ネットワーク工学演習 解答編 典型的な IP アドレス問題と解答を示す 解き方をよく覚えるように N 科 ある PC がある ネットワークの設定をみると IP アドレスが 192.168.10.130 であり サブネットマスクは 255.255.255.224 である 下記について解答せよ [1] この PC が属するネットワークアドレスは何か? [2] CIDR 表記で描くと /X の X はいくつになるか [3] 同じネットワークに配置できるホストの数はいくつか ( この PC も含む ) 解答 まずサブネットマスクを 2 進数で書くと 11111111.11111111.11111111.11100000 (255) (255) (255) (224) となり 1 が27 個ならぶので [2]CIDR は 27 になる つまり 27bit 目までが ネットワークアドレス になっている そこで PC の IP アドレスを 2 進数でみると 11000000.10101000.00001010. 10000010 (192) (168) (10) (130) で 先頭 26 ビット 11000000.10101000.00001010. 100 + 残りゼロで埋める 00000 11000000.10101000.00001010. 10000000 (192) (168) (10) (128) がネットワークアドレス ([1] の答え=192.168.10.128) ホストアドレスは後ろの 5bit( 全体 32bit からネットワークアドレスの 27 を引いた 32-27=5) が使えて 00000 と 11111 は使えない約束だから( 00000 全部ゼロはネットワークアドレス 11111 全部 1はブロードキャストアドレス ) 00001 ( 十進数で 1 )~ 11110 ( 十進数で 30 ) まで使える よって [3] は 30 台 実際に 192.168.10.129 ~158 まで置ける [ 答え ] [1] 192.168.10.128 [2] 27 [3] 30 台
CIDR で表される 192.168.0.0/26 のサブネットマスクを計算し 解答せよ 解答 CIDR が 26 だから 26 桁 1 が並んだ 2 進数がサブネットマスクである 11111111.11111111.11111111.1100000000 (8 桁ごとに区切ること ) (255) (255) (255) (192) よって 255.255.255.192 がサブネットマスク [ 答え ] 255.255.255.192 255.255.255.240 のサブネットマスクを CIDR の /xx で書くといくつか計算せよ 解答 サブネットマスクを 2 進数で書けばよい 11111111.11111111.11111111.11110000 (255) (255) (255) (240) あとは 1 が並んだ数を数えればよいので 数えると 28 個あるので /28 [ 答え ] 28 192.168.1.192/26 のネットワークに設置できるホスト数はいくつか計算し解答せよ また実際に PC に設定できる IP アドレスの範囲を答えよ 解答 IP アドレスは全部で 32bit あるが 26bit はネットワークアドレスに使うので使えないことがわかる (/26 の指定が問題文にあるので ) よって 32-26 = 6bit がホストアドレス ( 実際に PC やルータに設定できる IP アドレス ) に使える よってこの 6bit で表せる範囲でホストアドレスに使えるが 000000 ( 全部ゼロはネットワークアドレス ) 111111 ( 全部 1はブロードキャストアドレス ) は使えない よって 000001 ( 十進数で 1 ) から 111110 ( 十進数で 62 ) まで使えるから 62 台 が正解 実際の PC は 192.168.1.192 のネットワークアドレスを 2 進数で表すと 11000000.10101000.00000001.11 000000 (192) (168) (1) (192)
だが この最後の 6bit がホストアドレスで 000001 ~ 111110 と変化するから 11000000.10101000.00000001. 11000001 (192) (168) (1) (193) から 11000000.10101000.00000001. 11111110 (192) (168) (1) (254) までが使える つまり 192.168.1.193~192.168.1.254 の 62 台 [ 答え ] 62 台で 192.168.1.193~192.168.1.254 2 台の PC に IPv4 アドレスを割り振りたい サブネットマスクが 255.255.255.128 のと き 以下の PC で同一ネットワークに所属するのはどれとどの組み合わせか 1172.16.0.10 2172.16.0.130 3172.16.0.140 4172.16.0.20 解答 サブネットマスクを 2 進数に直すと 11111111.11111111.11111111.10000000 (255) (255) (255) (128) となり 1が 25 個並ぶから CIDR は /25 である つまり IP アドレスの先頭 25 ビットがネットワークアドレスを指すことになる そこで 1~4までの IP アドレスを 2 進数で書く ( ただし分かりやすいように 25 ビット目で区切りのスペースを入れた ) 1 172.16.0.10 = 10101100. 00010000. 00000000. 00 001010 2 172.16.0.130 = 10101100. 00010000. 00000000. 10 000010 3 172.16.0.140 = 10101100. 00010000. 00000000. 10 001100 4 172.16.0.20 = 10101100. 00010000. 00000000. 00 010100 区切りまでの最初の 25bit つまりネットワークアドレスが同じものは 2=3 1=4である よってこの組み合わせが同じネットワークアドレスに属していることになる ちなみに 1=4は 172.16.0.0 /26 のネットワーク 2=3は 172.16.0.128 のネットワークに属している ( ネットワークアドレスを算出するには後ろ 6bit をすべて 0 にする ) [ 答え ] 1 と 4 2 と 3
