強制加入被保険者(法7) ケース1

Similar documents
Microsoft Word - T2-05-2_紙上Live_保険料・免除(2)_①_(14分)_

国民年金

強制加入被保険者(法7) ケース1

第14章 国民年金 

強制加入被保険者(法7) ケース1

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

強制加入被保険者(法7) ケース1

高齢者福祉

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

Taro-1-国民年金編2015  作成 

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

納付 法 現 払込み ( 納付書払い ) 座振替 クレジットカード 電 納付 ( インターネットバンキング モバイルバンキングなど ) 納付場所 続き先等 融機関 コンビニエンスストアで納付書 ( 国 年 保険料納付案内書 ) を使って納めます 納付書は 加 続きをした後 または毎年 4 などに 本

Microsoft Word - T2-06-1_紙上Live_老齢(1)_①支給要件(9分)_

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

<4D F736F F D2095E982E782B582C996F097A782C28FEE95F181458CE3945B90A FA967B944E8BE08B408D5C A2E646F6378>

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

第9章 国民年金制度について

強制加入被保険者(法7) ケース1

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

1

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

Q1 社会保険とはどのような制度でしょうか 会社などで働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い いざというときの生活の安定を図る目的でつくられた制度のことで 一般的に健康保険や厚生年金保険のことを 社会保険 といいます 健康保険法第 1 条では 労働者の業務外の事由による疾病 負傷若しくは死亡又は出

資格取得( 認定日 ) 出生 離職 婚姻 離婚 1カ月以内の届出 出生日 喪失日から 市区町村受理日 1カ月を越えた届出 出生日 健康保険組合受付日 被扶養者の範囲被扶養者となるためには 主として被保険者の収入によって生活していることが必要です 扶養の程度の基準としては 被扶養者となる人の年間収入が

< F31322D335F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

第七条二被用者年金各法の被保険者 組合員又は加入者 厚生年金保険法 国家公務員共済組合法 地方公務員等共済組合法 私立学校教職員共済法 国内居住要件 被用者年金各法 社会保険の適用事業所にお勤めの方 国家公務員 地方公務員 私立学校教職員 なし 年齢要件なし (65 歳以上の老齢厚生年金等の受給権者

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

v

年金・社会保険セミナー

スライド 1

第 9 回社会保障審議会年金部会平成 2 0 年 6 月 1 9 日 資料 1-4 現行制度の仕組み 趣旨 国民年金保険料の免除制度について 現行制度においては 保険料を納付することが経済的に困難な被保険者のために 被保険者からの申請に基づいて 社会保険庁長官が承認したときに保険料の納付義務を免除す

くらしのおてつだいH30 本文.indd

被扶養者になれる者の判定

0 表紙

記入例 : 日本年金機構理事長あて 年 月 日以下のとおり免除 納付猶予を申請します 様式コードまた 配偶者及び世帯主の記入に漏れがないこと の記入内容に誤りがないことを申し立てします この申請に必要な本人 配偶者及び世帯主に関する情報 ( 所得情報 生活保護受給情報等 ) の確認について 市区町村

Microsoft PowerPoint - 1.(表紙)学特申請書

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

MR通信H22年1月号

Microsoft Word - 児扶法改正(Q&A)

市町村への連絡(猶予拡大)

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

(3) 父又は母が規則で定める程度の障害の状態にある児童 (4) 父又は母の生死が明らかでない児童 (5) その他前各号に準ずる状態にある児童で規則で定めるもの 3 この条例において 養育者 とは 次に掲げる児童と同居して これを監護し かつ その生計を維持する者であって その児童の父母及び児童福祉

Microsoft Word ①概要(整備令)

Microsoft PowerPoint - (1枚目表)表紙 [互換モード]

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

議案第49号-医療福祉費支給に関する条例の一部改正【確定】

1 2

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに

被用者年金一元化法

年金・社会保険セミナー

問 28 保険医療機関等 保険医等 (1) 難度 B 64 問 29 保険医療機関等 保険医等 (2) 難度 B 68 問 30 保険医療機関等 保険医等 (3) 難度 B 70 問 31 療養の給付の一部負担金難度 C 74 問 32 入院時食事療養費難度 B 76 問 33 入院時生活療養費難度

無年金・低年金の状況等について

国民健康保険料の減額・減免等

枚方市税条例施行規則 ( 昭和 50 年 5 月 1 日規則第 19 号 ) より抜粋 ( 貧困による市民税の減免 ) 第 9 条の2 条例第 47 条第 1 項第 1 号に規定する減免理由による減免は 市民税の納税義務者が申請の日に生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定による

