ICD77G-01.indd

Similar documents
国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策 1 国際仲裁の活性化の意義 目的及び我が国の現状 (1) 国際仲裁とは 国際的な取引等を巡る紛争の解決について 当事者が選任した第三者 ( 仲裁人 ) の判断に委ねる紛争解決制度であり 外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約 により大多数の国において外国での仲

「社会的課題・SDGsに関する意識調査」~さらなる浸透に向けて、企業に求められるものとは~「社会的課題・SDGsに関する意識調査」~さらなる浸透に向けて、企業に求められるものとは~_損保ジャパン日本興亜

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

Microsoft PowerPoint 榔本è−³äººè³⁄挎.pptx

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

参考資料 1-1 本年次報告の位置付け サイバーセキュリティ戦略 (2015 年 9 月 4 日閣議決定 ) に基づく二期目の年次報告 2016 年度のサイバーセキュリティに関する情勢及び年次計画に掲げられた施策の実施状況を取りまとめたもの ウェブアプリケーション (Apache Struts 等

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

新たな外国人材受入れ制度の検討経緯及び概要 平成 30 年 7 月 12 日 経済産業省 製造産業局 今年 2 月 20 日の経済財政諮問会議において 総理から以下の指示 安倍政権として いわゆる移民政策をとる考えはありません この点は堅持します 他方で 5 年間のアベノミクスによって 有効求人倍率

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

11

Japan Youth Platform for Sustainability (JYPS) 国連で行われている交渉に向けて 若者の声を集約し 日本政府や国連機関などに政策として訴えていくための若者のための 場 5/22

資料9

ANNUAL REPORT

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

<4D F736F F F696E74202D EF8B638E9197BF82CC B A6D92E894C5816A E >

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

Taro jtd

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF E95FB8CF68BA CC82C982A882AF82E CC90A782CC90AE94F C982C282A282C42

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

PowerPoint プレゼンテーション

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

目 次 1 多様な有為の人材の確保の推進 人材確保策の検討 充実 人材局 1 2 時代の要請に応じた公務員の育成 人材局 研修所 2 3 勤務条件 勤務環境の整備等 1 社会経済情勢に適応した適正な給与の実現 給与局 3 2 定年の引上げの実現に向けた人事管理諸制度の見直し 給与局 3 3 職業生活

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

I. 2 II III IV

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

< F D8CA A C B B D918DDB98418D8782C98BA697CD82B582C48D7382A48D918DDB8BA697CD82CC90849

NICnet80

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会を見据えた行政の暑さ対策に関する取組 Countermeasure plans by governments against intense heat toward 2020 Tokyo Olympic & Paralympic games 内閣官

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

資料3

PowerPoint プレゼンテーション

27 年度当初予算 28 年度要求主な増減理由円)平 7 単 位 2 : 8 百年万度予訳(成 ( 目 ) 啓発広報費 2 平成 26 年度限りの経費 ( 重要事項に関する戦略的国際広報諸費に統合 ) 計 0 0 算内

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

2

資料 1 国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議の開催について 平成 29 年 9 月 21 日関係府省申合せ平成 30 年 12 月 日一部改正案 1. 国際的な紛争解決の手段として仲裁手続が積極的に活用されるようになってきていることから 我が国における国際仲裁の活性化に向けて必要な基盤整備を図

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

< 基本方針 > 一般社団法人移住 交流推進機構 ( 以下 JOIN という ) は 地方に新しい生活や人生の可能性を求めて移住 交流を希望する方々への情報発信や そのニーズに応じた地域サービスを提供するシステムを普及することにより 都市から地方への移住 交流を推進し 人口減少社会における地方の振興

< F2D816994D48D FA957493FC816A >


Ⅱ 消費者を取り巻く状況変化について 近年 高度情報通信社会の進展 グローバル化の進展 技術革新の進行により 産業構造 ビジネス形態は大きく変化し また 2020 年には東京オリンピック パラリンピック競技大会の開催が予定されているなど 消費者を取り巻く経済社会は急激な変転の時代を迎えている 経済活

情報セキュリティ普及 啓発プログラム 改定の方向性 ( 案 ) 背景 若年層から高齢者までのあらゆる世代 個人 家庭 職場 公共施設などのあらゆる場面 国民 1 人 1 人の日常生活や社会経済活動等のあらゆる活動にサイバー空間が拡大 浸透 東京オリンピック パラリンピックが開催される 2020 年を

