★1207共同声明

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第 4 回日豪外務 防衛閣僚協議 日本とオーストラリア : 平和と安定のための協力 共通のビジョンと目標 1. 玄葉光一郎日本国外務大臣, 森本敏日本国防衛大臣, ボブ カー オーストラリア外務大臣, スティーブン スミス オーストラリア国防大臣は,9 月 14 日にシドニーにおいて会談し, 地域的

Security declaration

目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

HP掲載後微修正】日本側共同声明案和文

日本国とアラブ首長国連邦との間の戦略的パートナーシップの深化及び強化に関する共同声明 - 繁栄と安定に向けた協力の新たな章の幕開け- ( 和文仮訳 ) 2018 年 4 月 29 日から30 日の安倍晋三日本国総理大臣のアラブ首長国連邦訪問に際し 安倍総理大臣とムハンマド ビン ザーイド アール ナ

撃のリスクが 全ての地域と加盟国に影響する可能性があることに懸念を表明し 民間航空に対するテロ攻撃について深刻な懸念を表明しそしてそのような攻撃を強く非難し 民間航空が 外国人テロ戦闘員による輸送手段として用いられる可能性があることにまた懸念を表明し そして 1944 年 12 月 7 日にシカゴで

我が国の2015年安保理非常任理事国選挙 バングラデシュ対策(案)

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

Microsoft Word 【日尼共同声明】和文仮訳

Microsoft Word - ★日越共同声明日本語仮訳(最終版)

この長期にわたる紛争に対する政治的解決を達成することとマグレブ アラブ連合の加盟国間の協 力の強化は 安定および安全 同様にサヘル地域の全ての人々のための仕事 成長および機会を導き出 すことに貢献するであろうことを認識し 国際連合西サハラ住民投票監視団 (MINURSO) を含む 全ての平和維持活動

Microsoft Word - ★(ワードセット版)CONNEX基本指針

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

第 9 部 宇宙空間における制度的枠組 第 1 章 総 論 国際社会は 宇宙空間における軍事利用を禁止又は制限する幾つかの国際的な枠組みを既に作成してきている 例えば 1967 年に発効した宇宙条約は 宇宙を宇宙空間と月その他の天体とに分け 宇宙空間については 核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

設問 6: あなたは普段どの程度国際的なニュースや情報に接しているか ( 注 ) この設問は2015 年より実施 (1) 毎日 (2) 週に2~3 回程度 (3) 週 1 回程度 (4) 月 1 回程度 8 8 (5)2~3ヶ月に1 回程度 2 3 (6)6ヶ月に

平和維持活動業績資料を含む 平和維持活動の有効性に関する資料が 明快で十分に特定された達成条件に基づいて 派遣団の活動の分析と評価を改善するために用いられることを確保するという事務総長への安保理の要請を想起し 派遣団が その職務権限を効果的に実行するために必要とされる技能と柔軟性を保持するような M

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

係を継続的に進展させていく上で重要であるとの認識で一致した Ⅱ. 経済自由貿易 5. 双方は自由で開かれた貿易の力強い支持者であり, 世界貿易機関 (WT O) やAPECなどの国際フォーラムへの積極的な参加者である 双方は, 貿易及び投資の自由化及び円滑化の前進並びに多角的貿易体制の支持への共通の

弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上

よる 誓約 への留意 ( パラ 139) 核兵器使用の影響は瞬時又は長期的な結末をもたらし, それが以前理解されていたよりもずっと深刻であることを確認 ( パラ 140) あらゆる核兵器の使用による壊滅的で非人道的な結末に関する深い懸念は, 核軍縮分野における努力を下支えし続けるべき鍵となる要因であ

日本トルクメニスタン経済委員会・トルクメニスタン日本経済委員会

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

参考資料 1-1 本年次報告の位置付け サイバーセキュリティ戦略 (2015 年 9 月 4 日閣議決定 ) に基づく二期目の年次報告 2016 年度のサイバーセキュリティに関する情勢及び年次計画に掲げられた施策の実施状況を取りまとめたもの ウェブアプリケーション (Apache Struts 等

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

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資料 2 平成 27 年度の政策対話等の実施実績及び予定について ( 未定稿 ) 1. 概要 平成 27 年度は 以下の取組につき 各国の状況に応じ組み合わせて実施 (1) 各国との政策対話の実施 (2) 対話の場を活用した 我が国食関連産業と先方政府 先方民間企業のとの情報共有 マッチングの促進