<4D F736F F D208D9196AF944E8BE082CC93CD82AF8F6F2E646F6378>

記入例 日本年金機構理事長あて平成 年 月 日以下のとおり学生納付特例を申請します また 前年所得の記入内容に誤りがないことを申し立てします この申請に必要な本人に関する情報 ( 所得情報 生活保護受給情報等 ) の確認について 市区町村 ( 前住所地等を含む ) 及び日本年金機構に委託します 住所

T3-08-2_遺族基礎年金(2)_

と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を 配偶者 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を 婚姻 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含むものとする 5 この条例において 医療保険各法 とは 国民健康保険法 ( 昭和 33 年法律第 192

記入例 日本年金機構理事長あて 年 月 日以下のとおり免除 納付猶予を申請します また 配偶者及び世帯主の記入に漏れがないこと の記入内容に誤りがないことを申し立てします この申請に必要な本人 配偶者及び世帯主に関する情報 ( 所得情報 生活保護受給情報等 ) の確認について 市区町村 ( 前住所地

Q3 なぜ 必要な添付書類が変わるのですか? A3 厚生労働省より 日本国内にお住いのご家族の方を被扶養者に認定する際の身分関係及び生計維持関係の確認について 申立のみによる認定は行わず 証明書類に基づく認定を行うよう 事務の取扱いが示されたことから 届出に際して 確認書類の添付をお願いすることとな

の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

Microsoft Word - T2-11-1_紙上Live_生計維持_13分_

市町村情報照会システムの概要 1 市町村における法定受託事務の円滑な推進に資するため 平成 14 年 4 月から市町村に情報照会用端末を設置し 次のとおり情報提供を行う 1 国民年金被保険者情報 (1) 抽出対象者照会月の 2 年 1 か月前から照会月の 2 か月前までの間に第 1 号被保険者の納付

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)


介護保険・高齢者福祉ガイドブック

年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

Microsoft Word - 療養補償給付又は療養給付.doc

枚方市税条例施行規則 ( 昭和 50 年 5 月 1 日規則第 19 号 ) より抜粋 ( 貧困による市民税の減免 ) 第 9 条の2 条例第 47 条第 1 項第 1 号に規定する減免理由による減免は 市民税の納税義務者が申請の日に生活保護法 ( 昭和 25 年法律第 144 号 ) の規定による

PowerPoint プレゼンテーション

市県民税所得課税証明書から年間所得金額を見る場合 平成 年度 ( 平成 年分 ) 市県民税所得課税証明書 住所 羽生市 134 番地 1 氏名 羽生田羽生子 所得の区分 所得金額 所得の区分 所得金額 総所得金額 330,000 所得控除金額 1,500,000 合計所得金額 330,000 課税標

第 3 条条例第 3 条第 2 項第 2 号の所得割の額 ( 以下 所得割の額 という ) の算定は 次の各号に掲げる場合に応じ 当該各号に定める方法により行うものとする (1) 地方税法第 314 条の7 並びに附則第 5 条の4 第 6 項及び第 5 条の4の2 第 6 項の規定による控除をされ

[ 特別控除の一覧 ] 控除の内容 特定扶養親族控除 ( 税法上の扶養親族で満 16 才以上 23 才未満の扶養親族 ) 老人扶養親族 配偶者控除 ( 税法上の扶養親族で満 70 才以上の扶養親族 ) 控除額 1 人につき 250,000 1 人につき 100,000 障がい者控除寡婦 ( 夫 )

<4D F736F F D F955C8E CC093788A7A934B F A7A8CB88A7A944692E88FD8816A>

02【通知案】年管管発 第号(周知・機構宛)

<4D F736F F D EF68BC697BF96C68F9C D6C8AEE8F802895BD90AC E348C8E3193FA8E7B8D73292E646F63>

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの


Microsoft Word - T2-06-2_紙上Live_老齢(2)_①年金額・マクロ(12分)_

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

Microsoft PowerPoint - かけはし第28号(26.9.1) [互換モード]

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 5 国民年金関係事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 亀山市は 国民年金関係事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼしかねな

介護保険制度 介護保険料に関する Q&A 御前崎市高齢者支援課 平成 30 年 12 月 vol.1

厚生局受付番号 : 中国四国 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 中国四国 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 事業所における平成 27 年 7 月 10 日の標準賞与額を6 万 5,000 円に訂正することが必要である 平成 27 年 7 月 10 日の

障害者福祉ハンドブック

事務取扱通知

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

「公的年金からの特別徴収《Q&A

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

- 2 - り 又は知り得る状態であったと認められる場合には この限りでない 2~7 略 (保険料を控除した事実に係る判断)第一条の二前条第一項に規定する機関は 厚生年金保険制度及び国民年金制度により生活の安定が図られる国民の立場に立って同項に規定する事実がある者が不利益を被ることがないようにする観

