日本放送協会理事会議事録 ( 平成 27 年 12 月 8 日開催分 ) 平成 27 年 12 月 25 日 ( 金 ) 公表 < 会議の名称 > 理事会 < 会議日時 > 平成 27 年 12 月 8 日 ( 火 ) 午前 9 時 00 分 ~10 時 20 分 < 出席者 > 籾井会長 堂元副会長 塚田専務理事 吉国専務理事 板野専務理事 福井専務理事 森永理事 井上理事 浜田技師長 今井理事 坂本理事 安齋理事上田監査委員 < 場 所 > 放送センター役員会議室 < 議 事 > 籾井会長が開会を宣言し 議事に入った 付議事項 1 審議事項 (1) 平成 28 年度予算 事業計画における要員計画について (2) 平成 28 年度収支予算編成要綱 (3) 平成 28 年度国内放送番組編成計画について (4) 平成 28 年度国際放送番組編成計画について (5) 平成 28 年度インターネットサービス実施計画について 1
2 報告事項 (1) 平成 27 年度内部監査実施状況 (4 月 ~9 月 ) 議事経過 1 審議事項 (1) 平成 28 年度予算 事業計画における要員計画について ( 人事局 ) 平成 28 年度予算 事業計画における要員計画について 審議をお願いします 28 年度の要員計画については 引き続き安定的に循環可能な業務 要員体制を構築する 全体最適 の実現に向けて 業務の抜本的な見直しを行い 経営資源の再配分を進めます 既存業務のアウトソーシングやスクラップにより120 人程度の要員シフトを行い 取材 制作力の強化や新サービスへの対応等に必要なパワーを確保します また 2020 年東京オリンピック パラリンピックの準備に専門的に取り組む要員を31 人増員し 実施体制の基盤を整備していきます この結果 28 年度の予算人員は1 万 273 人となります ( 会長 ) 原案どおり決定します (2) 平成 28 年度収支予算編成要綱について ( 福井専務理事 ) 平成 28 年度収支予算編成要綱 の審議に入る前に説明をしたいことがあります 関連団体の土地取得の件は 相手方との優先交渉権を得た段階であり これから正式交渉を行い 資金計画などを具体的に策定する段階です ただ 重要な事項なので 経営委員会には報告を行いたいと思います NHKには NHK ビジネスクリエイトから 重要事項として説明がありました 法的な確認もしています ( 井上理事 ) この土地取引のような関連団体の重要な取引は 内部統制関係議決 のもと 事前にNHKに了承を得るべきものです 関連団体の今後の運営には大変意義の 2
あることと思いますが 再度精査して最終決定すべきと考えます ( 板野専務理事 ) いまの段階で分からないことが多い 予算編成要綱の議論は先に延ばすべきではないでしょうか ( 会長 ) 平成 28 年度収支予算編成要綱 の審議に移ります ( 経理局 ) 平成 28 年度予算の基本的な考え方および事業計画の重点事項 それに基づく収支予算の具体的な内容と予算額について 平成 28 年度収支予算編成要綱 として取りまとめましたので 審議をお願いします この事業計画を織り込み 28 年度予算を編成します 本件が了承されれば 本日開催の第 1250 回経営委員会に審議事項として提出します その後 必要があれば予算の調整を行い 総務大臣に提出する収支予算 事業計画 資金計画から成る予算書について 1 月に経営委員会の議決を求める予定です ( 塚田専務理事 ) 関連団体の土地取得の関係で 一部 予算編成方針 からの変更がありますが 土地購入の申し込み期限は 12 月 18 日ということなので 各関連団体の手続きを経てから 本件についても12 月 22 日の経営委員会で報告するということでも良いのではないでしょうか ( 吉国専務理事 )( 板野専務理事 )( 井上理事 ) 私も同意見です ( 会長 ) 特別延ばす理由もないので 原案通り了承し 本日の経営委員会に諮ります (3) 平成 28 年度国内放送番組編成計画について ( 編成局 ) 平成 28 年度国内放送番組編成計画 について 審議をお願いします 平成 28 年度国内放送番組編成計画 は 平成 28 年度国内放送番組編集の基本計画 に基づき 放送番組時刻表や編成計画の要点 新設番組の概要 部門ごとの定時放送時間および比率 地域放送時間 補完 3
