現代イランの女性労働 : 生活調査からみる現地事情の一考察

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第 7 回岐阜大学教職大学院 開発実践報告会 発表題目一覧 2016( 平成 28) 年 1 月 30 日 ( 土 ) 開会行事 (8:45~9:00) 報告 Ⅰ: ストレートマスター (9:00~1) 氏名種別実習校コース題目時間 1 今村優希 SM 実習 : 岐阜県立大垣北高

eラーニング 学 習 管 理 システム(LMS)を 活 都 用 竹 したメタボリック 茂 樹 症 候 群 向 け 保 健 指 導

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トルコギキョウ 3,4 月出荷作型における発蕾期以降の温度および電照管理方法が開花, 切り花形質に及ぼす影響 83 Effects of Long-Day Treatment and Temperature Control after

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日タイ修好130周年記念特別展「タイ~仏の国の輝き~」プレスリリース

CONTENTS

保健科学研究_第3号

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様式 4 2 第2章 㸺 ᴗᑐ ᆅ య ഛィ 㸼 య ഛ᪉㔪 ィ ᆅ ࠊᅄ᪉ ᐊ ᕷ㐨 ᅖ ࡍ ࡀࠊ Ᏻ ᛶ 㓄 ࡋࠊᖜဨ ᗈ ༡ ཬ す 㐨 ࢡࢭࢫ㐨 ࡋ ᙜ タ Ẹ㛫 タࡀ㐃ᦠࡋࠊᗈሙ ࡋࡓ 㛤ദ ࠊከୡ௦ ὶ ฟࡋ ࡍࠋ ᅗ㸸 ᡂண ἣ ఫᏯᆅ 㓄 ࡋࡓ㓄 ィ ᾭᏛ ࢭ ࢱ ࠊ ᆅ 㒊 ᕝ ᆅ


平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに





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参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家




本文教育学会年報36_1016

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親と同居の壮年未婚者 2014 年

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ROSE リポジトリいばらき ( 茨城大学学術情報リポジトリ ) Title 基盤教育における 地域産業技術史 の講義 : その目的と計画 Author(s) 堤, 一郎 Citation 茨城大学全学教育機構論集. 大学教育研究 (1): 1-12 Issue Date URL h


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アニメーション作品が観光振興に与える影響に関する研究. その3, 埼玉県鷲宮町における「らき☆すた」聖地巡礼者の属性と旅行形態に関する考察

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の ~t 界 知 識 を 参 照 した 上 での 発 話 であるという 点 において 話 者 の 世 界



第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21



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小川佳代 中岡泰子 富田喜代子 前田宏治 加藤孝士 高橋順子 石原留美 尾崎八代 中澤京子 三木章代 吉村尚美 江口実希 の関連を 女性のライフサイクルの中で 視野を拡 大して検討する必要があると考えた これらの 実践は 保育所や地域の子育て支援センターを拠点 A 県内子育て支援セン

ません 能力評価システムについてはたまたま私が目を通して これはと思って電話したのです ( 宮崎氏 ) 間もなく事務局からの説明を受け 導入することを決めた 従業員の能力向上と自ら成長する人材をつくる評価基準 導入支援のコンサルタントの田代稔氏が初めて来たのは 同年 9 月だった コンサルタントは

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【最新】現代社会学部紀要11‐2/【最終校正】加藤晴明先生





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Transcription:

Title 現代イランの女性労働 : 生活調査からみる現地事情の一考察 Author(s) 村上, 明子 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 = The annals of Research Center CitationNetworks, 4: 135-145 Issue Date 215-3-3 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/5847 Type bulletin (article) File Information 24135Murakami.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Aca

135 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 北海道大学 215. 3 第4号 研究ノート 現代イランの女性労働 生活調査からみる現地事情の一考察 村上 要 明子 約 独自の内的発展理論を掲げる現代イランでは 男女の役割や社会的配置がイスラーム ベースの世界 観によって導き出されている 筆者は 214 年 9 月から 1 月にかけて イランの首都テヘラン市を中心に女性 たちの生活実態把握に向けて予備的調査としてアンケート調査を行った 今後の調査では 彼女たちのより具体 的な状況を把握し 公的統計では伺い知ることのできないイラン女性の活動実態を明らかにしていきたい なお そのためには 対象者ごとに調査手法の選定を行うことが好ましいと考えられる キーワード 労働市場 イスラーム 性別役割規範 はじめに ことが挙げられる 同国では経済活動人口として 公式統計で活動状況が明らかになっている女性が 独自の内的発展理論を掲げる現代イランでは 少なく 女性の従来の活動実態が見えづらい 他 男女の役割や社会的配置がイスラーム ベースの 方で 女性が労働市場に参入するか否かを決定す 世界観によって導き出されている 筆者はこれま る時期やその要因についても十分に検討されてい で労働市場を対象に現地調査を行っており 特に るとは言いがたい 周知のとおり 女性の就業は 女性労働者の行動様式と思考パターン そしてラ 結婚 出産 子育て等のライフイベントと密接に イフコース設計の検討を重ねてきた その結果 関わっており 家族関係や経済状況などの諸事情 イラン労働市場と女性ホワイトカラー層の形成メ とのバランスを考慮しながら労働市場への参入 カニズムの現代イラン的特徴として 以下の三点 退場 再参入が図られるが イランの場合はかか が明らかとなっている る決定に関してイスラーム ベースの性別役割規 一つは革命後 35 年という歳月が経ち 階層の 範が大きく影響すると考えられている 固定化傾向が顕著になっていることである 二点 以上を踏まえて 214 年 9 月から 1 月にかけ 目として 統治機構の硬直化によって社会全体に て イランの首都テヘラン市を中心に女性たちの 猜疑心が充満しており かかる状況下では社会 生活実態を把握するためアンケート調査を行っ ネットワークの活用が重要な意味を持つことが挙 た ただし今回の調査はあくまでも予備的調査で げられる 第三に イランにおける性別役割規範 あり 主な目的は調査方法や検討課題の精査であ は女性の活動に制約を加える側面だけではなく る 今後段階的に女性のライフイベントの決定要 場合によっては女性の人生の選択肢の幅を広げる 因の把握やそれに対する現地固有事情の影響を検 1 可能性もあると言えるだろう 討したいと考えている 例えば 結婚の時期や 他方で 現代イランの女性労働について その 相手はどのように決定されるのか 次のライフス 全体構造を解明するにあたりいくつかの課題も明 テージに備えた行動パターンが見られるのか らかとなっている 特に大きな問題として 女性 等である 労働の統計的な評価が現地の実態と乖離している また分析視角の特徴については 就業中の女性 のみならず非経済活動人口にカテゴライズされる 1 村上 211 213 参照

