当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

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経済・物価情勢の展望(2018年1月)

わが国の経済・物価情勢と金融政策

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経済・物価情勢の展望(2017年10月)

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

金融政策決定会合における主な意見

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

黒田総裁が 10 月 6 7 日の金融政策決定会合や 直前の参議院財政金融委員会 (10/28) でも物価目標達成への自信を示していたため 市場では今回は追加緩和が行われないとの見方が大勢であった 追加緩和は市場にとってサプライズとなり 株高 円安が進展することとなった 日銀は 追加緩和を行った理由

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

マイナス金利付き量的 質 的金融緩和と日本経済 内閣府経済社会総合研究所主任研究員 京都大学経済学研究科特任准教授 敦賀貴之 この講演に含まれる内容や意見は講演者個人のものであり 内閣府の見解を表すものではありません

第1章

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

輸出が伸び悩む理由について 会合後の記者会見で黒田総裁は 海外生産シフトといった構造的要因があるとしながらも 1ASEAN 景気の弱さ 2 米国の寒波や東アジアの春節の影響 3 駆け込み需要への対応から企業が国内向け出荷を優先する動きが見られることを挙げ 一時的な要因も相応にあると説明した 今後 先

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

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平成30年全国証券大会における挨拶

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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総裁定例会見(1月23日)要旨

タイトル

PowerPoint プレゼンテーション

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

Economic Indicators   定例経済指標レポート

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月例経済報告

平成23年11月1日

現代資本主義論

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通貨及び金融の調節に関する報告書(平成30年12月)

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( 参考 ) と直近四半期末の資産構成割合について 乖離許容幅 資産構成割合 ( 平成 27(2015) 年 12 月末 ) 国内債券 35% ±10% 37.76% 国内株式 25% ±9% 23.35% 外国債券 15% ±4% 13.50% 外国株式 25% ±8% 22.82% 短期資産 -

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

日本銀行の金融政策の推移(平成7年以降)

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2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

平成26年度公金管理運用計画

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

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4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

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経済金融・情勢資料  15年7月 

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

PowerPoint プレゼンテーション

証券市場から見た消費税引上げを巡る論点

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平成23年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

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オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

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2013 年 8 月 19 日号

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今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

なぜ「2%」の物価上昇を目指すのか

短期均衡(2) IS-LMモデル

日本の金融経済情勢と金融政策

スライド 1

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

月例経済報告

12月CPI

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第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

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Economic Indicators   定例経済指標レポート

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

経済学でわかる金融・証券市場の話③

別紙2

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

平成 29 年度 厚生年金保険法第七十九条の八第二項に基づく国家公務員共済組合連合会にかかる管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果 概要 平成 30 年 12 月 財務省主計局給与共済課

つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる


退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

わが国の経済・物価情勢と金融政策

四国地方 主要8行の預金・貸出金等分析(2017年第2四半期(中間期)決算)

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H28秋_24地方税財源

北陸 短観(2019年6月調査)

( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

現実の金融政策 2016 年 1 月より政策委員 9 名 ( 総裁 副総裁を含む ) 年 8 回 ( 通常 1 月 4 月 7 月 10 月 ) ただし実施月は2 回ずつ 金融政策決定会合 金融政策を具体的にどのように運営していくのか 金融政策の方針を決定 ( 金融市場調節方針 ) 本来 金利ターゲ

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北陸 短観(2016年12月調査)

北陸 短観(2019年3月調査)

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チーフエコノミスト : 高田創 [ 経済予測チーム ] 山本康雄 ( 全体総括 ) 米国経済小野亮 山崎亮

日本経済の変貌と量的・質的金融緩和

○ユーロ

総裁定例会見(4月30日)要旨

スライド 1

けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

Transcription:

2015 年 1 月 21 日 日本銀行 当面の金融政策運営について 1. 日本銀行は 本日 政策委員会 金融政策決定会合において 次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を 以下のとおりとすることを決定した ( 賛成 8 反対 1) ( 注 1) マネタリーベースが 年間約 80 兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う 2. 資産の買入れについては 以下の方針を継続する ( 賛成 8 反対 1) ( 注 2) 1 長期国債について 保有残高が年間約 80 兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う ただし イールドカーブ全体の金利低下を促す観点から 金融市場の状況に応じて柔軟に運営する 買入れの平均残存期間は7 年 ~10 年程度とする 2 ETFおよびJ-REITについて 保有残高が それぞれ年間約 3 兆円 年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う 3 CP 等 社債等について それぞれ約 2.2 兆円 約 3.2 兆円の残高を維持する 3. 近く期限の到来する 貸出増加を支援するための資金供給 ( 以下 貸出増加支援 ) 成長基盤強化を支援するための資金供給 ( 以下 成長基盤強化支援 ) 被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション および 被災地企業等にかかる担保要件の緩和措置 について 以下のとおりとすることを決定した ( 全員一致 ) 1 1 期限を1 年間延長する 2 成長基盤強化支援 ( 本則 ) の対象金融機関毎の上限を 1 兆円から2 兆円へ 総枠を7 兆円から 10 兆円にそれぞれ引き上げる 3 貸出増加支援 および 成長基盤強化支援 について 日本銀行の非取引先金融機関が各々の系統中央機関を通じて制度を利用し得る枠組みを導入する 1 基本要領等の所要の改正は次回以降の金融政策決定会合で行う 1

