2 所有権保存登記の抹消 (1) 申請人 所有権登記名義人が単独で申請する 8-19 18-20 (2) 添付情報 a 登記識別情報 所有権登記名義人の登記識別情報が必要 b 印鑑証明書 所有権登記名義人が単独で申請するが, 真意で申請したことを確認するために必要 3-23 14-24 17-25 23-26 重要先例等 虚偽の所有権の登記名義人に対して所有権保存登記の抹消手続を命ずる判決を得た真 の所有者は単独で当該所有権保存登記の抹消を申請することができる ( 昭 28.10.14-1869) 6-21 13-26 22-24 第 8 節買戻特約の登記 1 意義 不動産の売主は, 売買契約と同時にした買戻しの特約により, 買戻期間内に買主が支払った代金及び契約の費用を返還して, 売買の解除をすることができる契約である 2 登記手続買戻特約の登記は, 売買による所有権移転登記と同時に別個の申請情報によって申請する ( 昭 35.3.31-71) ただし, 所有権の移転の仮登記と買戻特約の仮登記を同時に申請することは要しない ( 昭 36.5.30-1257) 登記の目的 買戻特約 原 因 年月日特約 売買代金 売買代金金 1000 万円 契約費用 金 20 万円 権 利 者 B 義 務 者 A 添付情報 登記証明情報 代理権限証明情報 登録免許税 金 1000 円 1-18..19-24 本登記の場合は同時に申請することを要する ( 昭 36.5.30-1257) (1) 売買に伴う買戻特約であること 1 代物弁済契約と同時にする買戻特約の登記はできない ( 昭 37.1.10-1) 2 譲渡担保契約と同時にする買戻特約の登記はできない ( 登研 322 P73) 所有権の保存の登記の申請と同時に買戻特約の登記を申請することができる ( 昭 38.8.29-2540) 1-18 7-25 10-15 22-25 - 1 -
辰已法律研究所 (2) 登記及びその 特約特約成立日 ( 売買契約成立日 ) ( ) 買戻しの特約は, 売買契約と同時にされていれば所有権移転の効力発生日が売買契約よりも後の日である場合であっても, その旨の登記の申請をすることができる (3) 記載事項 絶対的記載事項 売買代金 契約費用 買主が現実に支払った額を記載 売買代金に対する利息を併算した合計金額を記載することはできない ( 昭 35.8.1-1934) 買主が現実に支払った額を記載 買主が何も支出していない場合 ( 契約費用なし ) と記載する 1-18 任意的記載事項買戻期間 10 年を超えることができない ( 民 580Ⅰ) 超える期間を定めた場合 10 年に短縮される (4) 申請人 権利者売主 ( 買戻権者 ) 買主 (5) 添付情報 登記証明情報と代理権限証明情報のみが添付書面となる 3 買戻権の移転 (1) 添付書面買戻権の移転が売買等の場合においては, 買戻権は債権であるが, 不動産を取得する権利であるので, 所有権登記名義人が登記となる場合に, 準じて登記の印鑑証明書の提供を要する 25-15 - 2 -
(2) 登記の実行 買戻特約の登記に付記してなされる 4-26 1 所有権保存 A 2 所有権移転 B 付記 1 号 付記 1 号の付記 1 号 買戻特約買戻権者 A 2 番付記 1 号買戻権移転買戻権者 C 4 買戻権の変更 更正 変更 更正 売買代金 増額 契約費用 減額 4-22 買戻期間 伸長 短縮 5 買戻権の行使 (1) 登記手続買戻権を行使したことによる買戻しの登記は, 抹消登記ではなく所有権移転の登記によるべきである ( 大元.9.30-444) 買戻しは売買契約の解除であるため( 民 579 前段 ), 本来であれば, 抹消登記を申請するべきであるが, 便宜的に移転登記による 買戻権の登記自体は, 買戻しによる所有権移転登記がなされたら, 職権で抹消す る ( 規 174) (2) 登記及びその 買戻 買戻権の行使の意思表示が到達した日 ( ) 買戻しによる所有権移転登記の登記のが, 買戻しの期間経過前であ る場合には, 買戻しによる所有権移転登記の申請は, 買戻しの期間経過後であ ってもすることができる ( 登研 227 P74) 買戻しの意思表示が買戻しの期間内になされているのであれば, 農地法の許可が買戻しの期間経過後に到達しても, 買戻しによる所有権移転の登記の申請はすることができる ( 昭 42.2.8-293) なお, この場合の登記のは, 農地法の許可書が到達した日である 19-24 20-15 - 3 -
