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メタン発酵の基礎知識 糸状性 Methanosaeta 連球状 Methanosarcina 5

処理方式の調査結果 第 5 回 新館清掃工場基本計画検討委員会 資料 -3 整備方針大項目中項目詳細項目調査項目焼却処理ストーカ+ ガス溶融等処理ストーカ流動床灰溶融シャフトキルン流動床 安全 安心を確保し 安定した処理を継続できる施設 安定した施設 評点 災害時に頼れる施設 災害時に頼れる施設評点

条例施行規則様式第 26 号 ( 第 46 条関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 平成 30 年 6 月日 長野県知事 様 提出者 住 所 東御市下之城畔 ( 法人にあっては 主たる事業所の所在地 ) 氏 名 川西保健衛生施設組合長花岡利夫 ( 法人にあっては 名称及び代

資料2 再生利用対象製品の追加について

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第 3 章計画ごみ質の設定 第 1 節計画ごみ質の設定計画ごみ質の設定にあたっては, 組合実績より, 可燃ごみの排出量を踏まえ設定するものとする 本施設の計画ごみ質として, 可燃ごみに関する以下の項目を設定する 1 三成分 ( 水分, 可燃分, 灰分 ) 及び種類別組成割合 2 発熱量 ( 低位発熱

新ごみ処理施設の整備に向けた 施設整備の基本方針 資料 施設整備の基本方針 ( 案 ) (1) 施設整備の目的泉佐野市田尻町清掃施設組合 ( 以下 本組合 という ) 及び熊取町では 泉佐野市 田尻町及び熊取町から発生する一般廃棄物 ( ごみ及びし尿処理汚泥 ) を泉佐野市田尻町清掃施

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

様式第二号の二(第八条の四の四関係)

1 経過及び趣旨平成 20 年 3 月に策定された 湘南東ブロックごみ処理広域化実施計画 の基本方針として リサイクル推進型 +バイオガス利用 ( 残渣焼却 ) 最終処分場負荷軽減型 のごみ処理システムの構築があり バイオガス化施設導入の調査 検討を進めてきました バイオガス化施設導入の検証にあたっ

家庭ごみ有料化制度の 導入是非の検討について

目 次 はじめに 1. 検討の経緯 1 2. 検討対象とした可燃ごみ処理技術 4 1) 可燃ごみ処理技術の種類と特徴 4 2) 検討対象とする処理技術の条件 5 3) 処理技術の第 1 次選定 5 3. 可燃ごみ処理技術の詳細検討 6 1) 評価項目 6 2) 比較検討結果 6 3) 選定処理方式

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Microsoft Word - ⑥ pp61-81 タクマ様 原稿.doc

プロジェクト概要 ホーチミン市の卸売市場で発生する有機廃棄物を分別回収し 市場内に設置するメタン発酵システムで嫌気処理を行なう また 回収したバイオガスを利用してコジェネレーション設備で発電および熱回収を行ない市場内に供給する さらに メタン発酵後の残さから堆肥メタン発酵後の残さから堆肥 液肥を生産

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バイオ燃料

産業廃棄物の処理に係る管理体制に関する事項 ( 管理体制図 ) ゼロエミッション推進体制 ( 第 2 面 ) 滋賀水口工場長 定期会議事務局会議 1 回 /W 担当者会議 1 回 /M 推進報告会 1 回 /2M 推進責任者 : 工務安全環境部長 実行責任者 : 安全環境課長 事務局 中間膜製造部機

様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 5 月 18 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県三原市須波 1 丁目 23-8 藤井建設 代表取締役藤井啓文 ( 法人にあっては, 名称及び代表者の氏名 ) 電話番号 (08

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

Microsoft Word - 様式2-8 産廃処理計画

目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

環境アセスメントの実施について

<第2回 技術検討委員会_計画ごみ質設定根拠(H )>

様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 6 月 29 日 広島県知事 様 提出者 住所 広島県尾道市美ノ郷町本郷 氏名 日東電工株式会社 尾道事業所 事業所長岡田和之 電話番号 廃棄物の処

様式第二号の十四 ( 第八条の十七の三関係 )( 第 1 面 ) 特別管理産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 7 月 20 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県安芸高田市甲田町下甲立 1624 湧永製薬株式会社広島事業所 代表取締役 湧永寛仁 電話番号

産業廃棄物処理計画実施状況報告書(H24実績)

ごみ焼却施設の用地設定

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様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 6 月 14 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県府中市本山町 佐々田土建株式会社 代表取締役三島俊美 電話番号 廃棄物の処理及び清掃

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様式2-9産廃処理実績

家庭生ごみ 堆肥化 飼料化 バイオプラスチック化 水素化 炭化 固形燃料化 流体燃料化 ( メタン エタノール ) 3 廃食用油廃食用飼料化 BDF 化 4 木質系 5 汚泥系 製材廃材 建設廃材 剪定枝 堆肥化 木質材料化 堆肥化 木質材料化 堆肥化 飼料化 ボイラー発電 ( 薪 チップ ペレット