年金・社会保険セミナー

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

2. 特別障害給付金 象 次のいずれかに該当する方で 任意加入していなかった期間に初診日があり 現在 障害基礎年金 1 級 2 級相当の障がいに該当する方 平成 3 年 3 月以前に国民年金任意加入象であった学生 ( 夜間通学 通信制の学生は除く ) 昭和 61 年 3 月以前に国民年金任意加入象で

48

Transcription:

INDEX 目次 保険料 免除 ( 2)1:14 分 1. 免除 ( 納付猶予 ) 制度の概要 2. 法定免除ケース 1( 法第 89 条 ) 3. 法定免除ケース 2( 法第 89 条 ) 4. 申請免除ケース 3( 法第 90 条 第 90 条の 2) 5. 国民年金保険料の免除等の所得額等の基準 6. 生活保護法による各種扶助 7. 申請免除の承認基準における天災その他の事由 ( 特例免除 ) 8. 全額免除申請の受託制度 ( 法第 109 条の 2 平成 16 年改正法附則第 19 条の 2) 確認問題 講義中の法令 略令の一例 法第 89 条 国民年金法第 89 条 平成 16 年改正法附則第 19 条の 2 平成 16 年改正国民年金法附則第 19 条の 2

免除 ( 納付猶予 ) 制度の概要 1 強制加入の被保険者 第 1 号被保険者 日本国内に住所を有する 20 歳以上 60 歳未満の者 被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者でないこと 第 2 号被保険者又は第 3 号被保険者ではないこと 第 2 号被保険者 被用者年金各法の被保険者 組合員又は加入者 ( 会社などにお勤めの方 ) ただし 老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有する 65 歳以上の者は第 2 号被保険者とはならない 第 3 号被保険者 20 歳以上 60 歳未満であること 被扶養配偶者 ( 第 2 号被保険者の配偶者であって主として第 2 号被保険者の収入により生計を維持するものであり かつ 第 2 号被保険者でない者 ) であること

免除 ( 納付猶予 ) 制度の概要 2 第 1 号被保険者本人の保険料の負担能力に関係なく 20 歳から60 歳に達するまでの長期間にわたり定額の保険料を各自で納める しかし 第 1 号被保険者のなかには 様々な事情で保険料を一時期納付することが困難な人もでてくる 法律で定められた一定の要件 ( 生活保護法による生活扶助を受け取るとき 障害基礎年金の受給権者であるときなど ) に該当したとき 所得が一定基準より少ないとき 失業したとき 災害に罹災し保険料を納付することが著しく困難なときなど 保険料の免除制度 保険料の納付猶予制度

免除 ( 納付猶予 ) 制度の概要 3 保険料の免除制度 法定免除 申請免除 全額免除 4 分の3 免除半額免除 4 分の1 免除 保険料の納付猶予制度 学生納付特例 若年者納付猶予

法定免除ケース 11( 法第 89 条 ) 要件 ケース 1 生活保護法の生活扶助を受給している A さんが 福祉事務所の職員から保険料の免除に該当するので届出をしてほしいと言われたということで窓口にいらっしゃいました 法定免除とは 第 1 号被保険者本人が法律に定められている次のいずれかに該当するときに 納付されていない保険料の納付義務が免除 ( 要件に該当した者は届出が必要 ) される制度です 法第 89 条第 1 項第 1 号 法第 89 条第 1 項第 2 号 法第 89 条第 1 項第 3 号 障害基礎年金などの 2 級以上の障害に関する公的年金の受給権者であるとき ( 厚生年金保険の障害等級に該当しなくなってから 3 年を経過しない者に限る ) 生活保護法による生活扶助を受けるとき 厚生労働大臣の指定する国立ハンセン病療養所や国立保養所 ( 重度障害者センター ) 等に入所しているとき 手続き 給付との関係 該当期間 被保険者などが上記の要件のいずれかに該当したとき または法定免除を受けていた者が上記のいずれにも該当しなくなったときは 年金事務所長あての 国民年金保険料免除事由 ( 該当 消滅 ) 届 を市町村長に提出します 老齢基礎年金等の年金額の計算では 法定免除を受けた平成 21 年 3 月以前の期間は 1 か月を 1/3 として 法定免除を受けた平成 21 年 4 月以後の期間は 1 か月を 1/2 として計算されます 法定免除の該当期間は 上記の要件のいずれかに該当した日の属する月の前月から該当しなくなる日の属する月までの期間 ( 該当前に保険料を納付した期間を除く ) です

