内航海運の現状 内航海運は 国内貨物輸送全体の 44% 産業基礎物資輸送の約 8 割を担う我が国の国民生活や経済活動を支える基幹的輸送インフラである 一方 産業基礎物資輸送が輸送需要の大宗を占めることから 国内需要の縮小 国際競争の進展等により 内航貨物全体の輸送量はピーク時に比べ 27%( 輸送ト

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Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

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5 ii) 実燃費方式 (499GT 貨物船 749GT 貨物船 5000kl 積みタンカー以外の船舶 ) (a) 新造船 6 申請船の CO2 排出量 (EEDI 値から求めた CO2 排出量 ) と比較船 (1990~2010 年に建造され かつ 航路及び船の大きさが申請船と同等のものに限る )

1

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

Microsoft PowerPoint - 【資料6】業務取り組み

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

プレゼンテーションタイトル

目次 内航海運の日本経済における役割と取り巻く環境モーダルシフトへの期待と現状代替建造の促進に向けた取り組み内航海運業界のグループ化の取り組み議論のポイント P1~P3 P4~P10 P11~P14 P15~P17 P18 ( 参考 ) 内航船員政策の今後の方向性 P19~P20

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FRI フォーラム 99 物流業における規制緩和と その効果 1999 年 11 月 26 日 富士通総研経済研究所 木村達也

1, H H17 4.2H17

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講演内容 1.JRTT の技術支援について 1 JRTTの技術支援の全体像 2 高品質な船舶建造に向けた課題と機構の対応 3 離島航路事業者等への技術支援 2. 機構の政策誘導 (CO2 削減 ) の実績と評価 3. 今後の共有船の展望について 1

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H28秋_24地方税財源

平成24年

重工業から農林漁業まで 幅広い産業を支えた動力機関発達の歩みを物語る近代化産業遺産群 *

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

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,020 10,746 10,695 10,500 10,509 10,550 10,530 10, ,599 7,327 7,549 7,257 7,165 7,171 7,

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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平成 22 年度エネルギー消費統計結果概要 経済産業省資源エネルギー庁平成 24 年 4 月 エネルギー種別に見ると 最終エネルギー消費総量の 37.5% が燃料 54.8% が電力 7.4% が熱となっています 調査の対象となった非製造業 製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) 業務部

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プレゼンテーションタイトル

新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

税目所得税 法人税要望の内容平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 国土交通省 ) 制度名 船舶に係る特別償却制度の拡充及び延長 制度の概要 ( 外航 ) 外航日本船舶 18/100 外航日本船舶以外の船舶 16/100 ( 内航 ) 高度内航環境低負

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

01 【北海道】

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Microsoft PowerPoint 記者発表資料別添(セット)

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について 1. 調査の目的 これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し 社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする 2. 調査の概要

厚生労働省告示第六十四号中小企業等経営強化法平成十一年法律第十八号第十二条第一項の規定に基づき職業紹介事業 ( ) 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指針を次のように定めたので同条第五項の規定に基づき公 表する平成三十一年三月十四日厚生労働大臣根本匠職業紹介事業 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指

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望の内容平成 30 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省中小企業庁経営支援部創業 新事業促進課 ) 制度名 産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置の延長 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条第

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

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高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

とが最も望ましいが, 十分な隻数の日本船舶を確保するには相当の時間を要すると見込まれたことから, 我が国の経済安全保障の早期確立を図るため, 日本船舶を補完するものとして, 我が国外航海運事業者の海外子会社が保有し, 当該外航海運事業者が運航する外国籍船であって, 海上運送法に基づ く航海命令が発せ

工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

新車販売台数のシェア 分析の前提条件 燃費 [km/l] 燃料種別新車販売台数のシェアは 自動車産業戦略 の平成 42 年度のシェアに向かって線形に変化し 技術開発等により乗用車販売平均燃費も改善すると仮定 2 この仮定を踏まえつつ 平成 27 年度燃費基準と平成 32 年度燃費基準の