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

行政改革推進会議による 秋のレビュー 平成 26 年 11 月 14 日実施 評価者 上村敏之関西学院大学経済学部教授 上山直樹弁護士 ( ポールヘイスティングス法律事務所 外国法共同事業 ) 太田康広慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授 水上貴央弁護士 ( 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 ) 吉

資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

基本的な考え方 羽田空港の機能強化は 首都圏だけでなく日本全体にとって不可欠であり 機能強化の必要性やその実現方策等について 関係自治体の協力も得ながら できる限り多くの方々に知って頂くように努める 基本的な考え方 1 羽田空港の機能強化の必要性やその実現方策等について できる限り多くの方々に知って

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

PowerPoint プレゼンテーション

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

統計改革 最終取りまとめ 以降の経緯 統計改革推進会議 最終取りまとめ (H29.5 月 ) 今後の統計改革の具体的方針を取りまとめ 官民データ活用推進本計画 (H29.5 月閣議決定 ) 官民データ活用推進戦略会議の下に EBPM 推進委員会の設置を決定 骨太方針 2017(H29.6 月閣議決定

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

個人データの安全管理に係る基本方針

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

我が国のサイバーセキュリティ推進体制の更なる機能強化に関する方針 平成 2 8 年 1 月 2 5 日サイバーセキュリティ戦略本部決定 1 更なる機能強化の必要性 我が国のサイバーセキュリティの確保に関しては 平成 27 年 1 月 サイバーセキュリティ基本法 ( 以下 基本法 という ) の全面施

平成23年9月29日WG後修正

2014 年度事業計画書 2014 年 3 月 25 日 一般社団法人日本テレワーク協会 1

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

オリンピック パラリンピック東京大会におけるホストシティ タウン構想に係る自治体における国際交流の取組についてのアンケート 1. 調査概要配布先 : 都道府県 市区町村時期 : 平成 26 年 9 月 30 日 ~10 月 30 日 ( 年内にとりまとめ ) 調査趣旨 : 2020 年オリンピック

長期総合計画の計画的推進について < 部経営上の課題 取組方針 > H19 年度の各部の経営上の課題 取組方針の協議 < 行政改革 > 財政 人事など経営資源の現状分析 把握 課題についての対処方法の検討 行政改革実施計画の見直し <サマーレビュー > 懸案施策 事業の協議 < 実施計画 > 今後

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

会長メッセージ「『日本学術会議第23期3年目(平成28年10月~平成29年9月)の活動に関する評価』における指摘事項に対する考え方について」

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

日商協規程集

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

資料 3 時代の要請を受けた 消費者保護の課題について 平成 31 年 4 月 経済産業省商務 サービスグループ 商取引監督課

(3) 我が国の取り組み我が国は高度経済成長期以降 政府 自治体 民間企業 市民が協力し 収集 運搬 リサイクル 最終処分の適正化など 様々な取組を行ってきており エンドオブパイプ方式としての排出基準の設定や 他国に先駆けて3R( 廃棄物の発生抑制 (Reduce) 資源や製品の再使用(Reuse)


- 国家林業局 - 国家林業局

Microsoft Word - ★(ワードセット版)CONNEX基本指針

(2) 行政の高度化 効率化国や地方公共団体においてデータ活用により得られた情報を根拠として政策や施策の企画及び立案が行われることで (EBPM:Evidence Based Policy Making) 効果的かつ効率的な行政の推進につながる (3) 透明性 信頼の向上政策立案等に用いられた公共デ

H28秋_24地方税財源

国立女性教育会館の機能と取り組み

20 21 The Hachijuni Bank, LTD.

所有者と利用とを分離した仕組みを公共事業や民間の土地取引にも導入することについて Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する附帯決議

スライド 1

Transcription:

巻頭言 司法外交の推進に向けて 大臣官房国際課長 松井信憲 第 1 はじめに 2018 年 4 月, 法務省に, 大臣官房国際課が新設された これまで, 法務省では, 部局ごとにそれぞれの国際的課題に対応してきたが, 部局を横断して総合的 戦略的な検討 対応を行うために, 司令塔的機能を担う組織として設けられたものである 例えば, 我が国と関係の深いASEAN 諸国についてみても, 御承知のとおり, 法務総合研究所において長年にわたり多くの国で法制度整備支援を実施しているほか, 法務省全体では, 捜査 訴追等の刑事手続における外国政府との共助, 外国人受刑者を本国で受刑させるための移送, 外国人技能実習制度の適正な運用の確保など, その国の実情に応じて様々な課題が認められる 国際課においては, これらの課題を一括して把握し, 各部局と共有し, 国際社会における我が国のプレゼンスをどのように高めるか, また, それぞれの国とどのような関係を展開していくかにつき, ハイレベルな往来等の機会も念頭に置きつつ, 基本的かつ総合的な企画立案をしていくことが期待されている 国際社会において拠り所となるのは, まず, 自由, 民主主義, 基本的人権, 法の支配といった普遍的な価値観であろう 本稿では, このような普遍的価値に基づく 司法外交の推進 の重要性に触れた後, 部局横断的な課題に対する国際課の取組を幾つか御紹介することとしたい 第 2 SDGsと司法外交 1.SDGsとは昨今,SDGs, すなわち, 持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals) という言葉を耳にすることが少なくない SDGsとは, ミレニアム開発目標 (MDGs) の後継として,2015 年 9 月の国連サミットで採択された,2030 年までの国際目標である 持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットで構成されており, 誰一人取り残さない(leave no one behind) ことがうたわれている SDGsのゴールは, 多種多様である 1 貧困をなくそう 2 飢餓をゼロに に始まり, 5 ジェンダー平等を実現しよう 10 人や国の不平等をなくそう 16 平和と公正をすべての人に という, 法務省の所掌事務に密接に関連する目標も見られ, 特に, このゴール16に関しては, 平和で包摂的な社会の実現のため, 法の支配を促進することなどが明記されている ICD NEWS 第 77 号 (2018.12) 1

2. 司法外交の推進新設された国際課には, 法務省における 司法外交 の司令塔 推進役としての役割が求められている 司法外交 (Justice Affairs Diplomacy) は, 法の支配等の普遍的価値を, 日本国内のみならず世界にも行き渡らせようとする取組であり,SDGsの達成への貢献等を通じて, 国際社会における我が国のプレゼンスを高めることを目的としている 司法外交については, 平成 30 年 6 月に閣議決定された 経済財政運営と改革の基本方針 2018 ( いわゆる骨太の方針 ) でも言及され, 日本型司法制度の強みを重要なソフトパワーとし, 京都コングレス2020の成功に向けて, 国連や関係各国と連携 協力し, 司法分野における国内外の取組 司法外交 を, 外交一元化の下, オールジャパンで総合的 戦略的に推進する とされたところである 国際課では, このような司法外交の推進のため, 例えば, 第 14 回国連犯罪防止刑事司法会議 ( 京都コングレス ) の開催準備や, 国際仲裁の活性化等に向けた取組を行うとともに, 法務省の各部局におけるSDGs 達成のための取組をも含め, これらを総合的に発信する広報に努めている その一例として, まず, 法務省におけるSDGs 達成のための取組を対外発信する際に用いるオリジナルのロゴを作成した このロゴは, MOJのOの部分にSDGsの17のゴールを示す17 色のカラーホイールを組み合わせたもので, 法務省職員がデザインし, 国際課において国連の使用承認を得た また, 平成 30 年 10 月に法務省で開催された 法の日フェスタ in 赤れんが では, 法務省におけるSDGs 達成のための取組についてゲームとパネルで学んでいただくコーナーを設置し, そのパネル ( 本稿末尾参照 ) では, 上記ロゴを活用するとともに, 法制度整備支援や犯罪防止等の国際協力, 再犯防止, 心のバリアフリーの推進, 子どもの人権問題への対応の推進, 無戸籍者問題への取組, 予防司法支援の推進, 総合法律支援の充実, 法令外国語訳の推進等の施策を紹介した 今後も,SDGs 推進の観点から, 各部局の様々な取組を積極的に共有し, 法務省ホームページにおける国際的な広報を充実させていきたいと考えている 第 3 京都コングレス国連犯罪防止刑事司法会議 ( コングレス ) は,5 年に一度開催される犯罪防止 刑事司法分野における国連最大規模の国際会議である 2015 年にカタールのドーハで開催された前回コングレスには, 潘基文国連事務総長 ( 当時 ) や各国司法大臣 検事総長を含め, 149か国から約 4000 人が参加し, 我が国からは, 検事総長を始めとして, 法務省, 警察庁, 外務省等の関係省庁から成る政府代表団が出席した 我が国は, 第 4 回コングレスを昭和 45 年 (1970 年 ) に京都で開催したが, 前回のドーハ コングレスでは,2020 年の第 14 回コングレスを再び我が国で開催することが決定された その後, 第 14 回コングレスを京都で開催することが閣議了解され, また, 開催期間を2020 年 4 月 20 日から同月 27 日までの8 日間とし, 開催場所を50 年前と同じく国立京都国際会館とすることが決定されている 2

