してカメラ監視の期間が合計で120 時間を超えた平成 27 年 11 月 25 日が経過する頃には 48 時間以上に渡り申立人には特異な動静が確認できなかったのであるから この頃までには申立人の心身の不安状態は収まっていたと評価すべきである 他に特に引き続きカメラ監視をしてまで申立人の動静を見守るべき事情は本件では顕 9

出されなかった 以上より 本件については カメラ監視を始めてからの当初の7 2 時間及びそれに引き続く48 時間程度のカメラ監視行為についてはその必要性があったものと認められるが 更に引き続きカメラ監視を継続するまでの必要性はなく 遅くとも平成 27 年 11 月 26 日以降 申立人を監視カメラ付き居室に収容してカメラ監視による監視行為を漫然と継続した行為については 申立人のプライバシーの権利に対する侵害であるといえる (6) なお 旭川刑務所においては 監視カメラのモニターにおいて排便設備の部分をモザイク加工してカメラ画面から見えにくくし 着替えの際には職員に申出があればモニターの電源を切り監視できないようにするなどして 申立人のプライバシーの権利の侵害に対する一定の配慮措置がなされていた可能性がある しかしながら 着替えの際の措置については 着替えの際に申立人が常に着替えをする旨を職員に申し出ていた証左はなく 仮に着替えをする旨を常に申立人が申し出していたとしても 結局は モニターの電源を切るかどうかは監視業務職員らの裁量に委ねられており 配慮措置の実効性について担保がなく また排便設備の部分をモザイク加工していることについても その配慮措置を申立人に伝えていた証左がなく 申立人の心理的負担の軽減を十分に図ったとまでは認められない上 モザイク加工についても監視業務職員においてモザイクを剥がすことは可能であろうから 配慮措置の実効性についてこれも担保がないものであった 旭川刑務所が施した申立人のプライバシーの権利や心身への悪影響に対する配慮措置には一定の評価はできるものの 配慮措置が常に実行されていたかどうかが判然とせず 申立人に十分に配慮措置の内容を説明した痕跡もないことから 申立人に対する強度の拘禁感や圧迫感は軽減されておらず カメラ監視の態様が必要最小限 10

度の相当なものであったとも認められない (7) よって 旭川刑務所のした申立人に対する平成 27 年 11 月 2 6 日以降のカメラ監視行為について 申立人のプライバシーの権利の侵害があったものと認められる 4 結論当委員会は 1 医療について及び2 面会拒絶については人権侵害行為を認めなかった 3 旭川刑務所が申立人に対し実施したカメラ監視行為は 遅くとも平成 27 年 11 月 26 日以降は 申立人に対する人権侵害があったものと判断した ところで 申立人は旭川刑務所からすでに移送されており 同所に所在していない状態であるので 当委員会が認定した人権侵害行為は現時点では継続していないところである そこで 当委員会は 同種の人権侵害の再発防止の観点より行動を起こすこととし 当弁護士会より旭川刑務所に対し 第 1 結論記載のとおりの勧告を行うべきであると結論した 以上 11