実であれば このように人命を盾にとって脅迫をするということは誠に許しがたく 強い怒りを覚えているという旨を発言をし そして防衛省としましても 防衛駐在官等を通じまして 情報収集に万全を期す所存である旨を伝えたところでございます そして わが国としてもテロに屈することなく 日英で協力をして 国際社会に

NSS-summary

なぜ社会的責任が重要なのか

各平和維持活動および特別政治ミッションの職務権限は 関係国の必要性および状況に応じて特異 であることを認識し 中立性 当事国の同意 国の主体性および国の責任の原則を再確認し また特別政治ミッションを 受け入れている諸国の見解および諸国との対話の重要性を強調し 受入国の警備機関はしばしば 治安問題につ

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

ANNUAL REPORT

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

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政策評価書3-3(4)

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

国 アメリカ ロシアに次いで世界第 4 位の電力消費国となっている (2014 年 ) 国内の電力供給に関しては 1,114,408GWh の需要に対して供給量は 1,090,851GWh と 2.1% の不足 供給能力もピーク時 153,366MW の需要に対して 148,463MW と 3.2%

11

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CONNEX Basic Principles

平成19年6月  日

責任ある農業投資 - 原則の策定に向けた背景と概要 年 7 月 外務省

進展を遂げたと結論づける 1994 年から 2009 年までの間,APEC エコノミーによる物品の総貿易は年 7.1 パーセント増加した一方,APEC 域内の貿易は同期間に 3 倍の増加を示した APEC 地域への, また, 同地域からの海外直接投資は,1994 年から 2008 年までの間に, い

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

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Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

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ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

経営理念 宇宙と空を活かし 安全で豊かな社会を実現します 私たちは 先導的な技術開発を行い 幅広い英知と共に生み出した成果を 人類社会に展開します 宇宙航空研究開発を通して社会への新たな価値提供のために JAXAは 2003年10月の発足以来 宇宙航空分野の基礎研究から開発 利用に至るまで一貫して行

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テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

PowerPoint プレゼンテーション

イラク共和国およびシリア アラブ共和国の独立 主権 統一並びに領土保全を再確認し そして 国際連合憲章の目的および原則を更に再確認し テロリズムはいかなる宗教 民族または文明と関連づけることはできずまた関連づけるべきではな いこともまた再確認し テロの脅威を妨げ 損ない 孤立させそして無能力にする

★EU集計表タイプ公表資料

インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

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九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 九州大学百年史第 7 巻 : 部局史編 Ⅳ 九州大学百年史編集委員会 出版情報 : 九州大学百年史. 7, 2017

①180612_G7シャルルボワサミット結果報告(循環部会用セット)

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( 別紙 ) 国家安全保障戦略 Ⅰ 策定の趣旨政府の最も重要な責務は 我が国の平和と安全を維持し その存立を全うすることである 我が国の安全保障 ( 以下 国家安全保障 という ) をめぐる環境が一層厳しさを増している中 豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには 我が国の国益を長期的視点から

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別紙 1 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案による主な改正内容 TPP 整備法の現状 整備対象となる11 本の法律のうち GI 法の改正 : 施行済他 10 本の法律の改正 : 未施行 ( 施行期日は環太平洋パートナーシップ協定 (TPP12 協

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

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平成18年度標準調査票

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

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平成 30 年 8 月 31 日 平成 31 年度の財政投融資計画要求書 ( 機関名 : 株式会社日本政策金融公庫 ( 特定事業等促進円滑化業務 )) 1. 平成 31 年度の財政投融資計画要求額 ( 単位 : 億円 %) 平成 31 年度平成 30 年度対前年度比区分要求額当初計画額金額伸率 (1

平和安全法制などの整備法整備の経緯 図表 Ⅱ 閣議決定 の概要と法制整備 閣議決定 の項目 概要 法制整備 警察や海上保安庁などの関係機関が それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応す 治安出動 海上 1 武力攻撃に 至らない るとの基本方針の下 対応能力を向上させ連携を強化するな

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

アジア健康構想の推進に向けた提言

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

基本的な考え方 羽田空港の機能強化は 首都圏だけでなく日本全体にとって不可欠であり 機能強化の必要性やその実現方策等について 関係自治体の協力も得ながら できる限り多くの方々に知って頂くように努める 基本的な考え方 1 羽田空港の機能強化の必要性やその実現方策等について できる限り多くの方々に知って

制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

電波に関する問題意識(原座長提出資料)

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

止力を維持しつつ 沖縄の負担軽減を実現していく旨述べた 両首脳は また 普天間飛行場の移設及び嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めていくことで一致した ( ウ ) 安倍総理より 宇宙 サイバーの分野で 日米の包括的対話を立ち上げることになったことを歓迎する旨述べた 2. アジア太平洋地域情勢 (1