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

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参考資料 2 下請等中小企業の取引条件改善への取組について 平成 30 年 12 月中小企業庁

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平成20年度国家予算

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

事例2_自動車用材料

30付属統計表(全体)


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NYKレポート2013

過去 10 年間の業種別労働災害発生状況 ( 大垣労働基準監督署管内 ) 令和元年 4 月末現在年別 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 対前年比全産業 % (6


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2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

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MLC,2006への対応について

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

「自動運転車」に関する意識調査(アンケート調査)~「自動運転技術」に対する認知度はドイツの消費者の方が高いことが判明~_損保ジャパン日本興亜

資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

望の内容平成 28 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の

ISO 9001 ISO ISO 9001 ISO ISO 9001 ISO 14001

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

済州島特別船舶登録制度船舶投資会社

28付属統計表(全体)

主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

「犯罪被害者等の安全・安心の確保」への取組状況及び今後の方針

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携帯電話の料金その他の提供条件に関する タスクフォース 取りまとめ 平成 27 年 12 月 16 日

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

お客様への約束 1. 安全の確保を最優先とします - 安全確保を最優先に 全てにおいて万全のコンディションでお客様をお迎えします 2. お客様の時間を大切にします - 欠航 遅延は最小限にします - やむを得ない場合は代替の移動手段の確保に努め お客様にご迷惑をおかけしないよう全力を尽くします -

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

企業の人材確保支援 中小企業人材支援センターによる採用 定着支援や 障がい者の雇用促進 企業の成長を担うプロ人材の採用支援等により 大阪産業を支える中小企業の人材確保を支援する 大阪働き方改革支援センターの人材確保支援の機能を強化し 大阪人材確保推進会議と協働して製造 運輸 建設の 3 分野を中心に

資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について 平成 30 年 11 月 6 日関税 外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局

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トラックドライバー不足が東北地域の物流に及ぼす影響の検討 資料(案)

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Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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資料 2 内航海運と船舶管理会社の現状 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

内航海運の現状 内航海運は 国内貨物輸送全体の 44% 産業基礎物資輸送の約 8 割を担う我が国の国民生活や経済活動を支える基幹的輸送インフラである 一方 産業基礎物資輸送が輸送需要の大宗を占めることから 国内需要の縮小 国際競争の進展等により 内航貨物全体の輸送量はピーク時に比べ 27%( 輸送トンキロベース ) 減少となっている 国内貨物輸送の 44% 輸送モード別輸送分担率 ( トンキロベース ) ( 平成 27 年度 ) 内航海運 180,381 44.3% 航空 1,057 0.3% 鉄道 21,519 5.3% 貨物自動車 204,316 50.2% 金属 ( 鉄鋼等 ) 自動車 39.2% 内航 60.8% 自動車 12.0% 石油製品 内航 88.0% 自動車 14.0% セメント 内航 86.0% 産業基礎物資輸送の約 8 割 ( 平成 27 年度 : トンキロベース ) ( 出典 ) 鉄道輸送統計年報 航空輸送統計年報 自動車輸送統計年報 内航船舶輸送統計年報 ( 平成 27 年度 ) より国土交通省海事局内航課推計 ( 千トン ) 600,000 500,000 400,000 300,000 575,199 2,482 < 内航船船腹量 > 隻数 :5,183 隻総トン数 :3,705 千トン 平成 2 3 年度 ( ピーク時 ) と平成 27 年度との比較輸送トン数 : 36.5% 輸送トンキロ : 27.3% 内航貨物輸送量の推移 輸送トン数 輸送トンキロ 1,804 365,486 ( 億トンキロ ) H 元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27( 年度 ) 一般貨物船油送船 RORO 船 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 その他製品等砂利 1.7% 自動車等砂 石材 3.3% 3.4% 特種品 5.9% 化学薬品 肥料 その他 6.5% セメント 9.8% 鉄鋼等 11.1% 輸送品目別シェア 農林水産品等石炭 1.4% 1.2% その他産業原材料 0.7% 石油製品 23.4% 石灰石等 20.0% 製造工業品 ( パルプ 食料工業品等 ) 11.5% ( 平成 27 年度 : トンキロベース ) ( 出典 ) 内航船舶輸送統計年報 より国土交通省海事局内航課作成 1