第 2 節廃棄物の排出 処理状況 1. 排出から処理 処分までの流れ (1) 発生量及び平成 22 年度の1 年間に県内で発生した産業廃棄物の発生量は 1,814 千トンであり 有償物量は 153 千トン は 1,661 千トンとなっている を種類別にみると が 6,638 千トンと最も多く 次いで

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様式2-9産廃処理実績_xls (989KB)

第1 機構・組織・人員及び予算

多量排出事業者の産業廃棄物処理計画実施状況報告書 ( 平成 2 年度実績 日清食品株式会社下関工場 多量排出事業者名称日清食品株式会社下関工場 所在地 ( 市町名 下関市事業の種類めん類製造業別紙 1-3 区分 産 業 廃 棄 物 種 類 燃え殻 汚泥 1,8 1, 廃油 廃酸 1 1

教務厚生常任委員会行政視察報告書 1. 視察期間 平成 26 年 10 月 14 日 ( 火 ) から 10 月 16 日 ( 木 ) まで 2. 視察事項 ( 視察地 ) 及び選定理由 (1) 幼保一体化施設 コロポックルの森 について ( 北海道登別市 ) 登別市では 新たに建設する市立保育所を

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様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 6 月 27 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県豊田郡大崎上島町中野 977 番地 大崎工業株式会社広島工場 工場長樽本伸正 電話番号 廃棄物の処理

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1. 実施事業ごとにみた検証 検討 再構築にあたっては ごみ処理基本計画 ( 中間見直し ) に記載される実施事業ごとに実効性等を踏まえ (1) スケジュールの修正を要する実施事業 (2) 達成状況により目標値を改める実施事業 (3) 新たに取り組む実施事業 の 3 つに分け検証等を行いました (1

資料4 国土交通省資料

畜産環境情報 < 第 63 号 > 1. 畜産の汚水から窒素を除去するということはどういうことか 2. 家畜排せつ物のエネルギー高度利用 南国興産を例に 3. 岡山県の畜産と畜産環境対策 4. 兵庫県の畜産と畜産環境対策について

様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 2018 年 6 月 29 日 長野県知事 様 提出者住所松本市島立 943 セキスイハイム信越 中南信支店氏名支店長石原範久 ( 法人にあっては 名称及び代表者の氏名 ) 電話番号

様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 28 年 6 月 29 日 下関市長 殿 提出者住所氏名 山口県下関市彦島西山町一丁目 1 番 1 号彦島製錬株式会社代表取締役西嶋章 電話番号 廃棄物の処理及び清掃に関す

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1 計画策定の意義 私たちが暮らす現代社会は これまで快適で潤いのある生活環境を築くため 大量生産 大量消費 大量廃棄という使い捨てのライフスタイルを恒常化させてきた それに伴い排出される廃棄物は 多様化 増大化を続けたため 処理場や処分場の確保は次第に困難になり 廃棄物処理を取り巻く環境は厳しくな

図1 可燃系ごみ発生原単位の予測結果

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〔表紙〕

計画の実施状況 ( 産業廃棄物の種類 : 廃プラスチック ) 8. 3 出量 自ら熱回収を行った量 7 全. 優良認定処理業者への 再生利用業者への 3 再生利用業者への 4 熱回収認定業者以外の熱回収を行う業者への 5 7. のうち再生利用業者への のうち熱回収認定業者への 3

平成 27 年度一般廃棄物処理等の概要 出典 : 一般廃棄物処理事業実態調査 < 平成 27 年度実績 > ( 環境省大臣官房廃棄物 リサイクル対策部廃棄物対策課 )

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係るダイオキシン類の削減対策について ( 厚生省生活衛生局水道環境部長通知 以下 9 年通知 という ) を発出し ごみ処理に係るダイオキシン類の排出を削減するための対策を推進することとし その一環として ごみ焼却施設の新設に当たっては 原則としてごみ 焼却灰等を溶融固化する施設 ( 以下 溶融固化

新立川市清掃工場 ( 仮称 ) の基本的な考え方 平成 27(2015) 年 12 月 立川市 1

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廃棄物処理施設内部検討委員会最終報告 一般廃棄物処理施設広域化の基本構想について 私たちが生活する上で ごみ処理業務は 1 日たりとも停滞することは許されず 年間を通して安定した処理業務を継続しなければなりません 併せて長期的な展望を視野に入れながら 持続可能な社会 = 循環型社会 を形成する総合的

12年~16年

北杜市新エネルギービジョン

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (


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第 4 回審議会 資料 4 H ごみ減量 資源化の目標について 1. 現行計画の目標達成状況と今後の予測 (1) 現行計画の目標達成状況現行計画の数値目標の内, 家庭系ごみ原単位目標は平成 29(2017) 年度の時点で既に平成 34(2022) 年度目標を達成しています 低下傾向にあ