4. わが国の景気は 基調的に緩やかな回復を続けており 消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などの影響も全体として和らいでいる 海外経済は 一部になお緩慢さを残しつつも 先進国を中心に回復している そうしたもとで 輸出は持ち直しの動きがみられている 設備投資は 企業収益が改善するなかで 緩やかな増加基調にある 公共投資は高水準で横ばい圏内の動きとなっている 個人消費は 雇用 所得環境が着実に改善するもとで 基調的に底堅く推移しており 駆け込み需要の反動の影響は全体として和らいでいる 住宅投資は 駆け込み需要の反動減が続いてきたが 足もとでは下げ止まりつつある 以上の内外需要のもとで 在庫調整の進捗もあって 鉱工業生産は下げ止まっている この間 わが国の金融環境は 緩和した状態にある 物価面では 消費者物価 ( 除く生鮮食品 ) の前年比は 消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて 0% 台後半となっている 予想物価上昇率は やや長い目でみれば 全体として上昇しているとみられる 5. 先行きのわが国経済については 緩やかな回復基調を続け 消費税率引き上げに 伴う駆け込み需要の反動などの影響も収束していくとみられる 消費者物価の前年 比は エネルギー価格の下落を反映して 当面プラス幅を縮小するとみられる 6.10 月の 展望レポート で示した見通しと比べると 成長率は 2014 年度について下振れる一方 2015 年度 2016 年度はともに上振れるとみられる 消費者物価は 基調的な動きに変化はないが 原油価格の大幅下落の影響から 2015 年度にかけて下振れると予想される 2016 年度については概ね不変である 2 7. リスク要因としては 新興国 資源国経済の動向 欧州における債務問題の展開 や低インフレ長期化のリスク 米国経済の回復ペースなどが挙げられる 8. 量的 質的金融緩和 は所期の効果を発揮しており 日本銀行は 2% の 物価安定の目標 の実現を目指し これを安定的に持続するために必要な時点まで 量的 質的金融緩和 を継続する その際 経済 物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し 必要な調整を行う ( 注 3) 以 上 2 今回の中間評価では 原油価格が大幅に変動していることを踏まえ 政策委員は 見通し作成に当たって 原油価格の前提を次の通りとした すなわち 原油価格 ( ドバイ ) は 1 バレル 55 ドルを出発点に 見通し期間の終盤にかけて 70 ドル程度に緩やかに上昇していくと想定している その場合の消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) におけるエネルギー価格の寄与度は 2015 年度で -0.7~-0.8% ポイント程度 2016 年度で +0.1~+0.2% ポイント程度と試算される 2

( 注 1) 賛成 : 黒田委員 岩田委員 中曽委員 宮尾委員 森本委員 白井委員 石田委員 佐藤委員 反対 : 木内委員 反対した委員は 量的 質的金融緩和 の拡大 (2014 年 10 月 31 日決定 ) 前の金融市場調節方針が適当であるとした ( 注 2) 賛成 : 黒田委員 岩田委員 中曽委員 宮尾委員 森本委員 白井委員 石田委員 佐藤委員 反対 : 木内委員 反対した委員は 量的 質的金融緩和 の拡大 (2014 年 10 月 31 日決定 ) 前の資産買入れ方針が適当であるとした ( 注 3) 木内委員より 2% の 物価安定の目標 の実現は中長期的に目指すとしたうえで 量的 質的金融緩和 を 2 年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され 反対多数で否決された ( 賛成 : 木内委員 反対 : 黒田委員 岩田委員 中曽委員 宮尾委員 森本委員 白井委員 石田委員 佐藤委員 ) 3