法定免除ケース 12( 法第 89 条 ) 要件 法定免除とは 第 1 号被保険者本人が法律に定められている次のいずれかに該当するときに 納付されていない保険料の納付義務が免除 ( 要件に該当した者は届出が必要 ) される制度です 法第 89 条第 1 項第 1 号 障害基礎年金などの 2 級以上の障害に関する公的年金の受給権者であるとき ( 厚生年金保険の障害等級に該当しなくなってから 3 年を経過しない者に限る ) 法第 89 条第 1 項第 2 号 生活保護法による生活扶助を受けるとき 法第 89 条第 1 項第 3 号 厚生労働大臣の指定する国立ハンセン病療養所や国立保養所 ( 重度障害者センター ) 等に入所しているとき

法定免除ケース 13( 法第 89 条 ) 給付との関係 老齢基礎年金等の年金額の計算では 法定免除を受けた平成 21 年 3 月以前の期間は 1 か月を 1/3 として 法定免除を受けた平成 21 年 4 月以後の期間は 1 か月を 1/2 として計算されます

法定免除ケース 14( 法第 89 条 ) 法定免除 ( 法第 89 条 ) 法第 89 条の免除とは 保険料の納付義務を免除するのではなく 保険料の納付義務を発生させないことを意味しています したがって 法定免除の効果は届出のあるなしにかかわらず 法律の定める要件に該当するときに当然に発生します

法定免除ケース 2 1( 法第 89 条 ) ケース 2 生活保護を受給していて法定免除に該当していた被保険者の B さんについて 生活保護が廃止された旨の連絡票が福祉事務所から回ってきましたが 本人からの届出がありません この場合に どのように対応するのが望ましいでしょうか 手続き 被保険者などが法定免除の要件のいずれかに該当したとき または法定免除を受けていた者が法定免除の要件のいずれにも該当しなくなったときは 年金事務所長あての 国民年金保険料免除事由 ( 該当 消滅 ) 届 を市町村長に提出します 第 102 条第 4 項保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し 又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は 2 年を経過したときは 時効によって消滅する 法定免除に該当しなくなったことを届け出るのが遅れ 2 年を超えて法定免除が取り消された場合 2 年を超えて法定免除が取り消された期間が未納期間になってしまう

法定免除ケース 2 2( 法第 89 条 ) 手続き ケース 2 被保険者などが法定免除の要件のいずれかに該当したとき または法定免除を受けていた者が法定免除の要件のいずれにも該当しなくなったときは 年金事務所長あての 国民年金保険料免除事由 ( 該当 消滅 ) 届 を市町村長に提出します 国民年金保険料免除事由 ( 該当 消滅 ) 届の届出 届出の失念 ( 届出もれ ) 適切な時期に届出 事実を把握し得ない場合がある 申請免除を利用したり保険料の納付が可能

法定免除ケース 2 3( 法第 89 条 ) 第 102 条第 4 項保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し 又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は 2 年を経過したときは 時効によって消滅する 法定免除に該当しなくなったことを届け出るのが遅れ 2 年を超えて法定免除が取り消された場合 2 年を超えて法定免除が取り消された期間が未納期間になってしまう

法定免除ケース 2 4( 法第 89 条 ) ( 抜粋 ) 則第 75 条第 1 号被保険者は 法第 89 条第 1 項各号 法定免除の承認基準 のいずれかに該当するに至ったときは 次の各号に掲げる事項を記載した届書に 国民年金手帳を添えて 14 日以内に これを機構に提出しなければならない ( 以下省略 ) ( 抜粋 ) 則第 76 条第 1 号被保険者は 法第 89 条第 1 項各号のいずれにも該当しなくなったときは 次の各号に掲げる事項を記載した届書に 国民年金手帳を添えて 14 日以内に これを機構に提出しなければならない ( 以下省略 ) 法定免除に該当したこと 法定免除に該当しなくなったこと 確認できたとき 日本年金機構 届出がなかった場合でも法定免除の該当処理や非該当処理を行うことができる 市町村では 法定免除に該当した旨 該当しなくなった旨の情報を日本年金機構に提供することが望まれます