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目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

参考資料2 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 2016年

図 ごみの減量化方策及び資源化方策の検討の進め方 2 市民 事業者 行政の役割資料 2-2 に示したとおり 今後のごみ処理においては ごみの減量化 資源化の推進が重要となり これらを実現するためには 各主体がそれぞれの役割を認識し 相互に協力しながら取り組む体制を整備する必要があります

2. メタン化導入見通し 効果の評価 2.1. 評価にあたっての基礎条件メタン化導入見通し 効果の評価に当たって バウンダリーや原単位については 基本的には平成 24 年度廃棄物系バイオマス利用推進事業 ( 以下 平成 24 年度事業 ) の成果を踏襲することとする 図 評価の基礎条件バ

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[ 法第 8 条の4( 閲覧用記録簿 )] 産業廃棄物処理施設維持管理記録簿 [ 焼却施設 ] 平成 30 年度 焼却した産業廃棄物の種類及び数量[ 規 12 条の7の3 第 3 号イ ] 種類 ( 単位 ) 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2

様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 8 月 25 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県東広島市志和町志和堀 株式会社ヒロタニ取締役社長廣谷清 ( 法人にあっては, 名称及び代表者の氏名 ) 電話番

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

目 次 1 本書の位置付け 落札者決定の手順 落札者の決定... 5

答申

(2) 技術開発計画 1 実施体制 環境省 明和工業株式会社 ( 共同実施者 ) 国立大学法人東京工業大学 (2) ガス利用システムの技術開発エンジン発電機の試験運転における稼働状況の確認 評価 (3) 軽質タール利用技術開発エンジン発電機を用いた燃焼試験 (4) トータルシステムの技術開発物質 熱

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目次 建設副産物適正処理推進要綱...3 第 1 章 総則... 3 第 1 目的... 3 第 2 適用範囲... 3 第 3 用語の定義... 3 第 4 基本方針... 4 第 5 関係者の基本的責務... 4 第 2 章 計画の作成等... 4 第 6 発注者による計画の作成 条件明示等..

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氏名 ( 本籍 ) あんよんみ 安英美 ( 韓国 ) 学位の種類博士 ( 工学 ) 報告番号乙第 1525 号 学位授与の日付 平成 26 年 9 月 30 日 学位授与の要件学位規則第 4 条第 2 項該当 ( 論文博士 ) 学位論文題目 A Study on Enhanced Anaerobic

参考資料2 生ごみ等の飼料化、たい肥化に関するヒアリング結果

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資料2-1 環境省説明資料

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

ここでいう収集区分は 次のものをいう ( 以下 同様 ) 混合ごみ : 可燃または不燃を問わずに収集されるもの可燃ごみ : 焼却施設にて中間処理することを主に目的として収集されるもの不燃ごみ : 焼却施設以外の中間処理施設にて処理する または最終処分することを目的として収集されるもの資源ごみ : 再


知りたかった ケミカルリサイクル プラスチック容器包装のリサイクル PPRC CR 研究会 1

NPO の市民講座 10 配布資料 プラごみ回収後のゆくえ 講師石渡眞理子 2010 年 ( 平成 22 年 )9 月 11 日 ( 土 ) 川口市立中央ふれあい館講座室 1 主催 NPO 法人すこやか文化交流協会

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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第49回)

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資料 2 1 有機性廃棄物等の処理方式の検討 1.1 有機性廃棄物等の処理方針検討の背景 平成 17 年度に策定した 一般廃棄物処理基本計画 は ごみ処理の基本をごみと汚泥を混焼する 焼却処理 とし, 焼却後の灰は ( 財 ) 兵庫県環境クリエイトセンターに溶融処理委託することとした このうち有機性廃棄物については, 焼却処理以外にも種々の処理方式があることが知られており, 検討の必要性を指摘する声もあった 平成 17 年度に循環型社会形成推進交付金制度が導入され, 焼却処理以外の技術のも補助が拡大され, 有機性廃棄物に対しては 高効率原燃料回収施設 として, 熱回収施設 よりも率の高い交付率が認められた このような状況を背景に本検討委員会において, 組合の方針である 焼却処理方式 に加え, バイオガス化等の有機性廃棄物の処理方式が有効な手段となり得るかについて検討することとする 1.2 有機性廃棄物とは 主に, 動植物に由来する廃棄物であり, 一般廃棄物では, 紙, ちゅう芥, 木 竹, 繊維, し尿 生活雑排水及びその過程で生じる汚泥等がある 産業廃棄物では, 有機性汚泥, 動植物性残渣, 動物のふん尿, 動物の死体等がある 広域ごみ 汚泥処理施設の処理対象廃棄物の中では, 燃やすごみ中の紙, ちゅう芥, 木 竹, 繊維及び浄化槽汚泥 下水汚泥が有機性廃棄物に該当する 11