136 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 第4号 女性たちにも着目したことが挙げられる 前述の 規範が作用していることと 革命後の人口動態と とおりイラン女性の多くは統計的には非経済活動 いった特殊イラン事情が指摘されている 例えば 人口として分類されているが その実態について エーゲルとイスファハーニー 21 は 戦中 はアンペイドワークやシャドウワークに従事する のベビーブームがもたらした若年層の肥大化によ 2 主婦層も少なくないとされる また地域活動や る経済 社会構造の歪みを実証している かかる 親戚 友人との付き合いなど 社会ネットワーク 独特の人口構造によってイラン労働市場の需給構 を維持する上でも彼女たちの活動が持つ意義は大 造は近年特に逼迫しており 特にそのあおりを受 きい すなわち本研究は イラン女性の活動につ けているのが女性とされている いて生産領域と再生産領域の両側面からの包括的 例えばイラン統計センターによる直近の労働統 な検討を目指す上での一過程と位置づけられる 計によると 女性の失業率は 19.4% に上ってお 以下では まず現在のイラン女性の労働に関す り男性 9. の 2 倍超の水準となっている また る最新の指標を概観したのち 調査結果の分析を 年齢別にみると 15 歳から 29 歳の女性の失業率 行う 最後に調査の過程で浮き彫りになった問題 は 41.6 に達している 同年齢層の男性失業率 点を明らかにし 今後の調査設計について展望を が 17.9 であることから 男女の就業ギャップ 述べる が大きいことに加えて 特に若年層でその傾向が 顕著であると言えるだろう 3 1 女性労働をとりまく社会状況 他方で イラン経済の深刻な問題と言えるイン フレーションについては 改善の兆しが見えてい 現代イランは過去 35 年の間に革命 戦争 戦 ない 革命後のイランは常にインフレ問題に悩ま 後復興 経済制裁という経緯を辿ってきた こう され続けてきたが 近年においては 212 年 3 月 した固有事情によって 社会構造に特殊イラン事 に EU がイラン産原油の全面禁輸措置を決定して 情ともいうべき特徴が看取されている 以降 特にこの問題が先鋭化している 213/14 まず挙げられるのは 女性の経済活動人口比率 年度におけるインフレ率は前年比 34.7% という の低さである 図 1 は 経済活動人口比率の推移 驚くべき値を記録しており こうしたインフレ を男女別に示している また表 1 は男女別の経済 4 7 活動人口の趨勢を示している これらより 女性 6 の経済活動人口比率が伸び悩む一方で学生数が伸 5 びていることと 大半の女性が主婦である状態が 続いていることが分かる このように女性の経済活動人口比率が伸び悩ん でいる背景には イスラーム ベースの性別役割 59.2 62.1 63.7 63.9 62.8 61.1 4 3 2 1 9.9 11.9 11.5 16.4 14.5 13.8 29ᖺ 212ᖺ 1997ᖺ 2ᖺ 23ᖺ 26ᖺ 1 歳以上 単位 2 イラン統計センターが 22/3 年度冬にまとめた報告 書 イランにおけるインフォーマルセクター測定方法 の 中で 非経済活動人口として分類されている女性達の労働 実態に言及している 同書が彼女たちの具体的な就業内容 として挙げているのは 小規模零細家族経営業態における アンペイドワーク 個人契約の家政婦 家庭教師 出張美 容師 占い師などである なお筆者が知る限り同様の報告 書はこれ以降 出されていない模様である なお現在イラ ンで採用されているイラン暦はゾロアスター教の伝統を 基にした太陽暦で 3 月 21 日を元旦とする そのため 1 年 を西暦換算した場合 複数年をまたぐ形となる 例えば 本稿執筆時はイラン暦 1393 年であり 西暦に換算すると 214 年 3 月 21 日 215 年 3 月 2 日となる 出所 Statistical Center of Iran, Employment and Unemployment Indices Nationwide 1376 1391 より筆者作成 図1 経済活動人口比率の推移 3 Statistical Center of Iran, A Selection of Labor Force Survey Results - Spring 1393 (21 March 214-21 June 214) 参照 4 Central Bank of Iran, Economic Trends No.75,Fourth Quarter 1392 (213/14) 参照 なお 21/11 年度の年平 均インフレ率は 12.4 出所 Economic Trends No.63 211/12 年度の同数値は 21.5 出所 Economic Trends No.67 212/13 年度は 3.5% 出所 Economic Trends No.71 となっている