申請免除ケース 31( 法第 90 条 第 90 条の 2) ケース 3 保険料免除の要件まとめ 種類 全額 3/4 半額 1/4 学生 若年者 期間 厚生労働大臣が指定する期間 33 歳のフリーターの C さんは一人暮らしをしていますが 所得が低いので国民年金の保険料を納めるのが困難であるとの相談にやってきました 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 35 万円 ( 扶養親族等数 +1)+22 万円以下 78 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 118 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 158 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 半額免除と同じ 全額免除と同じ ( ) は平成 21 年 3 月以前の期間 要件 所得要件以外の要件 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている 地方税法に定める障がい者であって前年所得が 125 万円以下 地方税法に定める寡婦であって前年所得が 125 万円以下 保険料の納付が著しく困難 ( 例 ) 天災 DV 失業等 審査対象者 本人配偶者世帯主 本人のみ 本人配偶者 老齢基礎年金額の反映割合 1/2 (1/3) 5/8 (1/2) 3/4 (2/3) 7/8 (5/6) 反映されない

申請免除ケース 32( 法第 90 条 第 90 条の 2) 種類期間審査対象者 全額 3/4 半額 1/4 厚生労働大臣が指定する期間 本人配偶者世帯主

申請免除ケース 33( 法第 90 条 第 90 条の 2) 種類 期間 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 要件 所得要件以外の要件 審査対象者 全額 35 万円 ( 扶養親族等数 +1)+22 万円以下 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている 3/4 半額 1/4 厚生労働大臣が指定する期間 78 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 118 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 158 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 地方税法に定める障がい者であって前年所得が 125 万円以下 地方税法に定める寡婦であって前年所得が 125 万円以下 保険料の納付が著しく困難 ( 例 ) 天災 DV 失業等 本人配偶者世帯主

国民年金保険料の免除等の所得額等の基準 制度 免除制度 ( 申請全額免除 ) 免除制度 ( 申請一部免除 ) 若年者納付猶予制度 学生納付特例制度 法定免除 全額免除 3/4 免除 半額免除 所得基準の対象者 本人世帯主配偶者 本人世帯主配偶者 本人配偶者 本人 _ 所得額等の基準 35 万円 ( 扶養親族等の数 +1)+22 万円 本人 世帯主 配偶者それぞれの所得がいずれも基準以下の場合に納付が免除されます 老齢基礎年金給付の際に国庫負担分の年金が受けられます 4 分の3 免除の場合 : 78 万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等半額免除の場合 :118 万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等 4 分の1 免除の場合 :158 万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等 同上( ただし 年金給付については免除されなかった残余の保険料を納付したときに限られます ) 35 万円 ( 扶養親族等の数 +1)+22 万円 本人 配偶者それぞれの所得がいずれも基準以下の場合に納付が猶予されます 追納が行われない場合は 老齢基礎年金の年金額の計算には反映されません 118 万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等 本人の所得のみが基準以下の場合に納付が猶予されます 追納が行われない場合は 老齢基礎年金の年金額の計算には反映されません 障害基礎年金受給権者 生活保護法による生活扶助を受けている方等は 保険料 ( 全額 ) の納付が申請に基づかずに免除されます これらのほか 失業者 震災 風水害等の被災者は 所得に関係なく免除に該当する場合があります

生活保護法による各種扶助 申請免除の承認基準の一つ 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けるとき 生活扶助住宅扶助教育扶助医療扶助介護扶助出産扶助生業扶助葬祭扶助 法定免除 ( 法第 89 条 ) 申請免除 ( 法第 90 条 第 90 条の2) 学生納付特例 ( 法第 90 条の3) 若年者納付猶予 ( 平成 16 年改正法附則第 19 条 )

申請免除の承認基準における天災その他の事由 ( 特例免除 ) 申請免除の承認基準の一つ 震災 風水害 火災などで住宅 家財などの被害金額がおおむね 1/2 以上 失業をした方 ( 雇用保険被保険者離職票 等の交付を受けている ) 配偶者からの暴力により配偶者と住所が異なる方 生活保護法に準じた生活扶助を受けている外国人 保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他厚生労働省令で定める事由があるとき 配偶者の暴力から退避している被害者については配偶者の前年の所得を除外して 失業をした方 生活保護法に準じた生活扶助を受けている外国人などについては本人の前年の所得を除外して 承認基準の審査が行われます 特別障害給付金の支給を受けている第 1 号被保険者 本人が特別障害給付金の支給を受けていれば申請免除の承認基準に該当する

全額免除申請の受託制度 ( 法第 109 条の 2 平成 16 年改正法附則第 19 条の 2) 現行の制度 全額免除申請は申請書の提出が必要 申請の煩わしさから手続きを行わず 未納期間が生じている方がいる 平成 27 年 7 月より 申請に関する免除手続き上の負担を軽減し 全額免除申請の機会を拡充する観点から 事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして厚生労働大臣が指定する者が 全額免除や納付猶予制度の要件に該当する被保険者等からの委託を受けてこれらの申請をすることができることになっている 被保険者 申請 申請を委託 市区町村 指定全額免除申請事務取扱者 申請 厚生労働大臣 ( 日本年金機構 )