属化 系列30 歳未満化ターに貸し渡し専内航海運の課題 内航海運は船齢 14 年 ( 法定耐用年数 ) 以上の船舶が全体の 7 割を占めるという 船舶の高齢化 50 歳以上の船員の割合が 5 割を超えるという 船員の高齢化 の 2 つの高齢化 という構造的課題を抱えている 内航海運の市場構造は 寡占化された荷主企業 オペレーター オーナーの専属化 系列化が固定化しており 事業者の 99.6% は中小企業であり その事業基盤は脆弱 一方 CO2 削減等の観点から 更なるモーダルシフトの推進が求められている ( 交通政策基本計画 ( 平成 27 年 2 月 13 日閣議決定 ) において 32 年度までにモーダルシフト貨物の輸送量を 367 億トンキロ (24 年度比 10% 増 ) とすることとされている ) 船舶と船員の 2 つの高齢化 内航海運業の市場構造 海運へのモーダルシフトの状況 船齢 14 年以上の船舶の割合 72% 50 歳以上の船員の割合 55% 船舶の船齢構成 新造船 2% 1~7 年未満 12% 船員の年齢構成 14% 30 歳以上 40 歳未満 12% 40 歳以上 50 歳未満 18% ( 平成 27 年 4 月現在 ) 7~14 年未満 14% ( 平成 27 年 10 月現在 ) 荷主企業 運送契約 内航海運事業者 ( オペレーター ) 用船契約 内航海運事業者 ( オーナー ) 運賃 荷主と運送契約を締結し オーナーの船舶を用船 鉄鋼メーカー 石油元売り事業者 セメントメーカー等 用船料 船舶を保有 船員を雇用し オペレー 3,040 者 ( 中小企業者 99.6%) オペレーター 1,510 者 オーナー 1,530 者 380 360 340 320 300 280 260 298 301 交通政策基本計画における目標値 301 287 267 314 333 305 330 331 340 実績輸送量 目標輸送量 367 H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29H30H31H32 2

内航海運が中長期的に目指すべき方向性 ( 将来像 ) について 内航海運が今後も産業基礎物資の輸送やモーダルシフトを担う基幹的輸送インフラとして機能する必要があること 社会全体で生産性向上が求められていることから 現下の内航海運を巡る諸課題の早期解決のために まず 内航海運が目指すべき将来像を明確化した上で対策を講じる必要がある このため 目指すべき将来像として 安定的輸送の確保 と 生産性向上 の 2 点を軸として位置づけるとともに その実現による目標を可能な限り明らかにし 評価に資するための指標を設定 安定的輸送の確保 若年 女性船員の確保 育成の促進 円滑な代替建造の支援 新たな輸送需要の掘り起こし 船舶管理会社の活用促進等事業者の経営基盤の強化 生産性向上 省エネ化 CO2 化の推進 先進船舶等効率的な運航のための技術の開発 普及 目指すべき将来像 たくましく日本を支え進化する 生産性向上 安定的輸送の確保 行政 業界 全ての関係者が変革し 未来創造 将来像 ( 概ね 10 年後目途 ) 先進船舶による効率性向上 円滑な代替建造促進 若年船員の確保 育成促進 < 目標 > 内航船の平均総トン数 :20% 増 内航船員一人 一時間当たりの輸送量 :17% 増 事業基盤の強化 荷主等との連携強化 < 目標 > 産業基礎物資の国内需要量に対する内航海運の輸送量の割合 :5% 増 内航海運の総積載率 :5% 増 モーダルシフトの一層推進 省エネ化 省 CO2 化の推進 < 目標 > 海運によるモーダルシフト貨物輸送量 : 23% 増 荷主等との連携 技術革新を通じた 安定的輸送の確保 生産性向上 の実現 3