放送等の放送計画などをまとめたものです 実施は 28 年 4 月 4 日月曜日からです 各波の編成計画の要点については 次のとおりです 総合テレビジョンは 人々の 命と暮らしを守る 正確で迅速な報道に努めるとともに 日本と世界の課題に向き合い 社会が進むべき方向を探る基盤となるニュース 番組を充実します また 文化 教養 娯楽番組などをバランスよく編成し 幅広い世代に支持されるチャンネルを目指します さらに世界水準の高品質な番組を制作するとともに 国際放送との連携を進め NHK 全体の魅力を高めます 教育テレビジョン (Eテレ) は 教育 福祉などの重要課題を継続して発信するとともに 幅広い世代の 知りたい 学びたい に 多様な番組で応えます また 趣味 実用番組の充実に努めるほか インターネットとの連携をさらに深め 新しい番組やサービスを充実させていきます BS1は ライブ感あふれる情報チャンネル として 国際 経済情報 スポーツ ドキュメンタリー の三本柱を中心に 世界と日本の今を これまで以上にタイムリーに伝えます 2020 年東京 を新たな柱に加え オリンピック パラリンピックに向けた幅広い番組を戦略的に展開し 視聴者の関心に応えます BSプレミアムは 視聴者が 文句なしに見たい と話題にする番組や 肩は凝らないけど深い 番組など 高品質かつ個性的なコンテンツをさらに強化し 本物志向の知的エンターテインメントチャンネルとして戦略的な編成を行い より多くの視聴者の獲得を目指します ラジオ第 1 放送は 災害などから命と暮らしを守る 安全 安心ラジオ としての機能強化に引き続き取り組みます 地域では 生活情報番組の充実 強化に取り組みます また 音声基幹波として それぞれの番組の内容をさらに深化させ 若年層から中高年まで幅広いリスナーの期待に応えます ラジオ第 2 放送は 生涯学習波 として 多様な知的欲求に応える番組を編成するとともに インターネットとの連携で いつでも どこでも 学べる機会を提供します FM 放送は 総合音楽波 として さまざまなジャンルの音楽番組を引き続き編成します 各番組のブラッシュアップと定着を進めるととも 4
に 新たなリスナーの獲得につながる番組の編成を行います 災害など緊急時には ラジオ第 1 放送と連携して機動的な編成を行い 地域情報波としてきめ細かなライフライン情報を提供します 本件が決定されれば 平成 28 年度国内放送番組編集の基本計画 の議決とあわせて 28 年 1 月 12 日開催の第 1252 回経営委員会に報告します ( 会長 ) 原案どおり決定します (4) 平成 28 年度国際放送番組編成計画について ( 国際放送局 ) 平成 28 年度国際放送番組編成計画 について 審議をお願いします 平成 28 年度国際放送番組編成計画 は 平成 28 年度国際放送の放送番組編集の基本計画 に基づき 放送番組時刻表 編成計画の要点 放送時間と部門別定時放送時間および比率 ラジオ国際放送の使用言語別放送時間などをまとめたものです 実施は 28 年 4 月 4 日月曜日からです テレビジョン国際放送の英語による外国人向け放送 (NHKワールド TV) は 毎正時に放送している基幹ニュースを 海外からのリポートや解説を増やすなど より本格的な国際ニュースとして刷新します また 平日午後 8 時台にインタビュー番組を新設することで 大型ニュース番組との相乗効果をはかり 1 時間トータルで見てもらうことを目指します そして 世界中に保存されている貴重な映像記録で激動の100 年を描いた大型ドキュメンタリーシリーズや NHKの地域放送局が制作した日本各地の魅力を紹介する番組など 国内放送の良質な番組を海外発信し NHKならではのコンテンツ力を示すことで 国際的なプレゼンスを高めます さらに 東京オリンピック パラリンピックが開催される2020 年に向けて 日本の産業や科学技術を紹介する番組を充実 強化するとともに NHKのネットワークを活用した新しいタイプの観光情報番組を開発します また 日本文化を楽しみながら日本語を学習することがで 5
きる番組を新設します テレビジョン国際放送の日本語による在外邦人向け放送 (NHKワールド プレミアム ) は 週末午前のニュース 情報番組を充実させます 1 週間のニュースを伝え 関心が高いテーマをわかりやすく解説する番組 経済情報番組や討論番組 東日本大震災の被災地を応援する番組など 日本のいまと未来を考える番組を放送します このほか 世界の動きを伝えるニュース番組や 日本列島各地の表情を伝える番組などを通じて 最新情報を届けます そして 海外で暮らす日本人や旅行者の重要なライフラインとして 内外で起きた大規模な地震 津波などの自然災害や 事件 事故などの緊急事態発生時には速やかにニュースを特設するなど 迅速かつ的確な情報の提供に努めます ラジオ国際放送 (NHKワールド ラジオ日本) の多言語による外国人向けサービスは 日本の最新情報や話題を 17の言語を通じて全世界にわかりやすく伝えます 各地域の好適聴取時間や受信環境に合わせ 放送枠を新設 移設します 衛星ラジオの放送時間拡大をはじめ 中波 FM 波 