権 基本的自由および法の支配に対する尊重は 効果的なテロ対策措置と補い合いそして相互に強化し合い またテロ対策の好結果の成果に関して欠くことのできない部分であることを強調しまたテロリズムを効果的に予防し且つ闘うための法の支配に対する尊重の重要性を指摘し そしてこれらおよび国際連合憲章の下の義務を含む

2008年6月XX日

Transcription:

日印共同声明 1 ナレンドラ モディ インド共和国首相は, 安倍晋三日本国総理大臣の招待により, 日本国を公式訪問中である 2016 年 11 月 11 日, 東京において, 両首脳は, 広範囲にわたり協議を行い,2015 年 12 月 12 日に策定された 日印ヴィジョン 2025 に述べられる特別戦略的グローバル パートナーシップの包括的なレビューを行った 両首脳は,2014 年 8 月から 9 月にモディ首相が日本国を訪問してからの過去 2 年間における二国間関係における重要な進捗を確認した パートナーシップの相乗効果 2 両首脳は, 仏教の思想という共通の遺産を含む, 両国民の間の深い文明のつながりを評価し, 平和的共存を達成する重要な価値として民主主義, 開放性及び法の支配に対する共有されたコミットメントを強調した 両首脳は, 長期的パートナーシップの永続的基盤を提供する両国の政治的, 経済的, 戦略的関心における高度の合致を歓迎した 3 両首脳は, 世界の繁栄のための重要な原動力としてのインド太平洋地域の重要性が高まっていることを強調した 両首脳は, 地域の多元的かつ包摂的な成長の実現において, 民主主義, 平和, 法の支配, 寛容, 環境への配慮という中核をなす価値観を強調した この文脈で, 安倍総理は, モディ首相の アクト イースト政策 の下での地域への積極的な関与を評価し, モディ首相に対して 自由で開かれたインド太平洋戦略 を説明した モディ首相は, この戦略の下におけるこの地域での日本のより大きな関与を評価した 両首脳は, 前述の政策と戦略の間におけるより深い二国間協力と相乗効果の可能性を認識した 4 両首脳は, 自由で開かれたインド 太平洋の実現を通じた, アジア アフリカ間の連結性の向上は, 地域全体の繁栄の達成のために極めて重要であることを更に強調した 両首脳は, 相互協議と相互信頼の原則に基づいて, 地域のより良い統合と連結性及び産業ネットワークのために, 二国間及び他のパートナー国との緊密な連携によって, インドの アクト イースト政策 と日本の 質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ の相乗効果を目指すことを決定した 5 相互依存の深まりとグローバル課題の複雑化をレビューしつつ, 両首脳は, ルールに基づく国際社会秩序の維持のみならす, 気候変動, テロや暴力的過激主義対策, 国際連合安全保障理事会を含む国際連合改革等の世界の課題に関し, 共通空間や協力を拡大することを決定した 1

6 日本の資本, イノベーション及び技術とインドの高成長経済において利用可能な豊富な人的資源及び経済機会を融合することの大きな可能性を念頭に置きつつ, 両首脳は, 特別戦略的グローバル パートナーシップを強化し深化させるため, 教育と能力開発に加え, 先端技術, 宇宙, クリーンエネルギーとエネルギーセクター開発, インフラとスマートシティ, バイオ技術, 製薬, 情報通信技術分野における協力を強化する必要性を強調した より安全で安定した世界のためのより強固なパートナーシップの構築 7 両首脳は, インド太平洋地域の安定と繁栄における両国の役割を強調し, 安全保障 防衛分野における協力を一層強化する必要性を改めて表明するとともに, 日印防衛装備品 技術移転協定及び日印秘密軍事情報保護協定という 2 つの防衛枠組み合意発効を歓迎した 両首脳は, 防衛装備 技術協力に関する事務レベル協議等を通じ, 具体的案件の特定に向けた議論を促進することによって, 一層の双方向協力, 技術協力, 共同開発及び共同生産を通じた防衛分野における関与を更に拡大させる必要性を強調した 8 両首脳は, ニューデリーで行われた年次防衛相会談の成功, 海上共同訓練マラバールへの日本の定期的参加, 及びヴィシャカパトナム沿岸における国際観艦式への日本の定期的参加を評価した 両首脳は, 2+2 対話, 防衛政策対話, 防衛当局者間協議及び海上保安当局間協力を通じて安全保障 防衛分野における二国間の対話を更に深めることへの希望を再確認した また, 本年, 空軍種スタッフトークスが初開催されたことにより, 全ての三軍種において組織間をつなぐ幅広い対話メカニズムが整備されたことを歓迎した 両首脳は, 人道支援 災害救援 (HA/DR) 分野における訓練へのオブザーバー派遣, 及びその他の分野における交流や訓練を含め, 防衛分野における対話と協力を拡大する意図を共有した 9 モディ首相は, 救難航空艇 US-2 を始めとする最新の防衛プラットフォームの提供に関する日本の姿勢に対する感謝を述べた これは, 両国間の高度の信頼と, 日本とインドがこれまでの二国間の防衛交流を進展させるに当たり歩んできた道のりの長さを象徴するものである 繁栄のためのパートナーシップ 10 モディ首相は, メイク イン インディア, デジタル インディア, スキル インディア, スマートシティ, スワッチ バーラト ( ) 及び スタートアップ インディア といった革新的なイニシアティブを通じた, 経済発展の加速化のためのインド政府の取組について, 安倍総理に説明した 安倍総理は, 政府開発援助 (ODA) を含む, 日本の官民セクターによる投資の積極的な動員を通じた, 先進的な技能及びテクノロジーの共有により, これらのイニシアティブに対し確固たる支援を行うことを表明した 両首脳は, こ 2