内航未来創造プラン で定めた将来像のための具体的施策 目指すべき将来像として位置付けた 安定的輸送の確保 と 生産性向上 の2 点の実現に向け 内航海運事業者の事業基盤の強化 先進的な船舶等の開発 普及 船員の安定的 効果的な確保 育成 等について 次のような具体的施策を盛り込むとともに それぞれの施策についてスケジュールを明示 1. 内航海運事業者の事業基盤の強化 船舶管理会社の活用促進 国土交通大臣登録船舶管理事業者 ( 仮称 ) 登録制度の創設 運用 (H29~ 創設 H30 運用 ) 荷主 海運事業者等間の連携による取組強化 安定 効率輸送協議会 ( 仮称 ) の設置 (H29 ) 新たな輸送需要の掘り起こし 海運モーダルシフト推進協議会 ( 仮称 ) の設置 (H29 ) モーダルシフト船の運航情報等の一括検索システムの構築 (H29 ) 2. 先進的な船舶等の開発 普及 IoT 技術を活用した船舶の開発 普及 ~ 内航分野の i-shipping の具体化 ~ 自動運航船 (Auto-Shipping) の開発 (H37 目途 ) 円滑な代替建造の支援 ( 独 ) 鉄道建設 運輸施設整備支援機構の船舶共有建造制度による優遇措置の拡充 (H30~) 船舶の省エネ化 省 CO2 化の推進内航船 省エネ格付け 制度の創設 普及 (H29~ 暫定試行 H31~ 本格導入 ) 代替燃料の普及促進に向けた取組 ( 先進船舶 としての LNG 燃料船の普及促進 ) 造船業の生産性向上 3. 船員の安定的 効果的な確保 育成 高等海技教育の実現に向けた船員の教育体制の抜本的改革 ( 独 ) 海技教育機構の 4 級海技士養成課程における教育改革 ( 養成定員拡大等 ) 船員のための魅力ある職場づくり 499 総トン以下の船舶の居住区域を拡大しても従前の配乗基準を適用するための検討 安全基準の緩和 (H29 ) 船内で調理できる者の人材の確保 船員派遣業の許可基準の見直し (H29 ) 等 働き方改革による生産性向上 船員配乗のあり方の検討 (H29 ) 等 港湾インフラの改善 港湾における物流ネットワーク機能の強化等 4. その他の課題への対応 内航海運暫定措置事業の現状と今後の見通し等を踏まえた対応 船舶の燃料油に含まれる硫黄分の濃度規制への対応 海事思想の普及 4

船舶管理会社の活用促進について ( 内航未来創造プラン より ) 現状 課題 中小事業者が大半であり かつ 荷主企業 オペレーター オーナーの専属化 系列化の構造が固定化している内航海運において 船員養成や船舶の維持管理を自社のみで対応することが難しい状況 個社単位でなく 船舶管理会社を活用して船員養成や確保 船舶の維持管理を集約させるなど 効率的な船舶管理を行うことが事業基盤強化に有効 一方で 1 隻所有の事業者のうち 船舶管理契約を締結している事業者は 1 割程度にとどまるなど 船舶管理会社を活用した小規模事業者の事業効率化 経営基盤強化は途上 これまで ガイドライン策定等の取組を進めてきたものの 船舶管理会社に対する具体的な情報の不足 船舶管理会社の品質について統一的な管理 評価がなされていないことが船舶管理会社活用のネック 船舶管理契約を締結しない理由 取組の内容 進め方 このため 一定の水準以上のサービスを提供する船舶管理会社についての国土交通大臣の登録制度を創設し 一定の品質確保を行う 平成 30 年度より運用開始 国土交通大臣登録船舶管理事業者 ( 仮称 ) との契約により事業基盤強化等を実施する事業者の新造船建造に際し 他の政策要件への上乗せ要件に追加するなどの優遇措置の導入を検討し 船舶管理会社の活用促進を図る 5