1.3 燃やすごみ中の有機性廃棄物割合 現在の北但地域の燃やすごみの過去 3 年間の種類組成は, 以下の通りである 燃やすごみ中の有機性廃棄物のうち, 木 竹 わら類とちゅう芥類では, 全体の約 36.7% と想定される ( 豊岡市データ 他 2 町も同様の値 ) なお, 現在の分析において, 紙 布類 を 紙類 と 布類 に分離した分析は行っていない 不燃物類 2.53% その他 5.68% 紙 布類 39.26% ちゅう芥類 27.90% 木 竹 わら類 8.83% ビニール 合成樹脂 ゴム 皮革類 15.81% 図 1 燃やすごみの組成 燃やすごみの中の有機性廃棄物を抽出し処理するには, 収集運搬の区分変更を行い, 有機性廃棄物の分別収集を追加する必要があるが, ちゅう芥類が腐敗しやすいため, 分別排出時の家庭での貯留, 分別収集頻度の設定等の検討が必要となり, また分別収集実施に伴う分別収集コストの増加等, 検討すべき課題が多い また, 分別の負担軽減や円滑な処理を目的として, 燃やすごみを受入処理後の前処理施設により選別を行う方法がある しかし, 混在する廃棄物から選別された有機性廃棄物には, ある程度の不適物の混入は避けられない状況となり, 受入廃棄物の条件面で課題が発生することとなる 12

1.4 有機性廃棄物の処理技術 燃やすごみ中の有機性廃棄物及び下水汚泥等を対象とした場合に, 適用の可能性が考えられる中間処理技術を図 2 に示す また, 各処理施設のうち, 熱回収施設及び高効率原燃料回収施設については, 交付金上の要件が定められている これを表 1 に示す 図 2 計画処理対象の有機性廃棄物を対象とした中間処理技術の概要 1 燃やすごみ中の有機性廃棄物及び下水汚泥等を対象とできない方式を除く 2 熱回収施設には, ガス化溶融方式等があるが焼却灰 ばいじんの溶融処理を委託する方針のため除く また, ストーカ式に付帯する灰溶融設備も除く 13

表 1 各処理施設の交付金上の要件 処理施設の種類交付要件熱回収施設 交付率:1/3 発電効率又は熱回収率が 10% 以上 高効率原燃料回収施設 交付率 :1/2 メタン回収ガス発生率が 150Nm 3 /t 以上, かつメタン回収ガス発生量が 3,000 Nm 3 / 日以上 ごみ燃料化施設 交付率 :1/3 ごみ飼料化施設 交付率 :1/3 ごみたい肥化施設 交付率 :1/3 上記要件を満たさない施設 ( ガス回収率及び発生量が低い施設 ) の交付率は,1/3 となる 14

2 各処理技術の概要 図 2 に示した処理技術の概要について以下に示す 2.1 焼却処理 焼却処理は, 廃棄物の無害安定化 減容化が安定的に図れる技術として, 最も実績が多く, 現在も主要技術として採用されている 一般廃棄物の焼却処理についてはストーカ式及び流動床式が代表的である 溶融処理 ( ガス化溶融及び灰溶融 ) について 従来の国庫補助制度において焼却施設を整備する場合には, スラグ等の資源化による最終処分量の減量化を目的として, 原則として焼却灰及び飛灰のリサイクル 減量化を図るための溶融固化設備を有していること が補助要件とされていた このため, 従来の焼却技術であるストーカ式焼却施設に灰溶融設備を備えた施設や, 次世代型技術であるガス化溶融炉が採用されていた 平成 17 年度からは, 従来の補助制度に代わり, 循環型社会形成推進交付金制度が導入されており, この交付金制度において, 溶融固化設備は熱回収施設整備の交付要件ではなくなっている よって, 熱回収施設の整備について, 国から財政支援を受ける場合においても, 必ずしも灰溶融設備を設置する必要はなくなっている そのため焼却灰 ばいじんの溶融処理委託の検討を行った結果, 委託することによりコストメリットが生じること, 最終処分量を大幅に減量できること, 最終処分する内容物を陶器 ガラス類 清掃土砂など安定的なもの限定できること, 委託先において溶融処理したスラグをアスファルト骨材等に有効利用できること等から, 発生する焼却灰 ばいじんについては,( 財 ) 兵庫県環境クリエイトセンターに溶融処理を委託し, 組合としての溶融施設は整備しない方針が決定されている よって焼却処理については, 溶融施設を含まない, 従来の焼却処理技術であるストーカ式及び流動床式についての概要を以下に示す 15