あるホストに次の CIDR 表記による IP アドレスが与えられている. IP アドレス :192.168.10.90/29 このネットワークをさらに小さな二つのネットワークに分けて運用したいと思う それぞれ ネットワーク A ネットワーク B とする それぞれの情報について記入せよ <ネットワーク A> ネットワークアドレス : サブネットマスク : 配置できるホストの数 : <ネットワーク B> ネットワークアドレス : サブネットマスク : 配置できるホストの数 : 解答 CIDR でいう ネットワークアドレス と ホストアドレス を区切る部分を右にひとつずらすと ネットワークを半分に分割できる ( 住所を一ランク増やす感じ ) いまある PC( ホスト ) のアドレスの 192.168.10.90 を 2 進数で書くと 11000000.10101000.00001010. 01011010 (192) (168) (10) (90) である 先頭 29 ビットがネットワークアドレスだから ( 問題文に /29 指定あり) 11000000.10101000.00001010. 01011000 (192) (168) (10) (88) がネットワークアドレスである (29 ビット目以降の最後の 3bit すべてを 0 にした) ホストアドレスに使えるのは後ろの3ビット (32-29 = 3) である よってホストアドレスは 001 ( 十進数で 1 ) ~ 110 ( 十進数で 6 ) まで使える これが現状のネットワークの構成である さてここで ネットワークを分割するには 現在ホストアドレスに使っている部分の最初の一桁を ( 分割用の ) ネットワークアドレスを指すものに役割をかえ 残りの 2 ビットをホストアドレスとすればよい 今あるホストアドレス 001 ~ 110 を その最初の一桁目が 0 のものと 1 のものとで分けると 0 01 先頭 0 ネットワーク のホストアドレス 01 192.168.10.89 0 10 先頭 0 ネットワーク のホストアドレス 10 192.168.10.90 0 11 先頭 0 ネットワーク のブロードキャスト ( 全部 1)192.168.10.91
1 00 先頭 1 ネットワーク のネットワークアドレス ( 全部 0)192.168.10.92 1 01 先頭 1 ネットワーク のホストアドレス 01 192.168.10.93 1 10 先頭 1 ネットワーク のホストアドレス 10 192.168.10.94 つまり 現在の CIDR は 29 だが これをひとつ伸ばして CIDR 30 として 増えた 1 ビット分が二つに分けたネットワークを分ける 印 になる なお CIDR の 30 は 1 を 30 桁並べることで サブネットマスク 255.255.255.252 になる (11111111.11111111.11111111.11111100 = 255.255.255.252 = /30 ) [ 答え ] <ネットワーク A> ネットワークアドレス : 192.168.10.88 サブネットマスク : 255.255.255.252 配置できるホストの数 : 2 台 <ネットワーク B> ネットワークアドレス : 192.168.10.92 サブネットマスク : 255.255.255.252 配置できるホストの数 :2 台 システム エンジニアであるあなたに 以下の指示が来ました クラス C のプライベートアドレスを用いて ネットワーク設計をしてください 四つの部署があり それぞれ異なるネットワークアドレスを付与します それぞれの部署で所有する PC の最大は 26 台です ルータは 1 台で グローバルアドレス用にポートがひとつ それ以外に四つのポートを持っています なおネットワークはスター型で設計してください この指示で設計されるネットワークを図に描け 図に PC は各ネットワークでは 3 台ずつ例として示し IP アドレスを記述すること ネットワークアドレス等も記述のこと 24 ポートもののスイッチングハブは自由に使えるものとする ただし無闇にネットワークを大きく設定しないこと 解答 クラス C だから 192.168.0.0 の IP アドレスを使う PC は最大で 26 台だから ネットワークはなるべく小さくとって CIDR は 27 とする ホストアドレスは 32-27 = 5 ビット使えるから 00001 ~ 11110 ( 十進数で 30 ) まで使えて 全部で 30 の IP アドレスが付与できる ルータにもひとつ付与するから PC は 29 台まで設置できる すると ネットワークアドレスは
192.168.0.0 / 27 192.168.0.32/27 192.168.0.64/27 192.168.0.96/27 の四つにすればよい ( 他の作り方でもよい ) なぜそう区切ったかというと ネットワークアドレスの最後の 3 桁を変えてネットワークを区別するのがわかりやすい 192.168.0. 0 = 11000000.10101000.00000000.000 00000 192.168.0.32 = 11000000.10101000.00000000.001 00000 192.168.0.64 = 11000000.10101000.00000000.010 00000 192.168.0.96 = 11000000.10101000.00000000.011 00000 区切られた後ろの 5 ビットが PC に使えるのは同じである たとえば 192.168.0.0 であれば 後ろの 5 ビットを使って PC3 台には 192.168.0. 1 = 11000000.10101000.00000000.000 00001 192.168.0. 2 = 11000000.10101000.00000000.000 00010 192.168.0. 3 = 11000000.10101000.00000000.000 00011 が設定できる 同様に 192.168.0.32 であれば 後ろの 5 ビットを使って PC3 台には 192.168.0. 33 = 11000000.10101000.00000000.001 00001 192.168.0. 34 = 11000000.10101000.00000000.001 00010 192.168.0. 35 = 11000000.10101000.00000000.001 00011 が設定できる 他も同様である [ 解答 ]