辰已法律研究所 (3) 申請人 権利者 買戻権者 現在の登記名義人 ( ) 買戻特約付売買の買主が, 目的不動産を第三者に転売し, その登記を移し た場合は, 最初の売主は, 転得者に対して買戻権を行使すべきである ( 最判 36.5.30) (4) 承諾証明情報買戻権を目的として設定された質権等の登記は, 登記官の職権により抹消される そのため, 登記上の利害関係を有する第三者がいるときは, 当該第三者の承諾を証する情報, 又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない (5) 買戻特約の登記に後れる登記の抹消 買戻権によって不動産の所有権は, 登記の目的 番抵当権抹消 初めに遡って元の売買契約時の状態で買戻権者に移転する また, 買戻権は登記により公示されており, 買 原権義 利務 因者者 年月日買戻権行使による所有権移転 B A 戻権の行使までの間に買主が当該不動産について設定した用益権, 担保物権等は, 買戻権の行使によって消滅する 添付情報登録免許税 登記証明情報登記識別情報代理権限証明情報金 1000 円 1 登記及びその 買戻権行使による所有権移転 買戻権行使日 2 申請人 権利者 買戻権者 抵当権者等 6 買戻期間満了 (1) 登記及びその 買戻期間満了 買戻期間満了日の翌日 - 4 -
2 C1/2 B1/2 本来なすべき 1 = 特別受益者が相続人が受け ( + 相続分相続開始時の - 寄与分 D( B 2A A 登件目登記済受寄被みなし相続がから直接記 ) 登記済持分放棄利害関係 D のに対し目 B ) B 的 C 登記人に該当する〇番所有権更受けたた贈与の総額相続財産売った C へ B の財産価格 1/2 34 亡 〇所有権移転 A )(1/6) 相所抵 ) 続有当 1/2 財権は = 正 1/3 贈与又は遺贈更正変更産登抹消原,D 持記利害関係 ( 分名と付記全義 C 因 1/3 部人の) 対抗関係とな人に該当しな 1/3 の価額年月日遺贈移転氏名変更年月日売買年月日相続年月日合併平成原月日 25 7 年遺民会因 10 留法社 1 (2) 添付書面 1 印鑑証明書 所有権登記名義人が登記となる場合に, 準じて登記の印鑑証明書を要 する 12-17 2 承諾証明情報 登記上の利害関係を有する第三者があるときは, 当該第三者の承諾を証する情報又 は当該第三者に対抗できる裁判があったことを証する情報の提供を要する 重要先例等 買戻しの特約の付記登記がされた所有権移転登記の抹消を申請するときは, これに先 4-21.20-12 立って又は同時に, 買戻しの特約の抹消登記の申請をすることを要する ( 昭 41.8.24-2446) 21-16 抵当権の実行として競売開始決定がされ, その旨の差押えの登記がされた場合, 買戻 しの期間が経過していれば, 抵当権者は自己の債権を保全するため, 所有者に代位して 買戻権者と共同して買戻特約の登記の抹消をすることができる ( 平 8.7.29-1367) 買戻しの特約の登記の抹消を申請する場合において, 登記である買戻権者の現住所が登記記録上の住所と異なるときは, 当該買戻権者の住所について変更が生じたことを証する情報を提供すれば, 抹消登記の前提として, 買戻権の登記名義人の表示の変更登記を申請することを要しない ( 昭 31.10.17-2370) - 5 -