137 現代イランの女性労働 215. 3 表1 1956ᖺ 1966ᖺ 1976ᖺ 1986ᖺ 1996ᖺ 26ᖺ 211ᖺ 1956ᖺ 1966ᖺ 1976ᖺ 1986ᖺ 1996ᖺ 26ᖺ 211ᖺ 村上 経済活動人口の趨勢 単位 千人 ά ᑵᴗ ኻᴗ 5,334 157 6,172 636 7,587 76 1,26 1,486 12,86 1,184 17,695 2,145 17,835 2,696 573 2 944 9 1,212 237 975 333 1,765 272 2,782 847 2,712 864 㠀 ά Ꮫ ፬㸭 ኵ ປᡤᚓ 499 1,331 2,778 427 3,871 159 428 6,678 12 935 6,565 6 1,863 6,15 19 2,275 186 4,964 61 6,17 1,664 7,77 24 2,659 11,11 135 5,955 13,73 362 6,552 15,998 1,111 5,944 18,845 1,146 ࡑ 244 797 965 1,691 2,459 146 84 733 1,698 1,68 74 334 225 325 117 218 291 318 出所!? # > # \ # + } { イラン統計センター イラン統計年鑑 212/13 年度 イラン統計年鑑 各年度版についてはイラン統計センターウェブサイト http://www.amar.org.ir/default.aspx より入手可能 状況に対して 給与の伸びは十分に対応していな 点についても指摘するものとする なお調査時に いとされる おける為替レートは 1 円 約 29 リヤル 自由 イスラーム ベースの社会統合論理が機能して 5 市場レート であった いるイランにおいては 男性は外で稼ぎ 女性 は家の中を切り盛りする といった性別役割規範 2 1. 現地調査の概要 が強固に作用している したがって インフレに 筆者は 214 年 9 月から 1 月にかけて テヘ よって生活状況が苦しくなったとしても 妻が ラン市を中心に 生活状況に関する調査票 と題 家庭外で働くことを忌避する男性は一定数存在 したアンケート調査を実施した 調査の実施に際 する そうした場合 妻は内職や知人の手伝いな しては ⅰ 調査協力者の追跡ならびに再調査の ど いわゆるインフォーマルセクターの業務に従 依頼が可能であること ⅱ 調査票の設計につい 事するため 女性の労働の一定数が隠れてしまう ても意見聴取ができること これら二点を重視し こととなる いずれの地域でもインフォーマルセ たため 知人を介して調査票を配布する形をとっ クターの実態把握については困難が多いが イラ た したがって調査対象者にある種のバイアスが ンにおいては イスラーム的価値観がその 見え 生じている可能性は否めない また 調査内容の づらさ に影響を及ぼしていると言える 詳細は巻末資料のとおりであるが 調査対象者た したがって イラン女性の経済活動状況を把握 ちの意見を取り入れて適宜修正を加えながら調査 するためには 労働市場のみを対象とするのでは を進めたため 選択肢や文章表現 レイアウト等 なく生活全般を考慮した調査設計が重要であると に調査の過程で若干の変更が生じている 6 考えられる 5 公定レートは自由市場レートよりリヤルが 2 3 割高 2 調査結果 以上を念頭に置きながら 本節ではイラン社会 の固有事情を確認し 女性特有の課題を把握 整 理していく 加えて調査協力者からのコメントも 考慮することで イランにおける社会調査の留意 く評価されている なお同時期のイラン中央銀行発表の為 替レートは 1 円 約 24 リヤルであった 6 選択肢に変化があった項目は 質問 4-3 の所得水準な らびに質問 4-4 の支出項目である 前者については イラ ン中央銀行発表の最低賃金水準をもとに① 2 万リヤル未 満 ② 2 万リヤル以上 3 万リヤル ③ 3 万リヤル 以上 4 万リヤル未満 ④ 4 万リヤル以上 5 万リヤ ル未満 ⑤ 5 万リヤル以上 6 万リヤル未満 ⑥ 6 万リヤル以上 7 万リヤル未満 ⑦ 7 万リヤル以上 8