れらのイニシアティブが日印の民間セクター間の更なる連携のための重要な機会を提供することを強調した ( ) クリーン インディアのヒンディー語表記 11 両首脳は, 両国間の旗艦事業であるムンバイ アーメダバード間高速鉄道建設事業 (MAHSR) が,2016 年中に開催された 3 回の合同委員会での議論を通して, 着実に進捗していることを歓迎した 12 両首脳は,2016 年 12 月にジェネラルコンサルタントが業務を開始し, 2018 年末までに工事を開始し,2023 年に開業するとの MAHSR の目標スケジュールに留意した 13 また, 両首脳は, 段階的な技術移転及び メイク イン インディア のための具体的なロードマップを策定するために, 両国の代表によって構成されるタスクフォースが設立されることを歓迎した 両国は, 高速鉄道に関するパートナーシップの更なる強化を追求する 両首脳は, 高速鉄道研修所の設立及び研修プログラムの開発の準備作業の開始を含む, 高速鉄道技術及び運営維持管理に係る人材育成の段階的な実施が極めて重要であることを強調した 両首脳は,20 17 年に式典を開催することにより,MAHSR を加速化させる重要性を認識した 両首脳は, インドの在来線システムの近代化及び拡張に係る日印間の連携がますます強化されていることに満足をもって留意した 14 両首脳は, ものづくり技能移転推進プログラム を通じて, インドの製造分野における人材育成に関して協力することを決定した 本プログラムは, 官民が連携して, 日本式ものづくり学校の設立, 及び日本企業によって選ばれた既存工科大学への寄附講座の設置を通じて,10 年間で 3 万人の日本式のものづくりの技能や規律を身につけた人材を育成し, インドの製造基盤の底上げを行い, メイク イン インディア, スキル インディア に貢献していく 日本式ものづくり学校は, 第一弾として,2017 年夏に, グジャラート州, カルナタカ州及びラジャスタン州において 3 校が開校予定である 15 両首脳は, 日印投資促進パートナーシップ の下, 今後 5 年間で, インドに対する 3.5 兆円の官民投融資を実現するための着実な進展を歓迎した また, 両首脳は, 貨物専用鉄道建設計画 (DFC) 西回廊, デリー ムンバイ産業大動脈 (DMIC) 構想及びチェンナイ バンガロール間産業回廊 (CBIC) 構想の事業の進捗を歓迎した さらに, 両首脳は,ODA 事業の適正な実施を確保する重要性を確認した 16 モディ首相は, インドにおけるインフラの開発と近代化において日本の O DA が果たす重要な貢献に謝意を示した この点について, 両首脳は, チェンナイ及びアーメダバードにおける地下鉄事業, ムンバイ湾横断道路建設事業及びデリーの東部環状道路における高度道路交通システムの導入事業等の都市交通セクターにおける ODA 事業の進捗を歓迎した 安倍総理は, グジャラート州バブナ 3

