許諾調査マニュアル 東邦大学学術リポジトリで博士論文を公開するために 平成 25 年 4 月 1 日に, 文部科学省の省令である学位規則が改正され, 博士の学位を授与された者は, 当該博士論文の全文を学位授与日より一年以内にインターネット上で公開することが義務づけられました 東邦大学では, 東邦大学学術リポジトリ * https://opac.toho-u.ac.jp/?page_id=157 に登録して, 博士論文の全文を公開することになっています 博士論文をインターネットで公開するには, 著作権者の許諾が必要になります 医学研究科の博士論文は, 学術雑誌に発表したものを前提とするため, 学術雑誌を発行し著作権を持つ出版社 学協会が定める, インターネット公開に関する許諾を調べる必要があります このマニュアルは, 博士の学位を申請するご本人が, 出版社 学協会のインターネット公開に関する著作権行使の方針 ( 著作権 公開ポリシー ) を確認する方法を解説したものです このマニュアルを参考に, 許諾調査をしてください リポジトリ ( 機関リポジトリ ) とは, 大学などにおいて生産された電子的な知的生産物を収集 保存し, 無償で利用に供することを目的としたインターネット上のデータベースです 東邦大学学術リポジトリ ( 以下リポジトリ ) には, 博士学位論文のほかに 東邦医学会雑誌 Toho Journal of Medicine 東邦看護会会誌 東邦大学教養紀要 なども収録し, 全世界に公開し利用されています 目次 Ⅰ. 許諾調査確認のポイントと論文の版について Ⅱ. 日本の出版社が発行する学術雑誌の場合 Ⅲ. 海外の出版社が発行する学術雑誌の場合 Ⅳ. 出版社のポリシーが不明の場合 Ⅴ. 提出する博士論文データの形式について Ⅰ. 許諾調査確認のポイントと論文の版について 論文には, 出版社版と著者版などいろいろな版があります 出版社によっては, インターネットで公開できる論文の版を制限しているため, 以下のポイントで調査してください 確認すべき主な事項は以下の 2 点です 1 論文のインターネット公開の可否公開が可能な場合, 査読前著者版, 査読後著者版か出版社版かを確認 2 公開の条件公開が可能な場合, 条件 ( 公開禁止期間 ( エンバーゴ ) や, 出典表示をするなど ) があるかを確認 論文の版にはおおまかに, 査読前著者版, 査読後著者版と出版社版とがあります 査読前著者版とは, 著者が学術雑誌に投稿した時点での 投稿原稿 のことで, まだ査読されていな 1
いものです ( 下図 A) 査読後著者版とは, 査読を経たもので, 特に, アクセプトされることになった確定稿を 著者最終稿 と呼びます ( 下図 B) 雑誌掲載用にレイアウトされる前のものです 出版社版とは, 出版社が, アクセプトした著者最終稿を元にレイアウト調整や校正, デザインなどを行ったものです ( 下図 C) 段階執筆投稿査読組版出版 出版社 n 回 査読者 編集者 著者 校正 版名称査読前著者版査読後著者版出版社版 形式本文 + 図表雑誌掲載レイアウト A 査読前著者版 : 投稿原稿,preprint,pre-refereeing, submitted version B 査読後著者版 : 著者最終稿,postprint, final draft post-refereeing, accepted version, accepted manuscript, peer-reviewed version, final version of article C 出版社版 :publisher's version, published article, final published version 出版社のポリシーでは, 著者版であればリポジトリでの公開を認めている一方で, 出版社版の公開は認めていない, というケースがよくあります 本学では, 出版社版 ( 上図 C) の公開を優先します 出版社版は利用できないが, 査読後著者版の公開が可能な場合は, 著者最終稿 ( 上図 B) を公開します 査読前著者版のみ利用できる場合は, 査読前の投稿原稿 ( 上図 A) を公開します 出版社がいかなる版の公開も認めない場合は, 学位規則に定められた やむを得ない事由 として, 全文に代えて要約を公開することになりますので, 要約 ( 和文 3000 字 ~4000 字, 図表なし ) を作成して学事課に提出してください その 要約 をリポジトリに登録してインターネット公開いたします Ⅱ. 日本の出版社が発行する学術雑誌の場合 学協会著作権ポリシーデータベース で調べることができます 1. http://scpj.tulips.tsukuba.ac.jp/ にアクセスします 2. 雑誌名を入力して検索します 東邦医学会雑誌 Toho Journal of Medicine 掲載論文については, 申請書に以下のように記載してください < 公開時期 >: 即日公開可能 < 公表誌の著作権ポリシー >: 出版社版可 2
3. 該当雑誌名をクリックします 1 出版社版の利用 出版社版の利用の可否を確認 2ポリシー : 著者版のどの版が利用可能か確認 Green: 査読前 査読後どちらでも利用可能 Blue: 査読後論文のみ利用可能 Yellow: 査読前論文のみ利用可能 White: 公開不可 Gray: 方針が未定か未回答 3 公開場所, 公開条件 公開にあたっての条件を確認 4. 詳細画面でインターネット公開の条件を確認します 1 出版社版の利用ができるかを確認します 2 出版社版の利用ができない場合, 著者版の利用ができるかを確認します 3 上の 12 の利用にあたり, 公開の条件を確認します この部分は必ずチェックしてください 4 雑誌の投稿規定など詳細情報は, 公開規則 URL のリンク先で確認できます 5. 確認した内容を 東邦大学学術リポジトリ登録申請書 の [ 著作権許諾状況 ] 欄に記載します 6. 詳細画面を印刷し, 著作権許諾状況に関する証明書類 として学事課に提出してください 3 4 公開規則 URL 出版社の投稿規定ページなどにリンクしているの で, 詳細を確認できる