138 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 調査票はテヘランを中心に テヘランの近郊都 第4号 ものと思われる 市キャラジやカスピ海沿岸の観光地でありギー ラーン州の州都であるラシュトとその近郊市町 7 村 そして古都エスファハーン周辺でも配布を 依頼した 図 2 参照 地方在住者を対象に含め た理由は テヘラン市の特徴を相対化することに 2 2. 回答者の特徴 表 2-1 は居住地ごとの回答者数とその平均年 齢 学歴構成をまとめたものである なお 回答者の年齢分布について テヘラン 加えて 地域偏差が大きいとされるイランにおい キャラジ在住の女性の最高齢は 65 歳で最年少は て 全国横断的な量的調査の実施が可能かどうか 24 歳 同カテゴリーの男性についてはほとんど 検討するためである 年齢の幅がなく 最高 38 歳 最少 31 歳 また また調査対象者については 公務員や自営業者 ギーラーン州内在住者について回答者は女性のみ 近年活動が注目される NGO 関係者 労働市場へ で構成されており その最高齢が 7 歳 最年少 の将来的な参入が期待される学生層 そして主婦 が 19 歳であった 層など 現代イランの女性像を象徴する典型例に 学歴水準については テヘラン キャラジカテ アプローチするよう配慮した 同時に 課題の相 ゴリーの回答者が男女ともに非常に高く 全ての 対化を図るため 男性にも回答を依頼した 回答者が大卒以上であり その半数は修士号取得 最終的に 56 人から回答を貰い うち無効回答 者であった 他方でギーラーンカテゴリーの回答 は 2 部であった 調査時間とイラン独特の社会情 者については 大卒が 6 名 大学在学中の者を含 勢という物理的 制度的制約のため改善の余地が む 高卒が 7 名であり 本調査における居住地 大きく残る調査となったことは否めないが イラ ごとの学歴水準には顕著な差が見られた このよ ンの現在を知るための一定の手がかりは得られた うな差異は 教育水準の地域格差に由来するもの 図2 調査対象者の所在 万リヤル未満 ⑧ 8 万リヤル以上 9 万リヤル未満 ⑨ 9 万リヤル以上 1, 万リヤル未満 ⑩ 1, 万リヤ ル以上 2, 万リヤル未満 ⑪ 2, 万リヤル以上 5, 7 カスピ海沿岸の都市はリゾート地として人気が高く 万リヤル未満 ⑫ 5, 万リヤル以上という 12 の選択肢 を用意した しかし調査協力者との情報交換の結果 巻末 資料の通りの 6 段階の選択肢となった 後者については 後から⑬薬 医療費を追加した テヘラン市居住者を中心にイラン国内から多くの観光客が 訪れている またその多くが当地に別荘を所有しており 在来の生活と変化の早い大都市居住者の価値観とが入り混 じった独特の雰囲気を有している

139 現代イランの女性労働 215. 3 村上 ではなく 調査対象者を選定する時点で偏りが生 ラビア語 2 名 日本語 2 名 フランス語とスペイ じていたものと思われる ン語が各 1 名である 革命後のイランでは 不安 また回答者のエスニックグループについても居 定な社会情勢や硬直的な政治体制を嫌って 外国 住地ごとの差は大きく イランの地域偏差を如実 移住を希望する者が後を立たない 本調査の結果 に表す結果となった 表 2-2 参照 なお イラ からも イラン独特の社会事情を背景にした英語 ンにおけるエスニックグループへの帰属について 習得熱の高まりが垣間見えよう は 言語の使用状況や宗教 宗派と密接に関わっ 2 3. 回答者の活動状況 ていることから 生活習慣や社会ネットワークの 回答者の活動状況の概要は表 2-3 の通りであ 形成論理にも影響を与えることが少なくない 実 る 際に エスニッグループがファルシー ペルシャ 以外の者の多くが ギーラーキー語やロル語 アー 活動の具体的な内容については テヘラン キャ ゼリー語などのエスニック言語も使用していると ラジ居住者で就業中と答えた女性のうち最も多 回答している 他方で高学歴者層が多かったこと かったのは公務員の 6 名である 公務員はイラン もあり 外国語を習得している者が多数確認され における女性労働の典型職の一つであるが そこ た 具体的には 英語 38 名 ドイツ語 4 名 ア への入職経路については 全員が 友人 知人の 表2 1 ᒃఫᆅ ᅇ 㸦 㸧 回答者の概要 㸪 ࢪ ࢠ ᕞෆᕷ 㸦 ࢩ 㸧 ࢫ 㑹 㻢 㻡 㻡 ᖹᆒᖺ㱋 ṓ㸧 ᅇ 㻤 㻡 㻢 㻟㻟㻚 㻟㻟㻚㻣 㼚㻛㼍 㻟 㻟㻡㻚㻟 㻟㻟㻚㻣 㻟 㻟㻟㻚 㻟㻚㻡 㻣 㻣 ᏛṔࠉ㧗 Ꮫ ಟኈ ༤ኈ ᅇ 出所 筆者調査より作成 表2 2 回答者のエスニックグループ 単位 人 㸪 ࢪ ࢩ ࢮ ࢠ ࡑ ศ ᅇ ィ ࢠ ᕞෆᕷ 㸦 ࢩ 㸧 㻡 㻢 㻢 ࢫ 㑹 㻡 ᒃఫᆅ ᅇ 㻢 㻟 㻣 出所 筆者調査より作成 表2 3 回答者の活動状況 ࢠ ᕞෆᕷ 㸪 ࢪ ࢫ 㑹 㸦 ࢩ 㸧 ᑵᴗ ࡑ ά ᚑ ᅇ ィ 出所 筆者調査より作成 㻤 㻟 㻥 㻡 ᒃఫᆅ ᅇ 㻡 㻡 㻢