確認問題 問題 1 被保険者が生活保護法による生活扶助を受ける場合 申請により保険料の納付は免除される 解答 ( 法第 89 条 ) 被保険者が生活保護法による生活扶助を受ける場合 申請の有無に関わらず 法律上当然に保険料の納付が免除されます なお 所定の届出が必要です 問題 2 解答 任意加入被保険者には 法定免除 申請による全額免除及び半額免除は行われないが 学生納付特例は適用される ( 法附則第 5 条 平成 6 年改正法附則第 11 条等 ) 任意加入被保険者には 保険料免除 学生納付特例及び若年者納付猶予の規定の適用はされません

INDEX 目次 保険料 免除 ( 2)2:14 分 1. 若年者納付猶予制度ケース 4( 平成 16 年改正法附則第 19 条 ) 2. 申請免除と若年者納付猶予の手続き 3. 学生納付特例制度ケース 5( 法第 90 条の 3) 4. 学生納付特例の対象となる学校 5. 申請免除等の承認期間 6. 給付との関係 7. 追納 ( 法第 94 条 ) 8. 後納 ( 平成 23 年改正法附則第 2 条 年金事業運営改善法附則第 10 条 ) 確認問題 講義中の法令 略令の一例 法第 90 条の 3 国民年金法第 90 条の 3 平成 16 年改正法附則第 19 条 平成 16 年改正国民年金法附則第 19 条

若年者納付猶予制度ケース 41( 平成 16 年改正法附則第 19 条 ) ケース 4 保険料免除の要件まとめ 種類 全額 3/4 半額 1/4 学生 若年者 期間 厚生労働大臣が指定する期間 D さんは就職活動中で親と同居しています D さん自身の所得はありませんが 世帯主である父親に基準額以上の所得があるため申請免除には該当しません 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 35 万円 ( 扶養親族等数 +1)+22 万円以下 78 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 118 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 158 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 半額免除と同じ 全額免除と同じ ( ) は平成 21 年 3 月以前の期間 要件 所得要件以外の要件 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている 地方税法に定める障がい者であって前年所得が 125 万円以下 地方税法に定める寡婦であって前年所得が 125 万円以下 保険料の納付が著しく困難 ( 例 ) 天災 DV 失業等 審査対象者 本人配偶者世帯主 本人のみ 本人配偶者 老齢基礎年金額の反映割合 1/2 (1/3) 5/8 (1/2) 3/4 (2/3) 7/8 (5/6) 反映されない

若年者納付猶予制度ケース 42( 平成 16 年改正法附則第 19 条 ) 種類 期間 審査対象者 全額 3/4 半額 1/4 若年者 厚生労働大臣が指定する期間厚生労働大臣が指定する期間 本人 配偶者 世帯主本人 配偶者 若年者納付猶予制度とは 30 歳未満の第 1 号被保険者本人及び保険料の連帯納付義務者である配偶者のいずれもが 全額免除と同一の免除基準に該当するときに 本人が申請して承認を受ければ 厚生労働大臣が指定した期間について 申請前に保険料を納付した期間は除き保険料の納付義務が猶予される制度 親と同居している若年者が将来に無年金者や低年金者になることを防止するため 本人が将来就職し保険料を負担できる状態になったときに追納できる仕組みを用意した制度を創設

若年者納付猶予制度ケース 43( 平成 16 年改正法附則第 19 条 ) 種類 期間 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 要件 所得要件以外の要件 審査対象者 全額 若年者 厚生労働大臣が指定する期間 35 万円 ( 扶養親族等数 +1)+22 万円以下 全額免除と同じ 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている 地方税法に定める障がい者であって前年所得が 125 万円以下 地方税法に定める寡婦であって前年所得が 125 万円以下 保険料の納付が著しく困難 ( 例 ) 天災 DV 失業等 本人配偶者世帯主 本人配偶者 平成 26 年の法律改正では 若年層に限らず 全年齢層において非正規雇用者が増加している状況を踏まえ 若年者納付猶予制度の対象年齢が 30 歳未満から 50 歳未満に拡大されており 平成 28 年 7 月から平成 37 年 6 月までの期限で実施されることとなっています