船舶管理会社の活用登録制度導入で期待される効果 活用のメリット 個別の事業者単位での管理に比較し 効率性が向上 船舶管理会社独自のノウハウも活かした管理の実現 一定の水準のサービスを提供する船舶管理会社であることが国により担保されることで 登録船舶管理事業者や船舶管理会社を利用する事業者が増加し 内航海運事業者の経営体力の強化に寄与 6

船舶管理会社の活用状況 ( 内航海運事業実態調査 結果より ) 船舶管理会社を活用する理由としては 業務効率化 船員確保 や 質の高い管理を受けるため と回答した者が全体の 7 割を超えており 船舶管理会社の活用が効率的な運航のための重要な手段と位置付けられていることが伺える 一方 船舶管理会社を活用しない理由としては 利用するメリットがない 管理レベルが不安 事故の責任の所在が不明確 等を挙げる事業者が多数であり 船舶管理会社に係る法的な位置づけ 制度が整備されていないことを背景に船舶管理会社に対する具体的な情報の不足 船舶管理会社の品質について統一的な評価がなされていないことが課題と考えられる 船舶管理契約締結理由 船舶管理契約を締結しない理由 ( 複数回答有 ) ( 複数回答有 ) 7

船舶管理会社の展開の状況 船舶管理会社については オーナーの事業展開の多様化 円滑化の推進に有効な手段として ガイドライン等を順次整備し その活用を推奨してきている 平成 18 年に 8 者であった船舶管理会社数は 現在 39 者まで増加しているが 未だその活用が十分進んでいるとは言い難い これまでの施策 船員職業安定法等の一部改正に伴う船舶管理会社及び在籍出向に関する基本的考え方 (H17.2 海事局長通達 ) 違法な船員派遣事業又は船員労務供給事業に該当しない船員配乗行為を行うことができる船舶管理会社の要件を整理 内航海運グループ化について ( しおり及びグループ化マニュアル )( 平成 20 年 3 月公表 ) 船舶管理会社を活用したグループ化のメリット デメリット等を示しつつ 船舶管理会社の設立 運営の具体的方法について整理 内航海運における船舶管理に関するガイドライン ( 平成 24 年 7 月公表 ) 船舶管理業務の実施にかかる手順 体制 船舶管理責任者等の任命 船舶管理規程の策定 重大な事故の発生時の対応等について体系的に整理し 船舶管理会社の定義や行うべき業務についてガイドラインを策定 船舶管理会社数 平成 18 年 4 月 平成 28 年 4 月 8 者 39 者 ( 日本船舶管理者協会加盟事業者数 ) 提供するサービス水準や内容について事業者毎にばらつきがある等により オーナーによる活用が十分進んでいないことなどが課題 8

船舶管理会社等の主な契約形態図 船舶管理会社 荷主 オペレーター 運送契約 オーナー ( 内航海運業者 ) 定期傭船契約 マンニング事業者 マンニング事業者 みなし内航海運事業者 雇用関係 船員 船舶賃借人 定期用船契約 裸傭船契約 荷主 オペレーター 運送契約 オーナー ( 内航海運業者 ) 船舶賃貸人 定期傭船契約 ( 再傭船 ) 船舶管理契約 船員配乗 雇用管理業務船舶保守管理業務船舶運航実施業務 船員派遣事業者 船員派遣事業の許可事業者 船員派遣契約による派遣 内航海運業者 船舶管理会社 雇用関係 船員 指揮 命令 船員 9