2.1.1 ストーカ式 項目 国内の一般廃棄物の焼却処理施設の中で最も普及している方式で, 安定性, 安全性は高く技術的に確立されている 特徴 炉構造図 原理 公害防止 処理対象廃棄物 資源化処分物コスト 導入実績 排空空気気乾燥燃焼空気後燃焼空気空気灰ストーカ方式とは上図に示すように, 焼却炉のごみを乾燥するための乾燥段, 燃焼するための燃焼段, 未燃分を完全に焼却する後燃焼段の3 段となっている なお, 機種によってストーカ段が2 段階の焼却炉もあるが, 基本的な機能は同じで, ごみを乾燥 燃焼 後燃焼のプロセスがとれる炉構造となっている 既存の公害防止設備を用いた排ガス処理 排水処理 悪臭対策等を適切に実施することにより, 排ガス 排水 騒音 振動 悪臭等の公害の発生防止は可能である 広範な廃棄物の処理が可能である 排出時の厳密な分別が不要である 約 70 cm以下であれば問題なく焼却処理できる 金属がれき等不燃物の混入にも対応できる 流動物を処理する場合は, 噴霧等により吹き込む必要がある 熱回収による発電等の余熱利用が可能である 処理対象廃棄物量に対して約 1/10 の焼却灰 ( 主灰 飛灰 ) が発生する 建設費 :4,000~5,000 万円 / 規模 t 維持管理費 : 約 7,000 円 / 処理 t ( 建設費 4,500 万円 / 規模 t, 用役費 4,000 円 /t, 定期補修費 : 建設費の 2%/ 年, 稼働日数 280 日 / 年とした場合の維持管理費は, 約 7,000 円 / 処理 t) 歴史的に古く技術的に安定した処理実績があり, 全国の自治体において数多く採用されている方式 組合構成市町の既存焼却施設も全てストーカ式である 豊岡清掃センター 140t/ 日 (70t/24h 2 炉 ) 矢田川レインボー 28t/ 日 (14t/8h 2 炉 ) 新温泉町クリーンセンター 30t/ 日 (15t/8h 2 炉 ) ガス処理廃棄物 16

排ガス処理燃焼 2.1.2 流動床式 項目 国内の一般廃棄物の焼却処理施設の中で, 小規模に設計できるため用地が手狭な場合, 砂の蓄熱性を活かして早い立上下が可能なため小規模施設等で普及していた方式であるが近年ダイオキシン類対策以降は実績が少なくなっている 特徴 廃棄物 砂 炉構造図 砂 空気 灰 原理 公害防止 処理対象廃棄物 資源化処分物 コスト 導入実績 流動床方式とは, 上図に示すように, 炉内に流動媒体 ( 流動砂 ) が入っており, この砂を 650~800 の高温に暖め, この砂を風圧約 15~25kPa により流動化させる 高温で流動した炉内にごみを破砕した後に投入し, 短時間で燃焼する ごみの破砕サイズは炉の機種によって異なるが約 10~30cm 位とする 既存の公害防止設備を用いた排ガス処理 排水処理 悪臭対策等を適切に実施することにより, 排ガス 排水 騒音 振動 悪臭等の公害の発生防止は可能である 広範な廃棄物の処理が可能である 排出時の厳密な分別が不要である 乾燥 燃焼を瞬時に行うため, 高水分の廃棄物も比較的容易に処理できる 瞬時燃焼のためごみ質による炉内変動の影響が大きく安定燃焼が難しい 前処理により, 約 10 cm~30cm 以下にする必要がある 金属等不燃物の混入に限界がある 熱回収による発電等の余熱利用が可能である 処理対象廃棄物量に対して約 1/10 の焼却灰 ( 主灰 飛灰 ) が発生する ストーカ式よりも飛灰発生量は多くなる 建設費 :4,000~5,000 万円 / 規模 t 維持管理費 : 約 7,000 円 / 処理 t ( 建設費 4,500 万円 / 規模 t, 用役費 4,000 円 /t, 定期補修費 : 建設費の 2%/ 年, 稼働日数 280 日 / 年とした場合の維持管理費は, 約 7,000 円 / 処理 t) 全国の自治体において数多く採用されていたが, ダイオキシン類対策が必要となった平成 14 年以後, 発生する飛灰量の多さから実績は少なくなっている 建設用地が小さくて済むため, そのメリットを活かした形での整備が見られる 17