ガル県のアラン地区におけるシップ リサイクル ヤードの改善を支援するとの日本側の意図を表明した 17 両首脳は連結性を強化するために協働することについて強いコミットメントを表明し, インド北東部における道路の連結性を強化する事業の進捗を歓迎した 両首脳は, スマートシティの分野において, 効率的で効果的な方法でスマートアイランドの発展を促進させる技術, インフラ, 開発戦略及び管理のプロセスを特定するための協議を始めることで, スマートアイランドを発展させるために協力することを決定した 18 モディ首相は, ジャルカンド州における灌漑事業への ODA 借款の供与, オディシャ州の森林資源管理及びラジャスタン州及びアンドラ プラデシュ州における灌漑改善のための準備調査の実施に対して, 謝意を示した 19 モディ首相は, ヴァラナシ市におけるコンベンション センターの建設を支援するための日本の取組に謝意を表明し, 二国間関係強化の証としての象徴的な重要性を認識した 20 安倍総理は, モディ首相のインドにおけるビジネス環境の改善に対する強いコミットメントを賞賛し, 歴史的な物品 サービス税 (GST) 法案, 破産 倒産法, その他の施策の成立を通じた, 投資政策の自由化, 税制の簡素化 合理化のための改革が行われたことを歓迎 21 安倍総理は, インドにおけるビジネス環境の改善と日本からの投資を容易にする環境の創出に関するモディ首相の取組に感謝の意を表明した モディ首相は, 安倍総理の日本工業団地設立のためのイニシアチブを評価した モディ首相は, これら日本工業団地の設立は, インドの製造業分野における技術導入, 技術革新及びベストプラクティスを強化するものとなるとの自信を表明した 両首脳は, 先行開発と特別投資インセンティブの付与のため日本工業団地の 12 のエリアのうちいくつかのエリアを選定することによる的を絞った計画の遂行を含む, 日本工業団地に関する進捗を歓迎した また, 両首脳は, 日本工業団地の開発の協議と協力を継続することで一致した 22 安倍総理はまた, インドにおける日本企業のために ジャパン プラス が提供する便宜, 及び日印投資促進パートナーシップ推進のために内閣次官が主催する コア グループ による調整に謝意を表明した 両首脳は, 二国間経済戦略対話, 金融協力対話, 日印包括的経済連携協定の各種委員会が本年成功裏に開催されたことに満足とともに留意し, 二国間関係を深化させるためのこうした対話や小委員会の重要性を強調した さらに, 両首脳は, ビジネスコストを下げ, 日印間の人的 経済的交流を更に促進する社会保障協定が,2016 年 10 月に発効したことを歓迎した 23 両首脳は, 日本企業のインドへの直接投資を促進するため, 日本貿易保険 (NEXI) 及び国際協力銀行 (JBIC) による総額 1.5 兆円までの 日印メイ 4

ク イン インディア特別ファシリティ が実施される重要性を確認した 両首脳は, インドにおけるインフラプロジェクトへの資金供与を検討するための海外交通 都市開発事業支援機構 (JOIN) と国家投資インフラ基金 (NIIF) との間の覚書を歓迎した よりクリーンでより環境に優しい未来に向けた協力 24 両首脳は, 信頼性がありクリーンで安価なエネルギーへのアクセスが両国の経済成長にとり重要であることを認識し, これに関して両首脳は,2016 年 1 月に開催された第 8 回日印エネルギー政策対話で発出した日印エネルギー パートナーシップ イニシアティブを歓迎した 両首脳は, 両国のエネルギー開発にとどまらず, 世界のエネルギー安全保障やエネルギー アクセス及び気候変動問題にも資するものであることから, 両国間のエネルギー協力を更に強化することを希望した 両首脳はまた, 仕向地条項の撤廃を含めた透明かつ多様な液化天然ガス (LNG) 市場の構築を再確認した 25 両首脳は, 気候変動に関するパリ協定の早期発効を歓迎し, 協定の成功裏の実施に向けたルール策定における協働についてのコミットメントを再確認した 両首脳は, また, 可能な限り早期に二国間クレジット制度 (JCM) に係る協議を実施する意図を共有した 26 安倍総理は, 国際太陽光同盟の設立を含め, 特に再生可能エネルギー分野におけるモディ首相の取組を歓迎した 27 両首脳は, 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定への署名を歓迎した これは, クリーン エネルギー, 経済発展及び平和で安全な世界のための相互信頼及び戦略的なパートナーシップの新たな水準を反映するものである 28 両首脳は, 環境に配慮した高効率エネルギー技術分野での官民協力の進展を歓迎するとともに, クリーンコール技術やハイブリッド自動車および電気自動車を含む環境対応車の普及などといった分野において協力を推し進めていくことの重要性を強調した 29 両首脳は, 2009 年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約 ( 仮称 ) を早期に締結する意図を表明した 未来志向のパートナーシップの基礎の構築 30 両首脳は, 社会を根本的に変革する科学技術に関する深い二国間協力の非常に大きな潜在性を認識した また, 両首脳は, 宇宙協力の拡大の重要性を強調し,JAXA と ISRO との間の覚書 (MOU) の署名を歓迎した 両首脳は, JAMSTEC と地球科学省との間の協力覚書 (MOC) 通じたものを含め, 海洋, 陸地, 大気科学の分野における協力の拡大を評価した 両首脳は, 二国間の 5