( 参考 1) 2014 年度 10 月時点の見通し 2015 年度 10 月時点の見通し 2016 年度 10 月時点の見通し 2014~2016 年度の政策委員の大勢見通し 対前年度比 % なお < > 内は政策委員見通しの中央値 実質 GDP -0.6~-0.4 <-> +0.2~+0.7 <+> +1.8~+2.3 <+2.1> +1.2~+1.7 <+> +~+1.7 <+1.6> +~+1.4 <+1.2> 消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) +2.9~+3.2 <+2.9> +3.1~+3.4 <+3.2> +1.8~+2.6 <+2.4> +1.9~+ <+2.8> +0.4~+1.3 <+> +~+2.3 <+2.2> 消費税率引き上げの影響を除くケース +0.9~+1.2 <+0.9> +1.1~+1.4 <+1.2> +1.1~+1.9 <+1.7> +1.2~+2.3 <+2.1> ( 注 1) 大勢見通し は 各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について 最大値と最小値を 1 個ずつ除いて 幅で示したものであり その幅は 予測誤差などを踏まえた見通しの上限 下限を意味しない ( 注 2) 各政策委員は 既に決定した政策を前提として また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして 上記の見通しを作成している ( 注 3) 原油価格 ( ドバイ ) については 1 バレル 55 ドルを出発点に 見通し期間の終盤にかけて 70 ドル程度に緩やかに上昇していくと想定している その場合の消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) におけるエネルギー価格の寄与度は 2015 年度で -0.7~-0.8% ポイント程度 2016 年度で +0.1~+0.2% ポイント程度と試算される ( 注 4) 今回の見通しでは 消費税率について 既に実施済みの 8% への引き上げに加え 2017 年 4 月に 10% に引き上げられることを前提としている 消費者物価の見通しについて 各政策委員は 消費税率引き上げの直接的な影響を除いた計数を作成している ( 注 5) 消費税率引き上げの直接的な影響を含む消費者物価の見通しは 税率引き上げが現行の課税品目すべてにフル転嫁されることを前提に 物価の押し上げ寄与を機械的に計算したうえで (2014 年度 :+% ポイント ) これを上記の政策委員の見通しに足し上げたものである 10 月時点の見通しでは 既に実施済みの 8% への引き上げに加え 2015 年 10 月に 10% に引き上げられることを前提に 物価の押し上げ寄与を政策委員の見通しに足し上げていた (2014 年度 :+% ポイント 2015 年度 :+0.7% ポイント 2016 年度 :+0.7% ポイント ) ( 注 6) 政策委員全員の見通しの幅は下表の通りである 実質 GDP 消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) 対前年度比 % 消費税率引き上げの影響を除くケース 2014 年度 -0.7~-0.3 +2.9~+3.3 +0.9~+1.3 10 月時点の見通し +0.1~+ +~+3.4 +~+1.4 2015 年度 +1.3~+2.3 +0.3~+1.4 10 月時点の見通し +0.8~+1.8 +1.6~+2.7 +0.9~+ 2016 年度 +0.7~+ +0.9~+2.3 10 月時点の見通し +0.6~+1.6 +1.6~+ +0.9~+2.3 4

( 参考 2) 政策委員の見通し分布チャート (1) 実質 GDP 4.5 4.0 3.5 実績値 - - - - -3.5-4.0 2006 年度 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 4.5 4.0 3.5 - - - - -3.5-4.0 (2) 消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) 実績値 - - - - 2006 年度 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ( 注 1) 上記の見通し分布は 各政策委員の示した確率分布の集計値 ( リスク バランス チャート ) について 1 上位 10% と下位 10% を控除したうえで 2 下記の分類に従って色分けしたもの なお リスク バランス チャートの作成手順については 2008 年 4 月の 経済 物価情勢の展望 BOX を参照 上位 40%~ 下位 40% 上位 30%~40% 下位 30%~40% 上位 20%~30% 下位 20%~30% 上位 10%~20% 下位 10%~20% ( 注 2) 棒グラフ内の は政策委員の見通しの中央値を表す また 縦線は政策委員の大勢見通しを表す ( 注 3) 消費者物価指数 ( 除く生鮮食品 ) は 消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベース 5

( 参考 ) 開催時間 1 月 20 日 ( 火 ) 14:00~15:57 1 月 21 日 ( 水 ) 9:00~12:24 出席委員 議長黒田東彦 ( 総裁 ) 岩田規久男 ( 副総裁 ) 中曽宏 ( 副総裁 ) 宮尾龍蔵 ( 審議委員 ) 森本宜久 ( ) 白井さゆり ( ) 石田浩二 ( ) 佐藤健裕 ( ) 木内登英 ( ) 上記のほか 1 月 20 日財務省 迫田英典 大臣官房総括審議官 (14:00~15:57) 内閣府 前川守 政策統括官 ( 経済財政運営担当 ) (14:00~15:57) 1 月 21 日財務省 宮下一郎 財務副大臣 (9:00~12:07 12:17~12:24) 内閣府 前川守 政策統括官 ( 経済財政運営担当 ) (9:00~12:07 12:17~12:24) が出席 金融経済月報の公表日時 1 月 22 日 ( 木 )14:00 議事要旨の公表日時 2 月 23 日 ( 月 )8:50 以 上