インターネットなど多様なメディアを活用し リスナーのさらなる獲得を目指します また 災害や有事の際には機動的に対応し 最新のニュースを的確に伝えます さらに番組では 日本各地の産業や技術を紹介するほか さまざまな分野で活躍する人物に迫る新企画をスタートさせます ラジオ国際放送の日本語による在外邦人向けサービスは 国内の主要ニュース 情報番組 スポーツ中継 音楽番組 ラジオドラマなどを国内と同時に放送し 日本の情報を多彩に伝えます NHKの公式ホームページ内にある NHKワールド オンライン は 27 年度に13 番組で開始した NHKワールドTV のビデオ オン デマンド (VOD) サービスの対象番組を20 程度に増やして視聴者の期待に応えるとともに NHKワールド への接触機会をより拡大します また NHKワールドTV 視聴アプリの機能を見直し 利用回数や利用時間の増加に資する改善を行うほか スマートフォン タブレット端末以外にも 普及が進む新しいデバイスを対象としたアプリの開発に取り組みます 6
そして NHKワールド オンライン のページを訪れる利用者の関心に応じ 同一ジャンルの番組情報をまとめて紹介するポータルサイト機能を整備し 利用者が目的のコンテンツに簡単にたどり着けるよう サイトの改善をさらに進めます さらに NHKワールド オンライン のビルマ語 ヒンディー語 スワヒリ語のページで テキスト化したニュースの提供を始め 全ての外国語ページでテキストと音声によるニュースを提供します ラジオ日本 の番組広報や放送中 放送後の音声提供を引き続き行うとともに お便り 投稿募集などリスナーとの結びつきを強める場として積極的に活用します そして NHKワールド のニュースや番組情報をSNSに向けて発信する取り組みを通じて NHKワールド のファンを増やし ホームページのアクセス増加につなげます 本件が決定されれば 平成 28 年度国際放送番組編集の基本計画 の議決とあわせて 28 年 1 月 12 日開催の第 1252 回経営委員会に報告します ( 会長 ) 原案どおり決定します (5) 平成 28 年度インターネットサービス実施計画について ( メディア企画室 ) NHKのインターネット活用業務は 放送を補完してその効用 効果を高め 国民共有の財産である放送番組等を広く国民に還元するなど 放送法第 15 条に掲げられたNHKの目的を達成するために実施するものです 実施にあたっては 放送法第 20 条第 2 項第 2 号および第 3 号の業務の実施基準 ( インターネット実施基準 ) ( 以下 実施基準 ) に基づき 各事業年度の開始前に インターネットサービス実施計画 ( 以下 実施計画 ) を策定 公表することとしています 平成 28 年度の実施計画を取りまとめましたので 審議をお願いします 第 1 部 受信料を財源とするサービス についてです (1) 受信料を財源とし 広く一般の視聴者に提供するサービス (2 号受信料財源業務 ) について国内放送関係では ニュース 災害情報発信の強化 豊かなスポー 7
ツ視聴体験の提供 参議院議員選挙でのデジタルサービスの提供 教育分野の充実 強化 人々の知的好奇心に応えるコンテンツの提供 番組の周知 広報や 内容を解説 補足する質の高いコンテンツ 通信と提携したテレビ向けサービスの充実 ラジオのインターネットサービスの提供 地域放送局のインターネットサービス 人にやさしい サービスの実施 理解増進情報のリアルタイム提供 および インターネットによるアーカイブスの提供 の12 項目を柱として実施します 国際放送関係では NHKワールド オンライン ホームページの利便性向上と多言語サービスの充実 NHKワールドTVの放送同時提供とオンデマンド提供 および ラジオ日本の放送同時提供とオンデマンド提供 を実施します 試験的な提供については 放送を補完する観点から 国内テレビジョン放送 ( 総合テレビジョン 教育テレビジョン ) の放送と同時に提供するサービスの改善 向上の検討に資するため 試験的提供 A と 試験的提供 B の2 項目を実施します 番組の提供にあたっては 実施日時 ( 期間 ) 提供内容 費用等を含む試験計画を事前に作成し 公表します また 試験的に提供した番組と その提供期間 試験結果については 試験的な提供が終了するつど NHKの公式ホームページ NHKオンライン で公表します なお 2 号受信料財源業務の費用は 受信料収入の1.9% にあたる1 30 億円です 内訳は 物件費が93 億円 減価償却費が3 億円 人件費が33 億円で 物件費のうち 国内放送関係は76 億円 国際放送関係は17 億円となっています (2) 受信料を財源とし 事業者等へ提供するサービス (3 号受信料財源業務 ) について災害時等の緊急ニュースや 公共放送として特に意義のある過去番組等について 国内事業者への提供を行います また 受信環境整備として NHKの国際放送のライブストリーミングやビデオ オン デマンド (VOD) 事業を行う海外事業者へ国際放送番組の提供を行います なお 3 号受信料財源業務の費用は 0.2 億円を想定しています 第 2 部 有料で行うサービス についてです (1) 利用料金を財源とし 一般の利用者向けに有料で提供するサービ 8