2.2 メタン化 ちゅう芥の資源化有効利用技術として注目されてきている技術がメタン化 ( メタン発酵 ) である 嫌気性微生物 ( メタン生成菌 ) が発生させるメタンガスを回収し, エネルギーとして利用するものである 項目特徴 処理フロー 原理公害防止処理対象廃棄物資源化処分物 1 固形又は高分子有機物から低分子有機物に分解する可溶化 加水分解,2 低分子有機物から有機酸 アルコール類等を生成する酸生成,3 有機酸等から酢酸 水素等を生成する酢酸生成,4 酢酸 水素等からメタン 二酸化炭素を生成するメタン生成の4つの段階から, 有機物を分解する 処理対象物中の固形物濃度に応じて, 湿式 ( 固形分 6~10%) 乾式( 固形分 25~40%) に区分される 既存の公害防止設備を用いた排ガス処理 排水処理 悪臭対策等を適切に実施することにより, 排ガス 排水 騒音 振動 悪臭等の公害の発生防止は可能である 焼却処理時よりも CO 2 発生量の削減が可能となる 発生したメタンガスを化石代替エネルギーとして利用することにより, 更に抑制効果がある 有機性廃棄物の処理のみが可能である 排出時の分別精度が求められる 発酵不適物の除去が必要となる 前処理により, 約 30mm 以下にする必要がある 飼料化や肥料化に比べ, 生ごみの品質が低くても処理が可能である 生ごみ 1t 当たり 100~200m 3 / 日程度のバイオガスが得られ, 脱硫, 脱アンモニア後に発電 温水等に利用することが可能となる 一方で, 回収したメタンガスを利用するためには, 一定量以上の回収量とその供給先を確保, 安定供給, 受給バランスに考慮する必要がある ガスエンジン等による小規模な発電となる 処理対象廃棄物量に対して, 約 1/13~1/4 の発酵残渣と, 約 2/3~1/1 の発酵処理水が発生する 発酵処理水, 発酵残渣から液肥 堆肥を生成する場合, 安定的な品質と利用先の確保が必要となる 利用先を確保できない場合, 焼却等の処理が必要となる 分別不適物, 発酵処理不適物, 発酵残渣 ( 資源化されない場合 ) が発生する 18

項目コスト 1 導入実績 ( 家庭系生ごみを含む ) 特徴メタン化施設を整備した場合においても, 分別不適物 発酵処理不適物 発酵残渣を処理するためには焼却施設を整備する必要がある 参考 : メタン化施設のみを整備する場合建設費 : 約 3,000 万円 / 規模 t 維持管理費 : 約 11,000 円 / 処理 t( 人件費除く ) 近年, 分別収集した家庭系生ごみ 汚泥を対象とした施設の整備が見受けられる 長野県下伊那郡西部衛生施設組合( 平成 12 年 : 家庭系 事業系生ごみ 8t/ 日, し尿 10kl/ 日, 浄化槽汚泥 6kl/ 日 ) 新潟県上越市( 平成 12 年 : 家庭系生ごみ 8t/ 日, し尿 70kl/ 日, 浄化槽汚泥 170kl/ 日 ) 北海道南宗谷衛生施設組合( 平成 15 年 : 家庭系 事業系生ごみ 10t/ 日, し尿 10kl/ 日, 浄化槽汚泥 6kl/ 日 ) 北海道砂川保健衛生組合( 平成 15 年 : 家庭系 事業系生ごみ 22t/ 日 ) 北海道中空知衛生組合( 平成 15 年 : 家庭系 事業系生ごみ 55t/ 日 ) カンポリサイクルプラザ ( 平成 16 年 : 家庭系生ごみ 食品廃棄物等 50t/ 日 ) 長野県浅麓環境施設組合( 平成 18 年 : 家庭系 事業系生ごみ 19t/ 日, し尿 74kl/ 日, 浄化槽汚泥 49kl/ 日, 下水汚泥 33t/ 日 ) 大分県日田市( 平成 18 年 : 家庭系 事業系生ごみ 24t/ 日, 豚ふん尿 農集排汚泥 56t/ 日 ) 1 表中, 導入実績中の () 内は ( 稼動年 : 処理対象物 処理能力 ) を示す メタン発酵情報資料集 2006 ( 財団法人廃棄物研究財団メタン発酵研究会 ) より作成 19

2.3 炭化 廃棄物を熱分解し, 炭として回収する技術であり, 燃料, 土壌改良材, 融雪材, 浄化剤, 臭気 湿気除去等, 生成物の利用が広く期待される 項目 特徴 大気放散 処理フロー 受入炭化熱分解ガス二次燃焼排ガス処理 炭化物 原理公害防止処理対象廃棄物資源化処分物コスト 投入されたごみは, 破砕及び磁選機により鉄分が除去され, 乾燥炉へ供給される 供給されたごみは, 乾燥炉で水分が調整され, 炭化炉に供給される 炭化炉に供給されたごみは, 約 500 の無酸素状態で熱分解 ( 還元 ) され, 熱分解残渣 ( チャー ) と熱分解ガスとなる このとき, がれきや金属等の不燃物が発生する 金属類は方式にいって還元または未酸化状態で回収される 熱分解残渣 ( チャー ) は, 脱塩素工程を経て炭化物として回収され, 熱分解ガスは, 再度加熱され, 炭化炉の熱源として使用された後, 排ガス処理を行い, 施設外へ排出される 木質チップ等の処理が主体で実用化されてきたが, 都市ごみ全体を処理対象物として処理することが出来る 既存の公害防止設備を用いた排ガス処理 排水処理 悪臭対策等を適切に実施することにより, 排ガス 排水 騒音 振動 悪臭等の公害の発生防止は可能である 焼却処理時よりも CO 2 発生量の削減が可能となる 発生した炭を化石代替エネルギーとして利用することにより, 更に抑制効果がある 有機性廃棄物の処理のみが可能である 排出時の高い分別精度は必要としない 生ごみ以外の異物( 割り箸等 ) の混入があっても処理することが可能であるが, 単一廃棄物で安定した処理が行える 熱回収による発電等の余熱利用が可能である 炭化物の利用用途として, 土壌改良資材, 水質浄化材, 融雪材, 脱臭材等が考えられる 一方で, 処理対象廃棄物の性状により, 炭化物の質にばらつきが生じた場合, 有効利用することが困難となる 利用用途によっては脱塩処理が必要となる 炭化物の利用先の確保が必要となる 利用先を確保できない場合, 焼却等の処理が必要となる がれき 金属類等の不燃物, 飛灰が発生する 建設費 : 約 4,000~8,000 万円 / 規模 t 程度維持管理費 : 約 11,000 円 / 処理 t 20