IT 及びエレクトロニクスに係る合同作業グループ,JETROが協力する日印 IoT 投資イニシアティブ及び科学技術合同委員会を通じた, 二国間のIT 及び IoT 協力の進展に留意した 31 両首脳は第 3 回国連防災世界会議に続きニューデリーで開催された アジア防災閣僚級会合 2016 の成功を歓迎した 両首脳は, 防災分野における協力の潜在性を認識した また, 両首脳は津波に対する意識向上, リスクへの理解の促進及び対処方法の発展のための 世界津波の日 の重要性を認識した 32 両首脳はまた, 薬剤耐性, 幹細胞研究, 製薬, 医療機器を含む保健分野協力における協力の進展を歓迎した また, 両首脳は, 日本におけるジェネリック医薬品の数量割当に関する目標に照らし, 日本と印度の製薬会社の間の協力のための機会に留意した 永続的パートナーシップのための人材への投資 33 両首脳は, 観光, 青少年交流及び教育分野での協力の機会を更に強化する必要性を強調し, 文化と観光の分野において 2017 年を日本とインドの友好交流の年として祝うことを決定した 両首脳は, 文化交流の分野における協力覚書 (MOC) を歓迎した 両首脳は, 二国間における観光往来の促進を切に願い, 初の日印観光協議会が開催されたことに満足の意をもって留意し,2017 年に第 2 回会合が日本で開催されることに期待を示した 両首脳はまた,2016 年度中に予定されている日本政府観光局 (JNTO) デリー事務所の開設を歓迎した 34 安倍総理は, インド人学生に対するビザ緩和を発表し, インド国民に対するビザ申請窓口の数を 20 に拡大する意図を表明した 安倍総理は, インド側の措置である日本人観光客と投資家への査証の長期 10 年の査証と到着ビザ制度 (Visa on Arrival) の拡大についてモディ首相に謝意を示した 35 安倍総理は, アジアにおいて高度人材の往来を強化するための日本の新たな事業である イノベーティブ アジア について説明した 両首脳は, 同事業がインド人学生に対して奨学金及びインターンシップの機会を利用する新たな手段を提供しイノベーションを一層促進することを期待した 36 両首脳は, 教育に関する第 1 回日印高級実務者政策対話が成功裏に実現したことに満足の意を示すとともに, 拡大された大学間の連携等を通じて教育分野での協力を更に強化する必要性を強調した 両首脳はまた, 教育モデルのベスト プラクティスを共有することや, インド人の若い学生 若手研究者を日本に招へいするさくらサイエンスプラン ( 日本 アジア青少年サイエンス交流事業 ) 等の取組の重要性について強調した 37 両首脳は, 特に東京 2020 オリンピック パラリンピック競技大会に注目し, 経験, 技術, 情報そして知見の交換を促進するため, 日本の文部科学省と 6