ス (2 号有料業務 ) について NHKオンデマンドサービスは NHKが国内で放送した番組およびその理解促進につながる情報などを 一般の利用者向けに提供する会員制有料動画配信サービスです 28 年度も引き続きコンテンツの充実や利便性の向上に努め 利用者の拡充を目指してサービスの向上に取り組みます (2) 有料で事業者等へ提供するサービス (3 号有料業務 ) について NHKが国内で放送した番組などについて ビデオ オン デマンド (V OD) 事業者から提供を求められた場合 公共放送への信頼を損なわないことを前提に 放送番組等有料配信業務勘定 の健全な収支や2 号有料業務との関係などを総合的に考慮して 有料で提供します (3)2 号有料業務 3 号有料業務の収支について 2 号有料業務および3 号有料業務は 区分経理の対象であり 放送番組等有料配信業務勘定 として計理します 予算は 事業収入が22 億円 事業支出が22 億円で 事業収支差金は0.1 億円です そのうち 3 号有料業務に係る事業収入および事業支出は 共に2 億円です 第 3 部 実施状況に関する資料の作成および評価について です 実施計画に記載した業務の実施状況については 年度終了後に 収支を含めた実施結果を作成し 公表します また 技術の発達 需要の動向 市場競争への影響 受信料の公平負担との関係等を勘案して 多角的な評価を行い サービスの充実 改善に取り組みます 第 4 部 インターネット活用業務に関する競合事業者からの意見 苦情等への対応について です インターネット活用業務の遂行状況について 同種のサービスを行う事業者または外部事業者から意見 苦情等が寄せられたときは 外部委員から成る インターネット活用業務審査 評価委員会 ( 以下 委員会 ) に検討を求め その結果を尊重して必要な措置を講じます また 実施基準では 市場競争への影響も考慮要素とする こととなっており NHKは実施計画の策定にあたり 委員会から市場への影響等を中心に適切性の観点からの見解を受けています この見解を踏まえ 適切に業務を行っていきます なお 委員会の見解は 実施前の事業であることから概括的な検討となっており 実施計画におけるサービスの公共性や市場への影響等を事 9
後に評価する必要性も意識されていることから 今後とも必要に応じて 委員会の見解を得ることとします この実施計画は 28 年 4 月 4 日月曜日から実施します 本件が決定されれば 28 年 1 月 12 日開催の第 1252 回経営委員会に報告します ( 会長 ) 原案どおり決定します 2 報告事項 (1) 平成 27 年度内部監査実施状況 (4 月 ~9 月 ) ( 内部監査室 ) 平成 27 年 4 月から9 月にかけて各地の放送局や本部部局で実施した定期監査 関連団体調査の結果について報告します はじめに 定期監査の実施状況についてです 定期監査を実施した放送局は 地域ブロックの拠点局が 仙台と札幌の2 放送局 各地域ブロック内の域内放送局が 長野 福井 岡山 宇都宮 富山 大分 新潟 熊本 松江 北九州 函館の11 放送局 合計 13 放送局です また 定期監査を実施した本部部局は6 部局です 27 年度は 年度を通して放送局 26 局 本部 12 部局程度の監査を予定しています 定期監査は 各部局の業務プロセスについて実施し 複数の部局で 重要度の高い要改善事項 がありましたが それ以外の部局については 業務プロセスの管理状況は 適正 または ほぼ適正 と判断しました なお 要改善事項については 当該部局に改善を提案し フォローアップで順次改善を確認しています 次に 関連団体調査の実施状況についてです関連団体調査を実施したのは NHKプラネット東北支社と北海道支社 NHKアイテックの2 社 3か所です 27 年度は 年度を通して5 社 6か所の調査を予定しています 調査は 各社で調査対象とした業務プロセス管理状況について実施し 2 社 3か所で 重要度の高い要改善事項 がありました 要改善事項については改善を提案し フォローアップで改善を確認することにしています 10
以上で付議事項を終了した 上記のとおり確認した 平成 27 年 12 月 22 日 会長 籾井勝人 11