京都コングレスの全体テーマは,2030アジェンダ(SDGs) の達成に向けた犯罪防止, 刑事司法及び法の支配の推進である より具体的には, 法の支配の推進に向けた各国政府による多面的アプローチが議題の一つとされた上, 法遵守の文化を醸成することを含む社会的 教育的方策等を検討するとされ, また, テロリズムや新興の犯罪形態 ( サイバー犯罪等 ) を防止し対処するための国際協力や技術支援の在り方も議題の一つとされている 前回コングレスは, 犯罪防止 刑事司法のより広い国連アジェンダへの統合 をテーマとしていたが, そこで採択された政治宣言 ( ドーハ宣言 ) が, その後 SDGsのゴール 16( 平和と公正をすべての人に ) に結実したものであり, 京都コングレスにおいても, このような発信力のある政治宣言が期待されるところである コングレスの場では, 通例,1 全体テーマについて政策的な議題を議論するプレナリー, 2プレナリーに関連した, より実務的な議題を議論するワークショップ,3 政府 NGO 企業等が各国政府代表団向けに実施する, 刑事政策等に関する専門家ミーティングや展示ブース設置などのサイドイベント,4 各種レセプションが開催される 国連側のコングレス事務局を務める国連薬物 犯罪事務所 (UNODC) には法務省職員 2 名を派遣しているところ, 国際課としては,UNODCと密接な連携を取りながら, 今後世界 5 箇所で開催される地域準備会合に出席し, また, 各国専門家との非公式協議の場を積極的に設けるなどしつつ, 法務省の関係部局, とりわけワークショップの企画運営を担う国連アジア極東犯罪防止研修所 (UNAFEI) と連携して, 京都コングレスで採択する政治宣言 ( 京都宣言 ) の取りまとめに向けた準備等を行うこととしている ロジ面についても, 引き続き, 開催地元である京都府 京都市等と協力し, 会場設営 サイドイベント レセプション 警備 宿泊 移動 広報 エクスカーション等の準備を加速させる予定である 京都コングレスは, 犯罪防止 刑事司法分野における我が国の国際的なプレゼンスを際立たせるばかりでなく, その機会に国民の同分野に対する関心を高め, 再犯防止や安全安心な社会の実現に寄与する効果が期待される 加えて,2020 年というオリンピック パラリンピック イヤーに, 世界中から訪れる京都コングレスの参加者に 世界一安全な国, 日本 とこれを支える法遵守の文化を体感してもらい, ひいては, 我が国の国家としての成熟度や法の支配の浸透をアピールする絶好の機会となる 皆さまにも, 是非御関心をお持ちいただきたい 第 4 国際仲裁の活性化国際仲裁とは, 国際的な商取引等をめぐる紛争について, 当事者が第三者 ( 仲裁人 ) を選任し, 紛争解決をその判断にゆだねる仕組みである 国際仲裁は, 裁判所が判断を下す訴訟と比べ,1 専門的 中立的な仲裁人を選ぶことができ, 司法の廉潔性に懸念がある国の裁判制度の利用を回避できること,2 手続や判断内容が非公開であること,3 仲裁に関する多国間条約の存在により大多数の国において強制執行が可能であること等の利点があり, 国際取引をめぐる紛争解決のグローバル スタンダードとなっている このような国際仲裁を我が国において活性化することは, 日本企業 ICD NEWS 第 77 号 (2018.12) 3