インド青少年スポーツ省との間のスポーツに関する協力覚書への署名を歓迎した 安倍総理は, 東京 2020オリンピック パラリンピック競技大会の成功に向けた日本の取組に対して支援するというモディ首相の申し出を歓迎した 38 両首脳は, 政府の全ての階層において, また, 議会の構成員の間及び県と州の間において, 更なる交流の重要性を強調した 両首脳は, 相互協力に関する兵庫県とグジャラート州の協力覚書 (MOU) の署名を歓迎した 両首脳は, また, 両国の文化遺産にとり欠かせない古都である京都市とヴァラナシ市の間の強化されたきずなに満足の意を表明した 39 モディ首相は, 国際ヨガの日を祝することに対する, 日本での関心の高まりを歓迎した モディ首相は, また, インドで最も権威あるヨガ機関で研修を受けるためのインドの奨学金の利用を奨励した 40 両首脳は, 女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム (WAW!) 等の会議を通じた取組を含め, 女性のエンパワーメントの重要性及びこの分野における協力を強化する重要性を認識した 41 アジアの未来が, アジアにおける非暴力, 寛容及び民主主義といった伝統から良い影響を受けつつ築かれるべきとの見解を共有しつつ, 両首脳は, アジアの価値観と民主主義 シンポジウムの 2016 年 1 月の東京での開催を歓迎するとともに,2017 年の次回会議に期待を寄せた インド太平洋地域内外におけるルールに基づく国際秩序の強化に向けた協力 42 両首脳は, 日本とインドとの協力が,21 世紀において繁栄するインド太平洋地域を実現する潜在力を持つことを強調した 両首脳は, 地域における, 経済 社会開発, 能力構築, 連結性及びインフラ開発を促進するため, 共有された価値観, 共通の関心, 補完的な技術と資源の強みを生かすことを決定した この関係で, 安倍総理は, 日本の ODA プロジェクトを通じることなどにより, これらの目標を前進させるために日印両国の人的, 財政的及び技術的資源を組み合わせた新しいイニシアティブを提案した モディ首相は, この点について二国間協力の重要性を確認した 43 両首脳は, お互いの取組から相乗効果を生み出し, 研修や能力構築, 保健, インフラ, 連結性といった分野における特定の共同プロジェクトを探求することを目的に, アフリカに関する協力を促進するための日印対話の重要性を強調した この観点から, 両首脳はまた, 国際社会と協力して, アジアとアフリカの産業回廊及び産業ネットワークの開発を促進していく意図を表明した 44 両首脳は, とりわけ, インフラとチャーバハールへの連結性の発展における二国間及び三か国協力を通じた, 南アジア及びイラン, アフガニスタン等の周辺地域における平和と繁栄の促進のための両国間の協力の可能性を歓迎した 両首脳は, そのような協力の詳細について早急に作業するよう事務方に指示した 7

45 両首脳は, 日本, インド及び米国の間の三か国対話の開催を歓迎するとともに, 人道支援 災害救援, 地域連結性, 海洋の安全保障及び安全等の分野における連携と協力の強化を歓迎した 両首脳はまた, 日本, インド及び豪州の間の継続する深化した三か国対話を歓迎した 46 両首脳は, 地域の政治, 経済及び安全保障に係る問題を協議する首脳主導のフォーラムとしての東アジア首脳会議 (EAS) のプロセスの強化に向けた進捗を歓迎し, 同サミットをよりダイナミックで積極的なプロセスにすべく協力することを決定した 両首脳は, ジャカルタでの EAS 大使会合の開催及び ASE AN 事務局内における EAS ユニットの設置を歓迎した 両首脳は,EAS の枠組みにおける海洋協力及び地域の連結性の拡大の重要性を強調した 47 両首脳は,ASEAN 地域フォーラム, 拡大 ASEAN 国防相会合,AS EAN 海洋フォーラム拡大会合等の ASEAN が率いるフォーラムにおいて強化された協力と海洋安全保障, テロと暴力的過激主義, 気候変動を含む地球規模及び地域の課題に対処するための取組の調整を通じて進化する地域機構を方向付け, 強化する意欲を表明した 48 両首脳は, これらの地域対話及び三か国対話のメカニズムが更に発展し, インド太平洋地域における, 均衡性のある, 開かれた, 包摂的な, 安定した, 透明性の高い, そして法の支配に基づく経済, 政治及び安全保障の構造に寄与することに対する強い希望を表明した 49 両首脳は, ゼロ トレランス の精神であらゆる形態 目的のテロを最も強い表現で非難する 両首脳は, テロ, 暴力的過激主義の脅威が増しており, また, 拡散していることに大きな懸念をもって留意した 両首脳は, ダッカ及びウリを含む最近のテロ攻撃による両国の被害者の遺族に対して哀悼の意を表明した 両首脳は, 安保理決議 1267 及びテロ組織を指定する他の関連の決議の履行を全ての国に求めた 両首脳は, 全ての国に対して, テロの避難場所とインフラを除去するために協働し, テロリストのネットワークと資金調達経路を破壊し, テロリストの越境を止めることに取り組むことを求めた 両首脳は, 全ての国が, それぞれの国から発生する国境を越えたテロに効果的に対処することの必要性を強調した 両首脳は, 進化するテロの性格により, より多くの情報及びインテリジェンスの共有を含め, テロや暴力的過激主義対策においてより強固な国際的パートナーシップが求められていることを強調した 両首脳は, 両国間の現行の対テロ対話に留意し, 両国間でのより多くの情報及びインテリジェンスの交換を通じた強化された協力を求めた 両首脳はまた, パキスタンに対し,2008 年 1 1 月のムンバイにおけるテロ攻撃及び 2016 年のパタンコートにおけるテロ攻撃を含めたテロ攻撃の犯人を裁判にかけることを要求した 50 両首脳は, グローバル コモンズや海洋, 宇宙, サイバーといった領域の保護における緊密な協力を確認した 8