14 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 第4号 として今後 NGO の重要性が増していくと思われ 紹介 と回答している 安定的でかつ勤務条件に恵まれている正規職の る 就業に際して社会的ネットワークの活用が重要で 他方で 地方在住の女性については 就業中と ある様子はこれまでも指摘してきたが かかる状 答えた者が相対的に少なく それ以外の活動に従 況は公的部門にもある程度当てはまると言えそう 事している者の中では 主婦 学生 と答えた だ また自営業 稽古事の講師 の女性 2 名よ 者が数名いるものの 具体的な活動内容に言及し り回答を得ることが出来た それぞれピアノと折 ない回答者が 6 名となり多数を占めた その理由 り紙を教えているとのことであり 彼女たちに共 として 調査時の活動状況を端的に表す言葉が見 8 と仕事に対 つからなかったこと また質問の意図する内容が する家族の理解と後押しである なお折り紙講師 十分に伝わらなかったことなどが考えられる 地 の女性は NGO を立ち上げ そこでの啓蒙活動も 方在住女性の学卒後の活動については 家庭外で 行っている 自己実現の場を自ら開拓している人 の就業に難色を示す保護者も少なくない その結 物と言えるだろう 果 家業や家事の手伝い 内職などに従事するも 通するのは情操教育に対する熱意 他方でこの地域居住者のうち 就業中ではな のの 働いている という意識が希薄なケースが い と答えたものの 実際には賃金労働に従事し 未だに多く これが女性の活動状況を見えづらく 9 ている者が 2 名確認された 両名とも女性であ する要因となっている また主婦業に携わってい り その具体的内容はパートタイムの緑地管理業 るとしても未婚者の場合 家庭内を切り盛りする 1 である 緑地管理業務に関しては この業 という認識よりも親の庇護下にあるという認識の 務に 就業中である と答えた者も 3 名おり 3 方が強く それゆえ主婦アイデンティティも未形 名とも女性 仕事 と認識している者と 地 成であると考えられる 務 域活動 有償ボランティア といった位置付け したがって 地方在住の女性の活動状況はもと の者がいることが見て取れる こうした認識の より それに対する自己評価についても観察や評 ギャップが何に由来するのか イラン人女性の就 価手法の改善の余地が大きいと考えられる 業意識や自己評価と密接に関わる部分であるだけ に今後更なる検討が求められよう なお 緑地管 2 4. ライフイベントの背景と特徴 理業務について 回答者の一部は NGO の職員と ここでは 人生の節目である就学と結婚という して従事していた イランでは近年 環境問題へ ライフイベントについて 調査票で明らかになっ の取り組みが認知され始めており NGO はこう た特徴について概観する した新たな価値観と活動を社会全体で共有してい まずは回答者で就学中である者について 顕 くための担い手として また折り紙講師の例のよ 著な特徴として挙げられるのは学費の高さであ うに女性の活躍の場としても大きな期待を集めて る テヘラン キャラジ居住者の女性の中で 高 いる 労働需給が逼迫し就業機会が限られている 等教育機関に在学中で学費を支払っている者が 4 イランでは 女性のキャリア形成や自己実現の場 名おり その学費は 1 ターム 1, 万リヤル 約 44, 円 か ら 4, 万 リ ヤ ル 177, 円 8 折り紙講師は 情操教育を充実させて子供達や親が潜 在能力を引き出す教育に興味を持ってくれることで 子供 たちの今後の人生に様々な選択肢が存在することを示せる だろう との見解を示している 9 テヘラン キャラジ居住の女性で 就業中ではない と答えたその他の回答者の状況については 主婦が 2 名 学生が 4 名であった 1 テヘラン市では 21 年に就任したマーレキマダニー 市長の下で環境整備と雇用創出を目的とした緑化政策が進 められ 現在もこの方針は受け継がれている と現地の物価水準からするとかなりの高額とな る イランでは国立大学の学費は大学院も含めて 通常無料であることから 回答者の多くが私立大 学の学生であると推測される また 勉学と仕事 を両立させている回答者もおり 教育機関の出口 と労働市場の入り口が一方通行で結ばれているの ではなく その入退出のあり方が多様である様子