の海外進出に伴う法的 経済的リスクを減らし, その海外展開を促進するための環境整備に資するほか, 我が国の国際仲裁センターとしての魅力を高め, 海外から幅広く投資を呼び込むことにもつながり, 我が国の経済成長に貢献するものといえる しかし, 我が国における国際仲裁の取扱件数は, 低調である 例えば, アジア諸国の代表的な国際仲裁センターについてみると,2017 年の統計で, シンガポールでは452 件 ( うち国際案件は374 件 ), 香港では297 件 ( うち国際案件は217 件 ) であるのに対し, 我が国の日本商事仲裁協会では20 件程度とされる 近時, 中国, 韓国, マレーシアなどでも, 政府が国際仲裁の活性化を積極的に後押ししている現状にある 平成 29 年 2 月には日本弁護士連合会から, 同年 3 月には日本仲裁人協会から, 日本における国際仲裁のインフラ整備のための施策を関係府省が横断的に講ずるよう求める旨の要望が出されている このような背景の下, 政府においては, 平成 29 年 9 月, 内閣官房副長官補を議長とし, 法務省と経済産業省を事務局とする 国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議 が設置された 同会議が平成 30 年 4 月に取りまとめた 国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策 では, 我が国の国際仲裁が低調な原因として,1 国内の企業等における国際仲裁の意義 有用性等に関する理解が十分ではないこと,2 国際仲裁に精通した人材の不足, 3 世界的に著名な仲裁機関や仲裁専門施設の不存在,4 海外へのマーケティング不足等が指摘されており, 総合的な基盤整備のための取組として, 人材育成, 関連法制度 ( 仲裁法, 外国法事務弁護士制度 ) の見直しの要否の検討, 仲裁施設の整備, 国内外の広報 積極的発信等について, 官民が連携して進めるべきとされている 国際課としては, 法務省の関係部局と共にこれらの課題に対応すべく, 大阪中之島合同庁舎の一部を活用したパイロットプロジェクトとして, 一般社団法人日本国際紛争解決センターによる仲裁審理やセミナー実施に協力するとともに, 必要な予算の確保に向けた来年度概算要求を行っているところであり, 引き続きこれらの取組を拡充していきたいと考えている 第 5 おわりにこの半年間国際課の職務を遂行する中で, 我が国の法制度整備支援は, 相手国の実情に合った法制度を共に考え, その運用 改善を当該国が自ら行うための能力向上にも資するものとして, 周囲から高い評価を受けていると肌で感ずる機会が多い 現に, 平成 30 年 6 月には, 首相官邸で開催された重要な会議において, 具体的には,SDGs 推進本部では 拡大版 SDGsアクションプラン2018 が決定され, また, 経協インフラ戦略会議では インフラシステム輸出戦略 ( 平成 30 年度改訂版 ) が決定されているが, いずれにおいても法務総合研究所の取組が掲げられている そして, このような法制度整備支援の更なる推進を図るべく, 平成 30 年度から, 法務省 外務省 JICAの各担当者が今後の在り方を議論する場を新たに設け, 国際課もこれに参加しているところである 新設された国際課に求められる役割は多岐にわたるが, 初心を忘れず, 時代の変化を踏まえながら, 歩みを進めてまいりたいと思う 4

法務省 SDGs ロゴ 法務省は SDGs 達成に向けて取り組んでいます! 2020 年 4 月第 14 回国連犯罪防止刑事司法会議 ( 京都コングレス ) の開催! 国際協力 各国の刑事司法実務家を対象とする研修 セミナー JICA 等の関係機関と協力し, 汚職, 組織犯罪対策など SDGs に掲げられた国際社会の優先課題をテーマとする刑事司法及び犯罪者処遇に関する研修 セミナーを実施 法制度整備支援 開発途上国や市場経済への移行を進める国などに対して, それらの国々が進める法制度の整備を支援 相手国の実情にあった法律や制度を共に考える 犯罪や非行をした者の再犯防止 再犯の防止等の推進に関する法律 及び 再犯防止推進計画 に基づき, 以下の再犯防止対策を推進 犯罪をした者等の特性に応じた指導 就労 住居の確保や, 保健医療 保健サービスの利用促進 学校等と連携した修学支援等 無戸籍者問題への取組 無戸籍者の実態把握を行うとともに, 各地の法務局に相談窓口を置き, 戸籍作成のための丁寧な手続案内を実施 予防司法支援の推進 訴訟対応等によって得た知見をいかし, 各府省庁から相談された法的問題について助言することにより, 国の行政の法適合性を高め, 紛争を未然に防止する取組を推進 法の支配 が貫徹された国家! 心のバリアフリー の推進 外国人 障害者の人権の尊重をテーマとした人権啓発活動に積極的に取り組む コミュニケーション手段の多様化を踏まえた子どもの人権問題への対応の推進 いじめを始めとする子どもの人権問題について, 若年層が利用する様々なコミュニケーション手段を積極的に活用すること等により, 子どもの人権問題への対応を推進 総合法律支援の充実 法テラスにおいて, 全国で法的サービスを提供 法令外国語訳の推進 国際取引の円滑化や外国人への司法アクセスの確保の支えとなる日本法令の外国語訳を整備し, 計画的にインターネット等により国内外に向けて公開 発信 ICD NEWS 第 77 号 (2018.12) 5