申請免除と若年者納付猶予の手続き 免除 納付猶予の種類申請する年度継続申請 申請免除若年者納付猶予 年度毎に申請が必要年度 :7 月 ~ 翌 6 月 継続申請可 全額免除及び若年者納付猶予のみ 継続申請 全額免除および若年者納付猶予については 申請するときに翌年度以後も継続して申請することを申し出ることで 翌年度以後の申請手続きを省略することができます ただし 次の場合は翌年度にあらためて申請手続きが必要です 全額免除 若年者納付猶予が承認されなかった場合 失業や天災による被害などの理由により承認を受けた場合 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けていることにより承認を受けた場合 特別障害給付金を受給していることにより承認を受けた場合 4 分の 3 免除 半額免除 4 分の 1 免除が承認された場合 配偶者もしくは世帯主の異動等により 一部免除や若年者納付猶予から 全額免除など 免除の種類の変更を希望する場合

学生納付特例制度ケース 51( 法第 90 条の 3) 種類 ケース 5 保険料免除の要件まとめ 全額 3/4 半額 期間 厚生労働大臣が指定する期間 大学生の E さんが 20 歳になり 年金事務所から国民年金の案内が届きました しかし 学生生活で収入が少ない E さんは国民年金の保険料を支払うのが難しい状況にあります E さんは親と別居していますが 仕送りのほか 親に保険料まで支払ってもらうことは難しいと考え 自分のことは自分でなんとかしたいと考えています 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 35 万円 ( 扶養親族等数 +1)+22 万円以下 78 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 118 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 要件 所得要件以外の要件 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている 地方税法に定める障がい者であって前年所得が 125 万円以下 地方税法に定める寡婦であって前年所得が 125 万円以下 審査対象者 本人配偶者世帯主 158 万円 +( 扶養親族等数 1/4 38 万円 ( 原則 )) 以下 保険料の納付が著しく困難 学生 半額免除と同じ ( 例 ) 天災 DV 失業等 本人のみ 若年者 全額免除と同じ ( ) は平成 21 年 3 月以前の期間 本人配偶者 老齢基礎年金額の反映割合 1/2 (1/3) 5/8 (1/2) 3/4 (2/3) 7/8 (5/6) 反映されない

学生納付特例制度ケース 52( 法第 90 条の 3) 学生の場合は 法第 90 条の 3 において学生である期間について保険料の納付が猶予される規定が置かれている 学生の場合は学生納付特例制度を利用していただくことになっており 申請免除や若年者納付猶予制度を利用することはできない

学生納付特例制度ケース 53( 法第 90 条の 3) 学生納付特例制度 学校教育法に定める高等学校 高等専門学校 短期大学 大学 大学院 専修学校 各種学校などの学生や生徒である第 1 号被保険者本人が 半額免除と同一の免除基準に該当するとき 種類 期間 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 要件 所得要件以外の要件 審査対象者 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている本人 118 万円 +( 扶養親族等数半額厚生労働大 38 万円 ( 原則 )) 以下 地方税法に定める障がい者であって前年所得が125 万円以下配偶者臣が指定す世帯主る期間 地方税法に定める寡婦であって前年所得が125 万円以下学生半額免除と同じ 保険料の納付が著しく困難 ( 例 ) 天災 DV 失業等本人のみ 本人が申請して承認を受ければ 厚生労働大臣が指定した期間について 申請前に保険料を納付した期間は除き保険料の納付義務が猶予される制度

学生納付特例制度ケース 54( 法第 90 条の 3) 国民年金制度には 20 歳から加入することになっていますが 20 歳以上の大学生は制度発足以来 任意加入となっていた 任意加入していない場合で 障害を負ってしまったときには無年金者となってしまうことがあった 昭和 36 年 4 月 学生任意加入 平成 3 年 4 月 強制加入被保険者 ( 第 1 号被保険者 ) 学生本人には所得がなく 結果 保険料は親が負担している例が多く また 親の負担を解消し 本人が社会人になってから保険料を納付できる措置が必要となり 学生納付特例制度が平成 12 年 4 月に設けられた

学生納付特例制度ケース 55( 法第 90 条の 3) 原則として 被保険者本人に収入がないときは 世帯主や第 1 号被保険者の配偶者も連帯して保険料を納付する義務がある 学生納付特例は被保険者本人の自助努力により年金受給権等を確保できるように設けられた制度である 第 1 号被保険者本人のみの所得で法第 90 条の 3 に該当するかどうかを判断することになっている

学生納付特例制度ケース 56( 法第 90 条の 3) 種類 期間 前年所得 ( 一定の場合前々年 ) 要件 所得要件以外の要件 審査対象者 半額 学生 厚生労働大臣が指定する期間 118 万円 +( 扶養親族等数 38 万円 ( 原則 )) 以下 半額免除と同じ 生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている 地方税法に定める障がい者であって前年所得が 125 万円以下 地方税法に定める寡婦であって前年所得が 125 万円以下 保険料の納付が著しく困難 ( 例 ) 天災 DV 失業等 本人配偶者世帯主 本人のみ