141 現代イランの女性労働 215. 3 ᐙ 村上 表 2 4 結婚の決め手 上位3つを選択 ᐙ᪘ ពぢ ᏛṔ እぢ ἣ ᐙᗞ ἣ 㻢 㻡 出所 筆者調査より作成 が伺える 他方で男性については 兵役という男性特有の ライフイベントが存在するため 大学進学は女性 表2 5 配偶者とどのようにして知り合ったか ᐙ᪘ ぶ᪘ Ꮫ ሙ ࡑ 出所 筆者調査より作成 のそれとまた違った意味を持つ イランの兵役は 18 歳以降の男性に 2 年間を基本として課される クが重要な役割を果たしている状況と同時に ラ が 高 等 教 育 就 学 期 間 は 猶 予 さ れ る こ と に 加 イフイベント時における自身の判断を積極的に評 11 博士課程への進学やその後の研究活動の 価しようとする姿勢も読み取れる結果となった 成果および進路によっては短縮 免除されるケー ちなみに 最近のイランでは平均初婚年齢の上 スもある なお兵役義務を終えていない成人男性 昇が指摘されており その原因として経済事情の は出国が制限されており 本調査においても 生 悪化や女性の高学歴化が挙げられている 活する上で大変なことは という自由記入の質 問 6 の 6-2 問に対して 国の外に出ること 海外旅行 と 難に感じていることは何ですか という質問に いった声が男性回答者より寄せられている イス 対して 結婚 と答えた男性が 2 名いた 結婚に ラーム ベースの社会関係から女性への抑圧に注 際しては高額な婚資金の用意など イランでは男 目が集まりがちのイランであるが 男性に課され 性側の経済的負担が大きいとされている 彼らが ている社会的責任の重さを考えることも本研究の 具体的にどのような困難を感じているのか追跡調 目的からすると重要な検討課題であると言えるだ 査を行っていきたい え 12 実際 現在 生活をする上であなたが困 ろう 次に結婚について 回答者のうち既婚者は女性 2 5. 本調査で明らかになった問題点 21 名 男性 5 名であった 彼ら 彼女らが配偶 調査の結果 明らかに回答者の反応が思わしく 者と知り合った状況を表 2-4 に また結婚を決め ない項目があった また 調査の過程でペルシャ る際に重視したことを表 2-5 にまとめた 語表現やレイアウトの問題も含めて様々な改善点 これらの結果から 結婚というライフイベント を指摘された 13 以下に特に重要と思われる課 に際して 社会ネットワークの果たす役割が大き 題を記し 今後調査を進めていく上での留意点と いこと そしてイランでは結婚の際 両親の許可 したい が必要という現実もあり 家柄 や 家族の意見 最も大きな問題と思われるのは 就業状況 活 を重視するといった具合に 結婚の決定に際し家 動状況について回答者からの情報を適切に引き出 族単位での視点を尊重する状況が伺える その一 せなかったことである この点に関しては先にも 方で 重視するとの回答が最も多く集まったのが 人柄 であるという事実から 家族単位での視 点を重視しながら同時に個人としての価値判断に も重きを置く様子が見て取れる これまでの調査 で筆者が明らかにしたように 社会が猜疑心で満 ち溢れている状況であるからこそ社会ネットワー 11 ただし兵役の執行が猶予されるのは 入学にあたりコ ンクールと呼ばれる全国統一学力テストの受験が課されて いる大学のみである 12 Rezai-Rashti and Moghadam (211) 参照 13 例えば冒頭の説明文に 本研究の課題名 現代イラン の女性労働 を記して男性回答者に渡したところ 私はこ の調査票の対象者ではない と回答を拒否されるケースが あった また当初は全ての選択肢に番号を割り振っていた が 数字の順番が意味を持つのではないかという質問や不 安が多く寄せられた 回答者を限定する質問 例えば問 2 の場合 質問 2-1 の回答内容によって次の質問項目が変わ る についても 文章による説明だけでは戸惑いが見られ たため 女性限定の質問は枠線で囲むなど イラン人の視 覚的な好みも確認しつつ修正作業を行った

142 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 第4号 述べたように ギーラーン在住の回答者からの消 計した調査票ではあったが 残念ながらいくつか 極的なレスポンスが象徴的である また テヘラ の項目で同国の実情にそぐわない箇所が明らかと ン キャラジ在住者の緑地管理業務の例でも示し なった この点を補うために 対象者に応じて何 たとおり 同じ状況下においても 就業中 と判 パターンかの調査票を用意することや 並行して 断する者と そうではないと判断する者とに分か インタビュー調査を行うなど 調査手法にも改善 れることが分かった こうした認識の差異が何に の余地が大きいと考えられる よって生じているのか 今後注意深く検討する必 要がある おわりに その他の項目で反応が鈍かったのは 主婦に なった状況に関する項目と収入 支出に関する 本調査から就業や結婚など人生の節目で社会的 項目である 前者については当初 レイアウト ネットワークが活用されている実態が確認され の問題で質問の意図が分かりづらいとの指摘を受 また NGO や環境整備活動に従事する高学歴女 け その後改良を試みたものの思うような結果が 性という新たな動きも観察された 得られなかった この項目や家事負担状況に関す その一方で 大都市テヘランないしその近郊地 る項目について ある回答者から こういった質 域と地方との認識のギャップが浮き彫りとなっ 問があることで このアンケート調査は対象をテ た なお 学卒後の女性たちが家庭外での就業機 ヘラン在住の 2 代 3 代に限定しているよう 会をなかなか得られずにいる様子や それに対す に感じてしまい回答に対して消極的になってしま る自己評価が確定せずにいる状況が 断片的にで うだろう なぜなら地方在住の中高年女性にとっ はあるが確認された て 家事を分担するなど夢にも思いつかないだろ 今後の調査では 彼女たちのより具体的な状況 うし 主婦以外の選択肢があったなんて想像だに を把握し 公的統計では伺い知ることのできない 出来ない人が多いと思う との意見が寄せられ イラン女性の活動実態を明らかにしていきたい た すなわち 中高年の多くの主婦層にとっては なおそのためには 対象者ごとに調査手法の選定 適齢期に結婚して主婦になること 主婦として家 を行うことが好ましいと考えられる 事 育児を切り盛りすることは疑問の余地を挟む のとなどあり得ないライフコースであり このよ 謝辞 本調査の実施に当たってはテヘラン大学大学院 うに考える人々は特に地方部に多いというわけで 文学部外国人コース所属岡村恵美さん 北海道大学大 ある かかる主婦層にとっては 夫に家事を担わ 学院工学院博士課程所属ショジャーイ アミールさん せるのは主婦としてむしろ 恥 となる したがっ て家庭内における彼女達の裁量のあり方や夫との 関係性を把握するために 質問項目を改めて精査 より多大な支援を賜った 社会調査の実施が困難を極 めるイランという国で 外国人である筆者が現地調査 を実現出来たのは 一重に両氏の御尽力の賜物である この場を借りて感謝したい する必要があるだろう また収入 支出に関しては 経済事情の細部を 他人にさらけ出すのが苦痛である以前に そもそ もインフレーションの激しいイランにおいて収入 や支出の表面的な金額を聞いても無意味であると の意見が寄せられた 特に支出についてはインフ レーションのせいで日々右肩上がりとなってお り 金額の大きさそのものを把握することへの意 識はそれほど高くない 以上のように イランの固有事情を探るべく設 付記 本稿は JSPS 科研費 研究活動スタート支援 268831 の助成を受けたものです