Ⅲ. 海外の出版社が発行する学術雑誌の場合 SHERPA/RoMEO で調べることができます 1. http://www.sherpa.ac.uk/romeo/ にアクセス 2. 雑誌名で検索します 3. 詳細画面が表示されます 1 Publisher's Version/PDF: 出版社版の利用の可否を確認 2 Author's Pre-print: 査読前著者版の利用の可否を確認 Author's Post-print: 査読後著者版の利用の可否を確認 : 可 : 条件付き可 : 不可 3 General Conditions: 公開条件 出典表示をすること 公開禁止期間 (embargo) など, 公開にあたっての条件を確認 4 Copyright: 出版社の著作権ポリシーや投稿規定ペー ジなどにリンクしているので, 詳細を確認できる 4. インターネット公開の条件を確認します 1Publisher's Version/PDF で出版社版の利用ができるかを確認します 2 出版社版の利用ができない場合,Author's Pre-print,Author's Post-print で著者版の利用ができるかを確認します 4
3 上の 12 の利用にあたって, 公開条件を確認します この部分は必ずチェック 4 雑誌の投稿規定など詳細情報は,Copyright のリンク先で確認できます General Conditions 記載例 Published source must be acknowledged 雑誌名 巻号 ページ 発行年などの出典表示を行うこと Must link to journal home page or articles' DOI 雑誌の HP もしくは DOI( 論文に付与される識別子 ) へのリンクを行うこと Author's post-print on any open access repository after 12 months after publication 出版から 12 ヶ月経過してから査読後著者版を利用すること 5. 確認した内容を 東邦大学学術リポジトリ登録申請書 の [ 著作権許諾状況 ] 欄に記載します 6. 詳細画面を印刷し, 著作権許諾状況に関する証明書類 として学事課に提出してください Elsevier 社と Karger 社は, 例外的に博士論文については, 出版社版をリポジトリで公開可能とする旨ポリシーを変更しました 両社の雑誌掲載論文については, 申請書に以下のように記載してください < 公開時期 >: 出版後公開可能 < 公表誌の著作権ポリシー >: 出版社版可 Ⅳ. 出版社のポリシーが不明の場合 学協会著作権ポリシーデータベース や SHERPA/RoMEO で調査してもポリシーが不明の場合があります この場合は, 出版社の著作権ポリシー, 雑誌の投稿規定, 著作権譲渡契約書 (Copyright Transfer Agreement:CTA) などに該当する内容が記載されていないか確認し, 明記されていない場合は直接出版社に問い合わせを行ってください 規程などの該当箇所や出版社からの回答メールがあれば, その内容を 東邦大学学術リポジトリ登録申請書 の [ 著作権許諾状況 ] 欄に記載します また, 規程の該当箇所やメールも, 印刷して 著作権許諾状況に関する証明書類 として学事課に提出してください 1. 海外の出版社への問い合わせメール本文例 Thank you for publishing our article. We hope to use our article as a thesis of Toho University. Our government requests us to make a thesis available online to the public. So, we would like to deposit it on our institutional repository. Please let us know about your permission. Please check the box below. And, if you set an embargo period, please let us know the date. <List of publication> 雑誌名, 巻 ( 号 ): ページ, 発行年論題名著者名 Can archive Publisher's Version/PDF Can archive Author's Post-print Can archive Author's Pre-print Archiving not formally supported 5
2. 日本の出版社への問い合わせメール本文例 平成 25 年 4 月に学位規則が改正され, それ以降に学位 ( 博士 ) を授与された論文は原則としてインターネット上で公開することとなりました この度, 貴学会刊行誌に掲載された下記の論文を本学博士学位論文として申請いたします つきましては, 学位規則に則り下記論文が博士学位論文として承認された際には, 東邦大学学術リポジトリで公開いたしたく, 貴学会の機関リポジトリによる公開に関する方針をお尋ねする次第です ご多忙中のおり恐れ入りますが, 以下のチェックボックスでのご回答お願いいたします 公開希望論文 雑誌名, 巻 ( 号 ): ページ, 発行年論題著者 出版社版 ( 学会誌版 )/ PDF の利用を認める 査読後論文を認める 査読前原稿を認める 公開を認めない 検討中 公開条件 :( ) 3. 自分で調べてわからない場合医学メディアセンター電子情報部門 (mc-drs@mm.toho-u.ac.jp) までご相談ください その際には, ご自身で調べた経過もご連絡ください また, 調査に日数がかかる場合もありますので, 書類提出期限に余裕をもってご連絡ください Ⅴ. 提出する博士論文データの形式について 論文は可能な限り PDF で提出してください PDF での提出ができない場合, 以下のいずれかの形式でご提出ください 本文 :Word(doc,docx) 図表 :Excel(xls,xlsx),PowerPoint(ppt,pptx),jpg,png,tif,bmp データにはパスワードなどのセキュリティをかけないでください 論文内に査読者 編集者や出版社あてのコメントや表示 ( 修正箇所を表す下線や色字 太字などの強調 ) がある場合は, インターネット公開にあたってこれらは不要ですので, 修正 ( 下線の削除 本文の字色を黒に統一など ) したうえで提出してください 図表には本文に対応する Figure 番号を入れてください なお, リポジトリには関連データを一つの PDF にまとめて掲載いたします 6 東邦大学医学メディアセンター電子情報部門 mc-drs@mm.toho-u.ac.jp 2015/7/13 作成 2018/8/20 改訂