項目 導入実績 2 特徴 家庭系生ごみ 汚泥を対象とした施設の実績は少ない 木質チップ等の処理では実績がある 新潟県糸魚川地域広域行政組合 ( 平成 14 年,70t/ 日 ) 岐阜県恵那市 ( 平成 15 年,42t/ 日 ) 北海道名寄地区衛生施設組合 ( 平成 15 年,20t/ 日 ) 愛知県渥美町 田原町 赤羽根町 ( 平成 17 年,60t/ 日 ) 鹿児島県屋久島広域連合 ( 平成 17 年,14t/ 日 ) 2 表中, 導入実績中の () 内は ( 稼動年, 処理能力 ) を示す 21

2.4 飼料化 項目 有機性廃棄物を高温発酵させることにより, 家畜やペット類の飼料等として再利用することができる 特徴 < 油温減圧乾燥方式 > 処理フロー 原理 公害防止 処理対象廃棄物 有機性廃棄物を破砕 乾燥, 殺菌 ( 発酵 ), 油脂分調整等をして粉状にした飼料を作る技術 処理工程により, 発酵 乾燥方式, 油温減圧方式乾燥方式等がある 1 発酵 乾燥方式微生物によって有機物を発酵 分解しつつ安定化 ( 中熟状態 ) し, 外部熱源等で乾燥させる 2 油温減圧乾燥方式有機物に油を加えて加熱煮して, 有機物中の水分を蒸発させ, 油を分離して乾燥飼料を得る いわゆるてんぷらの原理を用いたもので, 加熱煮と乾燥 ( 有機物中の水分蒸発 ) を同時に行う点に特徴がある 既存の公害防止設備を用いた排ガス処理 排水処理 悪臭対策等を適切に実施することにより, 排ガス 排水 騒音 振動 悪臭等の公害の発生防止は可能である 焼却処理時よりも CO 2 発生量の削減が可能となる 有機性廃棄物の処理のみが可能である 家畜に餌として与えるため, 排出時の高い分別精度が必要となる 資源化堆肥化処理のような熟成用の設備や期間が不要である 一方で, 家畜等の食用となることから, 分別の徹底などによる品質及び信頼性の確保, さらに生成物の需要と安定供給が確保できねばならない 利用先を確保できない場合, 焼却等の処理が必要となる 生ごみ等の変質を防ぐ必要があり, 発生場所付近での処理が原則となる 食品製造業者, 処理業者, 畜産農家等の連携が不可欠となる 特に食用廃油の確保が重要となる 処分物 分別不適物, 処理不適物が発生する 飼料化施設を整備した場合においても, 分別不適物 処理不適物を処理するためには焼却施設を整備する必要がある コスト 参考 : 飼料化施設のみを整備する場合建設費 : 約 3,000 万円 / 規模 t 程度維持管理費 :5,000 円 / 処理 t( 人件費除く ) 22

項目 導入実績 3 特徴 家庭系生ごみ 汚泥を対象とした施設の実績は少ない 汚泥等の単一廃棄物では実績がある 三造有機リサイクル ( 札幌生ごみリサイクルセンター )( 平成 10 年,50t/ 日 ) 長崎漁港水産加工団地共同組合 ( 平成 15 年,20t/ 日 ) 3 表中, 導入実績中の () 内は ( 稼動年, 処理能力 ) を示す 23