143 現代イランの女性労働 215. 3 村上 参考文献 資料 オンライン資料 村上明子 211 イランにおける女性就業の現状 テ Statistical Center of Iran, A Selection of Labor Force ヘラン市 ホワイトカラー層の事例分析 経済社 Survey Results - Spring 1393 (21 March 214-21 会学会年報 XXX Ⅲ -211 p. 151-p. 162 June 214). 213 現代イランの女性労働 平成 24 年度北海道大学大学院経済学研究科博士論文 Central Bank of Iran, Economic Trends No.63, Fourth Quarter 1391(212/13). http://www.amar.org.ir/default.aspx?tabid=1242& articletype=articleview&articleid=1663 最終閲 覧日 214 年 12 月 15 日 Central Bank of Iran, Foreign Exchange Rates. E c o n o m i c Tr e n d s N o. 6 7, F o u r t h Q u a r t e r http://www.cbi.ir/exrates/rates_en.aspx 最終閲覧 139(211/12). 日 214 年 12 月 15 日 E c o n o m i c Tr e n d s N o. 7 1, F o u r t h Q u a r t e r 1389(21/11). Economic Trends No.75,Fourth Quarter 1392 (213/14). Egel,E. and Salehi-Isfahani,D. 21 Youth Transitions to Employment and Marriage in Iran: Evidence from the School to Work Transition Survey, Middle East Youth Initiative Working Paper, Dubai School of Government. Rezai-Rashti, Goli M. and Moghadam, Valentine M. 211 Women and higher education in Iran: What are the implications for employmentand the marriage market?, International Review of Education, Volume 57, p419-p441. + + + # + \ > > } +?+ + + # Iran >!? # 経済統計調査グルー プ 22/3 年 イランにおけるインフォーマルセ クター測定方法 イラン統計センター!? # > # \ # + } 1391 イラン統計センター イラン統計年鑑 212/13 年 度 イラン統計年鑑 各年度版についてはイラン統計 センターウェブサイト default.aspx 12 月 15 日 http://www.amar.org.ir/ より入手可能 最終閲覧日 214 年