51 両首脳は,UNCLOSに明白に反映されているとおり, 国際法の原則に基づいて, 航行及び上空飛行並びに阻害されない, 法で認められた通商の自由を尊重するコミットメントを強調した この文脈で, 両首脳は, 活動を実施するに当たっては自制し, 武力による威嚇又は行使に訴えず, 平和的手段を通じて紛争を解決することの重要性を強調した UNCLOSの締約国の先導者として, 両首脳は, 全ての締約国は, 海洋の法秩序を確立したUNCLOSを最大限尊重すべきという考えを強調した 南シナ海については, 両首脳は,UNCLOSを含む国際法の原則に基づいて, 平和的手段で紛争を解決することの重要性を強調した 52 両首脳は, 北朝鮮による, ウラン濃縮活動を含む, 核兵器及び弾道ミサイル開発の継続を最も強い表現で非難し, 北朝鮮に対し, いかなる更なる挑発行動も自制し, 関連する国連安保理決議を含め, 全ての国際的な義務を完全に履行するとともに, 朝鮮半島の非核化に向けた行動をとるよう強く求めた 両首脳は, 地域の脅威となっている拡散活動に対して協力する決意を再確認した 両首脳は, また, 北朝鮮に対し, 拉致問題に直ちに対応することを求めた 53 安倍総理は, モディ首相に対し, 積極的平和主義 等のイニシアティブを通じて, 地域の平和, 安定及び繁栄に更に貢献するための日本の取組について説明した モディ首相は, 地域とグローバルの安定と繁栄に対する日本の積極的な貢献を評価した 54 両首脳は,21 世紀の国際社会の現実を考慮し, より正当性を備え, 効果的で代表性の高いものとするため, 安保理を含む国連の迅速な改革を要請し, この目標を実現するため, 志を共にする国々と緊密に連携する決意を再表明した 両首脳は, 文書に基づく交渉の立上げに向けた有意義な進展を始め, 現在進められている政府間交渉を推進するものとして, 安保理改革に関するフレンズ グループの創設を歓迎した 両首脳は, 日本とインドが拡大された安保理における常任理事国の正当な候補であるとの確固たる共通認識を基に, それぞれが常任理事国の候補であることを相互に支持することを改めて表明した 55 インドが最大の民主主義国であり, アジア太平洋地域において急速に成長する経済大国であることを認識し, 日本はインドが APEC に参加することを強く支持する 両首脳は, アジア太平洋地域における貿易と投資の自由化と円滑化に向けて取り組むことを決定した 両首脳は現代的な, 包括的な, 質の高い, かつ, 互恵的な東アジア地域包括的経済連携 (RCEP) 協定の妥結に向けて協力することを再確認した 両首脳は, アジア太平洋地域において,WTO 貿易円滑化協定 (TFA) 及び物品 サービスの貿易の増大を通じ, 貿易の自由化及び円滑化に向けて取り組むことを決めた 両首脳は, 本年 G20 首脳により求められた, 鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル フォーラムの設立を通じたものを含めて, 鉄鋼産業における過剰生産能力に関するコミュニケーション及び協力を強化していくことの重要性を再確認した 9

56 両首脳は, 核兵器の完全な廃絶のための共通のコミットメントを再確認した 安倍総理は, 包括的核実験禁止条約 (CTBT) の早期発効の重要性を強調した 両首脳は, シャノン マンデートに基づいて, 無差別, 多国間の, かつ国際的, 効果的に検証可能な核兵器用核分裂性物質生産禁止条約 (FMCT) の交渉の即時開始及び早期妥結を求めた また, 両首脳は, 核拡散及び核テロリズムの課題に対処するための国際協力の強化に向けた決意を表明した 57 両首脳は, 効果的な国家の輸出管理システムの重要性を認識した 日本は, 最近のインドのミサイル技術管理レジーム及び弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範への参加, 並びにインドによる輸出管理レジームへの関与の強化を歓迎した 両首脳は, 国際的な不拡散の取組を強化する目的で, インドが他の 3 つの国際輸出管理レジームである, 原子力供給国グループ, ワッセナー アレンジメント及びオーストラリア グループの完全なメンバーになるために協働するためのコミットメントを再確認した 結句 58 モディ首相は, 日本国政府及び日本国民の温かいもてなしに謝意を表し, 安倍総理に対して, 次回の年次首脳会談のためにお互いの都合の良い時にインドを訪問するよう心を込めて招待した 安倍総理は, 感謝をもって招待を受け入れた 日本国総理大臣 インド共和国首相 2016 年 11 月 11 日に東京にて署名した 10