学生納付特例の対象となる学校 学校教育法 大学 ( 大学院を含む ) 短期大学高等専門学校専修学校高等学校 理容 美容師養成施設 栄養士 調理師養成施設 昼間部だけでなく 夜間部 定時制課程 通信制課程も含む 各種学校の場合は 修業年限が 1 年以上の課程に在学していることが条件 学生 市区町村 学生納付特例事務法人 翌年度は郵送で手続きができます 厚生労働大臣 ( 日本年金機構 ) 日本年金機構

申請免除等の承認期間 申請月 免除等の承認期間 申請免除若年者納付猶予 学生納付特例 7 月に申請した場合 前年の7 月分から翌年の6 月分まで 8 月から翌年の6 月までに申請した場合 その年の7 月分から翌年の6 月分まで ただし 1 月から6 月までに申請した場合は 前年の7 月分からその年の6 月分まで 4 月に申請した場合 前年の4 月分から翌年の3 月分まで 5 月から翌年の3 月までに申請した場合 その年の4 月分から翌年の3 月分まで ただし 1 月から3 月までに申請した場合は 前年の4 月分からその年の3 月分まで 例 平成 26 年 4 月から 過去 2 年間 (2 年 1 か月 ) まで遡って申請ができるようになった 申請月 平成 25 年 11 月平成 27 年 7 月平成 27 年 12 月 承認期間 免除等の申請が遅れると 万一の際に障害年金などを受け取れなくなる場合があるため 速やかな申請が必要

給付との関係 年金を受け取るときはどう違うの? 障害基礎年金遺族基礎年金 保険料納付 納付猶予 申請免除 学生若年者全額一部 1 保険料未納 老齢基礎年金 もらえる? ( 受給資格期間 ) 増える? ( 年金額 ) 2 2 3 1 2 3 1 4 分の3 免除 半額免除または4 分の1 免除が承認された期間は 必要な保険料を納付しないと未納期間となり 障害基礎年金 遺族基礎年金等を受けられなくなる場合があります 2 申請免除または納付猶予が承認された期間の保険料は 10 年以内であれば 古い期間から順に納付 ( 追納 ) が可能です 3 申請免除の種類や追納の状況により 受け取ることができる年金額が異なります

追納 ( 法第 94 条 ) 承認の日の属する月前 10 年以内の期間に係る免除あるいは猶予された月分の保険料の全部又は一部を納付することができる 10 年度前 9 年度前 8 年度前 7 年度前 6 年度前 5 年度前 4 年度前 3 年度前 2 年度前 1 年度前 免除月の属する年度 参考 : 追納の優先順位 2 番 全額免除期間 加算が行われる 加算は行われない 免除月が 3 月で その免除月の属する年の翌々年の 4 月に追納する場合には加算は行われない なお この加算額は追納保険料を納付しやすくするため および近年の低金利の状況を鑑みて平成 17 年 4 月より 10 年物新規発行国債の表面利率を踏まえた率に引き下げられています 例 1 例 2 1 番 学生納付特例期間 3 番 全額免除期間 第 2 号被保険者期間 全額免除期間 選択可能 学生納付特例期間 3 番 全額免除期間 第 2 号被保険者期間 追納期限間際の免除期間である場合 先に学生納付特例期間について追納すると追納を行うことができなくなる

後納 ( 平成 23 年改正法附則第 2 条 年金事業運営改善法附則第 10 条 ) ( 参考 ) 保険料の事後的納付に係る近年の変遷 ( イメージ ) 10 年前 5 年前 2 年前現在 平成 24 年 9 月以前 本人が希望しても納付できず 納付可能 後納制度 ( 時限措置 ) 平成 24 年 10 月 ~ 平成 27 年 9 月 本人が希望しても納付できず 本人の希望により後納可能 ( 一定の加算あり ) 納付可能 新たな後納制度 ( 時限措置 ) 平成 27 年 10 月 ~ 平成 30 年 9 月 本人が希望しても納付できず 本人の希望により後納可能 ( 一定の加算あり ) 納付可能 未納期間

確認問題 問題 1 解答 学生等の納付特例の対象になる学生には 原則として夜間部の大学生や各種学校の学生は含まれない ( 令 6 条の 6 等 ) 夜間部の大学生や各種学校の学生も学生納付特例の対象となる学生等に含まれます 問題 2 解答 学生納付特例制度が利用できる者は 保険料の申請免除のうち 全額免除は適用されないが 半額免除は適用される ( 法第 90 条 第 90 条の 2) 学生納付特例が利用できる者は 保険料の申請免除及び若年者納付猶予は適用されません