14 記入例として挙げられている ギーシャ はテヘラン 市内の 2 区に位置する地域で イランで最も高いミーラー ドタワーがすぐそばにある ཌ ሙ ホ ᑵᴗ 㛫 ᐙ᪘ ពぢ Ꮿ 㞳 ࡑ 㸦 㸧 ၥ㸱 ࡘ 㸦 ࡓ ᪉ ௨ ၥ ࡈᅇ ࡉ 㸧 3㸫1㸧ఱṓ ࡉ ࡋࡓ 㸽 ࡓ ṓ ࡓ 㓄അ ṓ 3㸫2㸧 ࡓ ᖺ㱋 ࡘ ᛮ ࡍ 㸽 㸯㸬㠀ᖖ 㸰㸬ᑡࡋ 㸱㸬ࡕ Ⰻ 㸲㸬ᑡࡋ㐜 㸳㸬㠀ᖖ 㐜 ڦ 2㸫1 ࠕ㸰㸬 㑅ᢥ ࠕ ፬ ᅇ ࡉ ࡓ᪉ ᑜ ࡋ ࡍ㸸 A㸧 ፬ ࡗࡓ ࡘ ࡍ 㸽 ۑ Ꮫ ᚋ ۑ ᚋ ۑ ฟ ᚋ ࡑۑ 㸦 㸧 B㸧 ፬ ๓ ᑵᴗ 㦂 㸪ࡑ ࡈグධࡃࡔࡉ ࠋ ۑ 㸦 㸭ά ෆᐜ 㸧 ۑ ᑵᴗ 㦂 ࡋ C㸧ࠕ ፬ ࡇ 㑅ᢥࡍ ࡓ 㸪Ỵᐃࡋࡓ ㄡ ࡍ 㸽 ۑ ۑ ẕ ۑ 㓄അ ࡓ ۑ ࡑۑ 㸦 㸧 ᪉ ࡃࡔࡉ ෆᐜ ڦ 2㸫1 ࠕ㸯㸬 ᪉ ᑜ ࡋ ࡍ㸸 A㸧 ࡓ 㸯 ᑵᴗ 㛫 ࡃ ࡍ 㸽 ۑ 㸱 㛫ᮍ ۑ 㸱 㛫௨ 㸳 㛫ᮍ ۑ 㸳 㛫௨ 㸶 㛫ᮍ ۑ 㸶 㛫௨ B㸧 ࡋ ぢࡘࡅ ࡋࡓ 㸽 ۑ ᪂ ồ ᗈ ۑ Ꮫ ồ ሗ ࢡ ۑ ۑ ሙ ồ ۑ ࢱ ۑ ࡑۑ 㸦 㸧 C㸧 ᑵᴗᮇ㛫 ࡃ ࡍ 㸽 ۑ 㸯 ᮍ ۑ 㸯 ௨ 㸴 ᮍ ۑ 㸴 ௨ 㸯ᖺᮍ ۑ 㸯ᖺ௨ 㸳ᖺᮍ ۑ 㸳ᖺ௨ 㸯㸮ᖺᮍ ۑ 㸯㸮ᖺ௨ D㸧 㑅 ࡓ 㸪㔜どࡋࡓࡇ ḟ ࡍ 㸽 ඛ㡰 3 Ꮠ ࡈグධ ࡉ ࠋ グධ 㸸 ࡓ ࡗ 㔜せ 㡯ࡀࠕ Ꮿ 㞳 㸪ḟ 㔜せ ࡀࠕᑵᴗ 㛫 ࠕ Ꮿ 㞳 ᶓ ڧ 1 㸪ࠕᑵᴗ 㛫 ᶓ ڧ 2 グධࡋ ࡃࡔ ࡉ ࠋ ၥ㸰 ᅾ ά ἣ ࡘ 2㸫1㸧 ᅾ ࡉ ࡍ 㸽 㸯㸬 ᅾ ࡈグධࡃࡔࡉ ࠋ 㸦グධ බ ဨ 㸧 㸰㸬 ᅾ ఱ ࡉ ࡍ 㸽 グධ ፬㸦 㛫 ࡋ ௨እ ά ࡈグධ ࡉ ࠋ㸧 㸦 ᮏㄒ 㸧 ᾏ㐨 Ꮫ Ꮫ㝔 Ꮫ ά ἣ 㛵ࡍ ࢣ ㄪᰝ ࢫ ࡇࡇ グ グධ ࢠ ࢩ ۑ ۑ ۑ ࢮ ۑ ࢡۑ ۑ ࢡ ۑ ࢩ ۑ ࢲ ࢨ ۑ ۑ ࢠۑ ࡑۑ 㸦 㸧 ۑ ศ ࢮ ۑ ㄒ ⱥۑ ㄒ ۑ ㄒ ࢡ ۑ ㄒ ۑ ㄒ ࢫ ۑ ㄒ ࢡۑ ㄒ ࢠۑ ㄒ ۑ ㄒ ࢲ ࢨ ۑ ㄒ ࡑۑ 㸦 㸧 ࡓࡀᒓࡍ ࢫ ࢡ ࢢ ḟ ࡍ 㸽 ࢩ ㄒ௨እ ゝㄒ ࡍ 㸽 ڦ 㓄അ ᕞ ᕷ㸦㒆㸧 ڦ ẕぶ ᕞ ᕷ㸦㒆㸧 ڦ ぶ ᕞ ᕷ㸦㒆㸧 ᅾ ᒃఫᆅ ฟ ᆅ ࡓ ڦ ᕞ ᕷ㸦㒆㸧 ᐙ᪘ ۑ 㸯 ۑ 㸰 ۑ 㸱 ௨ ۑ Ꮚ౪ ᐙ᪘ᵓᡂ ۑ 㓄അ ۑ Ṛ ۑ 㞳 ۑ ᮍ Ꮚ౪ ۑ Ꮫ ۑ ಟኈ ࡑۑ 㸦 㸧 ۑ ᑠᏛ ۑ Ꮫ ۑ 㧗 ᬑ ۑ 㧗 ᢏ ᐇᴗ ṓ ۑ ۑ ዪ ጻ ἣ ᏛṔ ᖺ㱋 ᛶ Ꮚ ௨ 㸪 ࡋࡃ 㢪 ࡋ ࡆ ࡍࠋ 㸦㡯 ࡈ ᙜ ݱ 㸪 ࡓᚲせ ᛂࡌ 㐺ᐅࡈグධࡃࡔࡉ ࠋ㸧 ၥ㸯 ࡓ ࡘ ၥ 㐺ᐅ ࡃࡔࡉ ࠋ 㸲㸬 ࡋ ࡓࡃ ၥࡀ ࡋࡓ 㸪 ᅇ ࡏࡎ 㸪ࡑ ᚋ ᅇ ௨እ ሙ 㐺ᐅࡈグධࡃࡔࡉ ࠋ 㸱㸬タၥ ࡈᅇ 㸪㑅ᢥ ࡀ ሙ ヱᙜࡍ ݱ 㑅 ࡃࡔࡉ ࠋࡑ ࡔࡉ ࠋ ᙧ බ ࡍ ࡇ ᑐ ࡏ 㸪Ᏻᚰࡋ ࡈᅇ ࡃ 㸰㸬ㄪᰝ ᯝ 㸪 ࡋ ࡍࠋ ࡓ ๓ ಶࠎ ᅇ ࡑ ࡓࡃ㸪ࡈከᛁ ࡇ ㄔ ࡈࡊ ࡍࡀ㸪 㠀ࡈ༠ຊࡃࡔࡉ ࠋ 㝔 Ꮫ ᩍဨࡀᐇ ࡍ ࡍࠋࡇ ㄪᰝ ᯝ 㐍ᒎ ࡓ 㸯㸬ࡇ ㄪᰝ 㸪 ᐙᗞ ࡅ ዪ ά ἣᢕᥱ ᮏ ᾏ㐨 Ꮫ Ꮫ 㢪 㸸 ᕳᮎ㈨ 144 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 第4号

215. 3 5 1 5 2 5 3 1 2 1 3 3 3 4 4 1 4 2 4 3 1 6 6 8 8 1 1 2 2 5 5 4 4 1 1 11 12 13 14