2.5 たい肥化 項目 生ごみ等を微生物の働きによって分解 ( 発酵 ) するなどして堆肥を生成する技術である 古くから有機性廃棄物の処理法としても広く用いられている 特徴 処理フロー 原理 公害防止 処理対象廃棄物 微生物の働きを利用して, 好気的条件下で有機性廃棄物を分解する 好気性条件下の確保については, 主に機械化による強制発酵方式が用いられている 既存の公害防止設備を用いた排ガス処理 排水処理 悪臭対策等を適切に実施することにより, 排ガス 排水 騒音 振動 悪臭等の公害の発生防止は可能である 焼却処理時よりも CO 2 発生量の削減が可能となる 有機性廃棄物の処理のみが可能である 排出時の分別精度が必要となる 廃棄物に極力不適物を混入させないことが必要であり, 特に家庭から排出される生ごみには, 不適物の除去が不可欠である 資源化有機性廃棄物を有機肥料として土壌に還元できる 一方で, 製品の利用先の確保が必要である 利用先を確保できない場合, 焼却等の処理が必要となる 数週間から数ヶ月の熟成期間が必要となる 需要に季節変動があり, 変動に対応できる供給体制が必要となる 処分物 分別不適物, 処理不適物が発生する 堆肥化施設を整備した場合においても, 分別不適物 処理不適物を処理するためには焼却施設を整備する必要がある コスト 導入実績 4 参考 : 堆肥化施設のみを整備した場合建設費 : 約 2,000~5,000 万円 / 規模 t 維持管理費 : 約 10,000 円 / 処理 t 分別収集した家庭系生ごみ 汚泥を対象とした施設の実績はあるが, 規模の大きな施設の実績が少ない 家畜糞尿が中心となって実用されてきた 山形県長井市 ( 平成 9 年,9t/ 日 ) 北海道西天北五町衛生施設組合 ( 平成 14 年,8t/ 日 ) 岐阜県海津市 ( 平成 15 年,1t/ 日 ) 北海道鹿追町 ( 平成 16 年,3t/ 日 ) 4 表中, 導入実績中の () 内は ( 稼動年, 処理能力 ) を示す 24

3 北但地域における適用可能性 3.1 基本方針 廃棄物の中間処理は, 古くは伝染病対策に始まり無害安定化を図る技術として焼却技術が開始された その後, 高度経済成長期を迎え, 衛生的な生活環境の維持に加え, 多量化する廃棄物に対し, 減量 減容化を主眼とした中間処理に移行してきた 今日では, これまで環境に与えた負荷の代償を精算し, これからの持続的発展を目指すべく, 循環型社会を形成していくことが重要なテーマとなり, 天然資源の消費抑制, 環境負荷の低減, 建設費 維持管理費の節減 等, 廃棄物をとりまく課題はさらに深刻化している これらを踏まえ, 広域ごみ 汚泥処理施設の整備における基本方針としては, 下記の方針が決定されている 基本方針 1: 環境保全 公害防止対策に万全の措置を講じた施設とします 基本方針 2: ごみ 汚泥を確実 安全 安定的に処理できる施設とします 基本方針 3: 廃棄物の資源化を図り, 循環型社会の形成に資する施設とします 基本方針 4: 周辺環境と調和した施設とします 基本方針 5: 住民から信頼される施設とします 基本方針 6: 経済性に優れた施設とします 25

3.2 北但地域への適用比較 施設整備の基本方針を踏まえると, 北但地域に整備する廃棄物処理施設については, 周辺住民の理解を得られる施設としての, 環境保全 公害防止対策, 確実 安全 安定的な処理ができる施設であることが, 必要不可欠な条件として求められる また, 実現可能な資源回収やエネルギー利用が図れる方式とすること等も挙げることができる 前述した各処理方式について, 施設整備の基本方針を踏まえ, 以下の点から整理を行う 表 2 整理の項目 ( 案 ) 基本方針整理の項目 ( 案 ) 環境保全 公害防止対策 1 公害防止 -1 排ガス -2 排水 -3 悪臭 -4 騒音 振動 2 温暖化ガス排出抑制効果確実 安全 安定的な処理 1 施設整備実績 2 施設稼働実績 3 確実 安全 安定的な稼働 -1 ごみ質変動等による安定性 -2 災害時の対応 -3 事故, 緊急停止時の安全性資源化 1 北但地域収集体系への適合性 2 資源回収 エネルギー回収 3 回収資源 エネルギー利用先の確保 安定性 4 最終処分周辺環境との調和 1 周辺環境との調和住民からの信頼 1 住民からの信頼経済性 1 建設費 2 維持管理費 各詳細の項目を整理した結果を, 次頁の表に示す 26

表 3 有機性廃棄物の各処理技術の整理結果 ( 案 ) 基本方針 焼却施設 ( ストーカ式 流動床式 ) メタン発酵 (+ 焼却処理 ) 炭化 飼料化 (+ 焼却処理 ) 堆肥化 (+ 焼却処理 ) 環境保全 公害防止対策 確実 安全 安定的な処理 資源化 ( エネルギーの安定利用, 最終処分 ) 周辺環境との調和 住民からの信頼 経済性 まとめ 27